【愛.金.水商売4】
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#251 [主]
「こんなもん」



画鋲をジャラーっとテーブルにバラマケる。



「証拠にも何にもならん
ただ、お前の本気さを見るだけや。
分かってんな?次同じような事したら






売るからな」


その覚悟があるなら、もう一度、本当の最後のチャンスをやる。

⏰:08/11/17 04:43 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#252 [主]
と‥。












ユミチャンは静かに一つの画鋲を手にとった。

⏰:08/11/17 04:45 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#253 [主]
私とGマスはただただユミチャンを見る。



目をギュッと瞑り、小さな針を中指に刺そうとするが、なかなか勇気が出ない様子で止まったままだった。








「…ッ‥‥‥」


小さく漏れる声と同時に、ポタポタとユミチャンの手から血が流れ落ちる。

⏰:08/11/17 17:24 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#254 [主]
思ったよりも深く刺したのか、予想以上に血が流れ出る。





本当にユミチャンはこれが最後のチャンスだ。



なら見させてもらう。

ユミチャンの成長を‥。



私はお絞りをユミチャンに渡し、一人先に店を後にした。

⏰:08/11/17 17:30 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#255 [主]
M2の店の前でただ突っ立ち、煙草をふかす。









「ココナサン??」


もう空も明るく人通りが少ない中


「何してんの?」

⏰:08/11/17 17:36 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#256 [主]
「俺は仕事帰りっす」


「私もそんなとこかな」




「‥‥‥‥」


「‥‥‥‥」



四つ葉のホストが黙り込む姿は初めてで、気まずいとさえ思ってしまう。

⏰:08/11/17 17:39 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#257 [主]
「ねぇココナサン‥」



酔っているのか


テンションがただ低いだけなのか



四つ葉のホストの声は少し震えている。




「俺ね‥片思いって得意なんすよ」


話の意味が分からず新しい煙草に火をつける。

⏰:08/11/17 17:42 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#258 [主]
明るい中で四つ葉のホストの顔をまじまじと見るのは初めてで、綺麗な顔をしているなと初めて気付く。




‥カァ〜カァ〜



隣のゴミ捨て場にはカラス。







「何年でも待ちますから‥」

⏰:08/11/17 17:45 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#259 [主]
毎日顔を合わし、カルピスを毎日のように手渡され、たわいもない話をし、お互い店に戻る。




それが私達二人の関係。







「先のことを決めつけちゃ駄目だよ」


あなたが私を想っていることには気付いていた。

⏰:08/11/17 17:48 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#260 [主]
「俺ね‥あなた見てるといつも思うんです」



突然の出来事に

突然すぎる言葉




「どうしてそんなにも淋しそうにいつも一人なのかなって‥」

君はいつから私を見ていた――‥?

⏰:08/11/17 17:52 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#261 [主]
「店から聞こえるココナサンの声は誰より元気で、いつも笑い声が聞こえます」





それはココナだから‥――



「なのに一歩外に出れば、いつも淋しそうに煙草を吸ってる」



ガチャっと扉の音が聞こえる。

⏰:08/11/17 17:56 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#262 [主]
私は‥今扉から出てくるあの人を待っている。








「今日はカルピスないんだね」



それだけを言い残し、Gマスの車まで歩く。



これ以上、四つ葉のホストの言葉を聞くのは辛かった‥。

⏰:08/11/17 18:00 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#263 [主]
「あっチャン帰ろ」







私はこの人の声が聞きたいんだ。




私はこの人の隣にいたいんだ。



私は毎日この人の迎えを待っている。

⏰:08/11/17 18:03 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#264 [主]
「あっチャン大丈夫?

ユミチャンの件や何もかも君に任せてばかりでごめんね」







車は私の家の隣のラブホテルに入る。



抱き合う中
手を必ず握る中


Gマスの香水が香る。

⏰:08/11/17 18:15 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#265 [主]
「Gマスって体臭臭いんですか?」


「失礼な質問だね」




いつも香るGマスの臭いは、ほんのり香るとかじゃなく、


香水!!

