うまく言えない
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#201 [サな]
うちは一気に怖くなった。

七瀬がいなくなってから即行曜に電話をかけた。

「もしもし曜っ…七瀬に曜の存在バレたよ…!」

「そっか。とりあえず今から佳基そっちにやるからH市まで来い」

曜は冷静だった。

もうこうなることはわかってたんだろう。

⏰:08/12/13 12:37 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#202 [サな]
しばらくしていつものところに佳基さんが来た。

うちが車に乗ると、佳基さんが言った。


「曜、今みんなに手まわしとるから大丈夫で。」

いや、そういう問題じゃない。

うちは曜の周りが傷つくのも嫌だ。

迷惑かけたくない…。

「佳基さん、うちもう嫌だよ…」

⏰:08/12/13 12:44 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#203 [サな]
「何でや?」

「みんなに傷ついてほしくない。こんなことになってみんなに迷惑かけるなら、もううちが七瀬の言うとおりにすればいいんやないかなって…」

「ほんまにそれでええんか?」

「…わからん」



それから何も喋らずに、うちは曜の家に着いた。

⏰:08/12/13 12:56 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#204 [サな]
曜の家に入ると何人か人がいた。

「あ、じゃあ俺ら出るわ」

その人たちはそう行って出て行った。

「紗奈」

「…曜、もうやめよっか」



もうこれ以上迷惑かけられない。

うちが七瀬のところにいけば…

それで終わりにできる。

⏰:08/12/13 15:20 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#205 [サな]
「うち、七瀬んとこに行くから」


七瀬なんか大っ嫌い。

曜が大好きで仕方ない。

何が正しくて何が間違いかなんかわからない。

でも、曜をこれ以上振り回したくない。





曜、大好き。

⏰:08/12/13 15:23 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#206 [サな]
「お前は七瀬が好きなんかよ?」

「…うん」

好きじゃないよ。
うちが好きなのは曜やもん。

「…それがほんまなら俺は別に引き止めんよ。紗奈が幸せになれるんならそれでいいよ」


幸せって何?

曜が傷ついてまで一緒にいるのが幸せ?

自分の気持ちを押し殺して七瀬のとこに行って過ごすのが幸せ?

⏰:08/12/13 15:28 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#207 [サな]
どっちも幸せなんかじゃない。

うちは幸せにはなれないと思う。

七瀬のところに行っても

曜のところにいても。



でも、曜のことはやっぱり好き。

だから、曜のためにも七瀬のところに行く。

⏰:08/12/13 15:32 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#208 [サな]
悲劇のヒロインみたいに思うかもしれない。

だけど、本当にそうするしか考えられなかった。

「曜、ばいばい」


うちは曜の家を出た。


我慢してた涙が一気に溢れ出した。

曜が大好き。

ただそれだけなのに。

⏰:08/12/13 15:36 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#209 [サな]
うちはM市に帰った。

駅前には七瀬がいて、こっちを睨んできた。


「七瀬、話ある」

うちは七瀬を連れて、駅から少し離れた公園に行った。

⏰:08/12/13 15:38 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#210 [サな]
「うち、曜とは本当に付き合ってなかった。でももういいから。曜と関係切ってきた。アドレスも番号も消したから」

「俺とよりもどしてくれるわけ?」

「…うん。いいよ」


何でかな。
…何でなんだろ。

もう七瀬しかいないんだろうな…。

⏰:08/12/13 15:42 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#211 [サな]
七瀬はうちをベンチに押し倒してきた。

深い深いキスをして、服の上から胸を触ってきた。

「七瀬…やだっ無理…」

「俺の方が無理。どんだけ待たせたと思っとるんな?」

七瀬は更にエスカレートしてくる。

もうすでに辺りは暗くなっていた。

それをいいことに七瀬はどんどん服を脱がせていく。

うちはされるがままだった。

⏰:08/12/13 15:52 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#212 [サな]
嫌だった。

気持ち悪くて仕方なかった。

曜がいい。

曜やないと嫌だ。





七瀬なんか大っ嫌い…

⏰:08/12/14 01:57 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#213 [サな]
家に帰って泣き崩れた。

ただ幸せになりたいだけなのに。


その"ただ幸せになる"っていうことは、簡単じゃないって思い知らされた。



うちはその日から学校に行かなくなった。

家にずっといて、七瀬から呼び出されれば行く。


そんな生活をしていた。

⏰:08/12/14 02:02 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#214 [サな]
志乃から電話が掛かってきても出なかった。

志乃には何も話してない。

あの後何があったかも、曜とどうなったかも。


いっつも一緒にいてくれたのは志乃なのに。

⏰:08/12/14 02:06 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#215 [サな]
10月に入ってから、知らない番号から電話があった。

