うまく言えない
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#1 [サな]
うまく言えないけど

溢れてくる

この声もこの涙も

君を想えば

⏰:08/12/04 09:44 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#2 [サな]
曜<よう>と出会うまで

適当なことばっかりしてきた。

曜に沢山教えられたよ。

うまく言えないけど‥

愛してる。

⏰:08/12/04 09:55 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#3 [サな]
曜と出会う何年も前の話。


うちは市内で一番

悪くて有名な中学に入学した。

それがきっかけで

すべてが変わったんだと思う。

⏰:08/12/04 09:58 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#4 [サな]
どうせみんなこんなもんだろ。

って思って化粧して

髪を染めてピアスを開けた。

スカートも切って短くして

それで入学式に臨んだ。

⏰:08/12/04 10:01 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#5 [サな]
なのに皆案外真面目だった。

髪は黒いしスカート長いし。

うちが一番目立ってたみたいで

すごい目で見られたし

先生に呼ばれて職員室で

黒スプレーをかけられた。

⏰:08/12/04 13:05 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#6 [サな]
入学式が終わって教室へ行くと

女の子が1人近づいてきた。

「髪染めとった子やろー!?
スプレーされとるしまじうける!
うち夢<ゆめ>っていうんよー。
よろしくなあー!名前なんて言うん?」

黒髪だけど顔立ちがギャルっぽくて

テンション高いしおもしろそうだし

気が合うなって思った。

⏰:08/12/04 13:13 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#7 [サな]
「うちは紗奈ってゆーよ!
夢は染めてないん?」

「染めとるけどスプレーよ。
普通に入学式くらいは
真面目にしてくるってー!
さなのこと絶対ばかやろ
って思ったもん」

「超失礼じゃんー!」


そんなこんなで

夢とは一番仲良くなった。

毎日バカして遊んだ。

⏰:08/12/04 13:18 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#8 [サな]
徐々に髪染めてる人も増えてきた。

入学して1ヵ月もすぎると、

うちと夢は先輩たちも含め

沢山の友達ができて

連むようになった。

同じクラスの七瀬(男)は

学年全体の頭みたいな感じで

うちはその七瀬とかなり仲良かった。

⏰:08/12/04 13:23 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#9 [サな]
七瀬は格好いい。

喧嘩強いしキレたら怖い。

中学生のうちには

それがすごいことだった。

毎日毎日喧嘩して

「また喧嘩したーん?」

っていうのがしょっちゅうだった。

⏰:08/12/04 13:27 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#10 [サな]
夏休みに入ってから

ある日の夜中携帯が鳴った。

着信は七瀬。

「どしたん?」

「今からキリン公園来て」

「なんでー」

「いいから来い」

「わかったわかった」

⏰:08/12/04 13:54 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#11 [サな]
キリン公園は学校近くの公園で

みんな溜まってるんだろー

と思いながら行った。

でも誰もいなかった。

呼び出したはずの七瀬もいない。

ブランコに座ってぷらぷらしてると

七瀬が来た。

⏰:08/12/04 13:57 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#12 [サな]
「七瀬遅ーっ」

「ごめんごめん」

「何の用?」

「特に用はない」

「なにそれー眠いのに来たのに」

「ごめんごめん嘘」

「嘘かよ」

⏰:08/12/04 14:03 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#13 [サな]
「俺紗奈が好き。
付き合って?」


いきなりすぎてびっくりした。

は?七瀬がうちを好きって?


「うち七瀬のこと
そーゆー目で見てない。」

「今から見て。別に今
好きじゃなくても良いし
付き合っとるうちに
好きになってくれたらいい」

⏰:08/12/04 14:06 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#14 [サな]
「いいよ。うん」

OKしてしまった。

「‥まじで?ありがとう!!」

七瀬は抱きついてきた。

「落ちる落ちる!」←ブランコから

「じゃああっち行こ」

引っ張られてすべり台の

真ん中に開いてる穴に入った。

⏰:08/12/04 14:09 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#15 [サな]
七瀬は抱きつきながら言った。

「俺、入学式んときに紗奈みて
一目惚れしたんよ。
まじ今嬉しいし大事にする。」




中1の夏


初めての彼氏ができた。

⏰:08/12/04 14:11 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#16 [サな]
七瀬はうちを大事にしてくれた。

まあ最初だけだったけど。


うちは、七瀬の彼女ってだけで

一目置かれた存在になった。


喧嘩しながらもずるずる続いて

中2になるころ、初めてHした。

⏰:08/12/04 22:05 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#17 [サな]
それから七瀬は変わった。

いっつもHしたがった。

断ると殴ってくる。

浮気もするようになったし

七瀬のことを信用できなくなった。

⏰:08/12/04 22:08 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#18 [サな]
「七瀬、別れようや?」

付き合って1年たとうとする頃、

我慢しきれなくてうちは言った。

「は?無理」

「じゃあ何で浮気するん?
何で会ったら毎回
ヤらんといけんのん?
うちは七瀬の何なん?」

「じゃあお前も浮気すれば?
俺の一番は紗奈に変わりないし
別れる気無いけど
何だかんだで遊びたいじゃん?」

馬鹿だと思った。

⏰:08/12/04 22:12 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#19 [サな]
「いやいや、七瀬にとって彼女ってなんなんよ?馬鹿じゃないん?そんなら別れればいいじゃん」

「だーかーら、俺の一番は紗奈なわけ。浮気しても一番は紗奈」

「じゃあなんでうちだけじゃだめなん」

「ダメなわけじゃないけど寄ってくるし断る理由とかなくない?」

「彼女おるならそれが断る理由じゃん」

「そーか?」


話にならない。
ほっとこうと思った。

⏰:08/12/04 22:15 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#20 [サな]
それを夢に言うと

「七瀬はそーゆーやつだって。ま、紗奈が浮気すれば平等なんじゃん?」


…そういう問題か?

「ま、男紹介したるし今日ついておいで」


夢は結構顔が広い。
まあいいか。と思ってついて行くことにした。

⏰:08/12/04 22:18 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#21 [サな]
放課後夢に付いていくと

ヤンキーチックな男が何人かいた。
隣の学校の奴ら。

「この子紗奈ね。よろしくしたって」

「紗奈ってもしかして前岡紗奈?」

「うん。前岡紗奈よ」

「お前七瀬の女やろ?」

「七瀬?別れたし」


浮気の第一歩。

⏰:08/12/04 22:24 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#22 [サな]
「は?まじでー?」

「まじまじ。付き合っとられんもん」

「じゃあアド交換しよー」

「えーよえーよ」


そのアドを交換した男は悠真<ゆうま>。


金に近い髪に整った顔立ち。

少し七瀬に似てたかな。

⏰:08/12/04 22:28 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#23 [サな]
悠真にアドを教えた日から

悠真から紹介がよく来るようになった。

その悠真からの友達からも紹介がきて

男のアドは七瀬だけだったのが

あっと言う間に30人を超した。

その中の何人とも遊んだ。

世で言うヤリマンかな。

でも別に何も思わなかった。

だって自分の体だし

他の人にどーとか言われてもねw

⏰:08/12/04 22:34 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#24 [サな]
そのときは何も思ってなかったけど

後悔する日が来ることになる。


まだまだ先の話ではあるけど。

⏰:08/12/04 22:36 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#25 [サな]
そんな感じでずるずる続いて

あっという間に3年の後半。

七瀬と付き合って2年過ぎた。


七瀬は高校受験すらせず

現場職に就くと言った。

うちは隣の市の高校に行くことになった。

⏰:08/12/05 00:35 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#26 [サな]
バカで誰でも入れるような高校。

でも高校は出ておきたいし

そこに通うことになった。

七瀬とは、けじめつけよう

ってことで、卒業式の日に別れた。

七瀬がいなくなったらいなくなったで

寂しいと思う自分がいた。

なんだかんだで好きだったんだよね。

⏰:08/12/05 00:38 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#27 [サな]
高校に入ってから

イメチェンしようと思って

髪を黒くしてストレートにして

メイクも変えた。

ギャルって雰囲気だったけど

清楚っぽくしてみた。

隣の市だから中学一緒の人が

少ししかいなかったんだけど

その人たちはびっくりしてた。

⏰:08/12/05 00:42 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#28 [サな]
でも、世の中うまくいかないもんで

同じクラスに悠真がいた。

「紗奈!?」

「うわ、悠真じゃん」

「何その格好」

「ん?イメチェン笑」

「似合わねー!笑」

⏰:08/12/05 00:44 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#29 [サな]
ほっといてくれって思いながら

自分の席に着いた。

「ねえ、あの人と知り合い?」

隣にいた金髪のねーちゃんに

話しかけられた。

「うん。まあ」

「中学一緒とか?何中?」

「うちは2中で悠真は3中」

「まじかあ!M市よね?」

⏰:08/12/05 00:48 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#30 [サな]
「うん。M市。てか名前は?」

「うちは志乃!K中よー。名前は?」

「紗奈。よろしくね」


そんなことを話ながらHRが終わった。


「ねぇ紗奈、思い出したけど、紗奈って七瀬君の彼女?」


うわ…最悪

⏰:08/12/05 00:51 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#31 [サな]
「まあもう別れたけどね」

「別れたん!?てかやっぱ七瀬君と付き合っとったんよなあ!?うち紗奈のことみたことあるよ!よくM駅におらんかった?てかイメージ変わったよなあ?」

「うん。M駅溜まり場みたいなもんだったし。七瀬と別れたしせっかくやしイメチェンしてみた笑」

「まじかー!ま、仲良くしてなあ」

この志乃との出会いで、うちは曜が出会うことになる。でもまだまだ先。

⏰:08/12/05 00:57 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#32 [サな]
学校の校舎は2階建てが5つある。

123 45
┃┃┃ ┃┃
┃┃┃ ┃┃

配置はこんな感じで

第1校舎が学年ごとで頭良い人が集まったクラスの校舎。

第2校舎が3年
第3校舎が2年
第4校舎が1年
第5校舎が特別校舎。

1年だけ離れた位置に校舎があった。

⏰:08/12/05 09:23 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#33 [(゚3゚)]
ゆず好きなんですか?(´∀`)

⏰:08/12/05 12:14 📱:D903i 🆔:anePv8KE


#34 [サな]
ゆず好きですよ(^^)/

⏰:08/12/05 12:32 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#35 [サな]
第3校舎と第4校舎の間には中庭があって、昼休みに先輩達は中庭に1年を見に来た。

うちと志乃は中庭で昼ご飯を食べていたから、よく先輩に声をかけられた。

「彼氏おるん?」

「アド教えてやー」

「ちょっと話そーっ」

そんな下手なナンパ師みたいな先輩達。

まあ別に悪い気はしないし

適当に話したりしてた。

⏰:08/12/05 12:39 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#36 [(゚3゚)]
私も大好きです(^O^)
更新頑張ってください♪

⏰:08/12/05 12:45 📱:D903i 🆔:anePv8KE


#37 [サな]
その中の龍<りゅう>先輩は3年で、

うちのタイプでもあった。

その龍先輩の周りには必ず

サッカー部の春樹<はるき>先輩と

野球部の政弘<まさひろ>先輩がいた。

志乃は春樹先輩を気に入ったらしい。

うちと志乃は毎日昼休みになるまで

龍先輩と春樹先輩の話ばっかりだった。

⏰:08/12/05 12:46 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#38 [サな]
ゆずいいですよね♪
頑張ります☆

⏰:08/12/05 12:47 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#39 [サな]
なんか久しぶりに恋をした気分だった。

中学はずっと七瀬か遊びの男だったし。


ちょっと自惚れだとは思うけど、龍先輩はうちのこと気に入ってくれてるみたいだし、何もかもが順調だった。

⏰:08/12/05 12:52 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#40 [サな]
「今度の休み遊び行こうや?」

龍先輩が行ってきた。

「行く!行きたい!」


その週の土曜日、初めて学校の外で会うことになった。

⏰:08/12/05 16:21 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#41 [サな]
行ってきた×
言ってきた○

⏰:08/12/05 16:22 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#42 [サな]
次の日、早起きして化粧や服に気合いを入れた。

《準備できたよ!》

うちがメールを送ると

《M駅まで来とるから出てきて》


もうM駅おるんか!

ってことで急いで駅に向かった。

⏰:08/12/05 16:26 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#43 [サな]
私服の龍先輩は大人びて見えた。

「雰囲気違うねえ」

「こっちの台詞ー」

なんて話しながらその辺を歩き始めた。

でも嫌だったことがある。

うちの地元だから

しょっちゅう声をかけられること。

⏰:08/12/06 00:37 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#44 [サな]
七瀬のせいで顔が広くなってしまったおかげで

大してはなしたこと無い人にまで呼ばれる。

「紗奈イメチェン!?まじ違う!」

とか言われるし、高校デビューした子みたいに思われてるんじゃないかとか不安にもなった。

龍先輩はヤンキーってよりも、爽やかイケメンみたいな感じ。

うちの周りとは少し違うタイプだった。

⏰:08/12/06 00:43 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#45 [サな]
「紗奈友達多いねー」

「大した友達じゃないよ」

「でも有名人みたいじゃん」

「うちが有名人なんじゃなくて元彼が顔広いだけだって」

「紗奈の元彼ヤンキー?」

「ヤンキー…かなぁ?どーかな」

「てか紗奈中学んときってどんな感じだったん?みんな変わったって言いよるけど」

「いや、まあいいじゃん」

⏰:08/12/06 00:47 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#46 [サな]
何か過去を知られたくなかった。

七瀬のことは好きだったけど、七瀬と付き合ってた事実を知られたくなかった。


日が暮れてきた頃、龍先輩が言った。

「紗奈、俺と付き合ってくれん?」

「えっ何いきなり」

「紗奈のこと好きなんよ」


びっくりしたけどうちはOKした。
高校生活初めての彼氏が龍。

⏰:08/12/06 00:53 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#47 [サな]
志乃に報告すると、凄い喜んでくれた。

「幸せになりーよ!」

って、自分のことのように喜んでくれた。


その1週間後くらいに、志乃と春樹先輩が付き合うことになった。

⏰:08/12/06 00:56 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#48 [サな]
龍との付き合いは順調だった。

順調だったのに。







うちのせい?


七瀬のせい?

⏰:08/12/06 00:58 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#49 [サな]
龍と付き合って2ヵ月くらいのとき悠真が話しかけてきた。

「紗奈が龍先輩と付き合っとんの七瀬知ってしもーたど?」


え、で?だから何?

七瀬とは別れたのに関係ないじゃん。


「七瀬が知ったところで関係なくね?」

「いや、キレとった」


…はあ?

⏰:08/12/06 01:04 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#50 [サな]
「今、龍先輩のこと探しよるみたいで。龍先輩に言うたほうがええで。あいつ何するかわからん。」


うちはすぐに龍に電話をかけた。

「龍、今どこおる!?」

「普通に教室」

「中庭来て!」


うちの過去のせいで龍に迷惑がかかる…。
苦しくて仕方なかった。

⏰:08/12/06 01:08 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#51 [サな]
すぐに龍は来た。
何て言って良いかわからなくて、しばらく沈黙が続いた。

「どした?なんかあったんやろ?」

心配そうに覗き込む龍。
龍を傷つけたくないと思った。

「龍…うちとおったらいけん。うちと離れた方がいい。ごめん、別れよう」

涙をこらえながら言った。

涙を流せば龍に心配かけてしまうと思ったから。

⏰:08/12/06 01:13 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#52 [サな]
「何で?何かあったんやろ?俺、何かした?」

「違うよ、龍が悪いんじゃない。うちが全部悪い…。ごめん龍。」

「理由話せん?俺納得せんよ?」

「うちとおったら龍が傷付く。それだけ」

「傷つくかなんかわからんやん。」

「わかるよ。心が傷付くとかだけじゃない。龍、絶対怪我するよ。軽い怪我じゃ済まん。入院せんといけんくなるかもしれん。そんな龍見たくない…。」

⏰:08/12/06 01:20 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#53 [サな]
「そんなことだけ言われて納得するわけないやん。ちゃんと説明しろや!?」

話して納得してもらえるなら話した方がいいと思った。

そして過去を話した。
3年近く七瀬と付き合っていたこと。
七瀬という人間のこと。

このまま龍と付き合っていれば必ず七瀬が殴り込みに来るということ。

自分が過去どんな人だったかも。

⏰:08/12/06 01:25 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#54 [サな]
「やから龍とは付き合えん」

「俺と別れて解決するならそれでいいよ」



多分龍はうちに幻滅したんだろう。

話した後はやけにあっさり別れを承諾してくれた。

⏰:08/12/06 01:27 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#55 [サな]
七瀬は何がしたいんだろう?

お互い納得して別れたはずなのに。



その日の放課後電車で駅まで帰ると、七瀬とその連れが溜まっていた。

「おう!紗奈、彼氏はどーしたぁ?」

七瀬が馬鹿にしてくるように言った。

「あんたの望み通り別れてやったわ」

⏰:08/12/06 15:38 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#56 [サな]
「まじでー!?手間が省けたわぁ」

「何なんあんた?何がしたいん?」

「紗奈ぁ、寄りもどそー?」

「は?無理」

「まあ無理っつーならやることは1つやけどなぁ」

「そーやってうちに彼氏ができたら潰していく気やろ?アホか。幼稚くさい」

⏰:08/12/06 15:42 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#57 [サな]
「好きな女手に入れるのに手段は選びませーん」

「まじで付き合う気ないよ?」

「別に俺以外の人と付き合っても手回すだけやしいいけどなー」

「お前ほんまうざいな。」

⏰:08/12/06 15:54 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#58 [サな]
家に帰って冷静に考えてみた。

あぁもお恋できんなって思った。

七瀬と付き合った時点で、もうだめだったんだろうなって思った。

自分にはどーすることもできないし、これから先もし誰かを好きになっても付き合えない。

悔しかった。

七瀬となんか付き合わなかったらよかった…って本当に後悔した。

約3年付き合ってきたけど、後悔しかなかった。

⏰:08/12/06 16:08 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#59 [サな]
それからしばらくの月日がたった。

隣のクラスの絵美<えみ>がいきなり教室に入ってきた。

絵美は小柄でギャルっぽい感じ。
七瀬の親友の達也<たつや>と付き合ってる。

達也と七瀬は中学は違うけど元々仲が良かった。

絵美は絶対に七瀬のことで来たんだと直感で思った。

⏰:08/12/06 21:24 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#60 [サな]
「紗奈…!ちょっといい?」

うちは頷いて絵美についていった。

中庭のベンチに座ると、絵美は深刻な顔をして言った。







「達也と七瀬、捕まったよ」

⏰:08/12/07 01:11 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#61 [サな]
別に驚かなかった。

だって、七瀬と達也だし、何しでかしてもおかしくないじゃん?

「何で捕まったん?」

「暴力事件の現行犯…」


絵美が泣きそうな顔をして言った。

あぁ、人を見た目で判断しちゃだめだな。
絵美はそういうのにまだ慣れてないんだ。

⏰:08/12/07 01:15 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#62 [サな]
「まだ初犯だしすぐ出てくるっしょ。」

「そうかな?うち達也が近くにおらんと寂しくて死にそうやし…」

「好きでおってもいいけど、あんま依存せんほうがいいよ。どーせ今回出てきてもまたやらかすやろーし。慣れんと」

「紗奈は七瀬と付き合っとったとき寂しくなかった?七瀬は他の女と遊んだりもしてたんよな?」

「別にな。他の女と遊ばれるのも慣れとったし。正直、純粋な気持ちで七瀬や達也と付き合おうとか、無理だと思うよ。」

⏰:08/12/07 01:21 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#63 [サな]
「…紗奈冷めとるよな。何で?」

「愛とか恋とか、もううちの中からそんなもの消えた。やから興味無いんよ。まあ頑張りや。絵美が達也の本命なら、達也を支えるのは絵美しかおらんのやよ。達也の家庭環境や過去を知っとんなら、絵美がちゃんと支えてやって。留置から出るんも待ってやれるやろ?で、年少行かんようにちゃんと達也を変えてやるくらいの気持ちでおりいや」

「ありがと。…また相談していい?」

うちは返事をせずに教室に戻った。

何が楽しくて絵美の相談にのらんといけんのんかわからんかった。

⏰:08/12/07 01:32 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#64 [サな]
嫌でもどこかで繋がってる七瀬。

縁を切りたかったし、繋がりたくなかった。

ちゃんとした恋愛がしたかったのに、それさえも元彼である七瀬のせいでさせてもらえない。

ここにいる限り、恋愛しても意味がない。

そんなことを考えてるうちに、人に冷たくなっていく自分がいたんだと思う。

⏰:08/12/07 01:37 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#65 [サな]
そんなうちは高2になった。
志乃と同じクラス。

志乃は春樹先輩と別れてフリーだった。


まあ別に2年になったところで、何も変わらないだろうと思っていた。

どうせ七瀬に監視されるし、恋なんかしないって思ってた。

⏰:08/12/07 01:42 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#66 [サな]
夏休みのことだった。

家にいても楽しくないし、ほとんどを志乃んちで過ごしてた。
完全に自分ちみたいな感じ。

志乃の部屋でゴロゴロしてると、夜の12時過ぎた頃に志乃の携帯が鳴った。

「なぁー、知らん番号から電話なんすけどー」

「んー?出てみればいいじゃん」

そう言うと志乃は通話ボタンを押した。

⏰:08/12/07 01:48 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#67 [サな]
受話器ごしに話を聞けば、ちょっと前に志乃が誰かから紹介してもらったブサイク男(出●哲朗似)らしい。

「ちょい横に友達おるから友達と話して」

って言われて電話を渡された。

「もしもしー?」

「もしもしー、じゃあ俺も横におる友達に代わるね」


とか言われて電話を代わられた。

⏰:08/12/07 01:54 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#68 [サな]
「もしーっ」

なんかちょっと酔った感じの声だった。

「もしー?つか誰か知らんけど酔っとるやろ?」

「やー、今飲みよったんやんかー」

「ほーなんかー」

「名前なんてゆーん?」

「名前ー?内緒」

⏰:08/12/07 01:57 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#69 [サな]
「教えてーや!」

「前岡ちゃんですー」

「名字かよ!笑」

「自分名前なんてゆーん?」

「俺ぇ?水野くんです」

「名字かよ!笑」

⏰:08/12/07 02:00 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#70 [サな]
「前岡ちゃん何歳?」

「前岡ちゃんは今年17歳」

「んなら俺とタメやんー」

「まじかー、何高?」

「高校とか普通に行ってないし。つかこの携帯の持ち主はブサイクやけど俺そんなブサイクやないからな!格好いいお兄さんやから!笑」

「自分で言う時点でありえんわー笑」

⏰:08/12/07 02:04 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#71 [サな]
そんなこんなで気付けば1時半。
水野くんのわかったことと言えば、


中卒で現場職。
住みはH市、
今年17歳で自称きもくない 笑
出●哲朗似(19歳)はパシリ。
その日職場の人に怒られた。

そんな感じだった。


まあ眠たいし寝るってことで、お互い電話番号を交換して電話を切った。

⏰:08/12/07 02:14 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#72 [サな]
H市の水野…

聞いたことある。

七瀬の連れだったっけな?

とか思ったけど、考えるのが面倒になってやめた。

まあどうせその辺の奴は七瀬の連れだろうって。

⏰:08/12/07 02:16 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#73 [サな]
そんな電話したことなんか忘れて2週間がたった。

久しぶりに家に帰ってゆっくりしていたときだった。


〜♪〜♪
着信"水野くん"


水野…水野…あぁ、水野!

って感じで思い出して電話に出た。

⏰:08/12/07 20:15 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#74 [サな]
「お前電話してこいやー」

水野くんが言った。

「いやいや、自分がしてこい」

「待っとったのにしてこんし」

「待つくらいならしてこい」

「てか今から遊ぼー」

「はい無理ー」

「うわ。即答かい!ちょっとは悩め」

「すっぴんとスエットとかキモイやん」

⏰:08/12/08 01:45 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#75 [サな]
「大丈夫可愛い可愛い」

「見たこと無いくせに」

「俺の妄想やし」

「妄想すんなきもちわるい笑」

「絶対前岡ちゃんSやろ」

「よく言われるー」

「で、遊ぼー!」

「いや、無理やって」

⏰:08/12/08 01:50 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#76 [サな]
そんなやりとりをしつつ、世間話も交えつつ、なんだかんだで3時間も話してた。

切るタイミングも無いし話がつきるわけでもないし。

どんなタイミングで切ったか忘れたけど、電話切って即行寝た。

⏰:08/12/08 21:32 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#77 [サな]
それから毎日電話が来るようになった。

毎日毎日、遊ぼーって言われた。

毎日毎日、うちは断った。

顔も知らんのに、こいつ誰でもいいんやろうなって思った。


あれだけ電話しても、メールしようなんて話にはならなかった。

⏰:08/12/09 00:27 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#78 [サな]
「いい加減遊べば良いやん」

志乃が呆れるように言った。

「あいつ絶対チャラいし。」

「あんたが言えることやないやん笑」

「失礼な」

「遊んでみるくらいええんやない?前向きにとらえれば顔を気にせん人やってことやろ?」

「もし七瀬の連れやったらどーすん!?」

「大丈夫やって」

⏰:08/12/09 00:31 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#79 [サな]
そんな話をしていると着信。

水野くんだった。

「今回誘われたら絶対遊びーよ。じゃないと家おいだすよ」

志乃に若干脅されつつ電話に出た。

⏰:08/12/09 00:33 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#80 [サな]
「前岡ちゃんおはよう!」

「おはようやないよ笑 もう11時やん(夜の)」

「俺ドラキュラやもん」

「あほ?笑」

「やから遊ぼー」

「何でそっから遊ぼーに繋がるんよ」


志乃に目をやると遊びに行けって合図してた。

⏰:08/12/09 00:36 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#81 [サな]
「遊ぼーってばー」

甘え口調で言ってくる。

「んー、いいよ」

「……まじで!?」

「は、誘っといて何それ!笑」

「やって、いっつも断るやん!まじびっくりしたわ」

「冗談なん?冗談なんやったら遊ばん」

「冗談やないし!今からM駅行く」

⏰:08/12/09 00:39 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#82 [サな]
「ちょー、待て待て!M駅はまずい」

七瀬がおる。絶対におる。

「ならどこ行けばいいよ?」

「M駅から真っ直ぐ歩いていったら防波堤みたいなんあってそのへんにベンチが何個かあるんやけどそこの一番右んとこに来てや」

「おん。わかったー。着きそうになったらまた電話するわあ」

⏰:08/12/09 00:42 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#83 [サな]
H市からM市までは電車で20分。
でももう電車はないはず。
どうやって来る気なんやろ?
チャリとか?笑

って志乃と話しながらうちは準備した。

顔見られたくないからキャップ被ってサングラスかけていざ出発。

志乃の家を出て少ししてから電話が鳴った。

⏰:08/12/09 00:52 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#84 [サな]
「もー着くよ」

「はやっ!まだうち着かんで」

「今どこらおるん?」

「ローソンらへん」

「んならそこおってや、ローソンらへんに今俺もおるし」

「まじ?んならローソンで待っとくわ」

⏰:08/12/09 00:55 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#85 [サな]
うちはローソンに入ってジュース2本買って外に出て座って待った。

しばらくすると…


「おー、家出少女ッ」


髪が短めで金に近い色に髪を染めた男が声をかけてきた。


「誰がや 笑」


すぐに水野くんだってわかった。

⏰:08/12/09 00:58 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#86 [サな]
「初めまして水野くんです!」

ニッコーっと笑った顔が可愛かった。
格好いいってより可愛いって感じ。

「初めまして前岡ちゃんです」


そんな挨拶をしてからうちは水野くんにジュースを渡した。


「うわ、俺こんなことしてもらったの初めて」

「まじ?良い女おらんかったんやね〜」

⏰:08/12/09 01:01 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#87 [サな]
「で?どこ行く」

「別に行くとこないし 笑」

「いっつもどこにおるん?」

「友達んち」

「家出少女やもんなー」

「普通に家帰れますから。てか駅の方向かって歩くのやめてくれるかな?」

「何で?まあ嫌なら反対行くか。」

⏰:08/12/09 01:04 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#88 [サな]
「てかどーやってきたん?」

「先輩の車」

「先輩足に使うなよ!チャリで来るんか思ったし」

「来れるわけないやん!バイクぶっ壊れたし」

「あー、バイクってゆー手があったか」

「どんだけやし笑」

⏰:08/12/09 01:08 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#89 [サな]
それからふらふら歩いてから、本気で行くところがなかった。

「どこ行くよ?」

「ラブホ行く?」

「あーそれ目当て?」

「違う違う!絶対に違う!絶対何もせん自信あるし、俺見た目これやけどめっちゃ一途やし!」

「ほんまかいや」

「ほんまだって!まあ嫌なら他行こう」

「普通に嫌じゃないって言う人のが少ないだろ笑」

⏰:08/12/09 01:12 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#90 [サな]
結局着いたのはマン喫。

ラブホと変わらん気がするけど。

部屋のソファーに座ったら、横に水野くんが座ってきた。

「つかいい加減帽子とサングラスとったら?」

「顔見られたくない」

「いやいや普通にその辺の奴より可愛いやろ」

「妄想やろ?笑」

⏰:08/12/09 01:17 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#91 [サな]
結局無理やり取られた。

「うん。全然OK。可愛いやん」

「はいはいありがとありがと」

「どんだけ適当なん笑」



何か普通に話してるうちに、格好いいなー。いいやつだなーって凄い思った。

水野くんの笑顔にキュンキュンきた。

⏰:08/12/09 01:21 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#92 [サな]
こんな感情久しぶりだった。

ドキドキとか、そういうの。


「てかいい加減名前教えろや」

「えぇ〜…紗奈やけど」

「紗奈か!俺は曜なッ!」




水野 曜…

名前を聞いたとき、ふと過去の記憶が蘇った。

⏰:08/12/09 01:24 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#93 [サな]
誰か読んでくれてますかね?

⏰:08/12/10 00:50 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#94 [サな]
━━━━━中3 夏

「うわ、七瀬どしたあ!?また喧嘩?」

珍しく喧嘩後に怪我をしていた七瀬。
顔が血だらけでぶすっとふてくされてた。

「誰と喧嘩したん?」

「H中の奴。でも頭の奴は手ぇ出して来んかった」

「あんた下っ端にやられたん!?笑」

「普通に相手10人とかおったし俺1人やったしまじ卑怯やん」

⏰:08/12/10 00:56 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#95 [サな]
「そこに喧嘩売っていくあんたのが馬鹿やんね」

「ほんまあいつウザい。いつか絶対ヤったる」

「名前とかわかるん?」







「水野 曜」


━━━━━━━━━━━

⏰:08/12/10 00:58 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#96 [ゆん]
読んでますよ(´ω`)
更新頑張って下さい☆

⏰:08/12/10 00:59 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#97 [サな]
「水野 曜…」

「へ?何?」

「いや、なんでもない」



あの時弱虫だとか言ってた水野曜?

H中の水野曜?

⏰:08/12/10 01:03 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#98 [サな]
ゆんちゃん
ありがとうございます★!

⏰:08/12/10 01:06 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#99 [M I]
見てるよ☆
毎日更新楽しみにしてるし頑張ッて

⏰:08/12/10 01:07 📱:SH906i 🆔:MO4dVSL.


#100 [サな]
ってことは七瀬の連れではないんだ。

七瀬の連れじゃないけど、七瀬とは繋がりがあるんだ…。


「おーい、どした?眠い?」

「んーん、眠くないよ」

「ボケっとしよるやん〜」

「ほんまなんもないし大丈夫」

⏰:08/12/10 01:09 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#101 [サな]
M Iちゃん
ありがとうございます★!
頑張って更新します:)

⏰:08/12/10 01:11 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#102 [サな]
「紗奈って彼氏いつからおらんの?」

「んー?知らん」

「何やしっ!教えろや」

「曜は?」

「俺は去年の夏に1年ちょっと付き合っとったやつに振られた」

「何で?」

「高校で好きな男できたんやってよ」

⏰:08/12/10 01:19 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#103 [サな]
「そーなんや」

「俺なんか仕事しよるし出会い無いんやって。やし、元カノだけやったのに…。元カノ羨ましすぎやん」

「まあそんなうまくいくもんやないよ」

「まあな。別にもうええけどな。で、紗奈は?」

「いつやろ。忘れたわ」

「絶対嘘やろ」

「1年の最初らへんからおらんよ」

⏰:08/12/10 01:22 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#104 [サな]
「嘘やん!絶対モテるやろ」

「普通にモテんから。」

「今まで何人と付き合ってたん?」

「2人」

「…絶っっっ対に嘘や」

「ほんまやって。嘘ついてもしゃーないやん」

「どんくらい続いたん?」

「………もうええやん。過去の話とかしてもしゃーないやん」

⏰:08/12/10 01:26 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#105 [サな]
「じゃあ俺のこと3人目の彼氏にしてや」


…はあ!?


