【愛.金.水商売4】
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#201 [主]
そんなチッポケな悩みだと言うチハルサンは、

そんなチッポケな話を私にしてくれた。


ユミチャンとコサカ

ユミチャンとお客さん

目に見える大きなことだけを見て、

私は何も見ていなかったんだと


人のチッポケな悩みで知らされた‥

⏰:08/11/15 02:05 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#202 [主]
「ははっココナサンらしくない(笑)
ココナサンは面白くないギャグでも言ってて下さいよ」




チハルサンは店にとって大事だと、


そう思っていた私は、チハルサンを見ているようで、心を見ていなかった。



「もぉ〜(笑)
いつもワザト滑ってるの」
チハルサンとこうやって素のまま話したのは初めてだった。

⏰:08/11/15 02:09 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#203 [主]
ユミチャンと本気でぶつかった事はあるだろうか。


ユミチャンの心の奥を聞いた事があっただろうか。



ユミチャンの繰り返してきた事は言い訳をされても許せない。

店には必要ない。

それは今さっきと変わらない。

だけど私は、ユミチャンの言い訳を聞こうとしていただろうか。

⏰:08/11/15 02:12 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#204 [主]
サナエママは、いつも私に声をかけてくれた。



少しでもいつもと様子が違うと話を聞いてくれた。


そんなサナエママだからこそ私は大好きだった。

店に私情は持ち込んじゃ駄目だと言ったサナエママは、お客さんがいない時、私情を心配してくれた。




「チハルサンはGclubが楽しいですか?」

⏰:08/11/15 02:22 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#205 [主]
「楽しいですよ。
ココナサンみたいな人がいるから(笑)」




チハルサンも、リィユンも、私を好きだと言う。


チハルサンがいつもより元気がない時、気付いていながら心配した事ない私を好きだと言う。



チハルサンやリィユンを、偽りない気持ちで好きにならないといけないのは私のはずだった。

⏰:08/11/15 02:26 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#206 [主]
「ココナサ〜ン!!
今さっきの音程が分からん〜!!」



ほら。いつもこうやってみんなは私に話しかけてたじゃない。

当たり前すぎて気付かなかった。


メンドクサイと言い、私は何にメンドクさがっていたのだろう。

⏰:08/11/15 02:29 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#207 [主]
「確かにズレてたよぉ(笑)
そこはもう少し高いかな」


少人数のスタッフを分からずに


何百人といるお客さんが分かるはずない。


流れゆくものが多すぎて

大切なものをその波に流していた。


私の役目はスタッフの心を癒すこと。

⏰:08/11/15 02:33 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#208 [主]
そしてそのスタッフ達がお客さんを癒す。




私の立場は売り上げを守り続けることだけじゃない。



チッポケな悩みで気付かされた。

⏰:08/11/15 02:35 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#209 [主]
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄






「‥そうか、ユミチャン呼ぶ?」


M2のボックスでさっきまで黙って聞いていたGマスが静かに口を開く。




「はい‥」

ワンコールで電話に出るユミチャン。

⏰:08/11/15 02:37 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#210 [主]
「今M2にいるの。来れる?」



「‥怒られますよね‥‥」


「そうだね」


「今は友達が来てるので‥」


「どっちが大事?
今日犯した出来事に向き合うのと」


「‥スッピンなんで‥‥」


何かと理由を付けて避けようとする。

⏰:08/11/15 02:41 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#211 [主]
「構わないよ」


「明日でもいいですか‥」


「その明日からのことを今から話すんだよ」


「それって‥‥」



今から行きますと電話は切れ



十分も経たないうちにユミチャンは顔を出した。

⏰:08/11/15 02:44 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#212 [主]
「ユミチャン‥ココチャンが怒ってるよ」


話しを切り出したのはGマス。




「すみませんでした‥」

スッピンだと断ったユミチャンは化粧がバッチリだった。




「何回同じこと繰り返したら分かるの?」

⏰:08/11/15 02:47 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#213 [主]
「もうしません‥約束します‥」