…曜だ。

うちは何回も掛かってくるその番号には、一切出ないようにした。

担任からもしょっちゅう電話がかかってきた。

学校に来いって、それだけだけど。

⏰:08/12/14 02:11 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#216 [サな]
このままだと単位が危ない。

そう言われて、うちは行くしかなかった。

10月も終わりかけた頃、うちは久しぶりに学校に行った。


教室に入ると志乃の姿。

志乃は驚いた顔でこっちを見た。

⏰:08/12/14 02:29 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#217 [サな]
「志乃…ごめん」

うちがそう言うと志乃は近づいてきた。

「ちょっと外出よっか」

うちは志乃に連れられて外へ出た。

授業中は絶対に人が通らないテニスコート。

うちらはそこに置いてあるベンチに座った。

⏰:08/12/14 18:31 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#218 [サな]
「紗奈の口からちゃんと聞きたい。噂でだいたいのことは聞いとるけど、何が真実かなんかわからんから。ちゃんと紗奈から事実を聞きたい。」

「うん…」

うちは志乃に話した。

あの後曜に会って、七瀬と居ると決めたこと

もう誰も巻き込みたくないということ。

学校に来てなかった1ヵ月間、何をしてどう過ごしていたか…。

⏰:08/12/14 18:44 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#219 [サな]
「あんた不器用すぎるよ。自分の気持ち殺して幸せになんかなれるわけないやん。馬鹿やない?いい加減素直になりや。曜くんが紗奈を好きで、紗奈が曜くんを好きで…それでいいやん!?七瀬くんなんかにビビってどーするん!?周りが守ってくれる、曜くんが守ってくれるって言いよるんやろ!?頼ればいいやん!」

⏰:08/12/14 22:42 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#220 [サな]
志乃の言葉は凄い心に響いた。

頼ればいい、確かにそうなんだけど、うちの性格上、人に頼るのは嫌いだった。

それから、今更曜のところに行って、曜はどう思うのか…。

⏰:08/12/14 22:49 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#221 [サな]
そんなことを考えながら、結局曜には連絡も何もしなかった。

ただ、七瀬とは別れた。

これでいい。

結局振り出しに戻る。



曜と出会う前のように、

男とは関わらないように。


それでいいんだ。

それがいいんだ。

⏰:08/12/17 00:45 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#222 [サな]
2年も終わりに近づいてきた。

進路について色々担任に聞かれる時期。

うちは県をでたかった。

七瀬のいないところで過ごしたかった。

"●●大学"

うちは大学を志望した。

馬鹿だから馬鹿な大学しか行けないから、某県で一番偏差値が低いくらいの大学。

親には迷惑かけっぱなしだけど、親はうちが大学というところに行くということ自体を喜んでくれた。

⏰:08/12/17 00:52 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#223 [サな]
こんな娘でごめんねって本気で思った。

馬鹿ばっかりしてごめんねって…。





そして春休みになった。

⏰:08/12/17 00:58 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#224 [サな]
春休みに入ってすぐのことだった。





携帯が鳴る…






090********




…誰?

⏰:08/12/17 01:01 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#225 [サな]
「俺やけど…わかる?」















「…佳基さん?」

⏰:08/12/17 01:03 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#226 [サな]
電話の主は佳基さんだった。

頭の中がハテナでいっぱいになる。


佳基さんがなんでうちの番号…?



「曜の携帯から勝手に番号取った。ごめんないきなり。」

「いいけど…何?」

「今から会える?」

「いや…無理」

⏰:08/12/17 01:06 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#227 [サな]
「ほんなら電話でええから聞いて」

「何?」










「曜、まだ紗奈ちゃんのこと好きやから」

⏰:08/12/17 01:07 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#228 [サな]
「…どんだけ前の話しよん?」

「曜はあれからずっと紗奈ちゃんのこと好きやったんやって。もし紗奈ちゃんがまだ曜のことちょっとでも好きなら、曜に会いに来てやって…」

「なんで佳基さんがそんなこと言うん?」

「あいつ元気ないから…。聞いたらまだ紗奈ちゃんのこと好きやって言うから…。余計なお世話かもしらんけど…」

⏰:08/12/17 01:12 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#229 [サな]










「もう曜のこと好きやないから」







⏰:08/12/17 01:14 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#230 [サな]
「…そっか。そんならええんや。ごめんな。元気でやりや」


佳基さんはそう言うと電話を切った。











涙が溢れ出した。

⏰:08/12/17 01:16 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#231 [サな]
ほんまはな、まだ曜のこと好き。


大好きで仕方ない。




…でもな、結局は
自分が素直になれんだけなんよ。




なんだかんだで結局逃げてばっかりで


向き合おうとしてないのはうちなんよ。

⏰:08/12/17 01:20 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#232 [サな]
なんでも勝手にほいほい決めて

後悔して泣いて


自分が向き合ってないのに

幸せになりたいなんて

馬鹿やんな。



曜…うちは曜のこと

ほんまに大好きや

⏰:08/12/17 01:22 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#233 [サな]
曜が大好きやから涙が溢れる。

もうどおしたらええんかわからんくて

ほんまに自分馬鹿や…って思って

涙が溢れる…。



曜、なんでこんなうちを

好きでおってくれるん?