「何言うてんの!?頭おかしいんやない?」


「何でや?本気やし」

「…無理。軽い男とか絶対無理やし。あんたみたいなん絶対嫌や。初めて会ったようなやつによく告れるよな。」

⏰:08/12/10 01:29 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#106 [サな]
「電話とかめっちゃしよったやん。やし、気になっとったんやって。ずっと会いたかったし、会ったら告ろう思ってた。会ってみて好きやと思った。」

「顔もみたことなかったのにか。名前も知らんかったのにか。」

「顔とか関係ないやん!?俺は紗奈の性格が好きなんやん。しかも名前教えてくれんかったのは紗奈やろ!?」

「うちのこと何にも知らんやん。うちのアドレスだって誕生日だって血液型だって知らんやん。うちがどんな奴かだって知らんやん。今までどんな奴だったかもわからんのに、何が好きよ?」

⏰:08/12/10 01:36 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#107 [サな]
「今から知っていったらいいやん。俺のことどんだけ信用してくれてないん?そんなん言うなら全部隠さずに教えてや。俺は紗奈が好きやし、紗奈のこと知りたい思っとる。紗奈の過去にもしなんかあっても、俺は何も思わんし、過去は過去やし気にせんよ。でも、知らんのにとか言われるんは嫌やから、知りたいと思うでな」


うちは泣いてた。

何でかわからないけど、曜がそう言ってくれたことで、今までたまっていたものが溢れたんかな。

曜にうちがここまで言ったのは、曜のことを信用したいって思ったからなんよ?

⏰:08/12/10 01:43 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#108 [サな]
「泣かんとって。今すぐ付き合ってとか言わんから。これからいっぱい話しようや。紗奈のこといっぱい教えてや。」


今までに無かった感覚があった。

きゅーって胸が温かくなるって言うか…



これが安心感?


今まで誰といたときにも感じたことがない、心が温かい感じ。


こんなの初めてだった。

⏰:08/12/10 02:23 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#109 [サな]
その日は帰ることにした。

また今度遊ぼうって言って、アドレスもちゃんと交換してからバイバイした。

バイバイしてからうちは志乃の家に戻った。

志乃は普通に寝てたから、起こさないように、携帯をマナーモードにしていつも使っている布団をとってソファーに寝転んだ。

ふと思った。

このまま連絡がこなくなったらどうしよう?

⏰:08/12/10 02:28 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#110 [サな]
全部嘘で、このまま連絡こなくなって…




なぜか苦しくなった。


電話したい。

曜の声が聞きたい。





曜…

⏰:08/12/10 02:31 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#111 [サな]
うちは携帯を持って外に出た。

もう外は薄明るくなっていた。



携帯の電話帳を開いて、"水野くん"を探す。

"水野くん"を"曜"に変えて、登録し直した。

"曜"を開いて発信ボタンを押そうとしたとき、画面がいきなり変わった。

━着信━

090********

⏰:08/12/10 02:38 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#112 [サな]
「もっ…もしもし!?」

「出るの早いね〜笑」

「…今うちも曜に電話しようとした」

「まじで?」

「うん。びっくりした」

「そか。何かあった?」

「んーん、何もないよ」

⏰:08/12/10 02:41 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#113 [サな]
「紗奈が何もないのにかけてくるとか珍しくやん」

「そう?」

「そう」


「…ちょっと不安で寂しくなった」

「え?」

「このまま曜から連絡来んなったらどうしようって思ったら、怖くなった」

⏰:08/12/10 02:46 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#114 [サな]
「…そんなん言われたら期待してしまうやん。俺、本気やし、紗奈が不安になるなら毎日電話する。紗奈が会いたいって言うてくれたらいつでも会いに行くし、俺が会いたいと思ったら会いに行く 笑」

「なんやそれっ 笑」

「ま、仕事中は無理やけどな!」

「わかっとるわ!」

「…なぁ、紗奈、俺ほんまに紗奈んこと好きや。…やし、色々話してくれる気になったら話してな。真剣に聞くから」

「うん。ありがとう」

⏰:08/12/10 02:51 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#115 [サな]
曜…

うちも多分曜のこと好きやった。

でもな、無理やん。

曜に好きって言う資格なんかなかった。

⏰:08/12/10 02:53 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#116 [サな]
それからうちは家に入って寝た。

11時くらいに志乃に叩き起こされた。


「紗奈!どーやったん!?」

「…うん。」

「うん。やないよ!どーやったん!?」


うちはあったこと全てを志乃に話した。

⏰:08/12/10 03:00 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#117 [サな]
「そっか…」


って志乃は言った。

七瀬のことを察して…。



「とりあえず全部曜くんに話してみ?紗奈の久しぶりの恋やん!うちは応援するでっ」

「うん…ありがとう」

⏰:08/12/10 03:03 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#118 [サな]
少し気持ちが落ち着いた2日後の夜、うちは1人で電車に乗ってH市に向かった。

H駅に着いてから曜に電話を掛ける。


「もしもしどしたあ?」

「今H駅おるんやけど来れる?」

「は?1人?」

「うん。」

「絶対そっから動くなよ。絶対1人で駅の外出るなよ!すぐ行く」

⏰:08/12/10 13:42 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#119 [サな]
何か凄い必死だった。

何で出たらだめなんやろ?って思った。

H市に来るのは実は初めてで、どんなところかすら知らなかった。

田舎なわけでもないけど、特別有名なところがあるわけでもないし、今まで行く必要性がなかったから。

出るなっていわれたらよけい気になるのが心理なわけで、興味本位でちょっと覗いてみようと思って少し進んだ。

⏰:08/12/10 21:02 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#120 [サな]
外が見えるところまで行くと、10数人が駅前に溜まっていた。

これだから出るなって言ったんかな?そんなんM駅のほうがもっと大人数で溜まっとるやん。

そう思って突っ立っていたら、そのうちの1人がうちに気付いた。

「こんな時間に何しよんや?」

「別にあんたに関係無いやん」

「強気やね〜。ちょお、俺らと遊ぼうや」

「無理やし。何が楽しくてあんたらと遊ぶん」

⏰:08/12/10 21:09 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#121 [サな]
「調子こいとんやないど。お前H市の人間やないやろ」

「うちM市やし」

「俺らM市の人間が一番嫌いなんよな」

「そーなんやあ」

「まあお前1人がどーかなったからゆーて何もならんやろ?」


そう言って男はうちを引っ張って集団の中に連れ込んだ。

⏰:08/12/10 21:12 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#122 [サな]
「離せや!嫌や!」

「こいつM市の奴やってさ。うざいし何してもえーよ」

「ふざけんな!!何お前が勝手に決めとんや!!」

そんなやり取りしよったら、一台のバイクが止まった。

「紗奈!お前出るな言うたやろ」

「うちが出たんやなくてひっぱられたんやしっ」

バイクの主は曜だった。

⏰:08/12/10 21:16 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#123 [サな]
「うわ、曜さんやん」

「お前ら何しとんや?」

「曜さんの女?」

「お前らに関係無いやろ。ガキがしゃしゃっとんやないぞ」


‥ガキ?ってことはこいつら高1、もしくはそれより下!?


「‥てかもしかしてM市の紗奈ってM市の七瀬の元カノやない?」


1人の男が言った。

⏰:08/12/10 21:22 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#124 [サな]
は‥ありえん。何で今言うん‥?

曜に聞かれたやん。今日自分で話そう思っとったのに。


その言葉にみんなシーンとなった。

涙が出てきた。

人づたいに曜に知られた…

うち、どうしたらええ?


気がついたときにはうちは走って逃げていた。

もう無理やと思った。

⏰:08/12/10 21:27 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#125 [サな]
ちょっとだけ、ドラマみたいな展開を期待してる自分がいた。

すぐ追いかけてきてくれるって、どこかで期待してた。

でも、1人になりたい自分がいて、携帯の電源を落として、知らない土地をひとりで歩いた。

⏰:08/12/10 21:33 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#126 [サな]
公園にある時計を見ると11時過ぎだった。

どうしよう…終電も無くなった。

てか、終電11時ってはやくないか?
田舎じゃないって思ってたけどやっぱり田舎?

そんなことを考えながら、公園を出て再び歩き始めた。

…ここどこだよ。帰り道もわからん。

完全に迷子状態。

でも、歩き続けるしかなかった。

⏰:08/12/10 21:38 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#127 [サな]
1時間くらい歩いたかな。

ふと、遠くからバイクの音が聞こえた。

…曜?ってか曜バイク壊れたって言ってなかったっけ。

そんなことを考えていたら、バイクの音はだんだん近づいてくる。

そしてうちの横で止まった。

⏰:08/12/10 21:42 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#128 [サな]
「おった!」

それは曜ではなくて、さっきうちの手を引っ張った奴だった。

「曜さん心配しとるで!曜さんとか、あそこにおったみんな紗奈さんのこと捜しとる!」

「うち、曜に合わす顔ないし」

「曜さんはほんまに紗奈さんのことが好きなんやって。さっき七瀬のこと言うた奴、曜さんが殴りやった。曜さん普段絶対に手出さんのに殴りやった。」

⏰:08/12/10 21:50 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#129 [サな]
「…今日な、七瀬のことも全部曜に話そう思ってたんよ。曜に嫌われたくなくて、言えんかった。やけど今日先に言われてしまったし。自分の口から言いたかったのに。」

「…とりあえず曜さんに連絡とるわ。ちょ、待っといて」

そいつは曜さんに電話を掛け始めた。
少しして戻ってくると

「バイク乗って。」

と言ってヘルメットを渡してきた。

「彼女専用やったんやけどな」

⏰:08/12/10 21:56 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#130 [サな]
「彼女おるのにナンパなんかしてんなよ」

「いーじゃないの♪」


そう言ってバイクを走らせた。

ついたところは一軒の家。

"水野"と書いてあった。


「入り」

「勝手に!?」

「曜さんちそーゆー家やから大丈夫」

⏰:08/12/10 22:00 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#131 []
あげ
更新待ってます

⏰:08/12/11 00:03 📱:SH906i 🆔:V3ubFW0w


#132 [サな]
ちゃん
ありがとう

⏰:08/12/11 00:56 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#133 [サな]
うちは一緒に家に部屋に入った。

階段を上がって右に曲がると部屋があった。

「俺は帰るからあとは行きや」

「ありがとう」

ドアに手をかけて迷った。

入ってどうする?

何を話す?

うちはどうしたらいい?

⏰:08/12/11 00:59 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#134 [サな]
思い切ってドアを開けた。

中には曜がいて、曜はベッドから立ち上がった。


「紗奈っ…」


曜はうちを抱きしめた。
曜がいることの安心感からか、涙があふれた。


「お前…心配するやろうが!知らん土地で歩き回って何かあったらどーすんや!?」

「…ごめん。」

⏰:08/12/11 01:06 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#135 [サな]
「何で何も言わずに来た?」

「…曜に会いたくなった」

「言ってくれれば俺M市まで行ったのに…」

「曜に全部話したかった。七瀬のこととか、全部理解してもらいたかった。聞いてほしかったんやもん。」

「今話せるか?とりあえず座ろう」

⏰:08/12/11 01:09 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#136 [サな]
うちらはベッドに腰掛けた。

「七瀬のこと…知っとるよな?」

「知っとる」

「中学んとき喧嘩になってなかった?」

「あぁ、俺は手出してないけど」

「うん。そんでな、その話記憶にあってさ、曜の名前聞いたときに思い出したんよ。」

「そうなんや」

⏰:08/12/11 01:13 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#137 [サな]
「うちらは2年半以上付き合っとったんやけど、七瀬はしょっちゅう浮気しよった。そんで別れるゆうたけど浮気しても紗奈が一番や言うて別れれんくて、紗奈も浮気すればいいやん言いよった。その言葉通りうちも浮気しよったけど、けじめつけな、ってことで卒業するんと同時に別れたんよ」


曜は黙って頷きながら聞いていた。

⏰:08/12/11 01:17 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#138 [サな]
「お互い納得して別れたつもりやったし、うちは高校入って彼氏もできた。やけど、七瀬はそれが気に入らんくて、その彼氏見つけ出してボコるって言いよった。そんで彼氏殴られたりするん嫌やったし迷惑かけたくなくて別れたんよ。それから、うちは人と付き合ったらいけんのんやって思って、一切彼氏作らんかった」

「やから2人しか付きおうてないんや」

「うん。やからな、これからもうちは誰とも付き合えんのんよ。近くに七瀬がおる限り、絶対に無理なんよ。好きな人が傷つくのなんか見たくないし、うちなんかと付き合ってもええことなんかないやん」

⏰:08/12/11 01:24 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#139 [サな]
「やから俺と付き合えんってこと?」

「うん」

「俺のこと好き?」

「…」

「俺は紗奈が本間に好きや。やから紗奈のこと守ってやりたいって思う。紗奈が俺のことどう思っとんか知らんし、紗奈が付き合えんって言うなら仕方ない。やけど俺は、自分が犠牲になっても紗奈を守りたいと思う。別に殴られたり殴ったりの世界には慣れとるし何ともないけど、紗奈が嫌ならする気無い。」

「…うん」

⏰:08/12/11 01:32 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#140 [サな]
「俺に会いたくなったって言うてくれたよな?俺にちょっとでも気があるって思ってええんか?自惚れとくで?笑」

「勝手にどーぞっ笑」








この日から、うちと曜の微妙な関係が始まった。

⏰:08/12/11 01:35 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#141 [サな]
その日、2人でベッドに入った。
曜の腕まくら。

本当に安心できた。



「そーいやあバイク壊れた言うてんのになんでバイクで来とったん?」

「お前が拉致られたらいけん思って先輩の借りたんやって」

「そーだったんですかぁ」

「あんま心配かけんなよ」

「はーい…」

⏰:08/12/11 01:40 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#142 [サな]
「てか俺明日仕事やから」

「え、まじで?ごめん」

「ま、紗奈に会えるぶんには全然いいんやけどな!」

「はいはいーっ。んなら寝んと!」

「寝るで。緊張して寝れんかも。まあいいや!おやすみ」

「何1人で言うてんの?笑
今日ありがとね。おやすみ。」

⏰:08/12/11 01:44 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#143 [サな]
あの話をして呆気なく離れていった龍。

あの話をして守ってやると言った曜。









曜、ほんまにありがとう。

うち、曜がおらんかったらどうしとったんやろ?

⏰:08/12/11 01:46 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#144 [サな]
朝、目が覚めた。

隣には曜がいて、少し心が温かくなった。


少しして曜の携帯の目覚ましが鳴った。

曜はそれを止めて、右手をうちの後ろに回して抱きついてきた。

「ん〜…っ」

そんなん言うてる曜が可愛くてキュンキュンした 笑

⏰:08/12/11 01:51 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#145 [サな]
「曜、仕事やろ?起きなぁ」

「ん〜…ちゅーしてくれたら起きる」

「無理。起きろ」

「紗奈冷たい」

「うちも帰るからな?」

曜はガバッと起き上がった。

「嫌や。仕事終わるの待っといて」

「なんやそれっ笑」

可愛いなぁ〜と思った。

⏰:08/12/11 01:56 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#146 [サな]
「うち暇やん」

「ならこれやりよってや」


そう言って曜が袋から出してきたのは大きい未開封のパズル。

絵柄はディズニーだった。


「曜…可愛いやんこれ何キャラ!? 笑」

「うるさいわっ!暇なときやろうとしてたんやけど紗奈おるし暇やないから紗奈がやっといて」

…暇つぶしにしても可愛すぎるチョイス 笑

⏰:08/12/11 02:13 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#147 [サな]
「どーせ元カノとでもやろーとしよったんやろ?」

「はぁ!?んなわけないやん!そんなんだったら紗奈にやれなんて言わんわ」

「あ、そう。」

「まあ俺行ってくるでな。昼飯ここ金置いとくしそこのファミマで買って食べてな」

「わかった〜。ありがと」

「絶対変な奴について行くなよ!?」

「大丈夫やって。行ってらっしゃい」

⏰:08/12/11 02:18 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#148 [サな]
曜が出て行ってから存在を忘れてた携帯の電源をつけた。

メール問い合わせたらいっぱい来てて、ほとんどが曜のメールだった。



それからうちは床にパズルを広げて始めた。

めっちゃ集中しとって、気付いたときには1時。

すぐ近くのファミマに行って昼ご飯を食べてまたパズルに励んだ。

さすがに疲れてその後途中でベッドにダイブして寝た。

⏰:08/12/11 02:23 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#149 [サな]
「紗奈!起きろっ」

曜が帰ってきたらしく起こされたときにはもう6時ちょっと前だった。

「おはよ」

「パズル結構進んどるやん」

「やろ?頑張った」

「まあ食えや」

そういって曜がくれたのはハンバーガー。

適当に座って、曜の仕事の愚痴を聞きながらハンバーガーを食べた。

⏰:08/12/11 02:28 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#150 [サな]
「つか俺風呂入ってくる」

「はいよ」

「一緒に入る?」

「激しく遠慮」

「あらそうですか」

つまらなそうな顔をして曜は風呂場に向かった。

その間うちはパズルして、曜が上がったあとうちが風呂に入った。

曜の服を貸してもらったけどデカすぎてやばかった。

⏰:08/12/11 02:31 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#151 [サな]
「曜さん‥デカいっす」

「お前が小さいだけやって 笑」

曜は176センチ。

うちは149センチ〜151センチを行ったり来たり…。

それを曜に言ったら

「小さいのには変わりないし行ったり来たりはせんやろ」

って言われた。

⏰:08/12/11 19:55 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#152 [サな]
それから2人でパズルをした。

1時間くらいやったけど疲れてやめて今度はテレビゲームした。

ぷよぷよやってたんやけど、2人ともムキになって気付いたら12時すぎてた。笑

「ちょっと出かけよか」

曜が言い出した。

「この格好で?」

「大丈夫やって」


それから軽く化粧をして家を出た。

⏰:08/12/11 20:07 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#153 [サな]
「どこ行くん?」

「顔だしにやな。」


意味わからんかった。

それうちも行かんとだめなんか?って。

着いたのはうちから言わせてもらえば秘密基地みたいなところ。

そこには何十人とか言う人が溜まってた。

「入るで」

⏰:08/12/11 20:12 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#154 [サな]
「は!?嫌やし何で!?」

「えーから入れや」

「嫌や!」

「入れって」


うちは曜に押し込まれた。

みんながこっちを見る。

ほんま嫌や…

⏰:08/12/11 20:17 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#155 [サな]
「おう、曜やん。何?その女」

「みんなに聞いてほしいことあるんやけどええかな?」

みんなシーンとなる。視線はこっちに集まった。

多分年上から年下まで年齢層広くおる。

その前に立つ曜は何?

⏰:08/12/11 20:27 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#156 [サな]
「お前らM市の七瀬ってわかるよな?こいつは七瀬の元カノや」

周りがざわついた。しかも何でそんなこと言うんや?って思った。

「七瀬の元カノなんやけど、俺の惚れた女や。訳あって付き合えんのやけど、俺はこいつのこと守ってやりたいって思っとる。もしかしたら俺とおるところ見て七瀬が何かしてくるかもしれん。そんときは力貸してください。頼んます」

「曜が言うことには俺らは何も言わんよ。今までの借りがあるんやし、気い使うな。あんた名前は?」

そいつはうちを指差してきた。

⏰:08/12/11 20:59 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#157 [サな]
「前岡紗奈です」

「さなちゃんか。ここにおる奴みんな曜のこと慕っとる奴ばっかやし、何かあったら誰にでも言いや。何かあったらここに来い。絶対誰かおるから。」

「あ…ありがとうございます」

「そんな遠慮とかいらんから。まあ俺19やけど 笑」

「何で19なのに曜のこと慕うんです?」

「まあその辺はいろいろやよ!」

⏰:08/12/11 21:13 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#158 [サな]
不思議だ。

17歳のガキを19歳が慕う意味が分からない。

それだけ曜が偉いのか…

曜が強いのか?

全く理解できずにその場を後にした。

⏰:08/12/11 21:15 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#159 [サな]
「まあこれで大丈夫やと思うから」

「全然流れが読めん。あの人ら何なん?」

「俺の代わりに人を殴ってくれる人」


曜はそういってニコーッと笑った。


「俺、基本平和主義やから人とか殴らんのよ。俺が殴るときは紗奈が何かされたときくらいかな!笑」

⏰:08/12/11 21:21 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#160 [サな]
「いやいや、何で19歳とかが曜の代わりに殴るん?あんたまだ17やん」

「俺の家庭事情と今までの行いもあって慕われとんの。俺の父さんも母さんもヤバいから。やけどそれで俺が調子乗らずにうまくやってきたことによってこうなっとる。誰かがボコされて帰ってきても俺が指示せなみんな動かんのよ。それでやり返したら俺が感謝されるってゆーパターンみたい。ま、俺は喧嘩売りにも行かんし基本何もせんのやけどな。連絡入ったら指示するだけ」

「一番タチ悪いやん 笑」

「まあみんな何だかんだで楽しんどるしええんやない?」

⏰:08/12/11 21:29 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#161 [サな]
こいつを敵に回したら怖いと思った。

そりゃあ七瀬もやられるわな。



それからうちらは家に戻って寝た。



男と女が1日一緒におって、何もせんって考えられんかった。

でも、本当に何もない。

普通に一緒に寝るだけだった。

⏰:08/12/11 21:34 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#162 [サな]
朝、また同じ時間に携帯の目覚ましが鳴る。

「曜〜仕事やろ〜?」

「んー。」

「起きや」

「嫌や〜」


また曜は抱きついてきた。

ほんまに可愛いと思ってしまう。

⏰:08/12/11 22:36 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#163 [サな]
「嫌や〜じゃないわ!」

「ん〜」

うちはムカついて曜の鎖骨をおもいっきし噛んだ。

「いッ…何しよんや!?」

「起きた?」

「…起きた」

「てか志乃からメール来て心配しよるってゆーか寂しいみたいやからうち今日は帰るからな」

⏰:08/12/11 22:40 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#164 [サな]
「嫌や…」

「何で?」

「紗奈があっち帰って七瀬に会って何されるかわからんって考えたら嫌や」

「…でもそんなん言うてもうちの家はM市やもん。」

「わかっとるけど…。せめて夏休みの間はおってほしいんやんか」

「んなら志乃ここに呼んでもいい?」

「うん。いいで」


そんな話をして曜は仕事に出た。

⏰:08/12/11 22:44 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#165 [サな]
うちは志乃に電話をかけた。

「もしもし?あんた何しよん?」

「今、曜んちおる〜」

「は?まじで?」

「後でいろいろ説明する。曜がM市帰ったらだめって言うから今からH市来れん!?」

「うん。ええで。なら行くわあ」

電話を切ってうちは準備してから駅に向かった。

⏰:08/12/11 22:48 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#166 [サな]
「お、紗奈ちゃんやん」

家を出てすぐのところに昨日の19歳の人がいた。

「…えーっと名前…」

「佳基<よしき>」

「佳基さんか。」

「おう。どこ行くん?」

「駅に友だち迎えに」

「送るよ」

⏰:08/12/11 23:18 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#167 [サな]
「いや、いいですよ!」

「紗奈ちゃんに何かあったら俺が曜におこられるやん」

「あ〜じゃあお言葉に甘えて」

佳基さんは曜の家の近所に住んでいるらしい。

「曜があそこに女連れてきたの初めてだったで」

「そうなんですか?」

「そんだけ紗奈が大切なんやん」


…ちょっと嬉しかった。

⏰:08/12/11 23:23 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#168 [サな]
駅に着くと志乃がいた。

「佳基さんありがとう!」

「送って帰らんで大丈夫か?」

「はい。大丈夫です」


そういうと佳基さんは手を振って帰って行った。

⏰:08/12/11 23:25 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#169 [サな]
「あんた曜くんちに居候?」

志乃が言った。

「居候っていうか…」


うちはここ何日かであったことを全部志乃に話した。


「いいんやない?それで。まあ一緒におって手出してこんのも男としてどーかと思うけどな!笑」

「え〜」

「ま、そんだけ大事にされとるゆーことやろーて」

⏰:08/12/11 23:28 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#170 [サな]
「まあちゃんとしとるなら安心やな」

「志乃親みたいやしっ」

「あんたほっといたら何するかわからんやん」

「そんなことないし!」

そんなことを話しながら4時を回った。

⏰:08/12/12 01:10 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#171 [サな]
「んならそろそろ帰るわあ!」

「へ?何で!?」

「そろそろ曜くん帰って来るやろ?」

「曜に会ってから帰ってや!」

「えー、邪魔やん」

「それで曜が邪魔ってゆーならうちが曜のこと殴ったる!」

「そう 笑 じゃあ待つよ」

⏰:08/12/12 01:28 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#172 [サな]
それからしばらくすると曜が帰ってきた。

「おかえり!」

「おじゃましてまーす」

「ただいま。あといらっしゃい」

「なら帰るね!」

「え!じゃあ駅まで一緒に行く!」

「は?お前馬鹿?帰り1人になるやーろが」

⏰:08/12/12 01:34 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#173 [サな]
「だってそんなん志乃1人で駅行くことになるやん」

「なら俺もついていく」

「嫌や!まだ志乃と話したいことある」

「んなら駅におる奴に連絡つけとくからそいつと帰ってこい」

「わかった〜」


過保護やなあ…

⏰:08/12/12 01:37 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#174 [サな]
外に出てから志乃と話しながら駅に向かった。

「どうやった?曜」

「束縛ひどそうな奴やな!笑
でもかっこええやん」

「確かにひどそうかもね〜。でもまあ良い奴やしっ」

「なあ紗奈、うちは紗奈が幸せになってくれたらそれでいい。やから、後悔だけはせんとってな?せっかく良い人見つけたんやから、大切にせな」

「うん。ありがとう」

⏰:08/12/12 01:41 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#175 [サな]
志乃、ほんまにありがとうな。

志乃がおらんかったら

曜にも出会えてないし、

会ってなかったよ。

志乃がおらんかったら

今の自分もおらんかった。

⏰:08/12/12 01:44 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#176 [サな]
志乃を送って駅の外に出ると

「紗奈さんっすか?」

背の低い勘違いギャル男?みたいなのが声かけてきた。

「はい」

「俺、曜さんの後輩っす。送っていけって頼まれました」

「あ、うん。ありがとう。ごめんね」

何かこいつは絡みづらいって真剣に思った。

⏰:08/12/12 03:26 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#177 [サな]
帰る途中すごい話しかけられてたけど、喋り方がすごい気に障った。笑

だからあんまり返事してなかった。

「つきましたよぉ〜」

「ありがとー。じゃあねっ」


うちはすぐに部屋に向かった。

⏰:08/12/12 03:29 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#178 [サな]
「曜、あの人絶対おかしいよ喋り方」

「あー笑 なんか今日駅にみんな溜まってないらしくて駅から一番近い奴選んだんよな。変な奴やけどな 笑」

「おなかすいた」

「母さんが作ってくれたで。食べ〜」

曜が持ってきてくれてそれを食べた。

「曜の母さんて何しとる人?」

「今はスナックで働いとる。ずっと水商売やよ。今日なんか久しぶりに家におるから作ってもらった」

⏰:08/12/12 03:35 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#179 [サな]
「父さんは何しよん?」

「それは内緒〜ッ」

「あ、そう。兄弟は?」

「2つ上に兄ちゃん。もう家おらんけど」

「そーなんやあ」


やっぱりまだたくさんいろんな事を知らない。

もっと知っていかんとなぁって思った。

⏰:08/12/12 03:39 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#180 [サな]
そんな日が1週間くらい続き、夏休みも残り1週間。

毎日一緒にいるのに全く手を出してこない曜が不思議で仕方なかった。

「曜って実はホモとか?」

不思議に思って聞いてみた。

「は?何いきなり」

「全く手出して来んからそっち系かなあと…」

「ありえんし!てか付き合ってもないのに手出せんやろ」

⏰:08/12/12 13:01 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#181 [サな]
「でもよく我慢できるよね」

「鎖骨噛まれたときは理性飛ぶかと思ったけどね」

「すんません 笑」

「まあ俺はその辺のヤツみたいに女とおったらヤるみたいな考え方しかできんやつとは違うから」

「そか」

曜は偉いと思った。

普通のことなのかもしれないけど、うちは今までそんな人と出会ったこと無かったから。

⏰:08/12/12 13:05 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#182 [サな]
夏休みも終わりに近づく。

日が経つごとに曜の態度が変化していくのがわかる。

物にやつあたりしたり、イライラして煙草の量が増えたり…。

そんなの見てもうちはどうすることもできない。

曜も何もできない自分にイライラしてたんだと思う。

⏰:08/12/12 23:16 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#183 [サな]
「なあ曜、うちはどうしたらいいん?」

曜がうちにどうしてほしいのかわからなかった。

「俺は…出て行ってほしくない。H市におれば何もされんし、何も知られん。でも、そんなに紗奈を縛っても仕方ない。自分でもどうしたらいいんかわからんし、どうしてほしいんかもわからん…」

「うちは学校に行かないかん。家にも帰らないかんよ。やから結局はM市に戻らんといかんやん。これからは毎日一緒におれるわけやないし、うちはM市で過ごすしかないよ。」

⏰:08/12/12 23:22 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#184 [サな]
「うん。…またH市まで来てな?」

「来るよっ」

「もしなんかあったら絶対言えな?」

「うん」


うちはちゃんと学校に行く。
土日はちゃんとH市に行く。

それが条件になった。

⏰:08/12/12 23:27 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#185 [サな]
夏休みも終わり、うちはM市に帰った。

普通にいつも通りの学校生活。

土日はちゃんとH市に行った。

駅をなるべく通らないようにするために、駅から離れたところに佳基さんが迎えに来てくれる。

そんな日が何日も続いた。

…でも、そんな毎日がずっと続くわけがない。

狭いM市の中では、情報がおもしろいように回った。

⏰:08/12/12 23:50 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#186 [サな]
紗奈に男がいる。と。

それが誰なのかは知られてなかった。

ただ、佳基さんの車に乗り、H市に向かう姿が目撃されて、七瀬のもとに情報が届いた。

学校で、志乃にも他の人にも恋バナなんかしなかった。

うちの学校にはM市の人もH市の人も少なくて、基本O市の集まり。

だけど、どこで誰が何を聞いてどう情報が流れるかわからないから、学校でそういう話は一切しなかった。

⏰:08/12/13 00:01 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#187 [サな]
それでも、うちの学校の人間に少し手を回せばすぐにわかることだった。

うちの学校のH市の人間は、何かしらのかたちで曜に言われてると思うから。

でももしそれが気が弱い人であれば、少し脅されればすぐ言ってしまうと思う。

その噂を聞いてからは、毎日不安で仕方なかった。

曜を傷つけたくなかった。

⏰:08/12/13 00:06 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#188 [サな]
「しばらく会うの止めよう」

うちは電話で曜に言った。

「は?何で?」

「うちがH市に男がおるって噂が広がって七瀬の耳にも入っとる。このままだったら曜も、曜の周りの人もみんな巻き込んでしまう。うち、やっぱそんなの耐えれん」

「俺は紗奈に会えんくなるほうが耐えれん。俺ら付き合ってないやん。やましいことなんか何もない」

「そんなの七瀬に通用せんよ。とりあえず2週間は会わんとこう」

⏰:08/12/13 00:14 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#189 [サな]
「わかった」

これで解決するわけがない。

この2日後、七瀬がうちの高校にやってきた。

うちを待ち伏せるように、校門の前に5人くらいで溜まっていた。

⏰:08/12/13 00:19 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#190 [サな]
「紗奈、七瀬くんや」

志乃が言った。

「…どうせうちのことやろ。もううちが行くしかないやん」

「絶対やめとき!何されるかわからんで!?」

「大丈夫。行くでな。志乃は帰っといて」

⏰:08/12/13 00:21 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#191 [サな]
うちが七瀬のほうに向かっていくと、七瀬もうちに向かってきた。

「うちに話しでもあるんやろ?こそこそせんと言うてみ」

「わかっとんやん。お前男おるらしいな」

「それただの噂。うち彼氏おらん」

「H市の奴やろ?大体見当ついた」

「嘘やん。誰な?言うてみ?」



「水野 曜やろ」

⏰:08/12/13 00:27 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#192 [サな]
当てられた。こいつは調べ上げて来たんや。


「…ははっ違うわ」

「嘘つくなや。俺前にも言うたよなぁ?お前が男作っても潰すって」

「まじで彼氏やないし。しかも何でいつまでもあんたに干渉されないかんわけ?」

「お前が好きやからやん」

「そんなん言われても嬉しくない。本間に好きならうちの幸せ願えるくらいの男になれや」

⏰:08/12/13 00:32 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#193 [サな]
「やから俺と付き合えば幸せになれる」

「絶対なれんわ。あんたなんかと一緒におったら気が狂うわ」

「俺はほかの男とおる紗奈がいやなんやって。」

「あんだけ浮気すれば?とか言うてたくせに」


学校前で言い争いをしていると、グラウンドで部活をしていた先生がこっちに走ってきた。

⏰:08/12/13 00:35 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#194 [サな]
うちらはそれぞれ逃げた。

すると七瀬が追いかけてきた。

「まだ話終わってないやろが!」



うちは立ち止まった。

そして七瀬と話すために、2人で近くの公園に行った。

⏰:08/12/13 00:38 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#195 [ゆちゃん]
見てます!
頑張ってください★

⏰:08/12/13 00:44 📱:D903i 🆔:CmoMf8bg


#196 [サな]
ゆちゃん

ありがとうございます(゚∀゚)

⏰:08/12/13 01:15 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#197 [サな]
「俺はお前とよりもどしたい」

「無理。うちは七瀬のこと好きやない」

「でも俺は好きやから、お前が俺んとこくるまで邪魔するで?」

「あんたのせいでなんもかんもめちゃくちゃなんやん!あんたさえおらんかったら幸せなのに!」

「俺はお前がおってくれれば幸せなんやって」

「あんたの幸せなんか願いたくもないわ!」

⏰:08/12/13 01:20 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#198 [サな]
「まあ好きにすれば。お前が水野曜のことを好きなのはよーくわかった」

「何でそーなるん」

「水野曜潰せばええんやろ?」

「ふざけんな!」

「じゃ、またな」

「ふざけんなよ!?誰か傷つけたら絶対許さん!」

⏰:08/12/13 01:23 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#199 [ま]
見てます
頑張ってください

⏰:08/12/13 03:02 📱:P906i 🆔:7.CVkD3c


#200 [サな]
まちゃん
ありがとう

⏰:08/12/13 12:32 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#201 [サな]
うちは一気に怖くなった。

七瀬がいなくなってから即行曜に電話をかけた。

「もしもし曜っ…七瀬に曜の存在バレたよ…!」

「そっか。とりあえず今から佳基そっちにやるからH市まで来い」

曜は冷静だった。

もうこうなることはわかってたんだろう。

⏰:08/12/13 12:37 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#202 [サな]
しばらくしていつものところに佳基さんが来た。

うちが車に乗ると、佳基さんが言った。


「曜、今みんなに手まわしとるから大丈夫で。」

いや、そういう問題じゃない。

うちは曜の周りが傷つくのも嫌だ。

迷惑かけたくない…。

「佳基さん、うちもう嫌だよ…」

⏰:08/12/13 12:44 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#203 [サな]
「何でや?」

「みんなに傷ついてほしくない。こんなことになってみんなに迷惑かけるなら、もううちが七瀬の言うとおりにすればいいんやないかなって…」

「ほんまにそれでええんか?」

「…わからん」



それから何も喋らずに、うちは曜の家に着いた。

⏰:08/12/13 12:56 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#204 [サな]
曜の家に入ると何人か人がいた。

「あ、じゃあ俺ら出るわ」

その人たちはそう行って出て行った。

「紗奈」

「…曜、もうやめよっか」



もうこれ以上迷惑かけられない。

うちが七瀬のところにいけば…

それで終わりにできる。

⏰:08/12/13 15:20 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#205 [サな]
「うち、七瀬んとこに行くから」


七瀬なんか大っ嫌い。

曜が大好きで仕方ない。

何が正しくて何が間違いかなんかわからない。

でも、曜をこれ以上振り回したくない。





曜、大好き。

⏰:08/12/13 15:23 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#206 [サな]
「お前は七瀬が好きなんかよ?」

「…うん」

好きじゃないよ。
うちが好きなのは曜やもん。

「…それがほんまなら俺は別に引き止めんよ。紗奈が幸せになれるんならそれでいいよ」


幸せって何?

