うまく言えない
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#111 [サな]
うちは携帯を持って外に出た。
もう外は薄明るくなっていた。
携帯の電話帳を開いて、"水野くん"を探す。
"水野くん"を"曜"に変えて、登録し直した。
"曜"を開いて発信ボタンを押そうとしたとき、画面がいきなり変わった。
━着信━
曜
090********
:08/12/10 02:38 :D905i :☆☆☆
#112 [サな]
「もっ…もしもし!?」
「出るの早いね〜笑」
「…今うちも曜に電話しようとした」
「まじで?」
「うん。びっくりした」
「そか。何かあった?」
「んーん、何もないよ」
:08/12/10 02:41 :D905i :☆☆☆
#113 [サな]
「紗奈が何もないのにかけてくるとか珍しくやん」
「そう?」
「そう」
「…ちょっと不安で寂しくなった」
「え?」
「このまま曜から連絡来んなったらどうしようって思ったら、怖くなった」
:08/12/10 02:46 :D905i :☆☆☆
#114 [サな]
「…そんなん言われたら期待してしまうやん。俺、本気やし、紗奈が不安になるなら毎日電話する。紗奈が会いたいって言うてくれたらいつでも会いに行くし、俺が会いたいと思ったら会いに行く 笑」
「なんやそれっ 笑」
「ま、仕事中は無理やけどな!」
「わかっとるわ!」
「…なぁ、紗奈、俺ほんまに紗奈んこと好きや。…やし、色々話してくれる気になったら話してな。真剣に聞くから」
「うん。ありがとう」
:08/12/10 02:51 :D905i :☆☆☆
#115 [サな]
曜…
うちも多分曜のこと好きやった。
でもな、無理やん。
曜に好きって言う資格なんかなかった。
:08/12/10 02:53 :D905i :☆☆☆
#116 [サな]
それからうちは家に入って寝た。
11時くらいに志乃に叩き起こされた。
「紗奈!どーやったん!?」
「…うん。」
「うん。やないよ!どーやったん!?」
うちはあったこと全てを志乃に話した。
:08/12/10 03:00 :D905i :☆☆☆
#117 [サな]
「そっか…」
って志乃は言った。
七瀬のことを察して…。
「とりあえず全部曜くんに話してみ?紗奈の久しぶりの恋やん!うちは応援するでっ」
「うん…ありがとう」
:08/12/10 03:03 :D905i :☆☆☆
#118 [サな]
少し気持ちが落ち着いた2日後の夜、うちは1人で電車に乗ってH市に向かった。
H駅に着いてから曜に電話を掛ける。
「もしもしどしたあ?」
「今H駅おるんやけど来れる?」
「は?1人?」
「うん。」
「絶対そっから動くなよ。絶対1人で駅の外出るなよ!すぐ行く」
:08/12/10 13:42 :D905i :☆☆☆
#119 [サな]
何か凄い必死だった。
何で出たらだめなんやろ?って思った。
H市に来るのは実は初めてで、どんなところかすら知らなかった。
田舎なわけでもないけど、特別有名なところがあるわけでもないし、今まで行く必要性がなかったから。
出るなっていわれたらよけい気になるのが心理なわけで、興味本位でちょっと覗いてみようと思って少し進んだ。
:08/12/10 21:02 :D905i :☆☆☆
#120 [サな]
外が見えるところまで行くと、10数人が駅前に溜まっていた。
これだから出るなって言ったんかな?そんなんM駅のほうがもっと大人数で溜まっとるやん。
そう思って突っ立っていたら、そのうちの1人がうちに気付いた。
「こんな時間に何しよんや?」
「別にあんたに関係無いやん」
「強気やね〜。ちょお、俺らと遊ぼうや」
「無理やし。何が楽しくてあんたらと遊ぶん」
:08/12/10 21:09 :D905i :☆☆☆
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