曜ならうちより良い女と

絶対付き合えるやん。

⏰:08/12/17 01:26 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#234 [サな]
なのになんでうちなん?

何でこんな面倒くさい女なん?






うちはどうするのが一番正しいん?





素直やなくてごめんな…

⏰:08/12/17 01:28 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#235 [サな]
うちは1週間後、電車に乗った。




…行き先はH市。










⏰:08/12/17 01:33 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#236 [サな]
駅から出ると懐かしい光景。

いつものように溜まっている人たち。

うちが向かう先は曜の家…



ではなくて、佳基さんのところ。





あの、曜が連れて行ってくれた溜まり場。

⏰:08/12/17 01:35 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#237 [サな]
中にはいると佳基さんの声が聞こえた。

更に奥に入る。


「佳基さん…」

「紗奈ちゃん…!?」


周りはかなりざわついていた。


うちは佳基さんのところに行って
佳基さんに抱き付いて声を上げて泣いた。

⏰:08/12/17 01:38 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#238 [サな]







「佳基さんっ…ごめんな…うち、嘘ついた…」

「どしたんや?」

「うち…うち…曜のことまだ大好きや…」





⏰:08/12/17 01:40 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#239 [サな]
「…そうか。言いに来てくれてありがとな」

うちは化粧ボロボロになっていた。





やっと言えた。





これが自分の素直な気持ちやから…。



⏰:08/12/17 01:43 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#240 [サな]
「みんな聞いたか?そーゆーことやからな。また忙しくなるで!笑」



みんなが守ってくれる。

みんな迷惑やなんて思ってない。

今度はみんなを頼りたいから…。







みんなありがとう。

⏰:08/12/17 01:45 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#241 [サな]
うちは佳基さんの車に乗った。

行く場所は1つ。

曜の家だけ…。


うちは崩れた化粧を車で直した。

佳基さんは横で笑ってた。



そして曜の家の前についた。

⏰:08/12/18 00:09 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#242 [サな]
「あとは紗奈ちゃんひとりで行きや」

「えっ…佳基さんも来てや…」

「俺が行ってどーすんや」

「…よし。うん。行ってくる!!」




うちは曜の家に入った。

⏰:08/12/18 00:11 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#243 [サな]
変わらない家。

だけど懐かしく感じた。


曜の部屋の前に行って、大きく一回深呼吸してからドアを開けた。

⏰:08/12/18 00:13 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#244 [サな]
入った瞬間曜と目があった。




二人とも無言で時計の音だけが聞こえた。






「…紗奈」

⏰:08/12/18 00:16 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#245 [サな]
.





その声を聞いた瞬間涙が溢れた。




曜のことで、何回涙を流しただろう。





でもその涙は、曜のことが好きだから流れる涙なんだ。

⏰:08/12/18 00:18 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#246 [M I]
毎日見させてもらッてます更新頑張ッてくださぃ
>>1-100
>>101-200
>>201-300
>>301-400
>>401-500
>>501-600
>>601-700
>>701-800
>>801-900
>>901-1000

⏰:08/12/18 01:23 📱:SH906i 🆔:n9YAKRsA


#247 [サな]
.






「…曜」







久しぶりに会った曜は、少し大人びて見えた。

⏰:08/12/18 01:24 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#248 [サな]
M Iちゃん
ありがとうございます
最後まで読んでくれたら嬉しいです
あとアンカーありがとうございます!!

⏰:08/12/18 01:26 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#249 [サな]
髪が黒くなって、髪が伸びていた。

落ち着いた雰囲気の曜は、今までとは違う格好良さがあった。



「こっちおいで」


曜は手招きしてうちを呼んだ。
うちは頷いて曜の横に座った。

⏰:08/12/18 01:29 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#250 [サな]
「何で来てくれたん?」







答えは1つだけ。









「曜が好きやからやよ」

⏰:08/12/18 01:31 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#251 [サな]
今までずっと言わなかった言葉。

今までずっと言えなかった言葉。

大好きなのに、気持ち押し殺して

ずっとずっと言ってなかった言葉。




「ありがとう」



曜はギュッと抱きしめてくれた。

⏰:08/12/19 00:23 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#252 [サな]
.



「好き」



このたった一言で

こんなにも幸せを感じることができるのに…。



ただ、七瀬っていう存在を怖がってた。

⏰:08/12/19 00:25 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#253 [サな]
でも、怖がる心配も、気を使う意味もなかったんだ。



周りには沢山の味方がいて

みんなみんな、良い人ばっかだから。

⏰:08/12/19 00:28 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#254 [サな]
.