曜が傷ついてまで一緒にいるのが幸せ?

自分の気持ちを押し殺して七瀬のとこに行って過ごすのが幸せ?

⏰:08/12/13 15:28 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#207 [サな]
どっちも幸せなんかじゃない。

うちは幸せにはなれないと思う。

七瀬のところに行っても

曜のところにいても。



でも、曜のことはやっぱり好き。

だから、曜のためにも七瀬のところに行く。

⏰:08/12/13 15:32 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#208 [サな]
悲劇のヒロインみたいに思うかもしれない。

だけど、本当にそうするしか考えられなかった。

「曜、ばいばい」


うちは曜の家を出た。


我慢してた涙が一気に溢れ出した。

曜が大好き。

ただそれだけなのに。

⏰:08/12/13 15:36 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#209 [サな]
うちはM市に帰った。

駅前には七瀬がいて、こっちを睨んできた。


「七瀬、話ある」

うちは七瀬を連れて、駅から少し離れた公園に行った。

⏰:08/12/13 15:38 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#210 [サな]
「うち、曜とは本当に付き合ってなかった。でももういいから。曜と関係切ってきた。アドレスも番号も消したから」

「俺とよりもどしてくれるわけ?」

「…うん。いいよ」


何でかな。
…何でなんだろ。

もう七瀬しかいないんだろうな…。

⏰:08/12/13 15:42 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#211 [サな]
七瀬はうちをベンチに押し倒してきた。

深い深いキスをして、服の上から胸を触ってきた。

「七瀬…やだっ無理…」

「俺の方が無理。どんだけ待たせたと思っとるんな?」

七瀬は更にエスカレートしてくる。

もうすでに辺りは暗くなっていた。

それをいいことに七瀬はどんどん服を脱がせていく。

うちはされるがままだった。

⏰:08/12/13 15:52 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#212 [サな]
嫌だった。

気持ち悪くて仕方なかった。

曜がいい。

曜やないと嫌だ。





七瀬なんか大っ嫌い…

⏰:08/12/14 01:57 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#213 [サな]
家に帰って泣き崩れた。

ただ幸せになりたいだけなのに。


その"ただ幸せになる"っていうことは、簡単じゃないって思い知らされた。



うちはその日から学校に行かなくなった。

家にずっといて、七瀬から呼び出されれば行く。


そんな生活をしていた。

⏰:08/12/14 02:02 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#214 [サな]
志乃から電話が掛かってきても出なかった。

志乃には何も話してない。

あの後何があったかも、曜とどうなったかも。


いっつも一緒にいてくれたのは志乃なのに。

⏰:08/12/14 02:06 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#215 [サな]
10月に入ってから、知らない番号から電話があった。

…曜だ。

うちは何回も掛かってくるその番号には、一切出ないようにした。

担任からもしょっちゅう電話がかかってきた。

学校に来いって、それだけだけど。

⏰:08/12/14 02:11 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#216 [サな]
このままだと単位が危ない。

そう言われて、うちは行くしかなかった。

10月も終わりかけた頃、うちは久しぶりに学校に行った。


教室に入ると志乃の姿。

志乃は驚いた顔でこっちを見た。

⏰:08/12/14 02:29 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#217 [サな]
「志乃…ごめん」

うちがそう言うと志乃は近づいてきた。

「ちょっと外出よっか」

うちは志乃に連れられて外へ出た。

授業中は絶対に人が通らないテニスコート。

うちらはそこに置いてあるベンチに座った。

⏰:08/12/14 18:31 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#218 [サな]
「紗奈の口からちゃんと聞きたい。噂でだいたいのことは聞いとるけど、何が真実かなんかわからんから。ちゃんと紗奈から事実を聞きたい。」

「うん…」

うちは志乃に話した。

あの後曜に会って、七瀬と居ると決めたこと

もう誰も巻き込みたくないということ。

学校に来てなかった1ヵ月間、何をしてどう過ごしていたか…。

⏰:08/12/14 18:44 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#219 [サな]
「あんた不器用すぎるよ。自分の気持ち殺して幸せになんかなれるわけないやん。馬鹿やない?いい加減素直になりや。曜くんが紗奈を好きで、紗奈が曜くんを好きで…それでいいやん!?七瀬くんなんかにビビってどーするん!?周りが守ってくれる、曜くんが守ってくれるって言いよるんやろ!?頼ればいいやん!」

⏰:08/12/14 22:42 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#220 [サな]
志乃の言葉は凄い心に響いた。

頼ればいい、確かにそうなんだけど、うちの性格上、人に頼るのは嫌いだった。

それから、今更曜のところに行って、曜はどう思うのか…。

⏰:08/12/14 22:49 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#221 [サな]
そんなことを考えながら、結局曜には連絡も何もしなかった。

ただ、七瀬とは別れた。

これでいい。

結局振り出しに戻る。



曜と出会う前のように、

男とは関わらないように。


それでいいんだ。

それがいいんだ。

⏰:08/12/17 00:45 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#222 [サな]
2年も終わりに近づいてきた。

進路について色々担任に聞かれる時期。

うちは県をでたかった。

七瀬のいないところで過ごしたかった。

"●●大学"

うちは大学を志望した。

馬鹿だから馬鹿な大学しか行けないから、某県で一番偏差値が低いくらいの大学。

親には迷惑かけっぱなしだけど、親はうちが大学というところに行くということ自体を喜んでくれた。

⏰:08/12/17 00:52 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#223 [サな]
こんな娘でごめんねって本気で思った。

馬鹿ばっかりしてごめんねって…。





そして春休みになった。

⏰:08/12/17 00:58 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#224 [サな]
春休みに入ってすぐのことだった。





携帯が鳴る…






090********




…誰?

⏰:08/12/17 01:01 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#225 [サな]
「俺やけど…わかる?」















「…佳基さん?」

⏰:08/12/17 01:03 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#226 [サな]
電話の主は佳基さんだった。

頭の中がハテナでいっぱいになる。


佳基さんがなんでうちの番号…?



「曜の携帯から勝手に番号取った。ごめんないきなり。」

「いいけど…何?」

「今から会える?」

「いや…無理」

⏰:08/12/17 01:06 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#227 [サな]
「ほんなら電話でええから聞いて」

「何?」










「曜、まだ紗奈ちゃんのこと好きやから」

⏰:08/12/17 01:07 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#228 [サな]
「…どんだけ前の話しよん?」

「曜はあれからずっと紗奈ちゃんのこと好きやったんやって。もし紗奈ちゃんがまだ曜のことちょっとでも好きなら、曜に会いに来てやって…」

「なんで佳基さんがそんなこと言うん?」

「あいつ元気ないから…。聞いたらまだ紗奈ちゃんのこと好きやって言うから…。余計なお世話かもしらんけど…」

⏰:08/12/17 01:12 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#229 [サな]










「もう曜のこと好きやないから」







⏰:08/12/17 01:14 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#230 [サな]
「…そっか。そんならええんや。ごめんな。元気でやりや」


佳基さんはそう言うと電話を切った。











涙が溢れ出した。

⏰:08/12/17 01:16 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#231 [サな]
ほんまはな、まだ曜のこと好き。


大好きで仕方ない。




…でもな、結局は
自分が素直になれんだけなんよ。




なんだかんだで結局逃げてばっかりで


向き合おうとしてないのはうちなんよ。

⏰:08/12/17 01:20 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#232 [サな]
なんでも勝手にほいほい決めて

後悔して泣いて


自分が向き合ってないのに

幸せになりたいなんて

馬鹿やんな。



曜…うちは曜のこと

ほんまに大好きや

⏰:08/12/17 01:22 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#233 [サな]
曜が大好きやから涙が溢れる。

もうどおしたらええんかわからんくて

ほんまに自分馬鹿や…って思って

涙が溢れる…。



曜、なんでこんなうちを

好きでおってくれるん?

曜ならうちより良い女と

絶対付き合えるやん。

⏰:08/12/17 01:26 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#234 [サな]
なのになんでうちなん?

何でこんな面倒くさい女なん?






うちはどうするのが一番正しいん?





素直やなくてごめんな…

⏰:08/12/17 01:28 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#235 [サな]
うちは1週間後、電車に乗った。




…行き先はH市。










⏰:08/12/17 01:33 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#236 [サな]
駅から出ると懐かしい光景。

いつものように溜まっている人たち。

うちが向かう先は曜の家…



ではなくて、佳基さんのところ。





あの、曜が連れて行ってくれた溜まり場。

⏰:08/12/17 01:35 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#237 [サな]
中にはいると佳基さんの声が聞こえた。

更に奥に入る。


「佳基さん…」

「紗奈ちゃん…!?」


周りはかなりざわついていた。


うちは佳基さんのところに行って
佳基さんに抱き付いて声を上げて泣いた。

⏰:08/12/17 01:38 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#238 [サな]







「佳基さんっ…ごめんな…うち、嘘ついた…」

「どしたんや?」

「うち…うち…曜のことまだ大好きや…」





⏰:08/12/17 01:40 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#239 [サな]
「…そうか。言いに来てくれてありがとな」

うちは化粧ボロボロになっていた。





やっと言えた。





これが自分の素直な気持ちやから…。



⏰:08/12/17 01:43 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#240 [サな]
「みんな聞いたか?そーゆーことやからな。また忙しくなるで!笑」



みんなが守ってくれる。

みんな迷惑やなんて思ってない。

今度はみんなを頼りたいから…。







みんなありがとう。

⏰:08/12/17 01:45 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#241 [サな]
うちは佳基さんの車に乗った。

行く場所は1つ。

曜の家だけ…。


うちは崩れた化粧を車で直した。

佳基さんは横で笑ってた。



そして曜の家の前についた。

⏰:08/12/18 00:09 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#242 [サな]
「あとは紗奈ちゃんひとりで行きや」

「えっ…佳基さんも来てや…」

「俺が行ってどーすんや」

「…よし。うん。行ってくる!!」




うちは曜の家に入った。

⏰:08/12/18 00:11 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#243 [サな]
変わらない家。

だけど懐かしく感じた。


曜の部屋の前に行って、大きく一回深呼吸してからドアを開けた。

⏰:08/12/18 00:13 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#244 [サな]
入った瞬間曜と目があった。




二人とも無言で時計の音だけが聞こえた。






「…紗奈」

⏰:08/12/18 00:16 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#245 [サな]
.





その声を聞いた瞬間涙が溢れた。




曜のことで、何回涙を流しただろう。





でもその涙は、曜のことが好きだから流れる涙なんだ。

⏰:08/12/18 00:18 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#246 [M I]
毎日見させてもらッてます更新頑張ッてくださぃ
>>1-100
>>101-200
>>201-300
>>301-400
>>401-500
>>501-600
>>601-700
>>701-800
>>801-900
>>901-1000

⏰:08/12/18 01:23 📱:SH906i 🆔:n9YAKRsA


#247 [サな]
.






「…曜」







久しぶりに会った曜は、少し大人びて見えた。

⏰:08/12/18 01:24 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#248 [サな]
M Iちゃん
ありがとうございます
最後まで読んでくれたら嬉しいです
あとアンカーありがとうございます!!

⏰:08/12/18 01:26 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#249 [サな]
髪が黒くなって、髪が伸びていた。

落ち着いた雰囲気の曜は、今までとは違う格好良さがあった。



「こっちおいで」


曜は手招きしてうちを呼んだ。
うちは頷いて曜の横に座った。

⏰:08/12/18 01:29 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#250 [サな]
「何で来てくれたん?」







答えは1つだけ。









「曜が好きやからやよ」

⏰:08/12/18 01:31 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#251 [サな]
今までずっと言わなかった言葉。

今までずっと言えなかった言葉。

大好きなのに、気持ち押し殺して

ずっとずっと言ってなかった言葉。




「ありがとう」



曜はギュッと抱きしめてくれた。

⏰:08/12/19 00:23 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#252 [サな]
.



「好き」



このたった一言で

こんなにも幸せを感じることができるのに…。



ただ、七瀬っていう存在を怖がってた。

⏰:08/12/19 00:25 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#253 [サな]
でも、怖がる心配も、気を使う意味もなかったんだ。



周りには沢山の味方がいて

みんなみんな、良い人ばっかだから。

⏰:08/12/19 00:28 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#254 [サな]
.


もう怖がらない。

遠慮もしない。




曜と幸せになるんだ。




そう決めた4月3日。

うちと曜の記念日。
これからがうちと曜のスタート。

⏰:08/12/19 00:32 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#255 [サな]
うまく言えないけど

溢れてくる

この声も

この泪も

君を思えば…

⏰:08/12/20 00:54 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#256 [サな]
.



うちは3年生になった。

風が吹き、桜が舞い、

少し肌寒く、少し暖かい

そんな時季。


真新しい制服を着て

校門をくぐる1年生たち。

⏰:08/12/20 00:58 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#257 [サな]
うちは志乃とまた同じクラスになった。

2階の教室の廊下から中庭を覗く。

初々しい1年生たちが騒いでいる。


「可愛らしいねぇ」

「あの中でカップルが誕生するんやろうね」

「志乃も彼氏作りなさい」

「あんた自分が幸せやからって…」

「あはっ」

⏰:08/12/20 01:05 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#258 [サな]
「紗奈せんぱぁーいっ!」

1年生の集団の中の1人がうちを呼んだ。


…誰?



その子は階段を駆け上がってきた。

「先輩!2中の美優です!覚えてますか?」

⏰:08/12/20 01:10 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#259 [サな]
2中って同中…。

こんな奴おったっけ?


美優<みゆう>と名乗るその子は、少し赤っぽい髪で背は多分160センチくらい。

可愛いわけではないけどぶさいくではない。でも少し頑張ってる感がある、いわゆるパギャルって感じの子。

…2中にこんな奴おったか?

てか後輩と特別仲良くなかったし

ましてや2個下なんて。

⏰:08/12/20 01:15 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#260 [サな]
「ごめん、覚えてない」

「えぇ〜。じゃあこれから覚えてください!真中美優です」

「あぁうん。よろしくね」

「紗奈先輩!アドレス教えてください!」

「…うん」

美優にアドレスを教えると、美優は礼をして中庭に戻っていった。

⏰:08/12/20 01:19 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#261 [サな]
「紗奈、後輩?」

「いや、知らん。」

「何か凄い勢いある子やね」

「ほんまに誰かわからん」

「高校デビューかなんかやろ。紗奈みたいに 笑」

「うちのは高校デビューって言わん!うちのはただのイメチェンや!」

「はいはいっまあ確かにそうやね笑」

⏰:08/12/20 01:23 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#262 [サな]
話は少し変わって、うちは曜の家から学校に通うことにした。

まあいわゆる同棲ってやつ。

親は特に何も言わなかった。

ただ、
「ちゃんと大学受験しなさいよ」

とだけ言われた。

⏰:08/12/20 01:34 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#263 [サな]
曜の仲間の中に、うちの高校の近くに仕事場がある人がいて、毎日その人に送ってもらうことになった。

帰りは1個上のフリーターの健<けん>くんが学校の近くに迎えに来てくれた。

良いことなのか悪いことなのかは微妙なところだけど、本当に周りの皆には感謝しかない。

⏰:08/12/20 01:40 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#264 [サな]
うちが曜の部屋で転がっていると、美優からメールが来た。

【紗奈先輩!美優です☆今何してますか?】

「誰?」

「何か美優って子。2中出身らしいんやけど知らんのんよね。みたことない」

メールが来て30分後にメールを返した。

【今彼氏んちおるよ】

返事は5分もたたないうちに返ってきた。

⏰:08/12/20 01:46 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#265 [サな]
【まだ七瀬先輩と続いてるんですか?】

【続いてないよ】

【そうなんですか!?よかったぁ…】


…もしかして?


【七瀬のこと好きなん?】

【はい!1年生のときから…】

⏰:08/12/20 01:49 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#266 [サな]
そういうことか。


うちは曜にメールを見せた。


「まあいいんじゃね?」


いいんだか悪いんだか…。



美優はうちが七瀬の彼女だったからうちを知っていたわけで、うちと美優は直接関係なかったわけだ。

通りで知らないわけだ。

⏰:08/12/20 01:51 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#267 [サな]
【やめときなよ】

うちはそう打って送ろうとしたけど消して打ち直した。

【頑張れ】

他人の恋に首突っ込んでもしかたないしね。


その後美優から質問攻めにあった。

七瀬との昔のことをいろいろ聞かれた。

横には曜がいるってわかってるくせに空気読まなさすぎる美優。

まあ最終的にうちはメールをブチった。

⏰:08/12/20 01:58 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#268 [サな]
次の日の昼休、美優がうちのクラスに走ってきた。

「紗奈せんぱーいっ!話しましょお」

クラスの皆は唖然として美優を見る。

「…ごめん。今無理やから」

「じゃあ放課後話しましょ!」

「ごめん彼氏んち行くんよ」

「じゃあまたメールします」


美優はそう言って教室を出た。

⏰:08/12/20 02:02 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#269 [サな]
「あの子何?まじで」

うちは昨日あったことを志乃に話した。




「うわー。まじないわ」





今日はメール来ても全く返さんとこうと思った。

曜だっていい気せんやん。

⏰:08/12/20 02:05 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#270 [サな]
夜、また美優からメールが来た。

【こんばんわぁ♪彼氏さんといるんですか?今日も七瀬先輩のこと教えてくださあい!】



彼氏とおるってわかっとってこんなメール送ってくるバカ初めてやったわ。

ほんまびっくりした。




うちはメールを返さなかった。

⏰:08/12/20 02:07 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#271 [サな]
すると電話がめっちゃかかってきた。

やばいくらい鳴り続ける携帯。

「出たったらええやん」

曜はそう言ったけど若干不機嫌。

でも鳴り止まない携帯。

うちは電話に出た。

⏰:08/12/22 13:22 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#272 [サな]
「先輩!何でメール返してくれないんですか!?」

「うち彼氏んち行くって言ったよね?」

「メールくらい返してくれてもいいじゃないですか!うちは七瀬先輩のこといっぱい知りたいんです」

「うちに聞くなよ」

「先輩が七瀬先輩のこと一番知ってるじゃないですか。何で教えてくれないんですか!?先輩だけいい思いして」

⏰:08/12/22 18:34 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#273 [サな]
はあ!?良い思い?

あれだけ七瀬に振り回されてうちが良い思いしとるって!?


うちはついにキレた。


「何も事情知らん奴が何言いよんや!?お前は何様な?調子のんなよ!!黙っとったら言いたい放題言いやがって。お前明日覚えとけよ。」

本気でムカついた。
2個下の高校デビューになめられたらたまったもんじゃない。

⏰:08/12/22 18:40 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#274 [サな]
うちは電話を切って布団に潜り込んだ。

ムカムカする。

ムカつきすぎて吐きそうだった。

ムカつく

ムカつく

ムカつく!!!

⏰:08/12/22 22:58 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#275 [サな]
「紗奈」

曜が布団に手をかける。

「触んな!!!!!」


…あ。


言った後にすぐ後悔した。


曜は部屋から出て行った。

⏰:08/12/23 01:04 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#276 [サな]
何もかんもうまくいかんくてイライラする。

結局は全部自分が悪いんかもしれんけど

でもそんなんゆーたってしゃーないやん

うちが不器用なことくらい自分でもわかっとるよ。

何がしたいんか自分でもわからんもん

⏰:08/12/23 02:10 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#277 [ゆかリ]
もーめっちゃ好きですこれからもずっと読むんで頑張ってください

⏰:08/12/24 11:44 📱:N903i 🆔:Duc7T5iQ


#278 [我輩は匿名である]
>>150-300

⏰:08/12/24 23:24 📱:N703iD 🆔:XcMk87Cs


#279 [我輩は匿名である]
>>1-278

⏰:08/12/25 10:30 📱:P906i 🆔:qXjSgMSk


#280 [我輩は匿名である]
頑張って下さい
更新楽しみに待ってます

⏰:08/12/25 23:57 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#281 [サな]
>>277ー280
ありがとうございます
ちょっと放置してすみません
また更新していきますね

⏰:08/12/26 01:58 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#282 [サな]
自己嫌悪に陥りながら、うちはどうすることもできずに、ただボケッと座っていた。

しばらくすると、曜があったかいカフェオレを持ってきた。

曜がたまに作ってくれるこのカフェオレが美味しくて、うちは大好きだった。

自分で作っても絶対この味にならない、不思議な曜特製のカフェオレ。


「イライラしてどうすんや。イライラしてなんかいいことあるんか?落ち着けや」

⏰:08/12/26 02:08 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#283 [サな]
曜はそう言ってうちにカフェオレを渡した。

「まあ俺も人のこと言えんけどさぁ、イライラしよっても何も良いこと無いやん?やし、そんなんでそんなことゆーてもしゃーないんやって。」



曜はちゃんといろいろ考えてる。


うちはなんなんやろ?ってたまに思う。
曜が持ってるものが大きすぎて、うちのことがちっぽけに思える。

⏰:08/12/26 02:15 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#284 [サな]
「お前明日何するんか知らんけど手だけは出すなよ」

「うん‥。でも何で?」


曜自身も、よっぽどが無い限り殴ったりしない。

前からちょっとした疑問だった。

⏰:08/12/26 02:17 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#285 [サな]
.



「みんなに慕われる人はな、絶対人を殴ったりせんのんやってさ。何があっても殴ったらいかんって、これ俺の父さんの教えやから。俺が慕われるのも、この教えのおかげみたいなもんやから。押し付けみたいかもしれんけど、俺は紗奈にもみんなに慕われる人になってほしいと思うし、それ以前に女の子は殴ったりしたらいかんで」




.

⏰:08/12/26 02:25 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#286 [サな]
なんか大人やなあって思った。

強い人=喧嘩が強い人

って考えやったけど、ほんまの強い人って言うんは、曜みたいな人のことなんやろうなって思った。


曜みたいな人とうちが付き合っとってええんやろか?って思うくらい、曜は凄い大人な考えを持つ人間やと思った。

⏰:08/12/26 02:30 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#287 [サな]
次の日うちは学校へ向かった。

志乃に昨日あったことを言うと


「そいつ呼んで来たるわー」


って言って教室を出て行こうとした。


「待ってや志乃!うちが行くし、志乃ここおってや」

⏰:08/12/30 00:59 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#288 [サな]
うちはそう言って美優のクラスへ行った。


「美優おる?」

教室の前にいた子に問う。

「美優、今日遅れてくるってメールで言ってました」


美優の奴、うちが朝来ると思って遅刻する気だと思った。

「わかった。また来るわぁ」

⏰:08/12/31 01:42 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#289 [サな]
教室に戻ると志乃が近寄ってきた。

「あいつ来てなかったよ」

「はぁ〜?まじで?」

「まあまた行ってくるわぁ」


そうして普通に授業を受けて、昼休憩が終わって5時間目が始まった頃、外を見ると女が一人歩いていくのが見えた。


美優やな。

⏰:09/01/03 19:00 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#290 [ケ]
頑張れっ(°∇°)ォ

⏰:09/01/04 00:29 📱:W61SH 🆔:dRDFmFqA


#291 [サな]
>>290
ありがと☆
ちょっとずつの更新で
申し訳ないです(/_;)

⏰:09/01/04 02:06 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#292 [サな]
「先生ちょっと用事できたから行ってくるわあ」

「欠課になるよ?あんた大丈夫なん?」

「卒業できんかったら困る。でもたぶんこの授業は大丈夫やから行ってくる〜」



うちはそういって教室から出て美優のところに猛ダッシュした。

⏰:09/01/04 02:09 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#293 [サな]
「おい美優!ちょっとこっちけえや!」


美優はお化けでもみたみたいな顔をして振り向いた。


うちは美優が固まってる間に腕をつかんだ。


「ちょっと来いや。逃げとんやなあぞ」

⏰:09/01/05 01:43 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#294 [サな]
うちはそのまま学校の外に引っ張り出した。

「ごめんなさい!すみませんでした」

まだなんもやってないのに泣きじゃくる美優。

「泣いたら終わる思っとんか?泣き止めや。別に殴る気なんかないんやって。お前が泣いて終わらせようとするなら殴るけどな」

⏰:09/01/05 01:51 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#295 [サな]
しばらくして美優が泣き止んだ。

「すみませんでした…」

美優が頭を下げた。

「お前は上下関係知っとんのか?うちをナメとんのか?調子のっとんやなあぞ?」

「すみませんでした…。自分のことでいっぱいいっぱいやったんです。周りが見えてませんでした…。本当にすみませんでした…」

⏰:09/01/05 01:59 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#296 [サな]
うちは元々美優を責める気はなかった。
というか、責めるよりも聞きたかった。


「あんたほんまに七瀬が好きなん?」

「…はい」

「何で?」

「うちが部活やってて、七瀬先輩がボール取ってくれたんですけど、そのとき「がんばってね」って言われたのが嬉しくて…。先輩格好いいじゃないですか。…一目惚れってやつなんです。でも、紗奈先輩と付き合ってたの、最初知らなかったんです。うち、目立たない人だったから…。」

⏰:09/01/05 02:09 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#297 [サな]
「紗奈先輩が七瀬先輩と一緒に帰ってるところ見て、初めて知ったんですよ。2人が付き合ってること…。七瀬先輩に一目惚れして4ヵ月くらいたってたんですけど、それまで気付かなかったんです。見てるだけだったけど諦められなくて、先輩が卒業してからもずっと忘れられなくて…。七瀬先輩高校行ってないって聞いたし、なら紗奈先輩と同じ高校行こうって思って…」

「うちと七瀬はもう別れたから好きにしたらいいよ。ただね、うち今彼氏おるし、彼氏と七瀬仲悪いんよ。うちは七瀬と関わらんようにってことで彼氏と同棲しとるしな。やから美優に協力してあげることはできん。」

⏰:09/01/05 02:19 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#298 [サな]
「七瀬先輩は…まだ紗奈先輩のこと好きなんですか?」

「知らんよ。最近地元帰ってないし」

「そうなんですか…」

「悠真に聞けば?まだ悠真は七瀬と連んどるはずやし、聞きたいことあるなら悠真に聞きや。うちは悠真に話に行けんけど」

「うちが勝手にいきなり話しかけに行ったら変な子や思われるやないですか!」

「あんたうちには話しかけてくるのに悠真は無理ってか?うちもなめられたもんやの」

⏰:09/01/05 02:26 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#299 [サな]
「い、いやっそんなんやないです!!!」

「冗談やって。まあ悠真ならちゃんと話してくれる思うし行ってみ」

「…わかりました」

「じゃ、まあ頑張りや。うちにはどーもできんから」

「ありがとうございます。すみませんでした。」


うち、美優みたいな恋愛したことないからわからん。

でも、美優は悪い奴やない。ただちょっと空回りしとるだけなんよな。

⏰:09/01/05 02:32 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#300 [サな]
教室に戻ると休憩時間で、すぐに志乃が寄ってきた。

「どやった!?」

「んーまあ一件落着?てかうち疲れたから帰るわ」

「は?あと1時間やん!がんばりいな」

「しんどいんやもん〜」


うちはそれからすぐに電話して迎えに来てもらって曜の家に帰った。

⏰:09/01/05 02:36 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#301 [サな]
疲れた。



うちは制服も脱がずに布団の上に転がって、そのまま寝た。



美優にどんだけふりまわされとんやろ。

自分馬鹿みたいや。
後輩なんかにふりまわされて…。

⏰:09/01/05 05:41 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#302 [サな]
「紗奈ー風邪引くで。起きや」


曜に起こされて時計を見ると6時過ぎだった。


「お前今日早く帰ったらしーやん」

「うん。疲れたんやもん」

「ちゃんと学校行くって約束したやろ?お前卒業できんかったら大学も行かれんのんやぞ」

「確かに今まで休みまくっとるけど3年になったしまだ大丈夫やん」

⏰:09/01/05 20:02 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#303 [サな]
「約束くらい守れや。俺はお前の親からお前を預かっとんやぞ」

「何で高校行ってないもんにそんなやーやー言われないかんの!?」

「紗奈にはちゃんと卒業してほしいからやん。んで、大学行くんやったらちゃんと行ってほしいから言うんやって」

「うちやってしんどいときあるやん。そんな言うならうち地元帰るし。」

「何でや!?帰るとか言うなや。」

「ならちょっとはほっといてや」

⏰:09/01/06 01:50 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#304 [サな]
曜のことは好きだけど、たまにすごく鬱陶しくなる。

曜の優しさだってこともわかってるけど、イライラして仕方なかった。


学校は行けば楽しいんだけど、何かあっても何もなくても凄い疲れる。


曜が言ってることは正しい。

学校は毎日6時間受けるのが普通だし。

だけどその習慣が、七瀬と一緒にいた期間に無くなってしまったから、しんどい。

⏰:09/01/06 01:58 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#305 [サな]
5月3日

1ヶ月記念日。

凄く長く感じた。

あれだけ一緒にいたのに、まだ記念日は1ヶ月。

そして、あれだけ一緒にいても、曜は全く手を出してこなかった。

付き合ってるし、この年齢だし、不思議すぎた。

⏰:09/01/06 02:01 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#306 [サな]
付き合って1ヶ月。

だけどすでにマンネリ化していた。

毎日一緒に家で過ごす。

下手に外で遊んだりもできない。

放課後友達と遊ぶこともできなくて、イライラすることが多くなった。

志乃は親に

「紗奈ちゃん最近来ないんやね」

って言われたらしい。

⏰:09/01/12 01:38 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#307 [サな]
それを聞いて決めた。

志乃と遊びに行く!!!