という程臭いがキツい。


抱きついた時にもツンツンと鼻にくる臭いに最初は慣れずいた。

⏰:08/11/17 18:18 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#266 [主]
今ではそのキツすぎる臭いが大好きで



ツンとする臭いが大好きで。



あなたを取り囲む香りが大好きで。




「あげる」

そう言って鞄の中から残り半分の香水を渡す。

⏰:08/11/17 18:24 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#267 [主]
「つけるのは少しにしなよ」



俺みたいに臭くなるからと笑いながら私の手首に一振りするGマス。





たかチャンとの恋
ユミチャンのもめ事
なぎさサンのかき回し
みなみサンとの壊れた仲
四つ葉のホストの気持ち
Gclubのこと
‥気付いてしまったGマスへの想い。

⏰:08/11/17 18:30 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#268 [主]
Gマスと同じ香りが手首から香る。










「Gマス‥家に着いてきてくれますか?」




あの過去の詰まった引き出しを

Gマスからもらった思いの紙

目を赤く腫らしたあのうさぎを‥

⏰:08/11/17 18:32 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#269 [主]
「あっチャン‥」



初めて家に上がったGマスは部屋を見渡し何か言いそうだった。


多分テーブルの上に無造作に置いてあるビールの空き缶に飽きれたんだろう。


私はそんなGマスの手を握る。

⏰:08/11/17 20:47 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#270 [主]
体が震えているのが自分でも分かる


握る手は汗ばみ


引き出しに手を伸ばす片方の手は小刻みに震え‥





怖い‥怖いよ‥



でも‥

⏰:08/11/17 20:49 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#271 [主]
「あっチャン‥?」




この手と
この声の温かさに



背を向けたくないと思った‥





ウサギの頭を撫でてあげたいと

思ったんだ‥――

⏰:08/11/17 20:51 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#272 [主]
もう殻に閉じこもりたくないと


リィユンやチハルサン‥私を必要とする周りの人と‥




Gマスと‥


向き合いたいんだ―

⏰:08/11/17 20:53 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#273 [主]
そっと引き出しに手を伸ばし






ハンドタオルにくるまったウサギを手に取る。



そっとハンドタオルを開ける。

⏰:08/11/17 20:55 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#274 [主]
…ねぇ‥‥








泣かないでよ‥


目を赤くしないでよ‥






「‥‥ッ‥ヒック‥」

⏰:08/11/17 20:57 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#275 [主]
「梓ってウサギみたいやな」

「梓タンポポ好きやなぁ」

「梓って音符みたい」

「梓が忘れられへんかった!!」

「梓じゃないとあかんねん」


「あの夜景何万ドルや??」

「年齢なんか関係ないやんけ!!」

「梓!!」

「あずさ」

⏰:08/11/17 21:13 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#276 [主]
「これで最後じゃない!!」

「一日なら会えると思った‥」


「圭チャン見て〜ペンギン〜♪」

「百万ドル〜!!」

「圭チャンおかえり」

「梓‥ただいま」

「もう一度指輪つけてくれるか?」

「圭チャン大好き!!」
「月に一回は夜景行こうね」

「あずさ」

⏰:08/11/17 21:19 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#277 [主]
「あずさ‥



ごめん‥」










⏰:08/11/17 21:19 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#278 [主]
「いやぁぁぁぁぁあぁぁあ‥



け‥チャン‥けいチャン‥



圭チャン‥


ヒック‥ウ‥ヒック‥ッ」





過去が‥


フラッシュバックする‥――

⏰:08/11/17 21:21 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#279 [主]
「あっチャン?!」



突然の私の泣き声に、Gマスはただ私を抱きしめる。





「圭チャン‥圭チャン‥」



私は狂ったように同じ名前を繰り返し泣き叫ぶ――‥

⏰:08/11/17 21:24 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#280 [主]
圭チャンが好きだった

ただ真っ直ぐに圭チャンが好きだった


同じコップに同じ煙草

お揃いのリング


全身で圭チャンを愛していた



まだ子供な私は

その小さな体と心で


あなたを愛してた―

⏰:08/11/17 21:27 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#281 [主]
あの日あの海でリングを流した日


あの日あの時

ごめん

とメールが鳴った日




涙は出なかった‥


泣いてしまえば

あなたはもう過去の人なんだと

圭チャンはもういないんだと

実感するのが怖くて

⏰:08/11/17 21:29 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#282 [主]
ただ怖くて‥


あなたがいないなんて思いたくなくて‥


悲しむことさえ

泣くことさえ

恨むことさえ‥


何も出来ずに――‥



あなたを本当に愛していたから――――――――‥

⏰:08/11/17 21:31 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#283 [主]
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄



「ごめんね‥ずっと一人にして‥


ずっとずっと泣いてたよね‥


もう‥泣かなくていいから‥君の分‥私が泣くから‥」



こんなおかしな私にGマスは、何も言わなかった。

誰に話しかけているのかも‥圭チャンは誰なのかも‥握るウサギのことも‥。

⏰:08/11/17 21:41 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#284 [主]
どれくらい振りに涙を流しただろう‥



どれくらい振りにあなたの名前を呼んだだろう‥








「あっチャン‥これ‥」


Gマスの手には一枚の紙切れ。

⏰:08/11/17 21:47 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#285 [主]
どれだけ泣いただろう

どれだけあの人の名前を呼び続けただろう


出会った日から
一度目の別れ
二度目の再会
そして別れ
圭チャンとの過去が細かいことまで‥

圭チャンの顔が
圭チャンの声が


全てがフラッシュバックして


私は時間は止まったかのように過去に戻っていた。

⏰:08/11/17 23:02 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#286 [主]
「持ってたんや」




そして







動き出す。


忘れていた想いが。

⏰:08/11/17 23:11 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#287 [主]
「ボールペンもないんかこの家は」




一生分の涙を流しただろうくらいの私も落ち着きを取り戻す。




「ありますけど‥」


鞄の中から手帳にくっついたボールペンを手渡した。

⏰:08/11/18 01:53 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#288 [主]
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
家に上がったのは初めてじゃありませんでした↓
思い出しながら書いているので間違えに気づけば訂正致しますm(_ _)m
すみません↓梓
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

⏰:08/11/18 01:59 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#289 [主]
「あっチャンが書くねん」


引き出しから取り出しただろう小さな紙を手渡される。




「これはGマスが置いて帰った置き手紙ですよ」



゙好ぎその二文字が書かれている紙。

゙好ぎを思い出さないように閉まっていた。

⏰:08/11/18 02:01 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#290 [主]
「何を書けばいいですか?」


書く場所は紙の裏しかない。



「なんでも」





一言書いた紙をGマスに渡す。

⏰:08/11/18 02:03 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#291 [主]









香水臭いあなたが好きです






⏰:08/11/18 02:04 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#292 [主]
「香水臭いって何やねん」


苦笑いするGマス。





「Gマスの臭い好きです」


言葉は悪かったかもしれないけど、嘘じゃない。

香水がキツすぎる
香水臭いともとれる香りの

Gマスが好き。

⏰:08/11/18 02:07 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#293 [主]
「あっチャンおいで」








いつもの光景。

何も変わらない。






なのに、一生分流したと思った涙はまた溢れ出す。

⏰:08/11/18 02:08 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#294 [主]
圭チャン‥元気ですか?


あなたをやっと


゙思い出゙と言う形に出来そうです。







今隣にいる人の温もりが――私には居心地いいよ。


あなたが大好きでした。

⏰:08/11/18 02:15 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#295 [主]
もうとっくに


あなたの中で私ば過去゙になっていたのかな。




それでもいい。



やっとあなたに追いついたから。



圭チャン‥また泣き虫な私がただいまって言いました。

⏰:08/11/18 02:18 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#296 [主]
゙おかえり゙と言う言葉の変わりに




何も言わず抱きしめてくれる人がいる。







私は明日行きたい場所がある。

⏰:08/11/18 02:22 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#297 [主]
懐かしい風景



毎日タクシーで通っていた道をうさぎを抱いて、ゆっくりと歩く。



この街にお客さんは私をアフターに誘ったことがある。

だけど私は断る。



今向かっている場所とあまりにも近かったから。


そこに今私は立っている。

⏰:08/11/18 20:53 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#298 [主]
Gマスには今日だけ遅番にしてくれと頼んだ。


休みが1日もない私にGマスは駄目だと言わなかった。


一度も休みたいと言ったことがない私に、Gマスはきっと何かあると思ったはず。


けれどGマスは私に何も聞かない。


そんなGマスだからこそ、落ち着けるんだと思う。

⏰:08/11/18 20:56 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#299 [主]
真っ白なドレスを身にまとい、キラリと光るアクセサリー。



そして手にはうさぎ。





目の前にはチューリップの絵。

⏰:08/11/18 20:58 📱:W62H 🆔:☆☆☆


#300 [主]
ドアノブを握る手が汗ばむ。






その場から動けずにいた。







「ココナ?!」

男性の声にビクッとする。


後ろを振り向くと、懐かしい顔が私を覗き込む。

⏰:08/11/18 21:02 📱:W62H 🆔:☆☆☆


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