もう怖がらない。

遠慮もしない。




曜と幸せになるんだ。




そう決めた4月3日。

うちと曜の記念日。
これからがうちと曜のスタート。

⏰:08/12/19 00:32 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#255 [サな]
うまく言えないけど

溢れてくる

この声も

この泪も

君を思えば…

⏰:08/12/20 00:54 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#256 [サな]
.



うちは3年生になった。

風が吹き、桜が舞い、

少し肌寒く、少し暖かい

そんな時季。


真新しい制服を着て

校門をくぐる1年生たち。

⏰:08/12/20 00:58 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#257 [サな]
うちは志乃とまた同じクラスになった。

2階の教室の廊下から中庭を覗く。

初々しい1年生たちが騒いでいる。


「可愛らしいねぇ」

「あの中でカップルが誕生するんやろうね」

「志乃も彼氏作りなさい」

「あんた自分が幸せやからって…」

「あはっ」

⏰:08/12/20 01:05 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#258 [サな]
「紗奈せんぱぁーいっ!」

1年生の集団の中の1人がうちを呼んだ。


…誰?



その子は階段を駆け上がってきた。

「先輩!2中の美優です!覚えてますか?」

⏰:08/12/20 01:10 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#259 [サな]
2中って同中…。

こんな奴おったっけ?


美優<みゆう>と名乗るその子は、少し赤っぽい髪で背は多分160センチくらい。

可愛いわけではないけどぶさいくではない。でも少し頑張ってる感がある、いわゆるパギャルって感じの子。

…2中にこんな奴おったか?

てか後輩と特別仲良くなかったし

ましてや2個下なんて。

⏰:08/12/20 01:15 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#260 [サな]
「ごめん、覚えてない」

「えぇ〜。じゃあこれから覚えてください!真中美優です」

「あぁうん。よろしくね」

「紗奈先輩!アドレス教えてください!」

「…うん」

美優にアドレスを教えると、美優は礼をして中庭に戻っていった。

⏰:08/12/20 01:19 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#261 [サな]
「紗奈、後輩?」

「いや、知らん。」

「何か凄い勢いある子やね」

「ほんまに誰かわからん」

「高校デビューかなんかやろ。紗奈みたいに 笑」

「うちのは高校デビューって言わん!うちのはただのイメチェンや!」

「はいはいっまあ確かにそうやね笑」

⏰:08/12/20 01:23 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#262 [サな]
話は少し変わって、うちは曜の家から学校に通うことにした。

まあいわゆる同棲ってやつ。

親は特に何も言わなかった。

ただ、
「ちゃんと大学受験しなさいよ」

とだけ言われた。

⏰:08/12/20 01:34 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#263 [サな]
曜の仲間の中に、うちの高校の近くに仕事場がある人がいて、毎日その人に送ってもらうことになった。

帰りは1個上のフリーターの健<けん>くんが学校の近くに迎えに来てくれた。

良いことなのか悪いことなのかは微妙なところだけど、本当に周りの皆には感謝しかない。

⏰:08/12/20 01:40 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#264 [サな]
うちが曜の部屋で転がっていると、美優からメールが来た。

【紗奈先輩!美優です☆今何してますか?】

「誰?」

「何か美優って子。2中出身らしいんやけど知らんのんよね。みたことない」

メールが来て30分後にメールを返した。

【今彼氏んちおるよ】

返事は5分もたたないうちに返ってきた。

⏰:08/12/20 01:46 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#265 [サな]
【まだ七瀬先輩と続いてるんですか?】

【続いてないよ】

【そうなんですか!?よかったぁ…】


…もしかして?


【七瀬のこと好きなん?】

【はい!1年生のときから…】

⏰:08/12/20 01:49 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#266 [サな]
そういうことか。


うちは曜にメールを見せた。


「まあいいんじゃね?」


いいんだか悪いんだか…。



美優はうちが七瀬の彼女だったからうちを知っていたわけで、うちと美優は直接関係なかったわけだ。

通りで知らないわけだ。

⏰:08/12/20 01:51 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#267 [サな]
【やめときなよ】

うちはそう打って送ろうとしたけど消して打ち直した。

【頑張れ】

他人の恋に首突っ込んでもしかたないしね。


その後美優から質問攻めにあった。

七瀬との昔のことをいろいろ聞かれた。

横には曜がいるってわかってるくせに空気読まなさすぎる美優。

まあ最終的にうちはメールをブチった。

⏰:08/12/20 01:58 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#268 [サな]
次の日の昼休、美優がうちのクラスに走ってきた。

「紗奈せんぱーいっ!話しましょお」

クラスの皆は唖然として美優を見る。

「…ごめん。今無理やから」

「じゃあ放課後話しましょ!」

「ごめん彼氏んち行くんよ」

「じゃあまたメールします」


美優はそう言って教室を出た。

⏰:08/12/20 02:02 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#269 [サな]
「あの子何?まじで」