それを志乃に言うと


「あんたそれ大丈夫か?曜君心配するやろ」

「でも楽しくないんやもん。曜はちょいちょい連れと会うとるけど、うち遊べてないし、やっぱ友達と遊びたいやん」

「紗奈がいいならいいけど」

⏰:09/01/12 01:41 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#308 [我輩は匿名である]
見てます
あげます

⏰:09/01/16 00:53 📱:SH906i 🆔:wHRuNOos


#309 []
読んでます★
頑張って下さい

⏰:09/01/19 00:22 📱:D905i 🆔:ib12fVL.


#310 [サな]
すみません
今からちょっと
書きます

⏰:09/01/19 14:04 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#311 [サな]
それから放課後すぐに学校を出た。

久しぶりに歩いて帰る学校。
新鮮で仕方なかった。

しばらくしてからポケットの中で携帯が震えた。

その携帯を無視したまま、うちは志乃の家に遊びに行った。

⏰:09/01/19 14:06 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#312 [(^・ω・´)]
最新早く見たい

いつも見てます

⏰:09/01/20 17:11 📱:F906i 🆔:☆☆☆


#313 [サな]
更新遅くてすみません
書きます

⏰:09/01/23 02:17 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#314 [サな]
志乃の家に着いてからも鳴り止まない携帯。

「大丈夫なん?やっぱまずいやろ」

志乃が心配するから、うちは電話に出た。


「お前なんしよんや!!!!!!!!」


曜の怒鳴り声が耳に響いた。

⏰:09/01/23 02:22 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#315 [サな]
「お前健待たせとるやろが?俺らがどんだけ心配しとる思っとんや?今どこや!!」

「志乃んち」

「行くわ」

「嫌や」

「は?」

「うちだって友達と遊びたいときあるやん。ずっと曜んち籠もって、そんなん嫌や」

「好きにせえ」

曜は電話を切った

⏰:09/01/23 02:26 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#316 [サな]
曜の束縛には疲れた。

もちろんうちを思ってのことだってことはわかってる。

うちを守ろうとしてくれてることもわかってる。

だけど耐えられなかった。


この時、曜と別れようと思ったんだ。

⏰:09/01/23 20:27 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#317 [サな]
「曜、うちやっぱ耐えれんから‥別れよう」

「紗奈がええならええよ」


長い間一緒にいたのに、たった1ヵ月でうちらは別れた。


曜が大切だと気付くのは、もう少し後のこと。

⏰:09/01/23 20:31 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#318 [サな]
曜ってうちにとって何だったんだろ?って

このときはそんなことを考えてた。


別れて1ヵ月くらいたって、七瀬に彼女ができたと聞いた。

結構ベタぼれ状態らしく、うちはこれで七瀬に解放された。

⏰:09/01/23 23:43 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#319 [サな]
よし、これでリセットだ。

うちは新しい気持ちで恋をしようと思った。

ほとんどの時間を志乃の家で過ごし、徐々に男の連絡先を増やしていった。








そんな中出会ったのが真人(まさと)。

⏰:09/01/25 01:21 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#320 [サな]
真人はY市といってうちの住むところから電車を乗り継いで2時間行ったところにある市に住んでいた。

Y市の噂なんてこの辺じゃ全く聞かないし、同じ県内だけどどんな場所かも知らなかった。

普通にうちは真人と連絡を取っていた。

普通におもろい人やと思ったし、馬鹿な話ばっかりしてた。

⏰:09/01/26 01:01 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#321 [サな]
「今度遊ぼうや!迎えに行くし」

「あんた免許持ってないやん」

「余裕余裕。普通に乗りよったらバレんのんやから〜」

「絶対嫌だ。」

「んなら会えんなあ」

「そーやねえ〜歩いておいで」

「あほやん!」

「まあそのうちな〜」

⏰:09/01/26 01:05 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#322 [あみ]
ずっと読んでますエZ
更新楽しみにしてるんで
あげさしてもらいますイ

⏰:09/01/26 19:06 📱:W61SH 🆔:dgYfRUI6


#323 [サな]
ありがとうございます!
更新遅いですが
これからもよろしくお願いします

⏰:09/02/02 01:03 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#324 [サな]
真人がまともな人間ではないってことはわかってた。

話しを聞く限りそんな人だったから。



そんなある日、美弥子(みやこ)と仲良くなった。

美弥子は元々Y市の人だけど、彼氏の凌斗(りょうと)がこっちの人だから同棲するために来た子で、うちと凌斗が友達で、美弥子と仲良くしてやってほしいって凌斗に頼まれた感じ。

⏰:09/02/02 01:19 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#325 [サな]
美弥子はうちの1つ上で、ギャルっぽい感じだけど可愛らしい子。

凌斗はうちの2つ上になる。


美弥子はすごく話しやすくてすぐに打ち解けた。

Y市だということで真人の話を美弥子にした。

⏰:09/02/02 01:22 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#326 [サな]
「その真人って奴うち知ってるで。駅によぉおる奴やろ。あいつやめといたほうがええで。てか関わらん方がええ」

「なんでなん?」



「あれらポン中、シン中の集まりやから」



うちは頭の中がハテナでいっぱいだった

⏰:09/02/02 01:25 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#327 [サな]
「は?真人ポン中なん?」

「うん。あのメンバーの中に元彼いてるからわかる。」

「…まじ?」

「あ…なんかごめんな。紗奈が真人君のこと好きやったらそんなん言われたら困るよな…ごめん」

「いや…好きとかじゃないけどさぁ」


好きとかじゃない。

だけど良い奴だと思い始めてたから、凄い衝撃的だった。

⏰:09/02/02 11:10 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#328 [サな]
うちは真人に電話を掛けた。


「真人〜何してんのー?」

「今駅〜」

「てかさぁ…真人ポン中てほんま?」

「は?」

「別に違うならええんやけどさ」

⏰:09/02/02 16:45 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#329 [我輩は匿名である]
もっともっと読みたーい

⏰:09/02/02 16:50 📱:F904i 🆔:0IbKxfrI


#330 [サな]
「それ誰が言いよった?」

「友達やけど」

「ちょお今からそっち行くわ」

「は?どんだけ時間かかる思ってんの」

「まあつきそうになったら連絡するわ」


真人は電話を切った。




…来てどーする気?

⏰:09/02/02 16:53 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#331 [サな]
暫くしてからメールが来た。

[駅来て]

うちは急いで駅に向かった。

駅には車が何台か止まっていた。

すぐにどれが真人かわかった。

「真人?」

窓越しに話しかける。

「紗奈。乗って」

「乗ってって馬鹿じゃない?あんた無免やん。しかも誰の車や」

⏰:09/02/02 21:29 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#332 [サな]
「先輩のシーマ借りてきた。まあ乗り」

「乗らん」

「ならええわ。俺が降りる」

「最初からそーせえ」


真人は車を降りた。

思ったより背がでかかった。

⏰:09/02/02 21:36 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#333 [サな]
「ちょいいろいろ話したいしどっか座ろか」

うちらは海岸沿いを歩いた。

そしてベンチに座った。


「はっきり言う。…俺はポン中や」

「…やっぱそうなんや」

「…嫌いになった?」

「そんなんやないけどさ…」

⏰:09/02/02 21:40 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#334 [サな]
「やめたくてもやめれん。ほんまに依存しとる」

「やめたいとか思ってんの?」

「思っとる。正確に言えば思っとった。やけど無理なんやって…。ほんま気持ち良くて、楽しくてやめれん」

「そんな話し聞きたくないよ。辞める努力だってしてないんやん。薬が悪いことだと思ってないやん。そんな奴やと思ってなかったわ」

⏰:09/02/02 21:44 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#335 [サな]
「紗奈聞いて…」

「何を?言い訳?」

「違う!!!俺紗奈のことが好きやから言えんやった。紗奈に言って嫌われるのが嫌やったんよ!!!やから言えんやったんやん。やけど紗奈が知ってしまったからわざわざ来たんやん!!」

「言い訳しに?」

「違う!!!」

「違くないやろが!お前が言いよることは言い訳以外のなにものでもないわ!」

⏰:09/02/02 21:48 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#336 [サな]
「聞いてや…ごめん紗奈…ごめん聞いて…」

真人は泣きながら喋った。

「俺が薬始めたのは、大失恋して寂しかったからやったんよ…。寂しくて仕方なかった。薬やってる時だけは忘れられた。やけど薬が切れたら今まで以上に寂しくなって、苦しくて仕方なかった。それでまたやるって繰り返しやった。…やけど紗奈と出会ってから薬の量がめっちゃ減ったんよ。薬がキレても紗奈と電話しやったら寂しくなかった。俺、紗奈とおったら薬やめれると思うんよ」

⏰:09/02/02 22:02 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#337 [サな]
なんだこのダメ男は…。

ダメすぎて笑える。

真人がうちといてやめれる?

そんなわけないやん。

馬鹿言うなよ。


「人に頼らんと自分でできんのか?犯罪犯して楽しいか?お前暴走やってしよんのやろ?人様に迷惑かけて何も思わんのか?もうこれ以上警察に世話になる人見たくない。うち、真人が薬やめてちゃんとした人間になるまで会わんから」

⏰:09/02/02 22:06 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#338 [サな]
なんやんやろ。

不良ぶっておもろいんかな?

薬やっておもろいんか?

グラム何万もするもんで…ただの粉で…わざわざ金かけてまで自分を壊す必要ないやん。

何考えとるんか知らんけど、真人みたいな人間、馬鹿としか思えない。

七瀬よりタチが悪い。

⏰:09/02/03 00:20 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#339 [サな]
腹が立って仕方なかった。

それと同時に悔しくて悲しかった。

うちは凌斗の家に行った。

すると美弥子が出てきてそっと抱きしめてくれた。

安心感からか涙があふれ出した。

うちなんだかんだ言って真人のこと好きだったんかもしれん。

このとき初めてそう思った。

⏰:09/02/03 00:25 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#340 [サな]
それから何日かして、また凌斗の家に行く機会があった。

「美弥子が実家に荷物取りに行く言うからついて行ってやってくれん?俺仕事やから」

凌斗にそう言われて、うちは美弥子の運転で美弥子の実家に行くことになった。

美弥子の実家=Y市

そのことはわかってた。

少しの不安と少しの期待があった。

⏰:09/02/03 00:30 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#341 [サな]
車で2時間ちょっとで美弥子の家についた。

美弥子の家は結構駅の近く。

内心ドキドキだったけど、そのとき駅には誰もいなかった。

「荷物取ったし帰ろっか」

美弥子がそう言って車に乗ったときだった。

5人くらいの集団がある家に入って行こうとした。

その中には真人の姿もあった。

⏰:09/02/03 10:49 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#342 [紗奈]
真人と目があった。

「紗奈」

真人がうちを呼ぶ。

うちは動けなかった。

「紗奈…俺…」

「ちょっと話せば?うちちょっと買い物してくるし」

美弥子はそう言ってうちを置いて車でどこかへ行った。

⏰:09/02/06 00:45 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#343 [紗奈]
「紗奈、話そう」

「…うん」

「中入ろうや。」

「真人んち?」

「違うけど…まあ部屋貸してもらうし中入ろ」

うちは真人に引っ張られて中に入った。


たまり場なんだろう。

雑誌や煙草やゴミで足の踏み場もないような部屋だった。

⏰:09/02/06 00:49 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#344 [紗奈]
「健哉くん奥の部屋借りるで」

健哉くんとはこの家の人で真人の先輩らしい。

たまり場の奥にあるドアを開けてはいると、結構きれいな部屋だった。

ベッドとソファーとテーブルと電気のみ。

多分寝室。


真人はベッドに座った。


「横来る?」

⏰:09/02/06 00:54 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#345 [紗奈]
「無理」

うちはそう言ってソファーに座った。

すると真人が隣に来て座った。


「真人まだやめてないやろ?」

「えっ…」

「ここ、薬するために溜まる所なんやないん?」


図星だったらしく真人は黙ってうつむいた。

⏰:09/02/06 00:57 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#346 [紗奈]
「やめる気ないん?」

「やめようと思った。やめて紗奈んとこにもう一回行こうって思っとったんやけど…ここに来れば誘惑に負けてしまう」

「来んかったらえーやん」

「そーゆー訳にはいかん。ここは俺の家みたいなもんやし。」

「自分ち帰ればええやんか」

「孤独やったらいろいろ考えてしまっておかしくなりそうなんやって…。紗奈と連絡取りよったときは電話するから何も考える暇なかったし」

⏰:09/02/06 01:03 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#347 [紗奈]
「うちがおればやめれるわけ?ほんまにそう言い切れる?」

「俺、紗奈がおればそれでええんやって。紗奈がおれば絶対頑張れる。言い切れる」


真剣な目で真人はそう言った。

信用していい?

こんな奴とうちが一緒にいていい?

一瞬のうちに沢山の不安や疑問が頭の中に浮かんできた。

⏰:09/02/06 01:09 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#348 [我輩は匿名である]
>>1-50
>>51-100
>>101-150
>>151-200
>>201-250
>>251-300
>>301-350
>>351-400

⏰:09/02/07 14:26 📱:W52SH 🆔:egfVOuho


#349 [紗奈]
「まあとりあえずもう一回連絡取るようにしよっか。」

考えたあげく出た言葉はこれだった。

「俺絶対辞めるからな。」

真人は煙草を取り出して火をつけた。

「煙草は吸うんやな(笑)」

「それはしゃーなし許してや」

「まあそこまでは言わんけどさ」

⏰:09/02/08 01:38 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#350 [紗奈]
「そろそろ美弥子来る思うし外出るわ」

うちはそう言って立ち上がった。

「紗奈待って!!!」

「何?何かある?」



「……ちゅーしたい」

「はあー?」

⏰:09/02/08 01:40 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#351 [紗奈]
すると真人が近付いてきた。

「ちょい待て待て!!」

そのまま壁に張り付け状態にされてその瞬間後頭部を思いっきりガンッって打った。
「痛ーっ!!」

「あ、ごめん。」

「絶対もうせんからな」

「していい?」

「嫌や!!つか嫌やってゆーてもこの体制になったってことはする気満々やん!!」

⏰:09/02/08 01:48 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#352 [紗奈]
「当たり前やん」

真人はそう言って意地悪そうに笑ってキスをしてきた。

「あーあ。うちのファーストキスが…」

「うそぉっ!!!!!?????」

「嘘に決まっとるやん。アホか」

「…つまらん奴」

「どーせつまりませんよっ!ならうち帰りますんで」

⏰:09/02/08 01:53 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#353 [紗奈]
「やーだ」

「やーだじゃなーいっ」

「もっかーい」

真人は甘えた声で催促してくる。

「やだ」

「やーだー」

きりがない。

⏰:09/02/13 04:50 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#354 [紗奈]
「じゃあ次ちゅーしたら帰る」

「えーっ」

「どっちや!!」

「する」


今度はさっきとは違って舌が入ってきた。

深い深いキス。

どさくさに紛れて胸触ってきたけどそこは許してあげた。

⏰:09/02/13 04:54 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#355 [ひとみ]
おもしろいです
続き気になります★

⏰:09/02/14 01:46 📱:SO705i 🆔:KS.1QO/o


#356 [名無し]
更新せぇヘんの

⏰:09/02/21 21:40 📱:SH904i 🆔:Bp0Srx8U


#357 [サな]
すみません事情があってしばらく書けんと思います追々小説にも出てくると思いますがしばらく更新できません。
ほんまに申し訳ないです

⏰:09/02/23 17:51 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#358 [サな]
ちょい更新します

⏰:09/02/27 00:54 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#359 [サな]
「じゃあうち帰るからな?」

「帰ったら連絡して」

「わかった」

「ちゃんと連絡してな!?俺、ほんまに紗奈のこと好きやから!絶対薬やめるから!俺のこと嫌いにならんとってな…?」

真人は泣きそうな顔で必死に訴えてきた。

「大丈夫やから」

うちはそう言って家を出た。

⏰:09/02/27 01:01 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#360 [サな]
外にでると美弥子がいた。

うちは全部美弥子に話した。

「あんたこれから大変やと思うで?大丈夫なん?」

「わからん。でも頑張る。うち真人の良いところたくさん知っとる。悪いとこたくさんあるけど良いところもたくさんあるんやって。やから頑張れると思う」

「そか。応援するし何かあったら言いや?」

⏰:09/02/27 01:04 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#361 [サな]
家に帰ってからうちは真人にメールを入れた。

それから毎日何時間も電話したり、電話してないときはメールしたりした。

それから何週間か経って、久しぶりに真人と会うことになった。

⏰:09/02/27 01:15 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#362 [サな]
もうすでに7月が終わろうとしていた。

うちは夏休みに入ってから、志乃んちか稜斗んちに居座る生活を続けていた。

「俺んち来るか?」

電話で真人が言った。

「いや、いいわ。行かん」

「そか。なら俺が行くし遊ぼ!」



…ということで真人が来ることになった。

⏰:09/02/27 01:20 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#363 [サな]
うちは基本夜行性。
11時くらいかな。うちは駅に向かった。

その頃駅に監視カメラが付いた。

駅にたまり、悪さをするのを防ぐためだ。

そのため駅には人の気配がほとんどなかった。
少し前はすごく賑やかだったのに。



少しすると車がうちの前に止まった。

中を見ると真人。

前と車が違う。

⏰:09/02/27 20:13 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#364 [サな]

「車違うやん」

「色んな車乗りたいやん?今日はマジェ♪」

「あっそ。無免とか格好悪いけどな」

「そのうち取るて。乗らん?」

「えーわ。うちやっぱその辺真面目に行くし!!」

⏰:09/02/27 20:26 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#365 [サな]
タグつけてしまった笑
気にせんでなw

⏰:09/02/27 20:27 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#366 [サな]
「家出娘がよう言うわ!」

「黙れや〜関係ないし!つぅか駐車場でもどこでも置いてきーや。いつまで窓越しで話す気なん」

「置いて来ますよ。なら待っといてな」

「あいよ」

真人はどっかに車を置きに行った。

⏰:09/02/27 20:33 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#367 [サな]
少ししてから真人が歩いて来た。

「どこ行くんやしー」

「まあとりあえず歩くみたいな」


うちらはとりあえず海岸沿いを歩いた。


「会うの久々やなあ」

「やね〜。」

⏰:09/03/02 02:16 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#368 [紗奈]
「なぁ紗奈〜、俺じゃだめ?」

砂浜に座ってしばらくしてから真人が言った。

「…」

うちは何も言えなかった。


自分の気持ちを人に伝えるのは難しい。
自分では考えて言ったようでも、相手に伝わらないことだってある。

うちの気持ちは今、言葉にできない。

⏰:09/03/03 01:30 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#369 [紗奈]
「ごめん。まだやっぱ無理やよな…」

真人はうちの髪をクシャッとした。

「真人…うち真人のこと嫌いやないから」

「…ありがと。でも今そんなん言われても辛いだけやわ」

そう言って煙草に火をつけた。





やっぱり言葉って難しいね…。

⏰:09/03/03 02:09 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#370 [紗奈]
うちは煙草を吸う真人をずっと見てた。

辺りは真っ暗で、真人の煙草の火と沢山の星だけが見えた。


「もう薬やってないよ」

「ほんま?…よかった」

「心配かけてごめんな」

「うん。もうやったらいかんよ?」

「多分大丈夫」

⏰:09/03/03 02:20 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#371 [紗奈]
真人はうちを抱きしめた。

ごめんなって、何回も言ってきた。



うちは涙があふれた。

何でかはわからないけど…。



「愛しとるよ…紗奈」



真人はもっと強く、潰れてしまいそうなくらい抱きしめてきた。

⏰:09/03/03 02:25 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#372 [紗奈]
「もお俺ヤバい」

とかなんか言って真人は立ち上がった。

「え、何?」

「ヤバい。お前とおったら調子狂う。自分がキモい。」

「なんやそれッ!」

⏰:09/03/04 01:59 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#373 [紗奈]
「いい。帰る」

「は?何で?もお帰るん?」


真人はニヤっとした。


「そんなに帰ってほしくないん?」



…うわ、こいつウザい。笑

⏰:09/03/04 22:19 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#374 [ゆリ]
おもしろいです
曜さんと、また
戻らないかな

いつも楽しみに
してますっ★だから
更新頑張って下さい

⏰:09/03/05 01:26 📱:SH706i 🆔:☆☆☆


#375 [紗奈]
ゆりちゃん

ありがとうございます
更新ちょっとずつですが
完結させるんでみてください

⏰:09/03/05 02:09 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#376 [紗奈]
「別に帰ればいいやん」

「いやいや、そこはちょっと可愛らしく帰らんといて?とか言おうや!笑」

「うちにそれ求めちゃだめだってw」

「やな、求める人間違えたわ。他の女に求めます」

「そーしなさい」

「…ってそこも引きとめようや」

「面倒くさい奴やなw」

⏰:09/03/05 02:13 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#377 [紗奈]
「もおええ!まじで帰る!」

真人は元来た道を歩き始めた。

「真人待ってやッ」



数メートル先を歩く真人。
うちはそれを追った。



「真人!帰らんといてや…」


思わず出た言葉だった。
うちそんなキャラじゃない。

⏰:09/03/05 02:18 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#378 [紗奈]
「うわ〜、紗奈でもそんなこと言うんや」

意地悪そうに笑いながら真人はうちのほうに向かって歩いてきた。


「あんたとおったら調子狂う」

「それは俺も一緒。」


真人はうちの手を引いて歩き出した。


人と手を繋いだのっていつぶりだろう?

⏰:09/03/05 02:23 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#379 [紗奈]
曜と手、繋いだことあるっけ?



あるとは思う。



でも、こんな感覚初めてというか、懐かしいというか…。




真人といたらドキドキする。
多分、…好きって感覚。

⏰:09/03/05 02:26 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#380 [紗奈]
「車動かさんし乗れば?」

真人は車に乗り込んだ。

うちも続いて助手席に乗る。


「動かすなよ〜」

「大丈夫やって。でもやっぱ車ん中わいちゃつきにくいな」

「いちゃつかんくてええから」

⏰:09/03/05 17:53 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#381 [紗奈]
「素直になりなさい」

「ならんよ〜」

「てことは紗奈が言うたことは全部逆ってことやなあ?」

「あー?なんやそりゃ」

「いちゃつきたくない=いちゃつきたい!みたいなね」

「勝手に言うとけよ!笑」

⏰:09/03/05 20:07 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#382 [紗奈]
すでに時間は2時くらい。

眠たかったからそのまま座席を倒した。

すると真人も座席を倒してこっちを向いてきた。

「何や恥ずかしいやん。こっち見んなし」

「やだ。見たい」

「キモッ」

うちが反対を向くと後ろから思いっきし服を捲り上げてきた。

⏰:09/03/06 17:46 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#383 [紗奈]
「はッ!?調子乗んなボケ!!」

うちは真人の頭をひっぱたいた。

「冗談やん〜ごめん〜」

「あほやん。」

「紗奈の近く行きたい」

「普通に考えて無理やろ」

「じゃあ外出よ〜?」


そう言って真人は外に出た。
うちも仕方なく外へ。

⏰:09/03/06 17:52 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#384 [紗奈]
真人が普通に差し出す手。


うちなんでこんなことでこんなにドキドキしとんやろ。


「ここ何もなさすぎ」

「Y市も言えんやろ」


とか話しながら結局海岸へ。

⏰:09/03/06 18:07 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#385 [紗奈]
「…なんで俺紗奈なんか好きになったんやろー」

「紗奈"なんか"って何よ」

「ん〜…別に特別可愛いわけでもめっちゃ性格良いわけでもないやん?」

「失礼やなw」

「でもなあ〜、何か好きなんよ。何でなんやろな。」

「知らんけど。笑」

⏰:09/03/06 18:37 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#386 [紗奈]
「紗奈の前付き合っとった奴ってどんな人やったん?」




…前付き合っとった奴かぁ。





…曜のことやんね。

⏰:09/03/06 18:56 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#387 [紗奈]
「良い奴やった」




…良い奴やったよ。曜は。


うちのこと必死で守ろうとしてくれてた。

やけどうちは馬鹿でガキやったから、そんな曜を手放した。



別れてからわかるよね。その人の大切さって。

⏰:09/03/06 19:01 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#388 [紗奈]
「ええ奴やった。ええ奴やったけど、ええ奴すぎた。」

「紗奈まだそいつのこと好きなん?」

「は?好きやないよ!」

「そか。そいつってどこの奴?」

「それって言わんといかんの?」






七瀬みたいなことするんやないかって、一瞬でそのことが頭に浮かんだ。

⏰:09/03/06 19:35 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#389 [紗奈]
「聞いたらいけんやった?」

「いや…別に」

「明らか不機嫌やん。どした?」

「何もないって!!大丈夫」



態度に出てたのは自分でもわかった。

⏰:09/03/06 23:33 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#390 [紗奈]
うちは人を信じきれてないんだ。



信じれば傷付く。



人を想えば想うほど傷付く。




そんな考えだった。

⏰:09/03/06 23:35 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#391 [紗奈]
だから、一途な恋とか多分無理なんだ。

初めて付き合ったのが七瀬だったからかな?

…何でも七瀬のせいにしちゃだめだよね。

結局は自分の意識の問題だ。


七瀬と達也が捕まったって聞いたとき、絵美には"冷めとる"って言われた。


うん。確かにそう。

なんか…冷めとるって言うか、どーでもいい。

⏰:09/03/07 01:07 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#392 [紗奈]
本当に言葉って難しい。



だからうちは自分の気持ちを言葉に出さない。



好きとか、嫌だとか、辛いとか、寂しいとか、苦しい、嬉しい、楽しい…。





…ただ素直になれないだけ。

⏰:09/03/07 01:15 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#393 [紗奈]
実はちょっと羨ましい。

自分の気持ちを素直に言って甘えたりする人。



うん。うちはやっぱガキだ。




変なプライドが邪魔ばっかする。

⏰:09/03/07 01:18 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#394 [紗奈]
でもね、真人とおったらちょっとだけ…素直になれる。

ちょっとだけな。


なんか、言うつもりない感情が口からでる。


何でかな。真人が素直すぎるんかもな。

⏰:09/03/07 01:22 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#395 [紗奈]
帰り際、うちは真人に聞いた。


「ほんまにうちのこと好き?」


「は!?唐突やな。何やいきなり」


「何でもない。気ぃつけて帰ってな。事故ったら許さんで?」


「大丈夫やって」




そう言って真人はうちにキスをした。

⏰:09/03/07 01:27 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#396 [紗奈]
「本気で好きやから」


真人は真剣な顔で言った。


「なぁ、何かあったんか?さっきから泣きそうな顔やん。」

「そんなことないで!元気やから。あ、今度はうちがY市行くね!」

「おぉ、ほんまに?待っとくで家出少女」

「任せとき〜」

⏰:09/03/07 01:33 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#397 [紗奈]
「じゃあ帰るから。…何かあったらいつでも言えな?」

「うん。大丈夫やから」



真人はエンジンをかけて車を走らせた。


うちは1人、明け方の海を眺めた。






うち、また恋してもいいよね?

⏰:09/03/07 01:36 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#398 [紗奈]
うちはそのまま凌斗の家に行った。

数日前、凌斗がなぜかくれた合い鍵でドアを開ける。


この鍵…貰って良いものか?


うちがどれだけこの家に居座っているのかがわかる。

せっかくの同棲生活を邪魔しているのは紛れもなくこの私。笑

⏰:09/03/07 01:47 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#399 [紗奈]
「紗奈お帰り!」

美弥子が笑顔で迎えてくれるその奥には寝ぼけた凌斗の姿。


「ただいま。凌斗仕事は?」

「ん〜今日休み」

「そーなんや。うちお邪魔やし志乃んとこ行こうか?」

⏰:09/03/07 01:50 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#400 [紗奈]
「うち紗奈と話したいこといっぱいやからおってええよ!」

美弥子が言った。

「お〜。おればええやん。今更遠慮されてもキモイわ。俺尚君とこ行ってくるから」

※尚君=うちも仲良い先輩(多分当時21歳)


「尚君に今度ご飯連れてってって言うといてな!」

「どこまでも図々しい奴やなw」

⏰:09/03/07 01:55 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#401 [紗奈]
そんなことを話しながら凌斗は準備して尚君とこに行った。


「まあ座りいや」

美弥子が聞きたいことはわかる。

真人のこと。


うちは座ってから全部話した。


「次うちが会いに行ってそんな感じになったら付き合おうと思うんやけどどー思う?」

⏰:09/03/07 02:00 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#402 [紗奈]
これはうちの素直な気持ちだった。


真人が好き。

真人と一緒にいたい。


そう思った。



「ええんやない!紗奈は不器用やからうまくいかんこといっぱいやけど、真人くんとおって紗奈が幸せを感じることができるなら、それでいいと思うで!がんばりや♪Y市行くとき送ってってあげるから〜」

⏰:09/03/07 02:03 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#403 [沙奈]
よし、頑張ろう。


ちゃんと真人と向き合う。







なあ真人?

うちとおった時間は幸せだった?


うちは幸せだったよ。

⏰:09/03/07 23:09 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#404 [沙奈]
8月に入って少ししてから、うちはY市に行くことになった。

美弥子が連れて行ってくれる(美弥子はついでに実家に帰省する)わけで、凌斗の家を出たのは朝の10時くらいだった。


それからY市についたのが昼過ぎ。
美弥子に駅でおろしてもらい、真人を待った。

⏰:09/03/07 23:16 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#405 [沙奈]

今更やけど安価無かったら
読みにくいな〜思ったんで
安価置いときますねっ
引き続き宜しく御願いします
>>1-100
>>101-200
>>201-300
>>301-400
>>401-500
>>501-600
>>601-700
>>700-800
>>800-900
>>900-1000

⏰:09/03/07 23:25 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#406 []
見てるんで頑張ってくださいー

⏰:09/03/11 10:22 📱:N02A 🆔:☆☆☆


#407 [紗奈]
ありがとうございます
ちょっとドタバタというか…
この小説の終わりが
わからなくなりました

とりあえず書きますね

⏰:09/03/12 21:54 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#408 [紗奈]
真人は仕事の休憩の合間を縫って駅に来た。

作業着姿の真人は格好良かった。


2人で真人の家へ向かった。


「仕事終わるまでおってや」


真人はそう言うと仕事場に戻っていった。

⏰:09/03/12 21:57 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#409 [紗奈]
真人の部屋に初めて入った。

決して綺麗ではないけど全体的に黒で統一された部屋。


特に何もすることなく真人の帰宅を待った。

⏰:09/03/12 22:20 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#410 [紗奈]
しばらくしてから真人が帰ってきた。


真人が風呂から出てすぐに真人は抱きついてきた。


「髪乾かしてからにしいよ」

うちはそう言って真人をどかした。


「紗奈〜?」

「ん?」

⏰:09/03/12 23:41 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#411 [紗奈]
「来てくれてありがと」


真人は髪を乾かしながら笑顔で言った。




それから夕飯を食べて、テレビみながらゴロゴロして、うちも風呂に入ってまたゴロゴロした。

⏰:09/03/12 23:46 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#412 [みお]
死語と前に来てしまいましたぁ続きがとても気になりますぅ〜更新待ってますね!