ユミチャンの目をずっと見ているけど、目が合うことはない。




「その言葉聞き飽きたよ」


今回は本当ですと、化粧バッチリな目からは黒い涙が零れ落ちている。


「すみません‥」

⏰:08/11/15 02:51 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#214 [主]
「なにが?」



「約束破って‥」


「あの時お客さんがいたらどうしてたの?」


「‥無理矢理にでも先輩を帰らせてました‥‥」


「あの状況で?」


私の質問責めは止まらない。

⏰:08/11/15 02:54 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#215 [主]
「‥」




重たい沈黙の中、グラスの中の氷が溶けカランと音たてる。



「ココチャンは君をクビにしてくれって」

その言葉に声を出して泣くユミチャン。


「正直‥金絡みでここまで店を巻き込むようじゃ、俺も君を必要とはしないよ」

⏰:08/11/15 02:57 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#216 [主]
Gマスの優しい口調は逆に怖い。




「すみません‥すみませんすみません‥辞めたくないです‥頑張りたいです‥グスッ」



どうしてここまでユミチャンはGclubにしがみつくのか。


「ココチャン?」

君も何か言いなさいと。

⏰:08/11/15 03:00 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#217 [主]
「クビにしてください」

「や‥やだ‥嫌です‥嫌です嫌です嫌です‥もう繰り返さないって約束します‥約束します‥」











「ならお前は今ここで契約書にサイン出来るんか!!」

⏰:08/11/15 03:02 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#218 [主]
Gマスの怒鳴り声は店内に響き渡る。





「できます‥出来ます‥」





「血印でやぞ!!」


自分の血で判子を押せるか

約束すると言う気持ちはどこまで本気なんだ

⏰:08/11/15 03:05 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#219 [主]
言葉だけの約束は聞き飽きた、と。



自分の体を傷つけてまでお前は約束出来るのか


それ程の事をしている

それ程の勇気はあるのかと、Gマスの怒りは頂点に達していた。




「で‥きます‥」

⏰:08/11/15 03:08 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#220 [主]
怯えた体に震えた声。



Gマスはお構いなしだった。




「おい画鋲持ってこい」


M2のスタッフはどうすればいいか分からずアタフタする。



「ユミチャン‥あなたがしてる事は簡単に許されることじゃないの」

⏰:08/11/15 03:11 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#221 [主]
「他のスタッフにも迷惑かけてるの。
もちろんGマスにも」



Gマスが興奮状態な分、私は冷静だった。




「は‥い‥‥」


涙の止まらないユミチャンにまた怒りを覚えるGマス。

⏰:08/11/15 03:14 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#222 [主]
「泣くなや


泣いて済まされんことをお前はやってんや」




さっさと画鋲でもカッターでも持って来いと言うGマスは、ヤクザにしか見えなかった。







「Gマス‥もういいやん‥」

⏰:08/11/15 03:17 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#223 [主]
落ち着いた声で話を割ったのはM2のマスターだった。








「マササン‥」



M2のマスター、マササンを呼び捨てで呼ぶ同業者はいない。

マササンと長年親友のGマスでさえ当たり前のようにマササンと呼ぶ。

⏰:08/11/15 03:21 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#224 [主]
Gマスが一番心許し、信頼している人。


もちろん、マササンもGマスに一番心許し信頼している。


腐れ縁の親友。







「もういいやん、ユミチャンも反省してるんやし」

今までの繰り返しもマササンは全て知っている。

⏰:08/11/16 23:55 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#225 [主]
私とGマスがM2で飲む席、Gマスはマササンに話していたから。

マササンは大半の事を知っているはず。


マササンも人としておかしいと言っていた。

ただ、今の状態の、血印を押せと言うのはかわいそうだと思ったんだろう。


Gマスの怒りや暴走を止めれるのはマササンだけ。

⏰:08/11/16 23:58 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#226 [主]
「ココチャン‥最後のチャンスあげたら?」



「最後最後って三回目です」


もうしません
約束します

何度聞けと言うのか。

信じられる訳がない。

お客さんを怒らせるなとか、風邪を引くなとか、そうじゃなく、ユミチャンのお金のだらしなさは性格だ。

⏰:08/11/17 00:01 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#227 [主]
その性格が言葉一つで直るとは思えない。