うちは昨日あったことを志乃に話した。




「うわー。まじないわ」





今日はメール来ても全く返さんとこうと思った。

曜だっていい気せんやん。

⏰:08/12/20 02:05 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#270 [サな]
夜、また美優からメールが来た。

【こんばんわぁ♪彼氏さんといるんですか?今日も七瀬先輩のこと教えてくださあい!】



彼氏とおるってわかっとってこんなメール送ってくるバカ初めてやったわ。

ほんまびっくりした。




うちはメールを返さなかった。

⏰:08/12/20 02:07 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#271 [サな]
すると電話がめっちゃかかってきた。

やばいくらい鳴り続ける携帯。

「出たったらええやん」

曜はそう言ったけど若干不機嫌。

でも鳴り止まない携帯。

うちは電話に出た。

⏰:08/12/22 13:22 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#272 [サな]
「先輩!何でメール返してくれないんですか!?」

「うち彼氏んち行くって言ったよね?」

「メールくらい返してくれてもいいじゃないですか!うちは七瀬先輩のこといっぱい知りたいんです」

「うちに聞くなよ」

「先輩が七瀬先輩のこと一番知ってるじゃないですか。何で教えてくれないんですか!?先輩だけいい思いして」

⏰:08/12/22 18:34 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#273 [サな]
はあ!?良い思い?

あれだけ七瀬に振り回されてうちが良い思いしとるって!?


うちはついにキレた。


「何も事情知らん奴が何言いよんや!?お前は何様な?調子のんなよ!!黙っとったら言いたい放題言いやがって。お前明日覚えとけよ。」

本気でムカついた。
2個下の高校デビューになめられたらたまったもんじゃない。

⏰:08/12/22 18:40 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#274 [サな]
うちは電話を切って布団に潜り込んだ。

ムカムカする。

ムカつきすぎて吐きそうだった。

ムカつく

ムカつく

ムカつく!!!

⏰:08/12/22 22:58 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#275 [サな]
「紗奈」

曜が布団に手をかける。

「触んな!!!!!」


…あ。


言った後にすぐ後悔した。


曜は部屋から出て行った。

⏰:08/12/23 01:04 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#276 [サな]
何もかんもうまくいかんくてイライラする。

結局は全部自分が悪いんかもしれんけど

でもそんなんゆーたってしゃーないやん

うちが不器用なことくらい自分でもわかっとるよ。

何がしたいんか自分でもわからんもん

⏰:08/12/23 02:10 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#277 [ゆかリ]
もーめっちゃ好きですこれからもずっと読むんで頑張ってください

⏰:08/12/24 11:44 📱:N903i 🆔:Duc7T5iQ


#278 [我輩は匿名である]
>>150-300

⏰:08/12/24 23:24 📱:N703iD 🆔:XcMk87Cs


#279 [我輩は匿名である]
>>1-278

⏰:08/12/25 10:30 📱:P906i 🆔:qXjSgMSk


#280 [我輩は匿名である]
頑張って下さい
更新楽しみに待ってます

⏰:08/12/25 23:57 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#281 [サな]
>>277ー280
ありがとうございます
ちょっと放置してすみません
また更新していきますね

⏰:08/12/26 01:58 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#282 [サな]
自己嫌悪に陥りながら、うちはどうすることもできずに、ただボケッと座っていた。

しばらくすると、曜があったかいカフェオレを持ってきた。

曜がたまに作ってくれるこのカフェオレが美味しくて、うちは大好きだった。

自分で作っても絶対この味にならない、不思議な曜特製のカフェオレ。


「イライラしてどうすんや。イライラしてなんかいいことあるんか?落ち着けや」

⏰:08/12/26 02:08 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#283 [サな]
曜はそう言ってうちにカフェオレを渡した。

「まあ俺も人のこと言えんけどさぁ、イライラしよっても何も良いこと無いやん?やし、そんなんでそんなことゆーてもしゃーないんやって。」



曜はちゃんといろいろ考えてる。


うちはなんなんやろ?ってたまに思う。
曜が持ってるものが大きすぎて、うちのことがちっぽけに思える。

⏰:08/12/26 02:15 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#284 [サな]
「お前明日何するんか知らんけど手だけは出すなよ」

「うん‥。でも何で?」


曜自身も、よっぽどが無い限り殴ったりしない。

前からちょっとした疑問だった。

⏰:08/12/26 02:17 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#285 [サな]
.



「みんなに慕われる人はな、絶対人を殴ったりせんのんやってさ。何があっても殴ったらいかんって、これ俺の父さんの教えやから。俺が慕われるのも、この教えのおかげみたいなもんやから。押し付けみたいかもしれんけど、俺は紗奈にもみんなに慕われる人になってほしいと思うし、それ以前に女の子は殴ったりしたらいかんで」




.