⏰:09/03/13 07:58 📱:N906imyu 🆔:Wmf5h01g


#413 [みお]
間違えました
死語と ×
仕事  ○

⏰:09/03/13 10:38 📱:N906imyu 🆔:Wmf5h01g


#414 [紗奈]
ありがとうございます☆
更新遅くてすみません

⏰:09/03/13 23:34 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#415 [紗奈]
「真人〜」

「ん?」

「うちのこと好き?」

「は!?何お前いきなり」

「この前のこと考えよったんやけどさ、ほんまに真人が好きなら付き合いたいと思った。そんだけ」

「は!?まじで?」

「うん」

⏰:09/03/13 23:37 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#416 [紗奈]
「そんなん好きに決まっとるやん!!ほんまに付き合ってくれるん?」

「うん」




そんな感じでうちらは付き合った。

⏰:09/03/13 23:39 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#417 [みお]
更新ぅれしぃです
頑張ってくださぃ
読んでますよ

⏰:09/03/13 23:46 📱:N906imyu 🆔:Wmf5h01g


#418 [紗奈]
真人はずっとぎゅってしてきた。


「付き合ったらすぐHしようとしてくると思った」


だってそうじゃん?

付き合ってもないのにちゅうしてくるような奴なのに。


「こーしとるだけで幸せやからいーの」



うちも凄く幸せだった。

⏰:09/03/16 13:35 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#419 [紗奈]
真人との付き合いは順調だった。

別に真人の家に居座るわけでもない。

うちが地元に帰ればなかなか会えないけど、仕事が無い日は会いに来てくれる。

凌斗の家に一緒に行ったこともあった。

「お前俺の妹泣かすなよ」

とか凌斗が言って、そしたら真人

「え!お兄さんなんですか!?」

って(笑)


ちげーよw

⏰:09/03/16 15:19 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#420 [紗奈]
志乃にも真人を合わせた。

「中途半端なことしたらうちが許さんからな。紗奈はこう見えてもナイーブなんやから」

「そうでもないやろ」

「あんた自分で気付いてないだけやって。やから真人くんしっかりしてな」

「大丈夫。紗奈のこと大好きやから」



って。

⏰:09/03/16 15:25 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#421 [紗奈]
真人からの愛は本当にストレートに伝わってきた。

うちも真人が大好きだった。










今でも真人のこと思い出す。

真人は大切な人やったから。

⏰:09/03/16 15:28 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#422 [紗奈]
10月初め、うちは大学に合格した。

自己推薦だから早く決まった。








その頃から、真人の行動がおかしくなった。

⏰:09/03/16 15:35 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#423 [紗奈]
毎日してた連絡もなくなり、

3日に1回あれば良いほう。

「最近忙しいから」

真人はそれ以上何も話してくれなかった。


うちは何でも良いから話してほしかった。

何でも良いから力になりたかったよ。

何もできなかったかもしれないけど、何かできたかもしれんやん…

⏰:09/03/16 15:40 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#424 [紗奈]

>>405

⏰:09/03/16 15:40 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#425 [紗奈]
11月に入ってから、全く連絡が取れなくなった。


14日、いきなり掛かってきた電話。



知らない番号。






「もしもし?」

「もしもし、紗奈?」

⏰:09/03/16 15:45 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#426 [紗奈]
聞き覚えのある声。

少したってようやく気付く。






「曜?」

⏰:09/03/16 15:47 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#427 [紗奈]
「いきなりごめんな。あのさ、お前…真人って奴と付き合っとるよな?」

「曜、真人のこと知っとん?」

「いや、そんな知り合いやないんやけどさ。俺んとこにそいつの連れから連絡来て、紗奈探してほしいって」

「は?意味わからん。何で曜に?てか何?まじで何?」

「詳しくは聞いてない。今から行ったるから一緒にY市行こか」

⏰:09/03/16 15:52 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#428 [紗奈]
しばらくしてから曜が車で来た。

「免許取ったん?」

「おう。まあ乗れや」



久しぶりに会った曜。



ほんま久しぶりやった。

久しぶりの再会がこんなんなんてね。

⏰:09/03/16 15:59 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#429 [m]
>>1-100
>>101-200
>>201-300
>>301-400
>>401-500
>>501-600
>>601-700


頑張って下さい

⏰:09/03/16 16:59 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#430 [紗奈]
ありがとうございます

⏰:09/03/16 23:10 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#431 [紗奈]
ちょいちょい曜と話しながら、うちらはY市についた。

「俺ここで待っとくから行ってこい」









うちは車を降りて真人の家に向かった。

⏰:09/03/16 23:20 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#432 [紗奈]
「紗奈ちゃんやんね?」

真人の家の前に立っていた男が問う。
うちは無言で頷いた。


「真人どこおるか知らん?」

「知らないです。真人と連絡取れないし。」





「やっぱな…。あんな、真人、飛んだみたいやわ」

⏰:09/03/17 00:32 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#433 [紗奈]
「…は?何で?」

「あいつちょっとやらかしてさ…。飛んだみたい」

「え、待って?意味わからん。」

「やからな、俺らもどこおるんかわからんくてさ。…どっか行った」

⏰:09/03/17 00:35 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#434 [紗奈]
「は?待って、ほんまに意味分からん。真人…何した?」

「いや、まあ…ヤクザ絡んどるから。何にせよもう真人はここには帰って来れん。どっかで生きとったらええなってくらいやわ。何か知らんかと思って紗奈ちゃん呼んだんやけど…なんかごめんな。こんな言い方冷たいかも知らんけど、真人のことは忘れ?」



男はそう言って去っていった。



うちは動くことができずに呆然と立ち尽くした。

⏰:09/03/17 17:24 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#435 [紗奈]
意味わからん。

真人…どこ行ったん?

うちに言わんとどこ行ったん?




なあ、何があったん?

うちに言えんようなことだったん?

真人にとってうちはなんだったん?

⏰:09/03/17 21:03 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#436 [紗奈]
なあ真人…




今、どこで、何しとるん?

元気しとる?



真人…うちは幸せだった。






真人…今幸せ?

⏰:09/03/17 21:05 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#437 [紗奈]
.








真人が姿を消してから、うちは今まで真人と会ってない。







.

⏰:09/03/17 21:06 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#438 [紗奈]
もし生きとるなら、何でも良いから連絡がほしい。

元気でやっとるなら、それでいいから。

こんな掲示板見とる可能性なんてかなり低いやろうけど、もし自分のことやって思ったら、連絡ください。

アドレスも番号も、ずっと変わってないから…。


生きとるよって




それだけでいいから。

⏰:09/03/17 21:10 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#439 [紗奈]
.





うちはそれから曜の車に戻った。

車に乗った瞬間、涙が溢れ出た。


曜は何も聞かなかった。

ただ、頭をポンと叩いて、車を走らせた。

⏰:09/03/17 21:13 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#440 [紗奈]
曜、相変わらず優しいんやね。

うちは酷いことしたのに、曜はそれでもこーやって優しくしてくれる。

曜は優しい。


優しすぎるんだよ。






.

⏰:09/03/18 02:27 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#441 [紗奈]
「また何かあったら連絡して」

「うん。ありがとう…」

「…あのさ、また俺からも連絡していい?」

「え?」

「いや、嫌ならええんやけどっ!!紗奈のことやっぱ心配やから…」

「…うん。良いよ」

「ありがとう」

⏰:09/03/18 02:29 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#442 [紗奈]
「曜…ごめんね」

「いいって〜」

「違くてっ…!!今日のことだけじゃなくて…今まで…ごめん。うち酷いことして…」



「気にすんなよ。あれで良かった。確かに別れるってなったとき、かなりメンタルくらったけど…でも、俺は俺で悪いとこいっぱいあったことわかったし」

「違うよ。全部うちのわがままだった。ほんまにごめん…」

⏰:09/03/18 02:34 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#443 [紗奈]
「大丈夫。な?今こうして話ができる。それだけで良いことだって。」

「ほんまに…ほんまにありがとう」

「もーいいって!あ、また遊びに来いな。気が向いたらまたみんなに会ってやって?」

「そんな気分やないけど…」

「気が向いたらでええよ。気持ちに整理がついたら、またいつでも遊びに来いな」

「うん」

⏰:09/03/18 02:37 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#444 [さや]
>>320-500

⏰:09/03/18 05:28 📱:F905i 🆔:Vhpp/6pQ


#445 [ゆうすけ]
頑張って下さい

⏰:09/03/19 12:08 📱:W61SH 🆔:d/ecFSws


#446 [紗奈]
ありがとうございます!

⏰:09/03/20 00:44 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#447 [紗奈]
地元に帰ってから、誰にも会う気になれずに自分の家に籠もった。

学校も行かなかった。

携帯の電源も切って、ただひたすらぼーっとしてた。

何も考えられなかった。

本当に"無"だった。

⏰:09/03/20 00:49 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#448 [紗奈]
志乃は何回も家に足を運んでくれたけど会う気になれなかった。


志乃に会ったところで何を話せばいいのかもわからなかった。


学校からも家に電話がかかってくる。

学校にも行かないと卒業できない。

大学にも行けなくなる。



なのにずっとぼーっとしたままだった。

⏰:09/03/20 00:52 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#449 [紗奈]
12月に入ってから、携帯の電源を付けた。

問い合わせをするとたくさんのメール。

一気に全て受信しきれなくて、結構時間がかかった。


志乃、凌斗、美弥子、曜…

その他にもいろんな人から何通もメールが来ていた。

⏰:09/03/20 00:56 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#450 [紗奈]
そして画面が変わり、表示される"志乃"の文字。

しばらく鳴ってから切れ、またすぐかかってきた。


うちは受話ボタンを押した。

⏰:09/03/20 00:58 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#451 [紗奈]
「紗奈!!!???もしもし!?」

「…志乃」

「あんた何してんや!!…今から家行くから」



志乃は電話を切ってしばらくして家に上がり込んできた。



「お前みんなどんだけ心配しとったと思いよんや!!何があったんか知らんけどいい加減にしいや!!!」

⏰:09/03/20 01:05 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#452 [紗奈]
「ごめん…」

「何があった?」

「真人がおらんくなった…どこにおるかわからんなったって…」

「…ほんまに?」

「うん。うちどーしたらいいん」

志乃は多分必死にかける言葉を考えたんだと思う。

でも、何を言ったらいいかなんてわかるわけない。

志乃は黙ったままうちを抱き締めてくれた。

⏰:09/03/20 01:13 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#453 []
最後まで頑張ってください

⏰:09/03/22 01:00 📱:N906imyu 🆔:LsECoCVM


#454 [紗奈]
ありがとうございます
更新遅くてすみません

⏰:09/03/25 14:23 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#455 [紗奈]
しばらくして少し落ち着いた。


「真人がおらんくなったよ‥」

「うん」

「嫌だよ…忘れるとか無理やよ‥」

「今すぐは無理かも知らん、でもな、ずっと真人君のことばっかり考えやっても仕方ないやん。冷たい言い方かもしらんけどさ‥真人君は帰って来んのやよ。あんた大学だって行くんやろ?もしかしたら、真人君○○県行ったかもしらんよ。卒業せないかんやろ?学校おいで」

⏰:09/03/25 14:36 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#456 [紗奈]
変な期待させんなやって思った。

でも、このままこうしてても意味ないんだよなって思った。

結局は前に進まないといけないんだから、ずっとうじうじしてても仕方ない。


うち自身もこんな性格で良かった。

忘れられたわけじゃない。まだ好きだった。でも、真人とは会えないんだから仕方ないんだ…。

⏰:09/03/27 05:03 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#457 [紗奈]
それからうちはしっかり学校に行き、できるだけちゃんと6時間授業を受けた。

そしてきちんと家に帰るようにもなった。



そんなある日、曜からの着信。


あれから曜とはちょいちょい連絡を取っていた。

良い友達としてだけど。

⏰:09/03/31 00:31 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#458 [紗奈]
「おい!何しよるか?」

「普通に学校やしな〜」

「真面目に行きよるか?」

「あたまえやーん」

「なら学校終わったら迎え行くから飯食い行こや!」

「ほんまに!?なら焼き肉なッ」

「少しは女の子らしくイタリアンレストラン♪とか言ってみろや!笑」

「焼き肉の気分なんやし!」

⏰:09/03/31 00:46 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#459 [紗奈]
「わかったわかった。じゃあまた後でな」


そんな感じであれ以来久しぶりの対面。

授業が終わって校門前に行くと曜の車。


うちは助手席に乗り込んだ。


「元気そーやん」

「空回りやよ(笑)」

⏰:09/03/31 00:54 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#460 [紗奈]
それから焼き肉食べてドライブ。

久しぶりの曜。

やっぱり曜といるのは楽しかった。







それから冬休みになり、3学期が始まり、あっと言う間に自由登校、そして卒業式が終わり、引っ越しの日が来た。

⏰:09/03/31 01:11 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#461 [紗奈]
引っ越しの日、曜から電話がかかってきた。

「お前そっちで良い恋しろよ?な。まあ何かあったらいつでも連絡して来いな!」

「ありがとう」


そんな会話をして電話を切った。



そして大学の入学式。

この時あんたに会ってなかったら、うちはあいつに出会ってなかった。

⏰:09/03/31 01:19 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#462 [紗奈]
入学式、受付をすませて中に入る。

同じ学部の人が沢山並んで座る中に、うちも混ざった。

「なあ!名前は!?」

茶髪の男が話しかけてきた。

「紗奈やけど」

「俺、あきまさってゆーんやけどアキって呼んで!あとアド教えてや」



うちはアキとアドを交換した。

⏰:09/03/31 01:35 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#463 [紗奈]
入学式が終わり、次の日からすぐに色々あった。

夏香(なつか)って言う、目が大きくてショートヘアの女の子と友達になり、好調なスタートだった。



入学式から何日か経ち、アキからメールが来た。


「今から連れんち行くんやけど来ん!?」

「は?なんでうちが?」

「えーやん!紗奈って○×県の人やろ?○×県の知り合いおるんやって!」

⏰:09/03/31 01:48 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#464 [紗奈]
「男?女?」

「男。ちなみに男4人と女2人おる」

「そーなん。まあ暇やし行ってもえーよ」









少し、真人かな?って期待した。

少しだけね。

⏰:09/03/31 01:50 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#465 [紗奈]
大学までアキに迎えに来てもらってから、みんながいるって言う家まで行った。


「お邪魔しまーす」

「お、紗奈ちゃんやんな!アキから聞いてるで〜!○×出身やって?俺もやし仲良くしてな!」









これが佑太との出会いだった。

⏰:09/03/31 01:54 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#466 [紗奈]

寝ます。


アンカー置いときます
>>405

⏰:09/03/31 01:55 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#467 [紗奈]
「じゃ、俺帰りますわー」

アキは帰ろうとした。

「は?あんた何しに来たん」

「ん?紹介」

「あっそ。じゃーね」

⏰:09/03/31 23:54 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#468 [紗奈]
「紗奈って呼ぶわ!俺は佑太って呼んでや。」

他には

ミチ君(当時32歳)
まじで32には見えないし、20代前半って言われても納得できる顔。

ミチ君の彼女の千尋(当時17歳)
かなりの歳の差カップル。しかもこの千尋、めっちゃ生意気。笑

⏰:09/04/01 00:01 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#469 [紗奈]
つぅくん(当時18歳でタメ)ヤンキーって言うよりギャル男に近い感じ。

つぅくんの彼女の結衣(当時16歳)こいつもまた生意気。

圭君(当時23歳)なんかパシリ気質な人。

⏰:09/04/01 00:08 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#470 [紗奈]
佑太はタメ。見た目はヤンキー。格好いいのと可愛いのが混ざった感じ。

話を聞いていれば元暴走族らしい。

しかもさらによく聞けば、真人と同じY市。

うちは、真人と比べるわけではなくて、佑太に惹かれた。


比べるつもりはなかった。

でもやっぱり、真人と比べてたから、好きになったんかもな…。

⏰:09/04/01 00:13 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#471 [紗奈]
うちは惚れやすいんかな。

でも、本当に惹かれたんだ、

今思えば、真人の影をどこかで探していたのかもしれない。

でもこれだけは言える。

うちは佑太が好きだった。







うちは、周りの人を傷付ける素質があるのかもしれない。

⏰:09/04/01 11:26 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#472 [紗奈]
「なあ、真人…知っとる?」

「あぁ?真人…真人……あぁ。わかるで。そいつがどーした?」

「いや、何でもないけど」

「俺、言っとくけどあいつより地位上やから〜」

「なんやその自慢(笑)」

「馬鹿馬鹿、大切なことやし!あいつより弱いとか思われたくないからな〜」

「わかったわかった。うちそーゆーの興味ないんやて」

⏰:09/04/01 11:33 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#473 [紗奈]
「珍しっ」

「はぁ?なんでや」

「俺の周りの奴今までそーゆーこと言ったらよってくるような奴ばっかやったからね〜」

「そらぁその女が馬鹿だわ」

「言うね〜」

「言うよ。うちは。そーゆー男いっぱい見てきたかんね。みんなさ、薬しとんやろ?」

⏰:09/04/01 11:43 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#474 [紗奈]
図星だった。

千尋と結衣はやってなかったけど。


「紗奈なんか頭良さそうやね」

「気のせいやろ」

「つか結構生意気やね、お前」

そう言ったのはミチ君。

「そうですかね?」

⏰:09/04/01 11:49 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#475 [紗奈]
「おい、紗奈やめとけ」

佑太とつぅくんが止めてくる。

「お前誰に口きいとんかわかっとんのか」

「ミチ君やろ。ミチ君が言ってきたんやないんすか?」

ミチ君は立ち上がってうちに向かって灰皿を投げつけた。

「…最悪」

うちは灰をはらって立ち上がった。

⏰:09/04/01 11:55 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#476 [紗奈]
「うちはミチ君と今日初めて会ったんやしどんな人かなんか知らんっすよ。どんだけ偉くてどんだけ強いかとかも知らん。やからうちには関係無いです。ただわかるのはミチ君が先輩やってことだけです」

「…」


しばらく沈黙が続いた。


「紗奈、服洗濯したるからこっち来い」


佑太はうちの腕を引っ張って脱衣場に連れて行った。

⏰:09/04/01 12:06 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#477 [紗奈]
「なんなん?別にこんくらいええわ」

「ごめんなぁ。ミチ君…」

「別にええよ。つか佑太に謝られる意味わからんしな」

「…あのさ、ミチ君この辺じゃ有名な人なんやて。平気で人だって殺す。何もしてない人でも気が向いたら殴るような人でな…」

「…そか。でもうち関係ないでな」

「怪我してからや遅いやろ!?やから忠告しとんやないかい」

⏰:09/04/01 15:42 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#478 [紗奈]
「わかったわ。でもうちもう関わりたくないでな」

「…ほんまごめんな。とりあえずこれ俺の服。着とき」

「ありがとう。」



うちは服を着て元の部屋に戻った。

⏰:09/04/01 15:44 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#479 [麗]
>>2-200
>>201-400
>>401-600

⏰:09/04/01 20:14 📱:SO905i 🆔:y29iz1MY


#480 [紗奈]
「ミチ君」

「…あ?」

「確かにミチ君は先輩で、それなのに気に障るようなこと言ってすんませんでした。さっき、佑太からミチ君がどんな人なんかってこと聞きました。でも、だから謝ってるんじゃないです。先輩に対して失礼なことをしたと思ったから謝ります。すみませんでした。…だけど、ミチ君がどんな人だからっつって、うちには関係ないし、他の先輩と態度は変わらないですよ」

⏰:09/04/01 20:27 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#481 [紗奈]
「…お前さぁ、なんかすげーな」

ミチ君はフッと笑った。

「は?」

「俺のこと聞いたんやんな?やのにそこまで言える女初めてみたわ。千尋でさえそこまで言うて来んでな。その度胸は気に入った。」

「はぁ…」

「なんかあったら連絡して来いや」

ミチ君はうちに名刺を渡してきた。

「いや、別にいいっすよ。」

⏰:09/04/01 20:37 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#482 [紗奈]
「なんやその言い方。素直に受け取れや」


「あー、はい。まあありがとうございます」



つうかうち普通のことしただけじゃないか?笑


…まあ気に入られて悪い気はしない。

⏰:09/04/01 20:42 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#483 [紗奈]
それからなぜかみんな仲良くなった。

さっきまでの気まずい空気が嘘みたいに話をした。


「つーか俺明日仕事やし」

「いや、うちだって大学あるし」

「いいよな〜ニートは」

(ニート=千尋・結衣)

「とりあえずうち帰らんといかん」

⏰:09/04/01 20:58 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#484 [紗奈]
「じゃあ大学終わったらまたここ集合な?」

ミチ君が言った。

「てかここ俺んちっすよ!?笑」

「関係ねーやろが」

「まあ…」

「つかうちこの場所覚えてないですし」

「俺明日仕事無いし行ったるわ」


ってことでつぅくんが迎えに来てくれることになった。

⏰:09/04/01 21:11 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#485 [紗奈]
大学が終わっていったん家に帰り、準備をしてつぅくんの携帯にメールを入れる。

10分ほどしてつぅくんの単車の音がして外を見ると、つぅくんが手招きをした。


「結衣に悪いね。ごめんね!」


そう言ってつぅくんの後ろに乗った。


「結衣に怒られるよりミチ君に怒られるほうが怖いかんね」


そうしてつぅくんは佑太の家に向かった

⏰:09/04/02 00:55 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#486 [紗奈]
家にはいると千尋と結衣。

うちはあんまり2人と話したくなかった。


「うち眠いから寝たいんやけどベッド使ってええ思う?」

「ええやろ。寝ときや」



うちは佑太のベッドに転がり、すぐに眠りについた。

⏰:09/04/02 01:02 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#487 [紗奈]
にぎやかな声で目が覚めた。

佑太とミチ君が帰ってきたらしい。

うちは寝ぼけたままボーっと転がっていた。


「翼〜、紗奈は?」

「そこで寝とる」


え、うちまだ寝とることになっとる?

うちは急いで目をつむった。

⏰:09/04/02 01:07 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#488 [紗奈]
ベッドに誰かがあがってくる音がした。

そしてほっぺたをつつかれた。

「紗奈〜起きて〜」

そう言ってうちを椅子がわりにして座る佑太。


「…重っ」

「起きた?」

「起きました」

⏰:09/04/02 01:10 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#489 [紗奈]

アンカー
>>405

⏰:09/04/02 01:11 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#490 [紗奈]
「飲む?」

佑太は飲みかけの水(ボル○ック)を差し出してきた。

うちはそれを取って全部飲みきった。


「お前ちょっとは残せよ!可愛くねーなあ(笑)」

「ぶりっこしてちょびちょびっと飲んだ方がよかった?w」

「それもキモいけど」

「やろ?ならえーやん」

⏰:09/04/02 23:21 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#491 [我輩は匿名である]
更新しないの

⏰:09/04/05 21:24 📱:830CA 🆔:G44y2ydI


#492 [紗奈]
すみません
今忙しいのでまた落ち着いたら更新します。
更新遅いですが最後までお付き合いください

⏰:09/04/07 01:00 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#493 [紗奈]
それからしばらく佑太と話してた。

するとミチくんが立ち上がってこっちに来た。


「ちょい出てくるけど佑太行くか?」

「どこっすか?」

「I市に決まっとるやん」

「…ですよね〜。今日は行きませんわ。」

⏰:09/04/09 07:25 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#494 [紗奈]
「じゃあ翼行くぞ」

「俺は強制っすか?」

「お前は俺の暇つぶしや」


そう言ってミチくんはつぅくんを連れて出て行った。

⏰:09/04/09 07:30 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#495 [紗奈]
「じゃあうちらも帰る!」

「じゃあ俺送ってくわあ」

佑太が立ち上がった。

「え、じゃあうちも帰るよ」

「紗奈は待っといて!」

「は?」

「すぐ戻ってくる」


そう言ってみんなで家の外へ出て行った。

⏰:09/04/09 23:19 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#496 [我輩は匿名である]
早く見たい
この小説大好きデス

⏰:09/04/11 17:27 📱:P903i 🆔:BEYTJOOU


#497 [紗奈]
ありがとうございます
最近忙しいのでなかなか更新できませんがよろしくお願いします

⏰:09/04/12 01:50 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#498 [紗奈]
しばらくして佑太が戻ってきた。

「どたばたでごめんなぁ」

「えーけど。ミチくんらどこ行ったん?」

「○○組の○×会(※ヤーサンの事務所)」

「あ〜、やっぱそっち系なんや」

「まあ気にすんなって」

「別に気にしてないけど」

⏰:09/04/12 02:04 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#499 [紗奈]
「てかうち眠いんやけど」

「寝たらえーやん」

「帰りたいんやけど」

「嫌やし」

「は〜?意味分からん」



こんなことを繰り返して

結局うちは泊まることになった。

⏰:09/04/12 02:09 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#500 [紗奈]
うちが布団で転がっていて、佑太が仕事の事をしてて、うちはそれをベッドからみていた。

「面倒くさそうやね〜」

「かなりね〜」


うちはそのままうとうとして寝かけてた。

⏰:09/04/12 02:15 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#501 [葵]
┏○

>>1-250
>>251-500

⏰:09/04/12 08:38 📱:SH906i 🆔:p5ExK/es


#502 [紗奈]
「眠いんやったら寝て良いよ?」

「ん〜…」


すると佑太が近付いてきて寝るように促した。


「俺も寝る」


そう言って布団に入ってきた佑太。


「仕事は〜?」

「終わり」

⏰:09/04/12 12:19 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#503 [我輩は匿名である]
もしかして福岡の人?

⏰:09/04/12 19:22 📱:W61T 🆔:cL0TqErw


#504 [ぁき]
読ませてもらってます
気持ちを言葉で表すのは難しぃょね
サナさんは強がったりする分気持ちが優しんですね過去の事がぁったからこそ人を信用したり大事にする気持ちを忘れなぃでほしぃです完結は焦らずに私は最後まで読ましてもらぅので更新待ってます

⏰:09/04/12 20:31 📱:P704i 🆔:mG26F8Qo


#505 [紗奈]
>>503
住みは一応伏せますすみません

>>504
読んでくださってありがとうございます
人に気持ちを伝えるって難しいですよね
未だに自分の気持ちをうまく伝えるのは苦手です
本当に今忙しい時期でなかなか更新できませんが暇があれば少しずつでも更新していくので引き続きよろしくお願いします

⏰:09/04/16 01:56 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#506 [紗奈]
佑太は電気を消して腕を出してきた。

うちはその腕を枕にして転がった。

「紗奈はさぁ、過去に戻りたいって思わん?」


いきなりの佑太の質問に戸惑った。


「俺は凄い過去に戻りたい。めちゃくちゃしやった時期に戻りたい。みんなで暴走して警察おちょくって飲んで騒いで喧嘩して…そんなことしやった過去に戻りたい」

⏰:09/04/16 02:03 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#507 [紗奈]
「でも、佑太もえー歳やん?えー加減落ち着けばえーんやない?」

「まあ今は今で楽しんでんやけどな!紗奈は?戻りたいとか思わん?」


「…う〜ん。後悔はいっぱいしたけど、戻っても結果は今と変わらん気がするから。やから…うん。うちは今でいい。」

「忘れられん人とかおらん?」






忘れられん人…。

⏰:09/04/16 02:08 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#508 [紗奈]
「どうかな。わからんな」



忘れてなんか無いし

忘れられるわけ無い。





真人のこと…。



元気にしてればそれでいい。

だけどやっぱり会いたかった。

⏰:09/04/17 13:20 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#509 [紗奈]
「俺さ〜、後悔しとることあってさ…」


佑太は話しを続けた。


「中学のときすっげー仲良かった女がおった。ほんまに信頼しとったし、一番の女連れやった。やけど、俺そいつとヤってしまってさ…。めっちゃ後悔した。ヤらんかったらえかった。ヤった後連絡取らんくなって、俺そこで初めてあいつのこと好きやったんやな…って思った。」


うちは女も佑太のこと好きやったんやないか?って思った。

⏰:09/04/18 16:50 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#510 [紗奈]
うちもなんだかんだで後悔ばっか。

人生やり直したいと思った。



みんなに迷惑かけてきた。




いい加減大人にならないと…






だよね?