「ねぇ」


私の声にユミチャンは顔をあげる。



「ユミチャンは年上の人を足に使うのに何も抵抗ないの?」


私は他にも言いたいことがあるんだ。


「‥え?」

⏰:08/11/17 00:05 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#228 [主]
何の事ですかと首を傾げる。

とぼけているんじゃなく、突然の振りに分からないんだろう。




「学生の時や地元で年上を足に使うことは許された?」


ユミチャンが十代の頃、ヤンチャしていたのは知っている。


なら余計に分かるはず。

若いながらの上下関係は。

⏰:08/11/17 00:09 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#229 [主]
「ありえないです‥」


「なら何でチハルサンを足に使うわけ?
チハルサンは目上の人じゃないの?」


話が変わる内容にGマスとマササンは何のことか分からない状況に対し、ユミチャンはバレたという顔をする。



「困ってて‥‥」

⏰:08/11/17 00:12 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#230 [主]
「なら何でチハルサンやねん!?
リィユンやコサカも車あるやろ!!
何で選んだようにチハルサンやねん!!」



気付いていた。

ユミチャンのずる賢さが働いていたのには。


リィユンと私は仲がいい。

コサカとも普通に仲がいい。

それはユミチャンも分かっている。

⏰:08/11/17 00:14 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#231 [主]
チハルサンはレギュラーでもなければ、特別仲がいい事もなく、プライベートを話すこともなかった。


実際チハルサンに話を持ちかけられた時、私でさえ驚いたんだ。

チハルサンのママ友達は、チハルサン同様、レギュラーじゃなければ車を持っていない。

私にバレないよう頭を使って人を選んでいることくらい気付いていた。

⏰:08/11/17 00:17 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#232 [主]
「そんなとこで変に頭使うくらいなら仕事に使えや!!
仕事にいかせよ!!」



「お前のそうゆう性格が嫌いやねん!!
約束も口約束だけで誰がまたチャンスなんかあげるかよ!!」



お客さんのいないチハルサンの事を私は頼りにしている。

お客さんに好かれようと努力するリィユンを私は応援している。

⏰:08/11/17 00:24 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#233 [主]
ユミチャンにだけは負けたくないと営業を頑張るコサカを分かっている。


ただそれだけ。


何かしらの理由で働くスタッフ。

ユミチャンも頑張っているのは分かる。

頑張っているなら頑張るで、それで人は少なからず評価される。

その評価を自分自身マイナスに下げているのはユミチャン本人だ。

⏰:08/11/17 00:26 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#234 [主]
「ココチャンがクビって言うなら俺は君をクビにするしかないよ、店はココチャンに任せてるからね」




どさくさに紛れて、マササンまでボックスに座る。



「まぁ‥ココチャンが言うなら仕方ないなぁ‥」


Gマスとマササンの同意見。

⏰:08/11/17 03:30 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#235 [主]
「ゥ゙ッ‥ココ‥グズ‥ナサンは‥ユミが嫌いです‥か‥」



汚くダラダラと目からではなく鼻から涙が出ているユミチャンを見て、私は‥







ハンカチを渡した。

⏰:08/11/17 03:34 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#236 [主]
「ありがとうござ‥って!!こんな綺麗なハンカチ使えません!!トイレットペーパー持ってきます」


ハンカチをテーブルに置き、トイレにたとうとするユミチャン。




「私は好きな子じゃないとハンカチは渡さないよ」



私の言葉に振り向き、もう一度席につく。

⏰:08/11/17 03:38 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#237 [主]
「どうゆう‥意味ですか‥?」


少し雰囲気も落ち着いたのを察し、マササンは店の外へ出る。






「ユミチャンのこと嫌いじゃない。
とゆうか‥私は人に好き嫌いはないよ。
関わりたくないとかは思うことあってもね」


「今日チハルサンと喋って、当たり前な大事な事を思い知ったね」

⏰:08/11/17 03:43 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#238 [主]
「‥聞いてもいいですか?」