⏰:08/12/26 02:25 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#286 [サな]
なんか大人やなあって思った。

強い人=喧嘩が強い人

って考えやったけど、ほんまの強い人って言うんは、曜みたいな人のことなんやろうなって思った。


曜みたいな人とうちが付き合っとってええんやろか?って思うくらい、曜は凄い大人な考えを持つ人間やと思った。

⏰:08/12/26 02:30 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#287 [サな]
次の日うちは学校へ向かった。

志乃に昨日あったことを言うと


「そいつ呼んで来たるわー」


って言って教室を出て行こうとした。


「待ってや志乃!うちが行くし、志乃ここおってや」

⏰:08/12/30 00:59 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#288 [サな]
うちはそう言って美優のクラスへ行った。


「美優おる?」

教室の前にいた子に問う。

「美優、今日遅れてくるってメールで言ってました」


美優の奴、うちが朝来ると思って遅刻する気だと思った。

「わかった。また来るわぁ」

⏰:08/12/31 01:42 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#289 [サな]
教室に戻ると志乃が近寄ってきた。

「あいつ来てなかったよ」

「はぁ〜?まじで?」

「まあまた行ってくるわぁ」


そうして普通に授業を受けて、昼休憩が終わって5時間目が始まった頃、外を見ると女が一人歩いていくのが見えた。


美優やな。

⏰:09/01/03 19:00 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#290 [ケ]
頑張れっ(°∇°)ォ

⏰:09/01/04 00:29 📱:W61SH 🆔:dRDFmFqA


#291 [サな]
>>290
ありがと☆
ちょっとずつの更新で
申し訳ないです(/_;)

⏰:09/01/04 02:06 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#292 [サな]
「先生ちょっと用事できたから行ってくるわあ」

「欠課になるよ?あんた大丈夫なん?」

「卒業できんかったら困る。でもたぶんこの授業は大丈夫やから行ってくる〜」



うちはそういって教室から出て美優のところに猛ダッシュした。

⏰:09/01/04 02:09 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#293 [サな]
「おい美優!ちょっとこっちけえや!」


美優はお化けでもみたみたいな顔をして振り向いた。


うちは美優が固まってる間に腕をつかんだ。


「ちょっと来いや。逃げとんやなあぞ」

⏰:09/01/05 01:43 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#294 [サな]
うちはそのまま学校の外に引っ張り出した。

「ごめんなさい!すみませんでした」

まだなんもやってないのに泣きじゃくる美優。

「泣いたら終わる思っとんか?泣き止めや。別に殴る気なんかないんやって。お前が泣いて終わらせようとするなら殴るけどな」

⏰:09/01/05 01:51 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#295 [サな]
しばらくして美優が泣き止んだ。

「すみませんでした…」

美優が頭を下げた。

「お前は上下関係知っとんのか?うちをナメとんのか?調子のっとんやなあぞ?」

「すみませんでした…。自分のことでいっぱいいっぱいやったんです。周りが見えてませんでした…。本当にすみませんでした…」

⏰:09/01/05 01:59 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#296 [サな]
うちは元々美優を責める気はなかった。
というか、責めるよりも聞きたかった。


「あんたほんまに七瀬が好きなん?」

「…はい」

「何で?」

「うちが部活やってて、七瀬先輩がボール取ってくれたんですけど、そのとき「がんばってね」って言われたのが嬉しくて…。先輩格好いいじゃないですか。…一目惚れってやつなんです。でも、紗奈先輩と付き合ってたの、最初知らなかったんです。うち、目立たない人だったから…。」

⏰:09/01/05 02:09 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#297 [サな]
「紗奈先輩が七瀬先輩と一緒に帰ってるところ見て、初めて知ったんですよ。2人が付き合ってること…。七瀬先輩に一目惚れして4ヵ月くらいたってたんですけど、それまで気付かなかったんです。見てるだけだったけど諦められなくて、先輩が卒業してからもずっと忘れられなくて…。七瀬先輩高校行ってないって聞いたし、なら紗奈先輩と同じ高校行こうって思って…」

「うちと七瀬はもう別れたから好きにしたらいいよ。ただね、うち今彼氏おるし、彼氏と七瀬仲悪いんよ。うちは七瀬と関わらんようにってことで彼氏と同棲しとるしな。やから美優に協力してあげることはできん。」

⏰:09/01/05 02:19 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#298 [サな]
「七瀬先輩は…まだ紗奈先輩のこと好きなんですか?」

「知らんよ。最近地元帰ってないし」

「そうなんですか…」

「悠真に聞けば?まだ悠真は七瀬と連んどるはずやし、聞きたいことあるなら悠真に聞きや。うちは悠真に話に行けんけど」

「うちが勝手にいきなり話しかけに行ったら変な子や思われるやないですか!」

「あんたうちには話しかけてくるのに悠真は無理ってか?うちもなめられたもんやの」

⏰:09/01/05 02:26 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#299 [サな]
「い、いやっそんなんやないです!!!」