⏰:09/04/18 20:17 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#511 [紗奈]
佑太は続けた。


「俺、紗奈と会ってすげーびっくりした。


…そいつと紗奈、まじで似とるんよね」

⏰:09/04/18 20:19 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#512 [紗奈]
「そーなんやー。でもうちその子やないからね!勘違いして襲ってくんなよ?」

「当たり前やん。何年前の話しやと思っとん?笑」







そんな話しをしながら、うちはいつの間にか寝ていた。

⏰:09/04/18 20:23 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#513 [紗奈]
そんな生活が続いた。

学校が終われば佑太の家へ行く。

たまに大学の友達と遊ぶ程度で、ほとんどを佑太の家で過ごした。



ゴールデンウイークに入り、学校は休み。

佑太の家で毎日ゴロゴロしていた。

⏰:09/04/19 00:08 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#514 [紗奈]
「どっか行こか?」

佑太がいきなり言い出した。

「へ?」

「毎日毎日俺んちやったらつまらんやろ」

「どこ行くん?」

「‥買い物?とか」



うちは思わず笑ってしまった。

⏰:09/04/26 11:00 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#515 [紗奈]
「笑うなや!!で?どーする?」

「行こか♪」


うちは佑太の単車の後ろに乗った。


うるさいし速いし運転荒いし怖かった。

⏰:09/04/27 13:31 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#516 [紗奈]
目的地について単車を降りるとふらふらした。

「お前馬鹿やなぁ。」

「単車とか乗り慣れんもん」

「ダサっ」

「普通やし!ボケ」


そんなやりとりをしながらうちらは店に入っていった。

⏰:09/04/27 13:40 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#517 [紗奈]
特になにも買う予定なんかなかったけど、服見たりピアス見たり‥

めっちゃぐるぐる回った。

こういうデートってうちにとってはすごい新鮮だった。




本当に楽しかった。

⏰:09/04/27 23:46 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#518 [ぁかね]
今日最初から全部読みました 面白いです完結まで頑張って下さい…応援してます

⏰:09/04/29 01:03 📱:D905i 🆔:J0J5aYjo


#519 [紗奈]
ありがとうございます!!
めっちゃ駄文ですが
頑張るんでよろしくです

⏰:09/04/29 23:44 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#520 [紗奈]
夜の帰り道

単車には乗らずに歩いて帰った。
単車は佑太が押して歩いた。


うちんちに着いて

「上がってく?」

うちがそう声をかけると、佑太は家に上がってきた。

⏰:09/04/29 23:48 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#521 [紗奈]
うちはいつものように佑太の話を聞いた。

「‥てかさ、紗奈も自分のこと話してや」




驚いた。

佑太は人の話聞くような人じゃなかったから。

うちは自分の話だって大してしたこと無かった。

⏰:09/04/30 00:06 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#522 [紗奈]
「俺、紗奈のこともっと知りたいんやんか。やけど紗奈は何も話してくれんから‥」



過去を話すのは好きじゃない。

自分の過去は大嫌いだから。




思い出したくない思い出が沢山あるから。

⏰:09/04/30 00:14 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#523 [紗奈]
でも、結局話すことになった。

うまく話せなかったけど‥ゆっくり、全部‥。




七瀬のこと

龍のこと

曜のこと

そして‥真人のこと。

⏰:09/04/30 00:19 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#524 [紗奈]
話しながらうちは泣いた。

話し終わると、佑太は「しんどかったね」って、抱きしめてきた。



うちはめっちゃ泣いた。






佑太に惹かれつつあるのと同時に、やっぱりまだ真人を探している自分がいた。

⏰:09/05/01 22:41 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#525 [紗奈]
それから月日は流れ、あっという間に夏休みに入った。

サークルにも入ってないし、バイトもしてなかったため、暇で暇で仕方ない毎日。



でも、相変わらず佑太たちと遊んでた。

⏰:09/05/04 02:50 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#526 [紗奈]
8月入ってすぐ、

「付き合お?」

って佑太が言った。

「付き合おっか」


そんな流れでうちらは付き合うことになった。


すごい呆気ないというかなんというか‥。

⏰:09/05/04 02:53 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#527 [紗奈]
とりあえず8月いっぱいは佑太の家にずっといた。


友達の期間一切手を出してこなかった佑太。

付き合った日から、毎日イチャイチャして、付き合って一週間してからHした。


佑太は慣れてるからか、まじでえっちがうまかった。

しかもなかなかイかないから終わらない。笑

⏰:09/05/04 02:59 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#528 [紗奈]
ほぼ毎日えっちしたけど、だけど色んなところに連れて行ってもらった。


本当に、本当に大好きだった。


だけど本当にうちは最低な女。

すぐに気持ちが揺らぐ、最低な女だ。



うちは‥最低。

⏰:09/05/06 01:29 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#529 [紗奈]
佑太とは順調だった。

順調だけど、全てが当たり前になっていた。


いわゆるマンネリ化。



そんな中、冬休みになって、地元に帰ることになった。

⏰:09/05/06 01:35 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#530 [紗奈]
そして‥うちはまた

















曜に恋をする。

⏰:09/05/06 12:59 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#531 [紗奈]
地元に帰ってすぐのことだった。

志乃なんかは帰ってきてなくて、うちは元々友達って言える友達も少なかったし、とりあえず実家でゴロゴロしていた。


うちは、ふと思い出したように凌斗の家に行った。


相変わらずの凌斗と美弥子。

「おかえり!」

って笑顔で出迎えてくれた。

⏰:09/05/06 13:04 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#532 [紗奈]
しばらく話ししてたらうちの携帯が鳴った。













着信 曜

⏰:09/05/07 12:15 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#533 [紗奈]
「もしもーし」

「おう、紗奈。こっち帰っとる?」

「うん。帰っとるよ!どした?」

「久しぶりにたまり場行かんかな〜と思って。みんなおるしどう?」

「ん〜行こうかな〜」

「じゃあまた連絡する」

⏰:09/05/07 12:18 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#534 [紗奈]
その日の夜に曜から電話が来た。

「今どこ?」

「凌斗んち」

「んなら○○まで来てや」

「了解〜」

⏰:09/05/07 12:34 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#535 [紗奈]
外は寒かった。

まあ冬だししかたない。

外で曜がくるのを待った。


しばらくして曜が来た。


うちは助手席に乗り込んだ。

⏰:09/05/07 12:39 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#536 [紗奈]
「元気だったか?」

「めっちゃ元気やし♪曜は?」

「俺も俺も」




なんて話しながら、前と全く変わらないあのたまり場に着いた。

⏰:09/05/07 14:46 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#537 [..girl]
>>1-100
>>101-200
>>201-300
>>301-400
>>401-500
>>501-600
>>601-700
>>701-800
>>801-900
>>901-1000

⏰:09/05/08 00:13 📱:F905i 🆔:☆☆☆


#538 [紗奈]
「紗奈ちゃん!?」



佳基さんだった。



それに続いて声をかけてくる、あの頃と変わらないメンバー。



すごく懐かしくて、すごく居心地がよかった。

⏰:09/05/10 02:59 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#539 [紗奈]
それからみんなで酒を飲みながらいろんな話しをした。


「で?今紗奈ちゃん彼氏いてるん?」

「いてないよ〜っ」









とっさに付いた嘘だった。

⏰:09/05/10 03:01 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#540 [紗奈]
罪悪感なんて無かった。

佑太に悪いなんて、そんなこと思わなかった。




しばらくするとみんな酔いつぶれてきた。

うちはみんなほど飲んでなかったから潰れてなくて、部屋が暑くなったから外に出た。

⏰:09/05/10 14:08 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#541 [紗奈]
「さむっ!!!」



当たり前だけどまじで寒かった。


だけどしばらく夜風に当たりたくてボーっとしてた。





「風邪引くで」

⏰:09/05/10 14:14 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#542 [紗奈]
振り向くとそこには佳基さんがいた。


「寒いっすね。笑」

「ちょっと話そか」


佳基さんはそう言って隣に座った。

⏰:09/05/10 14:15 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#543 [紗奈]
「最近どーよ?」

「えー‥まあまあっすね」

「曜とは?俺、曜とここ来たからてっきりより戻したんやと思いよったが」

「いやいや、」

「お前もおちょい曜の気持ち考えてやれよ」

「‥は?」

⏰:09/05/10 14:18 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#544 [紗奈]
「お前わからん?まだ曜が紗奈ちゃんのこと好きって」

「は?意味わからん。そんなわけないやん」

「俺はわかるんやて。あの時どんだけ曜が紗奈ちゃんに惚れとったか。別れてから曜がどんだけ落ち込んどったか。今もまだ曜が紗奈ちゃんに声をかけ続けとるのは、紗奈ちゃんが心配ってだけじゃなくて、曜自身が紗奈ちゃんを守ってやりたいって思っとるからで?ほんま余計なお世話ってわかっとるけど‥でも、曜はほんまにお前に惚れとんやって」

⏰:09/05/10 14:25 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#545 [紗奈]
佳基さんはそれだけ言って戻っていった。



ありえんやんそんなの‥。

ただの佳基さんの憶測やろ?




絶対にありえん。




うちはその場でずっと考えてた。

⏰:09/05/10 14:28 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#546 [紗奈]
「紗奈〜?」


曜だった。


「何しとん?寒いやろ。中入りや」

「‥いい。てか帰る」

「は?何で?何かあったか?」


うちは首を横に振った。



曜にどう接したらいいのかわからなくて‥。

⏰:09/05/10 14:37 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#547 [紗奈]
「どした?」


曜はうちの横に座って、頭をポンとした。


「触らんとって‥!!」

「あ‥ごめん」






しばらく沈黙が続いた。

⏰:09/05/10 14:40 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#548 [紗奈]
「‥送って行こうか?」


「いい。帰れる」


「‥なあ、なんかあった?」

「なんもないって」

「何もないのにそんな態度になるわけないやろ?」

「何もないって言っとるやん!!鬱陶しいんやって」

⏰:09/05/10 14:44 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#549 [紗奈]
曜は複雑そうな顔をして中に入っていった。



うちほんまに最低やな‥。

曜のこと傷付けてばっかりや。




でもな、うちはこのとき、これ以上曜とおったらダメやって思ったんよ。

曜のこともっと傷付けてしまうからって‥。

⏰:09/05/10 14:51 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#550 [紗奈]
少ししてから曜が出てきた。


「送る」


曜はうちに荷物を渡して車を取ってきてくれた。



車の中では無言。

そのまま無言で家まで行った。

⏰:09/05/10 14:56 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#551 [紗奈]
「紗奈、ごめんな」


家につく頃、曜が言った。


「俺、紗奈にとって迷惑な存在やんな。俺もいつまでも紗奈紗奈って言っとる場合やないんかもな‥。ごめんな‥」



違うよ‥。違う。



ごめんって言うのはうちのほうやん‥。

⏰:09/05/10 15:01 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#552 [美咲]
頑張ってください

⏰:09/05/10 18:48 📱:SH706i 🆔:☆☆☆


#553 [紗奈]
ありがとです☆

⏰:09/05/10 20:44 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#554 [紗奈]
そして家についた。

「‥曜、ごめん」



「何であやまるん?」

「‥うち、曜とおっても曜を傷つけるだけやんな。」

⏰:09/05/10 20:56 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#555 [紗奈]
「俺がおりたいから一緒におるんやし誘うんや。あんな、俺まだ紗奈のこと‥‥‥」

「曜っ‥言わんで‥あんな、うち聞いたんよ。佳基さんから‥。やから今日曜にどう接して良いかわからんかった。」


これ以上一緒にいれば曜にまた惹かれていく。

だけど、そうしたら曜を傷つけることはわかってる。

曜を傷つけたくない。曜には幸せになってほしいって思ったから‥。

ただのうちの自分勝手な考えだった。

⏰:09/05/11 00:17 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#556 [紗奈]
「‥俺は紗奈が好きや」






曜はそう言ってうちを抱き締めた。



そんなこと言わんで。



また、その曜の優しさに

甘えてしまうから‥。

⏰:09/05/11 00:27 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#557 [紗奈]
真人のことだって忘れてない。

佑太だってまだ付き合っとる。



だけど‥‥‥




曜の優しさに惹かれていく

曜の優しさに甘えてしまう



最低な自分。

⏰:09/05/11 00:32 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#558 [紗奈]
このときうちがちゃんとしてれば

誰も傷つかなくてすんだのかもしれない。

平凡な毎日が過ごせていたのかもしれない。



曜をもっと突き放してればよかった?

佑太をもっと愛せばよかった?



正しい答えなんて、何年たっても出てこない。

⏰:09/05/11 00:37 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#559 [紗奈]
曜は車を出した。

「どこ行く気?」

「どっか。まだ帰したくない」



そう言う曜を見てうちは笑ってしまった。

⏰:09/05/11 00:42 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#560 [紗奈]
うちらはしばらくドライブした。



ふと見た携帯。



沢山の着信と沢山のメール。



全てが佑太からのものだった。

⏰:09/05/11 01:01 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#561 [紗奈]
再び光る携帯。


もうすでに朝の5時くらいだったのに、携帯は光り続けた。


うちは携帯をかばんの奥にしまった。


そしてまた曜とのドライブを楽しんだ。

⏰:09/05/11 01:08 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#562 [紗奈]
「また遊ぼう」


そう約束してうちは家に帰った。



携帯を開くとまだ光り続けていた携帯。



迷ったあげくうちは電話に出た。

⏰:09/05/11 01:19 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#563 [紗奈]
「もしもし?」

「紗奈!?お前っ!!!!!何で連絡せんのや」

「ごめん。友達んとこ行っとってさ」

「男やろ」

「‥は?」

「絶対男やろ?」

「信用ないんやね。まあええけど」



自分のこと棚に上げてよく言えたよ、自分(笑)

⏰:09/05/11 01:24 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#564 [紗奈]
図星つかれて逆ギレした自分。


電話を切って寝た。



それからうちは佑太からの連絡に一切対応せずに、曜と遊んだ。

⏰:09/05/11 01:56 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#565 [紗奈]
曜‥


あのときこうしていれば‥とか、曜が聞いたら怒るよね?


あのときどうしていたとしても、今の結果になったのかな?



ねえ、曜‥。

⏰:09/05/13 02:08 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#566 [紗奈]
うちがあのとき曜を突き放していれば、今も曜は笑っていられたのかな?






曜‥






うちは曜以上に愛せる人を見つけるのは難しそうだよ。

⏰:09/05/13 02:11 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#567 [紗奈]
.




うちは大学に戻ってから、佑太と別れた。


そして‥曜とよりを戻した。





.

⏰:09/05/13 02:13 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#568 [紗奈]
この選択が間違ってた?


うちはどうしたらよかった‥?









ねえ神様‥

⏰:09/05/13 02:14 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#569 [紗奈]
別れてから一週間後


ミチくんからの着信‥







嫌な予感がした。

⏰:09/05/13 02:15 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#570 [紗奈]
.







「佑太、捕まったから」








.

⏰:09/05/13 02:17 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#571 [紗奈]
「‥は?」


「覚せい剤で捕まった。‥まあそんだけやから」


「‥うち別れたし関係ないっす」


「よーもそんなこと言えたもんよ。お前と別れやったから薬に逃げたんやろが。‥まあ薬に逃げる佑太も佑太やけどな。ま、そんだけやから。男できたんやろ?よろしくやれや。何かあったら連絡くれてええから」

「はい」

⏰:09/05/13 02:25 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#572 [紗奈]
佑太が捕まった。


うちと付き合ってる間はやめていた覚せい剤。



別れて、悩んで、考えて、嫌になって‥




覚せい剤に逃げた。

⏰:09/05/13 02:31 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#573 [紗奈]
‥ごめん佑太。



もう少し良い別れ方ができたはずなのに


うちは一方的すぎた。




でも、うちは確かに佑太が好きだった。

だけど‥

⏰:09/05/13 02:34 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#574 [紗奈]
だけど‥



曜と会って、曜が今までどれだけうちを大切にしてきてくれたかわかった。


それと同時に、うちには曜が必要なんだとも思った。



‥だから曜を選んだんだ‥。



うちは佑太を、取り返しのつかないところまで追い込んでしまった。

⏰:09/05/13 02:37 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#575 [紗奈]
‥だけど、揺るがない。



うちは曜を愛してる。





今でも‥曜が一番なんだ。





これから先も‥ずっと。

⏰:09/05/13 02:42 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#576 [紗奈]
.






幸せって、長くは続かないね。

神様は意地悪だ‥。






曜に会いたい‥。

.

⏰:09/05/13 02:44 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#577 [紗奈]
.







2月24日‥








.

⏰:09/05/13 16:25 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#578 [紗奈]
うちは地元に帰る予定だった。



と言うか、帰った。




「じゃあ夜迎えに行く」



曜はそう言って電話を切った。

⏰:09/05/13 16:28 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#579 [ぁかね]
曜さんとのその後がすげぇ気になります
曜さん格好いい

⏰:09/05/15 01:28 📱:D905i 🆔:ObLjcqwI


#580 [紗奈]
コメントありがとです
今からちょっと書きますね

⏰:09/05/19 23:31 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#581 [紗奈]
夜になっても連絡がくることはなくて

何回着信入れても出なくて


‥すごい嫌な予感がして









‥その予感は当たった。

⏰:09/05/19 23:32 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#582 [紗奈]
夜中に曜からの着信。


びっくりして急いで電話に出た。



「もしもし、紗奈ちゃん!!」

「‥佳基さん?なんで?」






「‥曜が‥‥事故で‥‥」

⏰:09/05/19 23:37 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#583 [紗奈]
佳基さんは、とりあえず朝になったら迎えに行くからと言って電話を切った。


うちは寝れないまま朝を迎えて‥


佳基さんが来て、病院に向かった。

⏰:09/05/19 23:40 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#584 [紗奈]
病院につくと、そこには機械に囲まれた曜の姿。

こんなの曜じゃないよ‥ってくらい傷だらけの身体。



「曜っ‥起きて?もお朝やて」

⏰:09/05/19 23:43 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#585 [紗奈]
うちは声をかけ続けた。

そんな状態が約1週間‥

そして3月2日













‥水野 曜 永眠

⏰:09/05/19 23:47 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#586 [紗奈]
.




曜は、うちを迎えに来る途中

誤ってハンドルをきって

そのまま右にあった川に

車ごと落ちたらしい。

道路から川までは結構な高さで

車はボコボコ。

フロントも粉々だった。

⏰:09/05/19 23:52 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#587 [紗奈]
.



お通夜も葬式も

気付いたら終わっていた。


うちはまだ現実を受け止められずに

小さい箱に入った曜を

ぼーっと見つめ続けた。

⏰:09/05/20 08:32 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#588 [紗奈]
.



「紗奈ちゃん‥曜はほんまに紗奈ちゃんのこと好きやったんよ。‥紗奈ちゃんを‥愛しとった」



あのたまり場にいたメンバーは、決まってみんなうちにそう声をかけた。

⏰:09/05/20 08:53 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#589 [紗奈]
.



うちは‥

たくさん曜を裏切って

傷つけて

迷惑かけて

他の男に行った。



それでも曜は

ずっと待ち続けてくれた。

⏰:09/05/20 08:56 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#590 [紗奈]
.



"愛"の意味がわからなかった。

まだガキだった。




曜がいなくなってから

今の気持ちを




伝えたいと思った。

⏰:09/05/20 08:59 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#591 [紗奈]
.






愛してる






.

⏰:09/05/20 12:42 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#592 [紗奈]
曜にそう伝えたかった。



うちは曜を愛してる。

曜を失って初めてわかった言葉。



うちらは

"愛"をもらい"愛"をあげて

"愛し合った"



だけど‥うちのせいで、曜を失った。

⏰:09/05/20 12:45 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#593 [紗奈]
もう伝えられない言葉。



もっと伝えていけばよかった



後悔しても‥伝えられない。




曜は戻ってこない‥。

⏰:09/05/20 12:47 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#594 [紗奈]
うちはずっと泣かなかった。

泣けなかった。



まだ曜は死んでない。





そう言い聞かせてた。

⏰:09/05/20 15:01 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#595 [紗奈]
「大丈夫か?」




‥大丈夫。



だって曜は死んでない。



ただ隠れてるだけやろ?

⏰:09/05/20 15:02 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#596 [紗奈]
でも、やっぱり現実を受け止めなければならなくて‥






葬式が終わって一週間後、佳基さんに連れられて曜の家に行った。








そこで初めて声をあげて泣いた。

⏰:09/05/20 15:05 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#597 [紗奈]
曜の匂いの残る部屋‥

ずっと変わらない部屋‥



だけどもう曜は帰って来ない。



「紗奈」って呼ぶ声も無い。







曜はもういない。

⏰:09/05/20 18:49 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#598 [紗奈]
4月に入っても何もする気になれずに、実家にずっといた。


大学も行く気になれなかった。


だけど、自分で決めた道なのに、曜の死で終わらせてしまえば、曜は怒ると思った。


履修も出さないといけなかったし、うちは家に戻った。

⏰:09/05/20 19:27 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#599 [紗奈]
学校に行っても特に仲良い友達がいるわけでもなくて、1人でぼーっとしてた。



誰かに話しかけられても上の空。

授業も聞いているようで聞いてない。




とにかく何もする気になれなかった。

⏰:09/05/20 19:30 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#600 [紗奈]
曜を思い出して泣くことも少なくはなかった。

学内にある広場みたいなところでよく泣いた。



弱くなったなあ‥って。



だけど、曜はそれだけ大切な存在だった。

曜のことを少しでも考えれば涙が出てきた。

⏰:09/05/20 19:39 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#601 [紗奈]
そんな状態がずっと続いてた。


気付いた頃にはもう夏休み前。







うちはいつものように広場のすみの方に座っていた。

⏰:09/05/20 19:44 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#602 [紗奈]
「なあ」



後ろから声をかけられた。



「‥はい?」




背が低くて目がクリっとした男が立っていた。



‥誰?

⏰:09/05/20 19:46 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#603 [紗奈]
「いっつも何してんの?」

「‥は?」

「いきなり何?って感じやんな!!俺の名前は‥」

「自己紹介とかいらん。気安く声掛けんといて。」



うちは立ち上がってその場を去った。



‥鬱陶しい。

⏰:09/05/20 19:51 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#604 [紗奈]
だけどそいつはなぜか毎日毎日話しかけてくるようになった。


うちは完全にシカトしてるのに1人で勝手に横で喋ってた。




うちが立ち上がれば


「またな!」


って言ってた。

⏰:09/05/20 19:55 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#605 [紗奈]
名前も歳もしらない。


お互いのことを話すこともない。



別に何かあるわけでもない。




うちの中では



"勝手に話しかけてくる男"

⏰:09/05/20 19:57 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#606 [紗奈]
夏休みに入ってから、うちは相変わらずぼーっとしてた。


すると佳基さんからの着信


「もしもし?」

「あ、久しぶり」

「うん。何?」

「夏休みやん、帰って来やんの?」

「特に予定は無い」

⏰:09/05/20 20:28 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#607 [紗奈]
「帰っておいで。一緒に曜の墓参り行こうか」

「‥‥」



曜のお墓にはまだ行ってなかった。

行けなかった。

心と体がついていかなくて‥。

⏰:09/05/20 20:29 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#608 [紗奈]
「‥行くよ」



そろそろちゃんと曜に向き合うべきだ。

5ヵ月も向き合えずに、うちは何してるんだろうって思ったから。


「帰ってきたら連絡してな」


佳基さんはそう言って電話を切った。

⏰:09/05/20 20:31 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#609 [紗奈]
3日後、うちは地元に帰った。

佳基さんに連絡をして、迎えに来てもらった。



「痩せたな」

「そーかな」



それだけの会話。

そのまま無言で曜のところに向かった。

⏰:09/05/20 20:50 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#610 [紗奈]
曜のお墓の前に立つと、自然と涙が出てきた。


曜に言いたいことがたくさんあって、座って手を合わせた。


たくさんのありがとうと
たくさんのごめんね

そして

「愛しています」

⏰:09/05/20 20:54 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#611 [紗奈]
ずっとずっと泣き続けた。

お墓の前で泣き崩れた。




「曜は紗奈ちゃんの幸せを願ってるから。曜はそういう奴やったから。やから、紗奈ちゃんは紗奈ちゃんの道を進みや。幸せになりや。曜がそれを望みやることくらい、紗奈ちゃんもわかっとるやろ?」

⏰:09/05/20 20:58 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#612 [紗奈]
.





そのまま無言で帰った。





少し気持ちが軽くなった自分がいて、自分の中で考えがまとまった。

⏰:09/05/20 21:10 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#613 [紗奈]
曜を忘れることはこれからも有り得ない。

だけど、曜を引きずってこんな状態のうちを見たら曜は笑うよね。



笑うし、怒る。



曜はそういう奴だ。




すべてのものに向き合おう‥。そう決めた。

⏰:09/05/20 21:14 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#614 [紗奈]
.





だから、曜‥



見守っててね?







.

⏰:09/05/20 21:18 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#615 [紗奈]
夏休みが終わり、後期になった。


あれから広場で泣くこともなくなって、普通に大学生活を送った。



「待って!紗奈ちゃんっ!!!」



大学の帰り道、後ろから聞こえた聞き覚えのある声。

⏰:09/05/20 21:41 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#616 [紗奈]
「なんでうちの名前‥」


「あいつらに聞いた」


そいつは後ろの男集団を指差した。


「そ。」

「最近なんで来ーへんの?」

「行く理由が無いから」

⏰:09/05/20 21:43 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#617 [紗奈]
「‥今からどっか行かん!?」

「行かんし」

「‥じゃあ明日広場で待ってるから」



ここまで執着される意味がわからない。




だけどなんとなく‥ただなんとなく

次の日、広場に向かった。

⏰:09/05/20 21:47 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#618 [紗奈]
「ほんまに来てくれた!!」

「あんたが呼んだくせに何やん」

「あんたやなくて"柏岡 宏樹"」

「あっそ」

「俺3年やで?」

「‥まじ?笑」

「何年や思ってたん?」

「調子こいてる1年やと‥」

「まじナメてんな〜!!笑」

⏰:09/05/20 21:54 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#619 [卍のりMAMA卍]
感動しました
てか
イィ人こそ
早く亡くなるてのゎ本当ですね

⏰:09/05/20 21:59 📱:SH903i 🆔:0fAO.qos


#620 [紗奈]
そんなのあるんですかね?
わかんないですけど‥
やっぱり今でも切ないです。
よかったら最後まで
お付き合いください

⏰:09/05/20 23:10 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#621 [紗奈]
久しぶりに、ちょっと笑えた。

なんか良い奴じゃんって思って、とりあえずこの人と向き合ってみることから始めようと思った。



そこから友達の輪を広げていけばいいじゃないかって思った。

⏰:09/05/20 23:12 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#622 [紗奈]
それからうちは宏樹と話をした。

今まで一方的だったけど、ちゃんと言葉を返した。




うちの大学にはスポーツの科があって、うちは違うんだけど宏樹はそこの科だった。

そして陸上部だと言うことも知った。

関西弁丸出し、喋るの大好き。



宏樹と喋るのは楽しかった。

⏰:09/05/20 23:16 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#623 [紗奈]
「あ、今日練習来るか!?」

「は?嫌やしめっちゃお邪魔虫やん」

「みんな優しいから来てみ!!スタンドから観てるだけでもえーから」



うちは悩んだあげく行くことになった。



大学内には競技場があって、スタンドがある。

うちはそこに上がって座ってた。

⏰:09/05/20 23:21 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#624 [紗奈]
結構な人数が円になってミーティングをしてた。

うちはそれを見てた。


練習が始まったらしくて、みんながバラバラになると、宏樹が上がってきた。


「練習は?」

「俺怪我してるから練習できんへん」

⏰:09/05/20 23:24 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#625 [紗奈]
「うわーッ!!柏(宏樹)がナンパしよるー!!」

そう言うとみんながこっちを向いた。

まじで恥ずかしかった!!!


すると何人かがスタンドに上がってきた。

⏰:09/05/20 23:26 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#626 [紗奈]
「柏とどーゆー関係なん!?柏が女の影見せるとかまじ珍しすぎやん!!」

「ただの話し相手ですよ」

「紗奈ちゃん‥冷たいな‥笑」

「だってそーやん!!」

「そーやけど!!!」

そんなやりとりを見て笑う先輩たち。

うちはそのメンバーにすぐに馴染めた。

⏰:09/05/20 23:29 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#627 [紗奈]
練習が終わってから先輩たちと飲みに行くことになった。


大学2年目にして初めてのことだった。


メンバーは

宏樹
コウさん(4年♂)
晴也さん(3年♂)
めぐさん(3年♀)
真紀さん(3年♀)


うちらは近くの居酒屋に行った。

⏰:09/05/21 00:30 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#628 [紗奈]
飲み放題の店で、陸上部の卒業生が働いているらしくて


「ゆりみさん久しぶりで〜す」


とかってみんな挨拶してた。


ゆりみさんはうちの3つ上にあたる。

1年のときに4年っていう関係。

茶髪でゆるくウェーブのかかった髪。

笑顔が可愛くて、好かれそうな感じ。

⏰:09/05/21 00:37 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#629 [紗奈]
「初めましてやんね?うち、ゆりみ。仲良くしてね」

「あ‥はい。うちは紗奈です」



軽く挨拶を交わしてうちらは席に通された。

⏰:09/05/21 19:24 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#630 [ぁあぁい]
失礼します。

>>001-100
>>101-200
>>201-300
>>301-400
>>401-500
>>501-600
>>601-700
>>701-800

⏰:09/05/22 02:20 📱:N705i 🆔:8UYw.VBo


#631 [紗奈]
とりあえず飲みまくった。

みんなよく飲むこと飲むこと。


色んな話をした。

めっちゃ楽しくて、あぁ、これが大学生かって思った。

⏰:09/05/22 02:56 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#632 [紗奈]
基本酒は強いんだけど、それよりみんなさらに強い。

もおいいだろってくらい飲んで酔いまくってふらふらなうちに対してまだ飲みまくるみんな。

いや〜真剣に焦った。


「そろそろおひらきにしよっか」

⏰:09/05/22 03:00 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#633 [紗奈]
「紗奈ちゃん、送ってくで」

宏樹はふらふらなうちを支えて立ち上がった。

「柏〜お持ち帰りとかなしやで!」

‥とめぐさん。

「大丈夫やて。まかしとき」


そうしてうちと宏樹は歩き出した。

⏰:09/05/22 03:03 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#634 [紗奈]
「‥宏樹、気分悪い‥」


酔ったまま動いて更に酔いが回ったかなんかで吐き気におそわれた。


「大丈夫か?ちょっと公園行こか」


うちらは近所の公園のベンチに腰を下ろした。

⏰:09/05/22 03:07 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#635 [紗奈]
「吐きそう?トイレ行くか?」

「公園のトイレとか怖いし嫌や。」

「ガキか!笑」



結局そのままトイレに行かずに宏樹に膝枕してもらってベンチに寝転がった。

⏰:09/05/22 03:09 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#636 [紗奈]
「なぁ、聞いてええか?」

珍しく真剣な口調の宏樹。

「ん?」

「‥何で泣いてたん?」






宏樹は少し気まずそうに言った。


酔ってたせいもあってか、涙があふれてきた。

⏰:09/05/22 03:11 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#637 [紗奈]
「ごめん。言えんならええんやけど‥!!ごめんな。泣かんといて?」


「‥‥ぃたい‥」

「ん?」




「逢いたいよっ‥‥」



うちは声をあげて泣いた。

なんかもう、自分じゃないみたいに‥。

⏰:09/05/22 03:15 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#638 [紗奈]
宏樹はうちが泣き止むまでずっと頭を撫でてくれてた。

「‥よくわからんけど、その人が運命の相手なら、またどこかで会えるはずやで?」

「‥何も知らんのにそんなこと言わんといてよ‥‥。逢いたくてももう‥逢えんのんやからっ‥!!」


何も知らない宏樹に曜を否定されたようで‥曜は運命の人やないんやって言われたみたいで‥悔しくて‥悔しくて‥宏樹を突き飛ばした。

宏樹なりの、精一杯の励ましだったんやろうけどね。うちには辛かった。

⏰:09/05/22 03:26 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#639 [紗奈]
うちはそのまま1人で家に帰った。

曜に逢いたいと‥願いながら‥。







宏樹、あのときはごめん。

知るわけ無いやんな。うちの事情なんか。


八つ当たりってゆーんかな?

とにかく‥ごめんな?

⏰:09/05/22 03:29 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#640 [紗奈]
次の日、学校に行った。

遠くに宏樹の姿が見えて、うちは急いで隠れた。


いつもみたいに笑顔じゃない宏樹。

うちのせいや‥って思った。

笑顔やない宏樹は宏樹やない。

やけど、宏樹に声をかけに行く勇気はなかった。

今、宏樹に声をかければ、多分‥また泣いてしまうから‥。

また宏樹を‥傷つけてしまうから。

⏰:09/05/22 03:33 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#641 [紗奈]
その一週間後、たまたま道でゆりみさんに会った。

「紗奈ちゃんやん!久しぶりやね」

「あ‥はい」

「なあ、紗奈ちゃんてバイトしてる?」

「してないですけど」

「うちでバイトしやん?人足りてなくてさあ」

「‥えっ」

「お願い!ほんま困ってんやあ‥」

⏰:09/05/22 03:38 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#642 [紗奈]
確かにバイトしないといけないとは思ってたし、時給も良いし、暇だし、ゆりみさんにこんな頭下げられてるし‥




考えたあげく、居酒屋でバイトすることになった。






居酒屋"海"

⏰:09/05/22 03:40 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#643 [紗奈]
海にはうちの大学の生徒も何人かいた。


みんな大歓迎してくれたし、スタッフ全員ノリが良くてすぐに馴染めた。



学校が終わってから2時までバイト。

帰って寝て起きて学校。



超ハードだった。

⏰:09/05/22 03:44 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#644 [紗奈]
そんなことが1ヶ月続いて、ゆりみさんと帰りが一緒になった。


「今からうちんち来やん!?」

次の日は土曜日だったし、うちはゆりみさんちにお邪魔することになった。



ゆりみさんちは海の近くで、広くて綺麗な部屋だった。



そして、コルクボードに貼ってある彼氏らしき人との沢山の写真。

⏰:09/05/22 03:49 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#645 [紗奈]
「彼氏ですか?」

「‥うん!!」

「仲良さそうですね」

「‥まあ正確に言えば‥彼氏だった人かな‥?」

「え‥?」




「2年前‥事故で亡くなってまった」

⏰:09/05/22 03:52 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#646 [紗奈]
‥確かに、写真の日付は2年前から止まっていた。


「‥あのっ‥」

「気にせんといて!!しょっぱなからこんな話してもおもんないやろ!?もっと明るい話っ‥‥」

「ゆりみさん‥うち‥」

「どした?」

「うちも‥3月に彼氏を失いました。」


同じ境遇の人が‥こんな近くにいるなんて‥。正直驚いた。

⏰:09/05/22 03:55 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#647 [紗奈]
ゆりみさんは、自分の話をしてくれた。


彼氏は大学の先輩で、彼氏が就職して遠距離になって、久しぶりに彼氏がゆりみさんに会いに来てくれて、その帰り道、事故で亡くなったらしい。


ゆりみさんは強いと思った。

毎日何もなかったように笑顔で生きてる。


だけど、まだ好きなんだろうな‥って部屋を見ればわかる。

⏰:09/05/22 04:01 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#648 [紗奈]
うちも曜の話をした。

傷の舐め合いとか思うかもしれない。

だけど、辛さを理解してくれる人がいるってことは、すごく安心できるんだ。


「彼が亡くなってから、彼氏ができなかったわけじゃないんだ。何人かと付き合った。だけど、彼の話をすると、傷物を扱うみたいにされちゃって‥ダメになっちゃうんやよ。‥全部を受け入れてくれるような人に出会わないかんね。紗奈ちゃんも、その彼を忘れろとかやなくて、ちゃんと前向いて歩きや?理解してくれる人なんて、案外近くにいてるんやと思うで?」

⏰:09/05/22 04:06 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#649 [紗奈]
ゆりみさんは続けた。


「てか‥柏と何かあった?」

「え?」

「柏、めっちゃ落ち込んでてさ、めっちゃ相談されてん。」

「‥宏樹は‥悪気があったんやないと思います。」

「柏は優しいから。凄い周り見てる子やから。柏、ほんま悩んでて、紗奈ちゃんから避けられてるって。良かったらちゃんと話してあげて?」

⏰:09/05/22 04:11 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#650 [紗奈]
宏樹にうちは何を話せばいいんだろう?