隣に座るGマスも、黙ったまま耳を傾ける。


Gマスからの視線は、ココナへ向ける視線ではなく、あっチャンに向ける視線だった。


優しい目‥

私にしか見せない優しい目‥


ユミチャンはこの目に何も感じないだろう。

⏰:08/11/17 03:47 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#239 [主]
だけど私には分かる。


私だけには分かるんだ‥






「ユミチャンにも謝るね、私ユミチャンの悩み事とか聞いてあげた事なかったね、
店の中で指示を出したり、売り上げを維持したり、それももちろん私の役目。
だけどね、ユミチャンやスタッフの悩み相談まではいかなくても、ユミチャンの抱えているものに気付いてあげられなかった」

⏰:08/11/17 03:51 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#240 [主]
「一匹狼卒業しようと思う」



「…はぁ‥‥」



言っている意味が分からないといった様子。

そりゃそうだ。

話が飛び飛びなうえ、突然私の話になっているんだから。



「けどね、ユミチャンをGclubにこれ以上置いとくのは無理だよ」

⏰:08/11/17 03:57 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#241 [主]
「いやです…嫌です嫌です嫌です!!
ユミはGclubが好きなんです

好きなんです‥
やだ‥やだやだぁぁぁぁぁあ…………」


クビだと何度も言われてまで、Gclubにしがみつくユミチャン。






「ねぇココチャン」


やっと口を開いたGマスを見る。

⏰:08/11/17 04:00 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#242 [主]
「゙この仕事が好ぎ゙ここが好ぎって、普通のサラリーマンとかは言わないよね?」



「はぁ…」


「俺は君がクビにしろってまだ言うなら即クビにする。
けどね、俺の店を好きだと言ってくれる子は珍しくてね」


好きな仕事が見つかった

好きな居場所が出来た

仕事を好きだと言える人は少ないんだよと…。

⏰:08/11/17 04:05 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#243 [主]
私は‥









私もこの仕事が好きだ――

周りに偏見を持たれても、私は胸を張って言う。

私は水商売が好きです‥と。

⏰:08/11/17 04:09 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#244 [主]
サナエママが大好きだった。

ケンサンが大好きだった。


サキが大好きだった‥


この世界で出会う人が大好きになった―



ねぇサナエママ―…?

サナエママなら、もしココナがサナエママのお客さんを足に使ってお金を借りて、
また違うお客さんから大金を借りて、
金絡みのプライベートの事で店を巻き込んだとするじゃん‥

⏰:08/11/17 04:13 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#245 [主]
怒るよね、怒鳴るよね‥








私を見放す?



『ココナを見放すわけないじゃん!!』


昔いつの日かに言われた言葉。

⏰:08/11/17 04:15 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#246 [主]
だけどそれば、サナエママも私を信用しているから。


私がサナエを信頼していたように。









「‥Gマスの判断に任せます」


答えが分からなくなった。

⏰:08/11/17 04:17 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#247 [主]
ユミチャンは嫌いじゃない

嫌いなのはユミチャンのずる賢い性格。

嘘を平気で付こうとする性格。


その反面、ユミチャンのいいところは分からない。

まだ見ていないから。
見ようとさえ思わなかったから。


ハンカチを渡した時、好きな子にしがと言ったけど、それは訂正しないといけない‥。

鼻から涙を流すユミチャンが、Gclubを好きだと言ったユミチャンが

⏰:08/11/17 04:28 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#248 [主]
その時だけ
本当にその時一瞬










『サキはチューリップが好きやから続けるな』


そう言ったサキと被ったから‥。

⏰:08/11/17 04:30 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#249 [主]
「マササン」


いつ戻ってきたのか、カウンターで一人煙草をふかすマササン。





「画鋲かして」



一度目とは打って変わって優しい声で。


Gマスの出した決断は分かった。

⏰:08/11/17 04:36 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#250 [主]
マササンも冷静なGマスを見て、画鋲の入った小さな入れ物を差し出した。








「次何かあった時はクビだけじゃない。
風俗にお前を売り飛ばす」

脅しに聞こえる内容は、Gマスの目を見れば分かる。

本気なんだと。

⏰:08/11/17 04:39 📱:W62H 🆔:☆☆☆


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