「冗談やって。まあ悠真ならちゃんと話してくれる思うし行ってみ」

「…わかりました」

「じゃ、まあ頑張りや。うちにはどーもできんから」

「ありがとうございます。すみませんでした。」


うち、美優みたいな恋愛したことないからわからん。

でも、美優は悪い奴やない。ただちょっと空回りしとるだけなんよな。

⏰:09/01/05 02:32 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#300 [サな]
教室に戻ると休憩時間で、すぐに志乃が寄ってきた。

「どやった!?」

「んーまあ一件落着?てかうち疲れたから帰るわ」

「は?あと1時間やん!がんばりいな」

「しんどいんやもん〜」


うちはそれからすぐに電話して迎えに来てもらって曜の家に帰った。

⏰:09/01/05 02:36 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#301 [サな]
疲れた。



うちは制服も脱がずに布団の上に転がって、そのまま寝た。



美優にどんだけふりまわされとんやろ。

自分馬鹿みたいや。
後輩なんかにふりまわされて…。

⏰:09/01/05 05:41 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#302 [サな]
「紗奈ー風邪引くで。起きや」


曜に起こされて時計を見ると6時過ぎだった。


「お前今日早く帰ったらしーやん」

「うん。疲れたんやもん」

「ちゃんと学校行くって約束したやろ?お前卒業できんかったら大学も行かれんのんやぞ」

「確かに今まで休みまくっとるけど3年になったしまだ大丈夫やん」

⏰:09/01/05 20:02 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#303 [サな]
「約束くらい守れや。俺はお前の親からお前を預かっとんやぞ」

「何で高校行ってないもんにそんなやーやー言われないかんの!?」

「紗奈にはちゃんと卒業してほしいからやん。んで、大学行くんやったらちゃんと行ってほしいから言うんやって」

「うちやってしんどいときあるやん。そんな言うならうち地元帰るし。」

「何でや!?帰るとか言うなや。」

「ならちょっとはほっといてや」

⏰:09/01/06 01:50 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#304 [サな]
曜のことは好きだけど、たまにすごく鬱陶しくなる。

曜の優しさだってこともわかってるけど、イライラして仕方なかった。


学校は行けば楽しいんだけど、何かあっても何もなくても凄い疲れる。


曜が言ってることは正しい。

学校は毎日6時間受けるのが普通だし。

だけどその習慣が、七瀬と一緒にいた期間に無くなってしまったから、しんどい。

⏰:09/01/06 01:58 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#305 [サな]
5月3日

1ヶ月記念日。

凄く長く感じた。

あれだけ一緒にいたのに、まだ記念日は1ヶ月。

そして、あれだけ一緒にいても、曜は全く手を出してこなかった。

付き合ってるし、この年齢だし、不思議すぎた。

⏰:09/01/06 02:01 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#306 [サな]
付き合って1ヶ月。

だけどすでにマンネリ化していた。

毎日一緒に家で過ごす。

下手に外で遊んだりもできない。

放課後友達と遊ぶこともできなくて、イライラすることが多くなった。

志乃は親に

「紗奈ちゃん最近来ないんやね」

って言われたらしい。

⏰:09/01/12 01:38 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#307 [サな]
それを聞いて決めた。

志乃と遊びに行く!!!


それを志乃に言うと


「あんたそれ大丈夫か?曜君心配するやろ」

「でも楽しくないんやもん。曜はちょいちょい連れと会うとるけど、うち遊べてないし、やっぱ友達と遊びたいやん」

「紗奈がいいならいいけど」

⏰:09/01/12 01:41 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#308 [我輩は匿名である]
見てます
あげます

⏰:09/01/16 00:53 📱:SH906i 🆔:wHRuNOos


#309 []
読んでます★
頑張って下さい

⏰:09/01/19 00:22 📱:D905i 🆔:ib12fVL.


#310 [サな]
すみません
今からちょっと
書きます

⏰:09/01/19 14:04 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#311 [サな]
それから放課後すぐに学校を出た。

久しぶりに歩いて帰る学校。
新鮮で仕方なかった。

しばらくしてからポケットの中で携帯が震えた。

その携帯を無視したまま、うちは志乃の家に遊びに行った。

⏰:09/01/19 14:06 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#312 [(^・ω・´)]
最新早く見たい

いつも見てます

⏰:09/01/20 17:11 📱:F906i 🆔:☆☆☆


#313 [サな]
更新遅くてすみません
書きます

⏰:09/01/23 02:17 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#314 [サな]
志乃の家に着いてからも鳴り止まない携帯。

「大丈夫なん?やっぱまずいやろ」

志乃が心配するから、うちは電話に出た。


「お前なんしよんや!!!!!!!!」


曜の怒鳴り声が耳に響いた。

⏰:09/01/23 02:22 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#315 [サな]
「お前健待たせとるやろが?俺らがどんだけ心配しとる思っとんや?今どこや!!」