曜が亡くなってしまったこと?

曜に逢いたいってこと?




話して何になるんだろう?




宏樹はうちに何を求めてる?

⏰:09/05/22 04:14 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#651 [我輩は匿名である]
>>1-200
>>201-400
>>401-600

⏰:09/05/22 06:43 📱:D903i 🆔:8O2J4oUk


#652 [我輩は匿名である]
>>601-700

⏰:09/05/22 08:10 📱:D903i 🆔:8O2J4oUk


#653 [紗奈]
うちはその日、ゆりみさんちに泊まってから帰った。








‥宏樹には元気を貰ったけど、宏樹に曜のことを話す理由なんて無い。

⏰:09/05/22 09:44 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#654 [紗奈]
季節は冬。

12月‥。



時がたつのは早いな‥と思いながら、クリスマスムードになっていく街を見つめた。


相変わらず、あれから宏樹とは話してなくて、すれ違うときに感じる視線を、うちは無視していた。

⏰:09/05/22 10:24 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#655 [紗奈]
そんなある日、たまたま競技場の前を通りかかった。



「さっ‥紗奈ちゃんっ!!!!」


近付いてくるのは、紛れもなく宏樹だった。

うちの腕をつかむ宏樹。

「紗奈ちゃん‥あのさ‥」

「練習中やろ?練習しいや」

うちは掴む手を振り払った。

⏰:09/05/22 10:32 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#656 [紗奈]
「紗奈ちゃんごめん!!!」

「は?」

「ゆりみさんから聞いた‥。」

「‥何を?」

「彼氏のこと‥。俺‥無神経なこと言って‥‥‥」



ゆりみさん‥

何で言ったん?

そんな軽い話やないやん‥

⏰:09/05/22 14:11 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#657 [紗奈]
「‥ならもう話すこと無いやんね。そーゆーことやから。」

「待てやっ‥俺はっ‥」

「知られたくなかった。‥もううちに構わんといてくれるかな?何でそんなうちの中に入り込もうとするんかしらんけど‥鬱陶しいんやて」

⏰:09/05/22 14:16 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#658 [紗奈]
.



もう嫌や。



うちと曜の間に


誰も入らんとってよ‥。



嫌や。

⏰:09/05/22 14:26 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#659 [紗奈]
バイトやめようと思って店長に電話した。


「お願いやから辞めんといて」



そう必死に頼まれて、辞めるに辞められなかった。



「ゆりみさんが仕事入ってないときしか行かないですけどいいですか?」



どんだけ上から目線なん、うち(笑)

⏰:09/05/22 18:55 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#660 [紗奈]
店長は了承してくれた。

こんなわがままで申し訳ない。



そして冬休みに入り、冬休みが終わるまではとりあえず休みにしてもらって、うちは地元に帰った。

⏰:09/05/22 18:57 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#661 [紗奈]
「佳基さん、帰ってきたよ」

「じゃあ行こっか」

「うん」



佳基さんは車を走らせる。

曜の場所へ向かって‥。

⏰:09/05/22 21:54 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#662 [紗奈]
曜、寒くない?


うち、前に進めてるかな?



‥うち、まだ曜のこと好きで好きで仕方ないよ‥。



曜は、うちがどうしたら笑顔でいれるかな?



弱虫でごめんね

⏰:09/05/22 22:42 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#663 [紗奈]
帰り道の車の中、佳基さんが言った。


「好きな人とか、できた?」




「‥できるわけないやん」



「厳しいこと言うようやけど、曜はもう還って来ん。やから‥‥」


「佳基さんに何がわかるん?」

⏰:09/05/22 22:50 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#664 [紗奈]
「わからんよ。やけど、ことままじゃだめなことくらい紗奈ちゃんもわかっとるやろ!?」


「うちのペースでいいやん!何で佳基さんに強制されないかんのよっ‥」


「‥そうかもしれんな。やけどな、紗奈ちゃん、何も言わんかったらずっと今のままになるやろ?‥俺もずっと曜と一緒におって、曜にいっぱい紗奈ちゃんのこと聞かされて、紗奈ちゃんのことも見てきとんやって。‥やからわかるんや。」

⏰:09/05/22 23:01 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#665 [紗奈]
「‥時期が来れば進むから。ほっといて」



うちらはそれから無言だった。


佳基さんが心配してくれてることくらいわかってる。


佳基さんはうちのことすごく考えてくれてる。



‥わかってる

⏰:09/05/22 23:07 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#666 [紗奈]
うちはどうしたいんだろう?

前に進むって決めたじゃないか。



佳基さんの言葉も聞かず

宏樹のことも無視して‥



何も変わってないじゃないか。




曜はこんなこと望んでない。

⏰:09/05/22 23:54 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#667 [紗奈]
曜に会いに来るたび

色んなことを考えさせられるんだ。



それは今も変わってないよ。






今も、うちは曜に助けてもらいっぱなしだ。

⏰:09/05/22 23:56 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#668 [紗奈]
初詣、凌斗と美弥子とご一緒させていただいた。


お前絶対邪魔だろって思った方!!






それは正しい。

だけど誘ってきたのは凌斗。

美弥子も超乗り気だった。

⏰:09/05/23 10:39 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#669 [紗奈]
昔から、何でここまで良くしてくれるんだろう?ってくらい良くしてもらってた。

‥なんでかな?なんてゆーか、凌斗がいて、美弥子がいて、うちがいて、それがすごく成り立ってたんだろうね。


うちが地元離れるってとき、一番寂しがってたのなんだかんだでこの2人だったと思うもんね。笑

⏰:09/05/23 10:41 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#670 [紗奈]
もちろん2人は曜のことを知ってる。

だから、気晴らしに誘ってくれたってのも間違いじゃないと思う。


曜がいなくなってから、うちは全く2人に話してなかった。


一番素直になれる2人の前で、話してなかった。


何でかな?‥確信をつかれるのが怖くて、話せなかったのかもしれない。

⏰:09/05/23 10:57 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#671 [紗奈]
バカみたいな話ばっかりして、お詣りして、‥おみくじは引かなかった。


「うちはいいや」


って。



おみくじで何かいろいろ左右される気がして嫌だったから。

⏰:09/05/23 17:46 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#672 [紗奈]
.



初詣の帰り道、美弥子は言った。



「うちらはいつでも力になるから。やから、いつでも頼って?楽しいとき、嬉しいとき、悲しいとき、寂しいとき、悔しいとき、いつでも何でも言ってくれて良いから。うちらに遠慮とか無しやろ?うちらはいっつも紗奈の味方なんやからな。紗奈のそんな顔見るの嫌や。何で全部ひとりで背負いこむんよ‥」


そう言って、泣いてた。

⏰:09/05/23 17:56 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#673 [紗奈]
「紗奈はガキの頃から色んなこと経験しすぎとんや。それを全部持ちっぱなしなんやって。‥辛いとき、いつでも来てええから。たまには休憩したらええやん。」


凌斗もそう続けて言った。




「‥ごめんなっ」




2人はずっと、うちから言うのを待っとったんやろうな‥。

⏰:09/05/23 18:07 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#674 [紗奈]
その日は何も話さずに別れて帰った。



2人と別れてから帰る道のりで、久しぶりにあいつと会った。









‥七瀬

⏰:09/05/23 18:12 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#675 [紗奈]
何年ぶりやったんかな?

全く誰かわからんかった!


「紗奈やん!」


って言われて


頭の上には?ばっかりだった。



「七瀬やって!」

⏰:09/05/23 18:13 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#676 [紗奈]
‥落ち着いた?

‥そうでもないか(笑)

でも、変わってた。



「七瀬か。久しぶり」

「元気やったか?」

「まあまあかな」

「‥なんかお前変わったな」

「七瀬に言われたくないよ」

⏰:09/05/23 18:18 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#677 [紗奈]
「‥何かあったんか?」

「七瀬には関係ないやろ」

「‥何があったんか知らんけど
あんま思い詰めんなよ」

「ちょっとは大人らしいこと
言えるようになったんやね」

「まあもう成人やからな。
ちょうど良い節目かなー
とか思って(笑)」

「‥うちも変わらんとなぁ」

成人式も近い。

それを一つの節目にしよう。

⏰:09/05/23 18:23 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#678 [紗奈]
成人式の日‥


うちはめっちゃ早起きして化粧して髪セットして振り袖着て‥成人式の会場に向かった。


懐かしい顔が並ぶ。

ぷち同窓会みたいな感じ。

⏰:09/05/26 16:08 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#679 [紗奈]
そこで久しぶりに会った"夢"。

うちは高校入ってから志乃とばっかり連んでたし、夢とはそこまで連絡を取ってなかった。

(ちなみに志乃は違う市だから会場が違う。)

でも、うちの噂は少なからず聞いてたと思う。


「夢、久しぶりやね!」

「やんね!元気やった?」

少しの時間であのころみたいな仲に戻れた。

⏰:09/05/26 16:13 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#680 [紗奈]
なんか色々話聞いて‥

なんか酔っ払いが暴れ出した。



「あれ七瀬やん 笑」

「ほんまや。馬鹿やっとんの」


落ち着くんやなかったんかい!


って心の中で笑いながら見てた。

⏰:09/05/27 10:56 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#681 [紗奈]
しばらくしてから七瀬がこっち来た。



「一緒にあっちで飲む?」

「あ〜いや、いいわ」

「何でや〜!紗奈ちゃ〜んっ飲も!」


七瀬は強制的にうちをひっぱっていった。

それについてくる夢。

⏰:09/05/27 11:02 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#682 [紗奈]
でも、最悪な別れ方だったけど、なんだかんだ一番長く一緒にいた七瀬とこうやって話ができたりするのは、やっぱ嬉しかった。

時間が解決してくれるって、こーゆーことなんやろうね。

⏰:09/05/27 11:09 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#683 [紗奈]
とりあえずひたすら暴れる七瀬たちを見ながらうちらは爆笑。


それから一旦解散してから着替えて駅前。


中学に戻ったみたいやった。

少し大人になった七瀬が、時々かっこよく見えたりして‥。



まあ好きにはならんかったけどな 笑

⏰:09/05/28 11:09 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#684 [紗奈]
「あのときはごめんな」


落ち着いてきた頃、七瀬が言った。



「はは。もお気にしてないよ」

「まじで俺ガキやったわ‥ほんまにごめん。あとさ‥噂で聞いたけど‥あいつ‥‥曜ってやつ‥さ‥」

「あ〜‥うん。‥多分噂通りやよ」

「そっか‥‥‥」

⏰:09/05/28 18:40 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#685 [紗奈]
「でも、大丈夫やから。前に進みやるから」

「‥無理すんなよ。お前、すぐ強がるし」

「もーガキやないし大丈夫」




根本的なところはやっぱり許せないでいたけど、でも七瀬を憎むことはできなかった。


あと、やっぱ七瀬は七瀬だった。

⏰:09/05/28 21:16 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#686 [紗奈]
「七瀬、良い女できた?」

「一応、今結婚考えとる女がおる」

「一応って何やん!笑 よかったな。」

「まあまだわからんのやけどね。相手の親とか、色々問題あって。まだ俺も二十歳なったばっかやしさ」

「確かにまあ大変やろうね」

「でもな、こんなん言うのもなんやけど‥紗奈が一番良い女やったよ。‥これだけはほんまに言える。今の女よりも紗奈のが良い女。」

「何言いよん。彼女が可哀想やろ!」

⏰:09/05/29 00:10 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#687 [紗奈]
七瀬は続けた。

「やからな、紗奈には幸せになってほしいんや。あの頃は、素直に紗奈の幸せが願えんかった。紗奈を幸せにできるのは俺だけや!とか思っとった。そのせいで紗奈の周りの奴らいっぱい傷つけた。やけど今は、紗奈の幸せを願っとる。紗奈を幸せにするのは俺やなくてほかの誰かやけど、それでええから幸せになってほしい。‥俺が一番愛した女やから。」




七瀬のその言葉に、うちは何も返せなかった。

⏰:09/05/29 02:13 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#688 [紗奈]
家に帰って考えた。


幸せか‥。




時が来れば‥。






.

⏰:09/05/29 22:18 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#689 [紗奈]
七瀬が言ったことが本当なら、うちは七瀬と同じ気持ちだ。



うちが曜に対する気持ちと

七瀬がうちに対する気持ち。




これから先、上回る人なんかいない。

⏰:09/05/29 22:22 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#690 [紗奈]
それからうちは大学に戻った。

地元が楽しかったから戻りたくはなかったんだけど。


頑張らないといけない。



前に進むためにも。

⏰:09/05/31 19:34 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#691 [我輩は匿名である]
もう終わり?

⏰:09/06/03 02:27 📱:N906imyu 🆔:zsHZml3.


#692 [紗奈]
更新遅くてすみませんまだ続きます。
今二日酔いなんで更新できないですけどまた書きます

⏰:09/06/03 13:27 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#693 [紗奈]
.





「宏樹っ」





立ち止まり、振り向き、驚いた顔をする宏樹。

うちは宏樹に近付いていった。

⏰:09/06/04 01:13 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#694 [紗奈]
「えっ‥え?」


戸惑う宏樹に対してうちは冷静。


「話ある」



宏樹はそこにいた友達にことわり、うちについてきた。

⏰:09/06/04 01:23 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#695 [紗奈]
うちらは広場の隅に腰を下ろした。



うちらが出会った場所でもある。



「宏樹‥ごめん」

「なんで紗奈ちゃんが謝るん?謝るんは俺のほうやん‥」

「いや‥宏樹のこと何も考えてなかった。自分だけ被害者ぶってた」

⏰:09/06/04 01:43 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#696 [紗奈]
「俺、ずっと考えとった。紗奈ちゃんに何ができるんかな?って。でも、俺無力やなあ〜って思ってた」

「‥うちは、あのとき宏樹が話しかけてくれたことで変われた部分ってあるよ。宏樹は今までうちの近くにはおらんような人やったし、新鮮だった。しかも、宏樹が話しかけてくれてなかったら、色んな物と向き合うこともできんかった。やから、ありがとう。よかったらこれからも‥仲良くしてほしいです。」

⏰:09/06/04 01:51 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#697 [紗奈]
.



「ありがとう。俺も仲良くしたいから、よろしくな。」




それからうちらは馬鹿みたいに話した。

ほぼ毎日宏樹と広場で話してた。

自然と陸上部の先輩たちも広場に来るようになって、うちもたまに陸上部の競技場に行くようになった。

⏰:09/06/05 02:09 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#698 [紗奈]
ある日、うちが競技場に行くと、4年生のキャプテンと咲香さんが来た。


「お願いがあるんやけど‥」


超深刻な咲香さん。




話を聞けば、マネージャーをやってほしいとのことだった。

⏰:09/06/05 03:05 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#699 [紗奈]
咲香さんは3年生。

陸上部のマネージャーは、咲香さんだけで、4年になれば就活も忙しくなるし、部活にもあまり出れなくなるかもしれない。

だけどマネージャーがいないと成り立たないため、ずっとマネージャーを探していたらしい。

その時ちょうどいたのがうちってわけだった。

4年のキャプテンはそれをうちに頼むだけのためにその日部活に来ていたらしい。

⏰:09/06/05 03:14 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#700 [紗奈]
「うちまじでそーゆーことしたことないんですけど。スポーツとか全く興味無いですし」


だってそうやん。

今まで遊びまくってきたうちが、何で陸上部のマネージャー?みたいな。



そんな純粋で爽やかな世界無理やし。笑

⏰:09/06/05 03:16 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#701 [紗奈]
「紗奈ちゃんならみんな受け入れてくれると思うしっ!ほんまにお願い!」


「いくら咲香さんのお願いでも無理ですわ。ほんまにすんません」


うち、世話するよりされるほうやし。
これだけは譲らんかったな。

でも、競技場に顔出したときは必ず、何かしら手伝うようにはなった。

部員になってしまえば責任が生じるけど、そうじゃなかったら責任なんかないからマネージャーやらなかったってのもあるかもな。

⏰:09/06/06 02:34 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#702 [紗奈]
1月の終わり頃、少し遅い新年会が開かれた。

うちはそれになぜか参加させてもらった。

場所は"海"で、会費3500円で飲み放題。


イッキとかして酔いつぶれていくみんなをみながら、うちはちびちび飲んでた。


めっちゃ笑ってたなーこのとき。

⏰:09/06/06 02:46 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#703 [紗奈]
.


テンションがやばい高い人たちはそれから二次会に行って、うちと咲香さんと宏樹とあと女2人男2人は帰ることになった。

うちと咲香さんと麻美さんはほとんど酒入ってなくて、あとは泥酔してた。

だから1人1人ずつ送っていくことになった。

「紗奈ちゃん、宏樹送ったってくれんかな?宏樹の家ならわかるやろ?」


ってことでしゃあなしうちは宏樹を送っていくことになった。

⏰:09/06/06 02:54 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#704 [紗奈]
でもなんだかんだ、泥酔しとる男を送るって重たいやん。



とか思いながらうちはタクシー乗って宏樹を引っ張り入れた。

「宏樹〜大丈夫?気分悪くない?」

「大丈夫〜‥ん〜‥大丈夫‥‥」


ほんまに大丈夫なんかさえわからんような宏樹の返事。


しばらくしてから宏樹の家についた。

⏰:09/06/06 03:01 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#705 [紗奈]
「宏樹歩ける?歩けんとうち宏樹のこと抱えられのやし歩いてや?」


うちが肩を貸すと、宏樹はゆっくり歩き出した。

二階まで宏樹を連れて行って、鍵開けたら玄関先で宏樹が倒れた。


「大丈夫!?」

「う〜‥」

⏰:09/06/06 03:05 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#706 [紗奈]
うち1人じゃ本当に無理なくらい重くて、宏樹に自力で動いてもらうしかなかった。


頑張ってとりあえず部屋に入れて、頑張った。とにかく頑張った。



「吐きそうとか無い?大丈夫?」

「ん‥紗奈」

「え?どした?」

⏰:09/06/06 03:10 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#707 [紗奈]
.






「好きや」









宏樹はそのままうちに覆い被さるように抱きついてきた。

⏰:09/06/06 03:12 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#708 [紗奈]
「ちょ‥宏樹‥酔いすぎやって!!」

「酔ってへん」

「酔っとるやろ!!」



うちは宏樹をよけてベッドに横にならして水と薬をおいて帰った。



ほんま意味わからん。

酔った勢いで何言い出すんやこいつ‥。

⏰:09/06/06 03:16 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#709 [紗奈]
次の日宏樹は普通に接してきたし、少し戸惑ったけど、忘れてんだろうな〜とか思ってうちも普通に接した。


で、何日かしたとき、先輩に聞かれた。


「宏樹のことどう思っちょん?」







.

⏰:09/06/06 10:38 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#710 [紗奈]
「なんすかいきなり。笑」

「宏樹の気持ち知っちょんやろ?」

「はぁ?」

「宏樹、紗奈ちゃんに告ってしまったっち言うちょったよ」

「あの時‥宏樹酔ってたやないですか。酔った勢いで言った告白なんて知らないですよ。てか‥うちは宏樹のこと好きとかそんなんやないです。」

⏰:09/06/06 10:55 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#711 [我輩は匿名である]
筑豊?(´∀`)

⏰:09/06/06 13:01 📱:N905imyu 🆔:4JpYO9Uw


#712 [紗奈]
住みは公開しない予定です。

⏰:09/06/06 14:56 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#713 [紗奈]
実際は、全く好きじゃないって言ったら嘘だった。


ただ、宏樹と曜を比べてしまう自分がいて



あぁ、やっぱり曜が好きだ‥



って。



宏樹は、うちにとって最高の友達でとどめておこうって思ってたから‥。

⏰:09/06/06 18:01 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#714 [紗奈]
次の日、学校歩いてたら知らん女の人に話しかけられた。


「宏樹くんのこと好きやないんやったらもう宏樹くんと関わんなよ。ちやほやされて調子のんな」



いや、調子のってないし。

てかなんでそんなこと言われないかんの?って思ってシカトした。

⏰:09/06/07 02:10 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#715 [紗奈]
そしたら逆上。

キレておもきし引っ張られてそのまま転けた。


「‥ったぁ。‥‥大学生にもなってガキみたいなことしてんなよ。ほんまガキ」


相手にする気にもならんかった。

それだけ言って立ち上がって歩いてたら、また後ろから叫び声が聞こえてきた。

⏰:09/06/07 02:14 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#716 [紗奈]
「黙れよヤリマン!!誰にでも股開くくせに純粋ぶってキモいんよ!!そんな汚い体で歩き回んな!性病まき散らすなよ」



糞デカい声で叫んだもんで、周りの人がめっちゃ見てきた。



確かにヤリマンだったわ。

七瀬と付き合っとったときな。

⏰:09/06/07 02:20 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#717 [紗奈]
何かがうちの中で切れた。

「あんま調子こいとんなよ」

「こっちのセリフや!」



うちはそいつに近付いて行った。



「黙れよババア。宏樹が好きなら宏樹んとこ行けよ。相手にされんからってうちに僻んでくんな」

⏰:09/06/07 02:38 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#718 [紗奈]
しばらく言い合いしとったら、陸上部の先輩が宏樹を呼んできたらしくて宏樹が来た。




なんで学内でこんな修羅場みたいにならないかんの?

って思って、うちは帰ろうとした。

⏰:09/06/07 02:45 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#719 [紗奈]
「待てや!逃げるんか!」

「そんなに好きならそいつやるわ。2人でよろしくやればえーやん」



今思えば何様!?って感じやけど。笑



その後授業やったけど面倒くさくなって家に帰った。

⏰:09/06/07 15:49 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#720 [紗奈]
しばらくしてピンポン鳴った。

出てみたら宏樹やった。



「何?」

「なんかごめんな」

「別に。で、何?」

「ちょい今話せるか?」

「‥まあ別にええけど」



うちは宏樹を家に上げた。

⏰:09/06/07 15:58 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#721 [紗奈]
で、宏樹は話し始めた。

あいつの名前は真智(まち)

宏樹とタメ。で、元カノ。うちと出会った頃はまだ付き合っとったらしい。


宏樹が振ったらしくて、だけど真智さんは未だに宏樹のことが好きらしくて言い寄って来てた。

どーもならんくなったからか知らんけど、今日に至ったらしい。

⏰:09/06/07 16:11 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#722 [紗奈]
「うちが宏樹と仲良くしやるからいかんってことなんやろ?」

「いや‥あのさ‥‥俺、真智に紗奈ちゃんのこと好きやからって言ってまってさ‥。」

「なんでそんなこと言うてんの」

「‥ほんまのことやからやん。この前酔ってたから信用してもらえへんかったんかもしれんけど‥ほんまに俺、紗奈ちゃんのこと好きやねん。てかな、紗奈ちゃんを好きになったから真智と別れてん。」


「ごめんけど、付き合えんから。」

⏰:09/06/07 16:22 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#723 [紗奈]
「わかってるよ‥。紗奈ちゃんがまだ元彼のこと好きなことくらい。やけど俺、全部受け止めて行きたいと思っとるんやて。」


「中途半端な気持ちじゃ、宏樹を傷つけるだけやから。それでも良いって言われてもうちは無理や。やから宏樹とは付き合えん。」



「俺はいつまでも待っとるから。」

⏰:09/06/07 16:27 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#724 [紗奈]
そんなん言われてもな‥


一生無理やって。


うちには曜だけやもん。



付き合っても2番目にしかなれんのに、何が嬉しくてそんなんと付き合うん?



馬鹿みたいやん。

⏰:09/06/07 16:31 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#725 [紗奈]
それから宏樹とは今までと変わらず友達として過ごした。

学校で真智さんと遭えばなんか言ってきてたけど関係ない。









そんなこんなでうちらは進級した。

⏰:09/06/07 17:54 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#726 [紗奈]
うちは3年、宏樹は4年。


陸上部に遊びに行った時は、1年生もいて、マネージャーも入ったらしくて賑やかだった。



1年を見ながら、若いな〜なんて思ったりして。笑

⏰:09/06/07 18:35 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#727 [紗奈]
居酒屋のバイトは続けてた。

バイトするけど使わんから金は貯まるばっかり。

宏樹たちと食べに行くってなっても宏樹が払ってくれるから金はなくならない。


宏樹には悪いと思ってるから、たまに宏樹んちに行くときは手土産持って行った。

⏰:09/06/11 01:16 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#728 [紗奈]
宏樹んちに行くって言っても、何をするわけでもない。

ただ言えることは、宏樹んちは広い!!

広いし、程よい散らかり具合がすごい落ち着く。

だからよく入り浸ってた。

家にいるときにいきなり宏樹の友達が来たりして一緒にわいわいすることもあった。

⏰:09/06/11 01:27 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#729 [紗奈]
ある日いつものように宏樹の家でダラダラしてると、いきなり宏樹が何かを投げてきた。

「何!?」



‥よく見ると合い鍵。



「それやるわ」


それだけ言って宏樹は布団に潜った。

⏰:09/06/11 01:35 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#730 [紗奈]
「いやいや!これはさすがにもらえんよ」


「なんで?ほぼ毎日のように俺んちおんのにあったほーが便利やん」

「そりゃそうやけどさ‥」

「えーから持っとき!俺は紗奈が好きやから渡してんねん」



うちは何ともいえない複雑な気分で鍵を受け取った。

⏰:09/06/11 01:38 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#731 [紗奈]
宏樹は、あの日から開き直ったかのように"好き"って言うようになった。

そのたびうちは複雑な気分になる。



宏樹のことは好きだ。

好きだけど、どうしても曜と比較してしまう。

中途半端なら宏樹を傷つけるだけ‥


そう思いながらも、何ともいえない中途半端な関係を続けていた。

⏰:09/06/11 01:43 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#732 [紗奈]
中途半端は一番避けないといけなかったのかもしれない。

だけど、宏樹と離れたくなかった。

宏樹と一緒にいたかった。


宏樹の気持ち知っときながら、最低な女。



宏樹と毎日一緒にいるから大阪弁うつるし、音楽の趣味とか、好きな食べ物とか、なんかすごい似てきてた。

⏰:09/06/11 18:01 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#733 [紗奈]
全く事情を知らない1年生には付き合ってるって思われてた。

「付き合ってないよ!」

って言っても

「今更そんな隠さんでいーですよー」

って信じてくれんかった。



まあだからって何があるわけでもないんだけどね。

⏰:09/06/11 18:06 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#734 [紗奈]
4月の終わりの新歓。

うちも誘われたけど行かんことにした。


「どーせ宏樹つぶれるまで飲むんやから紗奈ちゃん宏樹んちおったってな」


って先輩に言われて、うちは宏樹んちで待機することになった。

⏰:09/06/11 18:12 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#735 [紗奈]
12時前くらいやったか、宏樹が連れられて帰ってきた。

春斗先輩は玄関先に宏樹を投げて帰って行こうとした。

「ちょ、ちょい待って!それはないですよ」

「紗奈ちゃんなら大丈夫かな〜思ったんやけど。笑」


そう言いながら春斗先輩は宏樹をベッドまで連れて行ってくれた。

⏰:09/06/11 18:21 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#736 [紗奈]
「紗奈ちゃんほんま宏樹に愛されとるね〜」

っていきなり言い出した。

なんか新歓のときずっと

この前紗奈ちゃんが〜とか
紗奈ちゃん好きや〜とか
紗奈ちゃんかわええ〜とか


そんなことばっか言ってたらしい。



なんか周りの人たちに申し訳ない。
1年生とかどん引きだったろうに‥笑

⏰:09/06/11 18:27 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#737 [紗奈]
「で?紗奈ちゃんは今どーなわけ?」


まあ誰もが思う疑問やよね。


「自分でもどーしたいんかわからんから困っとるんです‥。」

「てかさー、付き合えばよくね?元カレを忘れてないみたいなこと宏樹から聞いたけどそれでもよくね?慎重になる意味が分からん。好きならそれでえーやん。元カレ上回れんくても、宏樹を好きならそれはそれで関係ないと思うけど」

⏰:09/06/11 18:35 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#738 [紗奈]
そんな話を春斗先輩に延々とされて、先輩は帰って行った。


うちはその次の日から、あんまり宏樹んちに行かなくなった。


自分と向き合って考えたかったから。

⏰:09/06/11 18:37 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#739 [紗奈]
宏樹は疑問に思っていた。

何で最近家に来んのん?って。


そんな理由なんて言うわけもなく、うちらの間にはちょっと距離ができた。



それから、その間に宏樹は就職で内定もらってた。

場所は大阪。

⏰:09/06/11 18:43 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#740 [紗奈]
うちはそれを聞いたとき



宏樹を失いたくない




‥と、強く思った。


宏樹が大阪に帰ってしまえば、宏樹はうちの存在なんて忘れてしまう。



‥そんなの絶対に嫌だ。

⏰:09/06/12 02:48 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#741 [紗奈]
うちは本当にわがままだ。

いっぱい周りを振り回してきた。



宏樹を、いっぱい傷つけてきた。




うちは宏樹が好き。

それだけでいいんだ‥と。

⏰:09/06/12 02:51 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#742 [紗奈]
宏樹は曜のことを受け入れてくれると言った。

だからもう、思い切り宏樹に甘えてしまえばいい。



最低かもしれないけど、うちはそう思った。

⏰:09/06/12 02:52 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#743 [紗奈]
.








久しぶりに行った宏樹の家。

合い鍵でドアを開けて中に入ると、テレビも電気もつけっぱなしで寝ている宏樹の姿。

⏰:09/06/12 02:53 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#744 [紗奈]
うちはその横に座ってテレビを見てた。



しばらくして起きた宏樹。



めっちゃびっくりしてて、キョドってた。



で、うちは寝起きの宏樹に言った。

⏰:09/06/12 02:56 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#745 [紗奈]
.








「うちは宏樹が好き」






宏樹は固まって動かんかった。

⏰:09/06/12 02:58 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#746 [紗奈]
「宏樹がまだうちのこと好きなら‥付き合ってください」





凄い恥ずかしかった。

告白とかしたことなかったし、まじでもう死にそうなくらい緊張してた。

頭に血が上るってゆーか‥顔が赤くなるどころの問題じゃなかった。

⏰:09/06/12 03:01 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#747 [紗奈]
「‥‥‥俺寝ぼけとる‥?」



とか言い出すから、おもきし肩パンしたった。



「いった〜!!何してんねん!!」

「人が真剣に告白してんのに何やん!最低!宏樹なんか知らん」

うちは知らんうちに泣いてた。

⏰:09/06/12 03:05 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#748 [紗奈]
「ご‥ごめん!!泣かんといて!?ってか‥!!本気で言うてる!?」

「冗談で言うわけ無いやんか‥ボケ!!」


「付き合お。ほんま嬉しい。ありがとう」


宏樹はそう言って、泣きまくってるうちを抱きしめた。

⏰:09/06/12 03:09 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#749 [紗奈]
やけど、現実に戻ってちゃんと話した。


宏樹のこと好きやけど、曜が一番やってこと。

これからも曜を愛していくだろうと言うこと。


やからまたいっぱい傷付けるかもしれん。



それでもいい?


って聞いた。

⏰:09/06/12 03:12 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#750 [紗奈]
「俺はその覚悟で紗奈ちゃんと付き合いたい思ってたんやからいいよ。紗奈ちゃんがそばにおってくれればええ。」


うちはほんまに嬉しかった。





宏樹と付き合ったって一番に報告したのは、佳基さんやったな。

⏰:09/06/12 03:16 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#751 [紗奈]
「そんなえー男そうそうおらんで大事にしいや。またこっち帰ってきたら曜んとこ行こか。」


って。

佳基さんはほんまに喜んでくれた。

⏰:09/06/12 03:18 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#752 [紗奈]
付き合ったからと言って、何かが変わるわけでもなかった。


ただ、宏樹の部屋にはだんだんうちのものが増えていった。



たまにどっか遊びに行ったりもした。

宏樹のバイト先にもよく行った。

うちのバイト先に宏樹が来ることもよくあった。


ほんまに毎日が楽しかった。

⏰:09/06/12 03:23 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#753 [紗奈]
付き合ってすぐはちゅーとか全くせんかった。

てか、今までそーゆーの無かったから、大学生後半のくせに超緊張しててできんかった。

何週間かしてから、初めてちゅうした。


ほんま恥ずかしかった。


お互いその後笑いまくりやったね。

⏰:09/06/12 03:28 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#754 [紗奈]
うちらは順調で、そのまま夏休みに入った。


「うち地元帰って来てもええ?」

「なんでいちいち聞く?帰ってきたらえーやん」


曜に会いに行きたいから‥って、言えなかった。
言ったら宏樹、なんか傷付ける気がして言えなかった。

⏰:09/06/12 03:34 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#755 [紗奈]
それを察してか、

「墓参り、行って来いな?」


って、宏樹が言った。


「えっ‥」


「行って来いよ。ちゃんと行け」


宏樹は笑って頭をなでた。

⏰:09/06/12 03:37 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#756 [紗奈]
その何日か後にうちは地元に帰った。

即行佳基さんに連絡したら、次の日佳基さん仕事休んでまで来てくれた。

「佳基さんありがとう」

って言うと

「今更照れるやん」

って笑った。

⏰:09/06/13 02:00 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#757 [紗奈]
うちは曜のお墓の前で手を合わせた。





曜、うちにも大切な人ができたよ。

こんなうちを受け入れてくれる、優しい奴やよ。


やけどな、うちの中ではやっぱ曜が一番なん。

それだけは、ほんまに変わらんのやて。

⏰:09/06/13 02:03 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#758 [紗奈]
曜は笑うかな?怒るかな?

いつまで俺のこと引きずっとんや!そいつを一番に想ってやれよ!

って、曜なら言うやろうね。



やけど、曜は曜、宏樹は宏樹のええとこがあるんよ。

やからさ、いつまでたってもこんな中途半端な奴やけど‥見守っといてな‥?



曜‥愛しとるよ。

⏰:09/06/13 02:06 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#759 [紗奈]
.








うちは曜に伝えたいこと全部伝えて立ち上がった。


「曜、よかったな」


って佳基さんが言った。

佳基さんはほんま良い兄さんや。

⏰:09/06/13 02:10 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#760 [紗奈]
.


その後、夕方くらいに佳基さんに凌斗の家に送ってもらった。

佳基さんとバイバイしてから、うちは凌斗んちに入った。


「キャー!!!」


って美弥子の叫び声。

うち帰ってきたこと何も言ってなかったからめっちゃ驚いてた。

そんで美弥子は抱きついてきた。

⏰:09/06/13 02:14 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#761 [紗奈]
落ち着いてから、凌斗もまぜて3人で話すことになった。



宏樹っていう彼氏ができたこと、すごい喜んでくれた。

絶対に大切にしいやって言われた。



うちは今までのこと全部話した。


曜のこと、宏樹のこと、泣きながら全部‥。

⏰:09/06/13 02:18 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#762 [紗奈]
「もっとうちらに頼ってくれればよかったのに‥。」


美弥子はそう言って一緒に泣いてくれた。



美弥子も凌斗も、ほんまにうちにとって最高の親友や‥。

⏰:09/06/13 02:21 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#763 [紗奈]
.

落ち着いた頃、凌斗が言った。


「俺ら結婚するから」



いきなりのことにまじで驚いた。

いや、でも逆にこんな長く同棲しとんのに籍入れるに至らんかったことも不思議やった。

⏰:09/06/13 02:24 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#764 [紗奈]
「紗奈が落ち着いたら結婚しようなって言ってたんよ」


って、凌斗が言った。


「えっ‥なんでなん!?そんなん‥‥」


「違うでな。紗奈、自分のこと責めんで?あんな、俺らがうまくやってこれたんも、紗奈がおったからなんよ。やから俺らが決めたことやからそれでえーんよ。素直に祝ってーな!」

⏰:09/06/13 02:28 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#765 [紗奈]
うちは泣きながら

「おめでとう」

って、何回も何回も言った。


ほんま泣きすぎて

「いつまで泣いとん!笑」

って2人とも笑ってた。

⏰:09/06/13 02:31 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#766 [紗奈]
「赤ちゃん生まれたら凌斗より先にだっこしたる〜!」

「それだけは許さん!」

「冗談やんっでもだっこさせてな?」

「当たり前やん。」




なんてちょっと先の幸せな話なんかしてみたり。

⏰:09/06/13 02:35 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#767 [紗奈]
その日は泊まって、次の日久しぶりに志乃と連絡取って、たまたまあったその日の夜の祭りに一緒に行くことになった。


その祭は県の三大祭?みたいなのの1つなんやけど、人ごみ嫌いやからあんま行ったこと無かった。


うちらがガキの頃はよく暴れとる奴がおったけど、なんか厳しくなっとるし暴れる奴は少なかった。

まあ道路の真ん中で大宴会してる未成年の奴らがおったけど。

⏰:09/06/13 02:43 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#768 [紗奈]
若いな〜とか言いながらうちらは屋台でいろいろ買って人ごみ面倒くさいし公園に移動した。


志乃にも全部話した。

宏樹のこと、志乃もすごい喜んでくれた。

それから思い出話とかしながら、蚊にさされながらめっちゃ笑った。

⏰:09/06/13 02:48 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#769 [紗奈]
しばらくしてから若い集団が花火とか持ってきた。


「紗奈ねえ!?」


その中にいた1人が話しかけてきた。


「龍佑(りゅうすけ)やん!」


龍佑ってのは簡単に言えば近所の子。

何個下か数えるの面倒くさいから数えんけどうちが大学3年のとき高1。

まあ高校行ってないらしいんやけどね。

⏰:09/06/13 02:58 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#770 [紗奈]
まあヤンチャなガキに成長したみたいです。笑

ここ何年も会ってなかったし声かけられたときはほんまびっくりした。


で、一緒に花火をさせていただいた。


「紗奈ねえ!今何してる人?」

「大学生やけど」

「紗奈ねえでも大学生なれたんや!」



‥糞ガキ!!!

⏰:09/06/13 03:03 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#771 [紗奈]
(訂正⇒龍佑はうちが大学3年のとき中3でした)

なんやかんやわいわい話しとったら朝近くなって、もう龍佑たちより若くないうちと志乃は帰ることにした。


龍佑は

「紗奈ねえまた遊ぼーな!」

って言ってた。


まあこいつが数ヶ月後に族に入ったことは後々知った。

ほんま馬鹿ちんや(´・ω・`)

⏰:09/06/13 06:24 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#772 [紗奈]
何日か後、うちは宏樹のもとへ戻った。



「何ニヤニヤしとんねん!」



帰ってきて第一声がこれ。



「楽しかった!」



思い出し笑いでニヤニヤしてるうちを宏樹はキモチワル〜みたいな目で見てきてた。

⏰:09/06/13 06:27 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#773 [紗奈]
「何してたん?」


うちは地元に帰ってた間の話を宏樹にした。

墓参りに行ったこと、親友カップルが結婚すること、友達と祭りに行って弟分と花火したこと。


「良い人に恵まれとんやね」



って、言ってくれた。

⏰:09/06/13 20:37 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#774 [紗奈]
うちはほんまに良い人に恵まれとる。

今までずっと、誰かに支えられてきた。


みんながいたから今のうちがいるし、みんながいたから頑張れた。

みんながいなかったらうちは多分生きてない。

それだけ周りの存在は大きかった。

⏰:09/06/14 01:08 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#775 [紗奈]
確かにまっとうな道を歩んできた人たちばかりじゃなかった。

自分だって、間違った道を進んでた。


だけど、そのおかげで出会えた沢山の人。


そこにいたから学んでこれたことだって沢山あった。



そして、宏樹と出会えたのも

それがあったからだ。

⏰:09/06/14 02:03 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#776 [紗奈]
すべては偶然じゃなくて必然。


みんなとは、出会うべくして出会った。



やから、大切にせないかん。

⏰:09/06/14 02:11 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#777 [紗奈]
宏樹は10月までは部活に行くって言ってて、うちはまあそれを見に行ってて‥



ってしてたら夏休みもあっという間に終わって、10月もすぐ過ぎて、宏樹は部活を引退した。

⏰:09/06/14 02:22 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#778 [紗奈]
付き合って半年で、うちらはやっとHした。


今までうちが受け入れられずにずっと拒否してたから。


理由は、曜とHしたことなかったから。


やから、なんかできんかった。

だけど、やっと受け入れられた。

うちはその後涙が出た。

何でかはわからんかったけど。

⏰:09/06/14 02:31 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#779 [紗奈]
ごめんな、宏樹。


あのとき、曜の顔が浮かんだ。

やけど、宏樹のことほんまに好き。



この複雑な感情は、いつまで残るんやろう?って‥。

⏰:09/06/14 02:36 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#780 [紗奈]
それから、あっという間に月日は流れ、宏樹は卒業した。


卒業式の後、宏樹は家に帰ってきて


「紗奈が大学卒業して落ち着いたら結婚しよか」



って言ってペアリングをくれた。

うちはほんまに嬉しくて、また泣いた。

⏰:09/06/14 02:43 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#781 [紗奈]
「俺が紗奈のすべてを受け止めるから。紗奈が曜くんのこと忘れられへんくても、俺は大丈夫やから。曜くんのことを好きな紗奈を好きになったんは俺なんやから」


って宏樹は言った。


宏樹はどこまでお人好しなんやろ?

ほんまに宏樹に出会えてよかったと思うし、こんな良い奴他におらんやろって思った。


最初は宏樹に甘える気なんてなかったのにね。

⏰:09/06/14 02:48 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#782 [紗奈]
.


宏樹は大阪に行ってしまった。

うちは4年に進級して、学生最後の年を迎えた。

⏰:09/06/14 02:51 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#783 [紗奈]
もう単位ほとんど取ってたし、学校行く日数も少なかったし、よく大阪に行くようになった。


大阪では宏樹が一人暮らししてる。


何日か大阪に滞在して帰るってのを繰り返してた。

今まで貯まってたバイト代がここで役に立った。

⏰:09/06/14 19:27 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#784 [紗奈]
大きな喧嘩はしなかった。

それは宏樹が大人だからなんだろうね。



うちはガキで、本当に宏樹を困らせてたと思う。




夏休みになって、うちは地元に帰る。


そして、お墓参りに行き、曜に気持ちを伝える。

⏰:09/06/14 19:34 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#785 [紗奈]
.


うちはあえて地元に就職した。

就職先は親戚が経営する会社。

まあコネってやつなんだけど。笑


宏樹も納得してくれてた。


だけどそれからすれ違うようになったんよね。

⏰:09/06/14 23:46 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#786 [紗奈]
冬休み前のことやった。

うちは最初宏樹んとこに行く予定やったんやけど、美弥子が妊娠したとかゆー話を聞いて、やっぱ地元に帰りたくなって地元に帰ることを優先した。

年越しを宏樹の実家でするって話になっとったから宏樹はキレた。

お前なに考えとんや?って。

宏樹の両親との初顔合わせだったからなおさら。

⏰:09/06/14 23:55 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#787 [紗奈]
そりゃあそうやよな。

‥全てうちのわがまま。

ほんま申し訳ないんやけど‥



うちはそれよりも美弥子に会いたかった。

美弥子はそんなこと望んでないやろうけどね。

⏰:09/06/15 00:10 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#788 [紗奈]
宏樹はキレたまんまやったけど、お構いなしに地元に帰った。


元気で幸せそうな美弥子を見て、うちも幸せになった。


男の子かな〜?女の子かな〜?

名前どーするー?


とか、まだまだ生まれて来んのに、そんな話ばっかしてた。

⏰:09/06/15 00:14 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#789 [紗奈]
冬休みが明けてからなんとなく宏樹と気まずくなって‥

大阪に行くこともなくなった。



このままやったら絶対別れる‥

そう思ってた矢先、宏樹に振られた。


寂しくはなかった。

仕方ないことなんだと‥。



うちはそのまま卒業し、地元に帰った。

⏰:09/06/15 00:26 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#790 [紗奈]
凌斗と美弥子んちの近くに家を借りてそこに住むことにした。

引っ越しには2人とも手伝いに来てくれて、わいわいはなしながら部屋を綺麗にした。



2人には宏樹と別れたことは言った。

馬鹿って言われて怒られたけどね。


22歳で別れて、正直もういーやって思ったね。

⏰:09/06/15 00:31 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#791 [紗奈]
それからうちは社会人になった。

職場は年齢層が若くて、人数も少なかったためすぐにみんなと仲良くなれた。

めっちゃ人に恵まれた良い職場だったと思う。



その中でも一番仲良くなったのが成美さん。

成美さんは2個上の超美人な人。

何でも親身に聞いてくれたし、ほんまに姉さんって感じだった。

⏰:09/06/17 00:59 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#792 [紗奈]
仕事にも慣れてきた頃

「紗奈ー!飲み行こ!」

「いーっすね。行きましょ」

「あ、うちの彼氏とその友達もおるんやけどいける?」


そーゆーことかい。笑


「いーですよ」


ってことで行くことになった。

⏰:09/06/17 03:25 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#793 [紗奈]
職場の近くの居酒屋。

ついてちょっとしてから成美さんの彼氏とその友達が来た。


「これが彼氏の渉(わたる)」

「よろしくねー。で、こっちが駿(しゅん)」






これがうちと駿ちゃんの出会いやった。

⏰:09/06/17 03:53 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#794 [紗奈]
駿ちゃんは格好良かった。

なんか女がほっとかんような感じ。


笑った顔とか超可愛くて、尻尾振って付いてくる子犬みたいやった。


でも別にこのときは何も思ってなかった。


可愛い奴やなあってくらい。

⏰:09/06/17 04:02 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#795 [紗奈]
その日を境に駿ちゃんと頻繁に遊ぶようになった。

仕事終わって会ったり、休みの日に買い物連れて行ってもらったり。


それから徐々に惹かれていった。

優しいし可愛いし大人やし‥ほんまやばい。


成美さんに、駿ちゃんは紗奈のこと好きみたいなニュアンスのことを言われた。

正直嬉しかったけど複雑だった。

⏰:09/06/17 04:10 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#796 [紗奈]
お盆が近付くにつれて、駿ちゃんと会いたくないと思うようになった。


駿ちゃんを傷つけたくない。

駿ちゃんとおれば絶対に駿ちゃんを傷付ける。



駿ちゃんは曜の存在を知らないから。

⏰:09/06/17 04:13 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#797 [紗奈]
8月に入ってから、うちは完全に駿ちゃんと遊ばなくなった。

駿ちゃんの誘い全部断ってた。

成美さんには色々聞かれたし色々言われたけど、何も言えなかった。

⏰:09/06/17 04:17 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#798 [紗奈]
うちは美弥子に相談した。

美弥子は、


「駿ちゃんって人にちゃんと話すべきやよ。もし紗奈が逆の立場だったらどう思うん?なんも事情知らんのに離れて行かれたら辛いやろ?」


って言った。



でも、話したくないんやもん。

駿ちゃんを巻き込みたくなかった‥

⏰:09/06/17 04:21 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#799 [紗奈]
毎回どの彼氏にせよ、結局はみんなを傷付けて、うちのわがままで別れる。

たくさんの愛をもらっても愛で返せない。

一番愛した曜にさえも中途半端で‥本当に大切だと気付いた後にはもう曜はいなかった。


駿ちゃんと一緒にいたいと思ったけど、駿ちゃんは良い人すぎる。


駿ちゃんにはもっと良い人がいるって。

⏰:09/06/17 11:05 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#800 [紗奈]
お盆に、佳基さんとお墓参りに行った。


お盆が明けてから、成美さんに誘われて遊びに行くことになった。

仕事終わり、成美さんの車に乗り込む。



車を走らせて辿り着いたところは一軒のアパート。


チャイムを鳴らして入ると



そこには駿ちゃんの姿。

⏰:09/06/18 22:45 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#801 [紗奈]
「あんたら見とったらイライラする!2人でちゃんと話して!」



っつってドア閉められた。



‥よけいなお世話。




成美さんにめちゃくちゃ腹が立った。

⏰:09/06/18 22:51 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#802 [紗奈]
「‥とりあえず上がる?」

「いや、帰るわ」

「なあ、俺何かした?」

「してないよ。」

「俺のこと嫌い?」

「‥嫌いじゃないよ」



ここで嫌いって言ってしまえばいいのに‥言えないのは何なんだろう?

⏰:09/06/18 23:04 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#803 [紗奈]
「じゃあなんで避けるん?」

「わからん」

「意味もないのに避けられたら辛いやん」

「そんなこと言わんといてよ」

「紗奈のこと好きなんやからしゃーないやん!!」

「‥ごめん。駿ちゃんとは一緒におれん」


毎回毎回同じことの繰り返しや‥。

⏰:09/06/19 01:23 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#804 [紗奈]
うちは家を出た。

うちの過去を知られたくない。



可哀想だと思われたくない。



駿ちゃんは

もっと愛してもらえる人と一緒にいるべきだ。

⏰:09/06/19 03:27 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#805 [紗奈]
恋愛なんてしたくないのに

やっぱり恋はしてしまうんだ。



人間の本能かな?



駿ちゃんと一緒にいたいのに




‥ダメなんだ。


自分の考えがダメなんだ。

⏰:09/06/19 03:29 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#806 [紗奈]
駿ちゃんはそれでも毎日連絡をくれた。


なんでうちなんかにここまでするんだろうって思う‥。


駿ちゃん‥


あの時のうちはガキで、駿ちゃんの気持ちなんか全く考えてなかった。


駿ちゃんの気持ち無視して、自分のことばっかだった。

⏰:09/06/19 03:33 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#807 [紗奈]
でも、駿ちゃんが気持ちをぶつけてくれるたびに駿ちゃんと一緒にいたいって気持ちが強くなる。


そして10月、うちは駿ちゃんと会うことにした。


完全に駿ちゃんを好きになってしまった自分がいて、


会いたいと思ったから。

⏰:09/06/19 13:17 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#808 [紗奈]
仕事終わり、駿ちゃんは迎えに来てくれた。


「久々やね」



それだけ言って沈黙。

ほんまに気まずいんやけど‥。



そのまま駿ちゃんは車を走らせた。

⏰:09/06/20 17:09 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#809 [紗奈]
適当に車止めてまた沈黙。



沈黙を破ったのは駿ちゃん。




「紗奈が何考えとんかわからん」




そりゃあそうだ。


嫌だっつったり会いたいっつったり‥。

⏰:09/06/21 01:39 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#810 [紗奈]
「ごめん‥」



ごめんとしか言いようがない。



「紗奈は俺のことどー思っとるん!?俺は好きやからこーやって会えるのは嬉しいけど紗奈に振り回されとるだけやないんかって思うわ」

⏰:09/06/21 01:46 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#811 [紗奈]
「ごめん‥。‥うちも駿ちゃんのこと好きや。‥でもな、駿ちゃんに言ってないこといっぱいある。したら駿ちゃん傷つけるだけやからって思って今までみたいな態度やったんよ‥」



結果どっちにせよ傷つけてたんやけどね‥

⏰:09/06/21 01:49 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#812 [紗奈]
「言ってよ」

「聞かんほうがえーよ」

「なら聞かんから付き合って?」

「それはできん‥」

「意味わからんのやって!!何なん!?」

「駿ちゃんのこと好きやけど駿ちゃんは一番じゃない。そんだけや」



駿ちゃんは黙った。

⏰:09/06/21 01:53 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#813 [紗奈]
「事情よくわからんけどそれでもええわ。紗奈と一緒におれれば十分。絶対しあわせにするから付き合って?」



こんなん言われて嬉しくないわけないやん。

好きな人にこんなん言われるんよ?

嬉しいに決まっとるやん!!



「駿ちゃんのこといっぱい傷つけると思うけど、それでもいーん?」

⏰:09/06/21 02:03 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#814 [紗奈]
「いいよ。紗奈が好きやから」

「‥ありがとう」




こうしてうちらは始まった。




駿ちゃん、ありがとう。

⏰:09/06/21 02:06 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#815 [紗奈]
駿ちゃんには曜のこと言わんかった。



うちはこの頃月に一回くらいは墓参り行ってた。

駿ちゃんはうちが墓参りに行ってることは知らない。

だけどうちがどっかに行ってることは気付いてたみたいだった。

だけど、駿ちゃんは何も言わなかった。

⏰:09/06/21 02:10 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#816 [我輩は匿名である]
だけど駿ちゃんは
何もゆわなかった

頑張って最後まで
書いてなー
読んでるしなー\(^O^)/

⏰:09/06/21 02:21 📱:N08A3 🆔:hI/khvZg


#817 [紗奈]
>>816
ありがとうございます
ちゃんと完結させるんで
最後までよろしく
お願いしますっ

⏰:09/06/21 15:54 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#818 [紗奈]
>>405

⏰:09/06/21 16:00 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#819 [紗奈]
駿ちゃんはほんまに優しかった。

いろんなとこに連れて行ってくれた。

駿ちゃんは何も聞いて来んし、なのに駿ちゃんからの愛は感じるし‥

駿ちゃんを裏切ってる気分になった。



だからうちは3月1日、

曜の命日の前日に、駿ちゃんに全てのことを話した。

⏰:09/06/21 16:22 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#820 [とくめい]
>>1-100
>>100-200
>>200-300
>>300-400
>>400-500
>>500-600
>>600-700
>>700-800
>>800-900
>>900-1000

⏰:09/06/21 18:10 📱:F905i 🆔:☆☆☆


#821 [紗奈]
全部話した後に駿ちゃんが言った。


「もっと早く言ってくれれば良かったのに。それを聞いたからって紗奈と別れたりとか無いし。」


駿ちゃんは受け入れてくれて、抱きしめてくれた。

「明日行くんやろ?送ってやるから」

⏰:09/06/21 20:56 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#822 [紗奈]
駿ちゃんがそう言うから、うちは次の日連れて行ってもらった。


「待っとくし行っておいで。」

「‥ごめんね」

「何で謝るん」


駿ちゃんは頭をポンと叩いて行くように促した。

⏰:09/06/21 22:54 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#823 [紗奈]
曜にいつものように声をかける。



曜‥うちは駿ちゃんとやっていけるかな?


駿ちゃんとなら幸せになれるかな?








うちは‥駿ちゃんと歩いていく。

⏰:09/06/22 02:05 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#824 [紗奈]
どれくらいそこにいただろう。


ただ、うちは駿ちゃんと歩いていくことを決めたから、頻繁に墓参りに来ることはできないだろう‥と思った。


だから、曜のそばからなかなか離れることができなかった。



車に戻ると、駿ちゃんはハンドルに伏せて寝ていた。

⏰:09/06/22 02:12 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#825 [紗奈]
うちがドアを開けると、ビクッとして駿ちゃんは起きた。

そして

「おかえり」

と言った。



駿ちゃん‥ありがとう。



「ただいま」

⏰:09/06/22 02:15 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#826 [紗奈]
うちは駿ちゃんが好き。

駿ちゃんもうちを好きでいてくれる。


本当に大切にしてくれる。



大好きな駿ちゃん。




うちらは、4月から新しく家を借りて同棲するようになった。

⏰:09/06/22 02:28 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#827 [紗奈]
同棲するって親に挨拶するって駿ちゃんが言って、超緊張の中うちの実家に行った。

するとうちの父さん



「いきなり娘さんをくださいとか言い出すんかと思った。あんたきちんとしとるんやな。まあ喧嘩せんとやりや」


って言った。

⏰:09/06/22 02:31 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#828 [紗奈]
で、駿ちゃんの実家にも行った。


「よろしくね」


って、可愛いお母さんやった。




何の問題もなしに同棲はスタートした。

⏰:09/06/22 02:34 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#829 [紗奈]
うちの仕事終わってから帰って

したら駿ちゃんも帰ってくる。

家事は分担してやって、夕飯食べたり風呂入ったりして寝る。



ほんまにごく普通の生活で、一切喧嘩もせんかった。

⏰:09/06/22 02:37 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#830 [紗奈]
記念日には必ず外食に出た。

2ヵ月に1回はお墓参りに行った。


駿ちゃんは

「俺は一生二番目でいいから」

って言った。


そう言われると‥余計悲しくなる。

⏰:09/06/23 10:17 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#831 [紗奈]
駿ちゃんはこんなにも愛してくれるのに、なんでうちは曜じゃないとダメなんだろう?















ごめんね。

⏰:09/06/23 10:18 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#832 [紗奈]
10月‥




駿ちゃんとの1年記念日。

その日は日曜日だったから、うちらは朝から出掛けた。


久し振りにめっちゃ買い物して、心の底から笑った。

⏰:09/06/23 10:22 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#833 [紗奈]
あえて外食はせずに家に帰って、うちが夕飯を作った。

一段落ついた頃、駿ちゃんがうちの横に座った。









「ねえ、‥来年のこの記念日に‥籍入れよ?」

⏰:09/06/23 10:27 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#834 [紗奈]
びっくりして涙が出た。


嬉しいのと迷い‥



2つが混ざった。



「もし曜くんのこと考えとるならそれは無しにして?俺はそれを含めたうえで言ってんやから」


駿ちゃんはうちの気持ちを察していた。

⏰:09/06/23 10:53 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#835 [紗奈]
うちは頷き、駿ちゃんに抱きついた。

ありがとう、そしてごめん。



駿ちゃんに出会えてよかった。




宏樹よりも現実味を感じたのは何でだろう?



それはやっぱ‥運命やったからなんやろうね。

⏰:09/06/24 16:29 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#836 [紗奈]
うちらは、駿ちゃんちとうちんちに挨拶しに行った。


うちの親は凄い駿ちゃんを気に入ってて、駿ちゃんと結婚することを快く承諾してくれた。


駿ちゃんの親も凄い喜んでくれた。




そして、親の次に行ったのは凌斗と美弥子のところ。

⏰:09/06/24 16:33 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#837 [紗奈]
2人に会いに行ったときが4月。

もう赤ちゃんは1歳になっていた。



女の子で、名前は紗弥。

うちの名前の"紗"と、美弥子の"弥"を入れた名前。


うちの名前なんか入れたら最低な子に育ちそうだけど。笑



ほんっっとに可愛くて、連れて帰りたいくらいだった。

⏰:09/06/24 16:41 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#838 [紗奈]
さやが寝たから、4人で話してた。

駿ちゃんは最初緊張してたけど、どんどんなれて凄い話せるようになった。



「駿ちゃんなら大丈夫やね」





って2人が親みたいに言うもんだから、なんか笑えた。

でもね、親より誰よりも認めてもらいたかったのは、凌斗と美弥子だったんよ。

⏰:09/06/24 16:59 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#839 [紗奈]
.






そして、今年の10月に、うちらは入籍する。






.

⏰:09/06/24 17:11 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#840 [紗奈]
駿ちゃんと2人で、新たなスタートを切る。




まだまだ内面は子供だと思う。



不安もいっぱいある。




だけど、駿ちゃんと2人ならやっていける。

⏰:09/06/24 17:14 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#841 [紗奈]
.


曜‥



今日も見てくれてますか?



寂しくない?

笑ってる?

⏰:09/06/24 17:18 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#842 [紗奈]
うちは今でも、曜が大好き。

好きで好きで仕方ないよ。



だけどね、やっと





曜と同じくらい愛せる人を見つけた。

⏰:09/06/24 17:20 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#843 [紗奈]
曜を思い出して涙することも少なくなかった。






曜がいなくなってから







寂しくて、辛くて、苦しかった。

⏰:09/06/24 17:21 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#844 [紗奈]
曜はうちの幸せを願ってくれる人だった。


バカみたいに優しくて、お人好しだった。



そんな曜が大好きだった。

⏰:09/06/24 17:23 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#845 [紗奈]
いっぱいいっぱい傷つけたのに



愛してくれてありがとう。






自分の気持ちを伝えるの、へたくそでごめんね。


でも、曜と出会って成長したよ!

⏰:09/06/24 17:26 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#846 [紗奈]
いつまでも俺のこと引きずってんなよ



って




今笑ってるかな‥?

⏰:09/06/24 17:27 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#847 [紗奈]
大丈夫だよ。




うちは、曜と同じだけ、駿ちゃんを愛してる。




これから駿ちゃんとの、長い長い人生が始まるんだ。

⏰:09/06/24 17:30 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#848 [紗奈]
曜‥





うまく言えないけど











愛してる

⏰:09/06/24 17:31 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#849 [紗奈]








-END-







⏰:09/06/24 17:32 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#850 [紗奈]

ここまで読んでくださった方
本当にありがとうございました。

期待に添える終わりでは
なかったかもしれませんが
これがうちの今までの人生でした。

これを書くきっかけは
結婚することになったからです。

今までの出来事を振り返り
自分と向き合おうと思って
書き始めました。

⏰:09/06/24 17:37 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#851 [紗奈]

馬鹿してる時期もあった。

だけど全部含めて
うちの人生だから‥。



愛を教えてくれた曜。


これから先も‥多分
忘れられない存在だと思います。

⏰:09/06/24 17:40 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#852 [紗奈]

読んでくださった方の中には
そんなので結婚すんなよ
って思う方もいるかもしれません。


だけど、全部ひっくるめて自分。

それを受け止めてくれた駿ちゃん。


そんな駿ちゃんだからこそ
結婚できるんだと思います。

⏰:09/06/24 17:43 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#853 [紗奈]




読んでくださった方々、
本当にありがとうございました!



⏰:09/06/24 17:44 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#854 [紗奈]

>>0001-0100
>>0101-0200
>>0201-0300
>>0301-0400
>>0401-0500
>>0501-0600
>>0601-0700
>>0701-0800
>>0801-0900
>>0901-1000

⏰:09/06/24 17:47 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#855 [たゆたん]
お疲れさまでした
ずっと読ませてもらってました
曜さんのことも含めて受け止めてくれる人に出会えてよかったですね
末永くお幸せに

⏰:09/06/24 18:20 📱:N02A 🆔:K3H3dqFQ


#856 [ゆき]

 紗奈さん←
 めっちゃ泣けました
 曜さん、きっと天国で
 喜んでますよ。
 紗奈さんが幸せを
 見つけてくれて..。

 駿さんと
 幸せになって下さい

⏰:09/06/24 22:11 📱:SH704i 🆔:cfoywDlU


#857 [葵]
お疲れさまでした。

全部読ませて
いただきました。
文章がすごく
読みやすくて
一気に読みました。


幸せになって下さい

⏰:09/06/25 12:01 📱:SH906iTV 🆔:dUjWzAeA


#858 [麻衣]
お疲れ様です
ずっと読んでました
きっと天国で見守ってくれている曜さんが駿さんと巡り合わせてくれたんだと思います。
天国にいてる曜さんは1日に一回だけでも主さんが曜さんのことを思ってくれるだけで満足だと思います。
掴んだ幸せを大事にしてこれから大変だと思いますが頑張ってください

ありがとうございました(*^_^*)

⏰:09/06/25 19:57 📱:N03A 🆔:I3lypfYA


#859 [味噌汁]
んー…

⏰:09/06/26 02:10 📱:W53H 🆔:b9/RNld6


#860 [なつ]
ずっとずっと幸せで
居ってください。

⏰:09/06/26 21:45 📱:F706i 🆔:5rCxwCnk


#861 [りぇ]
完結お疲れ様でした!
曜サン格好良すぎです!!!!
2回読んじゃいましたで、気になったんですが…曜サンのお父さんの職業って…? ヤクザ? 警察? 何だったんですか…?

⏰:09/07/02 01:25 📱:D905i 🆔:zEOJtUxE


#862 [沙奈]
みなさんコメントありがとうございます
1人1人返したいのですが最近忙しくてすみません


曜のお父さんはヤクザの上のほうの人だったみたいですよ。
まあ曜は教えてくれなかったし佳基さんに聞いたんですけどね
ちなみにお母さんのほうは昔レディースの総長だったらしいですその後水商売の世界に。
だからあの家の人間には誰も逆らえなかったとゆーか慕っていたとゆーか

⏰:09/07/03 00:08 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#863 [我輩は匿名である]
>>1-300
>>301-600
>>601-900

⏰:09/08/02 23:26 📱:D903i 🆔:☆☆☆


#864 []


失礼しまあす
>>1-200

>>201-400
>>401-600
>>601-800

⏰:09/12/29 14:25 📱:SH706i 🆔:☆☆☆


#865 [ん◇◇]
(´∀`∩)↑age

⏰:22/10/29 09:59 📱:Android 🆔:ww1G8DfI


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