「志乃んち」

「行くわ」

「嫌や」

「は?」

「うちだって友達と遊びたいときあるやん。ずっと曜んち籠もって、そんなん嫌や」

「好きにせえ」

曜は電話を切った

⏰:09/01/23 02:26 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#316 [サな]
曜の束縛には疲れた。

もちろんうちを思ってのことだってことはわかってる。

うちを守ろうとしてくれてることもわかってる。

だけど耐えられなかった。


この時、曜と別れようと思ったんだ。

⏰:09/01/23 20:27 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#317 [サな]
「曜、うちやっぱ耐えれんから‥別れよう」

「紗奈がええならええよ」


長い間一緒にいたのに、たった1ヵ月でうちらは別れた。


曜が大切だと気付くのは、もう少し後のこと。

⏰:09/01/23 20:31 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#318 [サな]
曜ってうちにとって何だったんだろ?って

このときはそんなことを考えてた。


別れて1ヵ月くらいたって、七瀬に彼女ができたと聞いた。

結構ベタぼれ状態らしく、うちはこれで七瀬に解放された。

⏰:09/01/23 23:43 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#319 [サな]
よし、これでリセットだ。

うちは新しい気持ちで恋をしようと思った。

ほとんどの時間を志乃の家で過ごし、徐々に男の連絡先を増やしていった。








そんな中出会ったのが真人(まさと)。

⏰:09/01/25 01:21 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#320 [サな]
真人はY市といってうちの住むところから電車を乗り継いで2時間行ったところにある市に住んでいた。

Y市の噂なんてこの辺じゃ全く聞かないし、同じ県内だけどどんな場所かも知らなかった。

普通にうちは真人と連絡を取っていた。

普通におもろい人やと思ったし、馬鹿な話ばっかりしてた。

⏰:09/01/26 01:01 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#321 [サな]
「今度遊ぼうや!迎えに行くし」

「あんた免許持ってないやん」

「余裕余裕。普通に乗りよったらバレんのんやから〜」

「絶対嫌だ。」

「んなら会えんなあ」

「そーやねえ〜歩いておいで」

「あほやん!」

「まあそのうちな〜」

⏰:09/01/26 01:05 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#322 [あみ]
ずっと読んでますエZ
更新楽しみにしてるんで
あげさしてもらいますイ

⏰:09/01/26 19:06 📱:W61SH 🆔:dgYfRUI6


#323 [サな]
ありがとうございます!
更新遅いですが
これからもよろしくお願いします

⏰:09/02/02 01:03 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#324 [サな]
真人がまともな人間ではないってことはわかってた。

話しを聞く限りそんな人だったから。



そんなある日、美弥子(みやこ)と仲良くなった。

美弥子は元々Y市の人だけど、彼氏の凌斗(りょうと)がこっちの人だから同棲するために来た子で、うちと凌斗が友達で、美弥子と仲良くしてやってほしいって凌斗に頼まれた感じ。

⏰:09/02/02 01:19 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#325 [サな]
美弥子はうちの1つ上で、ギャルっぽい感じだけど可愛らしい子。

凌斗はうちの2つ上になる。


美弥子はすごく話しやすくてすぐに打ち解けた。

Y市だということで真人の話を美弥子にした。

⏰:09/02/02 01:22 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#326 [サな]
「その真人って奴うち知ってるで。駅によぉおる奴やろ。あいつやめといたほうがええで。てか関わらん方がええ」

「なんでなん?」



「あれらポン中、シン中の集まりやから」



うちは頭の中がハテナでいっぱいだった

⏰:09/02/02 01:25 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#327 [サな]
「は?真人ポン中なん?」

「うん。あのメンバーの中に元彼いてるからわかる。」

「…まじ?」

「あ…なんかごめんな。紗奈が真人君のこと好きやったらそんなん言われたら困るよな…ごめん」

「いや…好きとかじゃないけどさぁ」


好きとかじゃない。

だけど良い奴だと思い始めてたから、凄い衝撃的だった。

⏰:09/02/02 11:10 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#328 [サな]
うちは真人に電話を掛けた。


「真人〜何してんのー?」

「今駅〜」

「てかさぁ…真人ポン中てほんま?」

「は?」

「別に違うならええんやけどさ」

⏰:09/02/02 16:45 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#329 [我輩は匿名である]
もっともっと読みたーい

⏰:09/02/02 16:50 📱:F904i 🆔:0IbKxfrI


#330 [サな]
「それ誰が言いよった?」

「友達やけど」

「ちょお今からそっち行くわ」

「は?どんだけ時間かかる思ってんの」

「まあつきそうになったら連絡するわ」


真人は電話を切った。




…来てどーする気?

⏰:09/02/02 16:53 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#331 [サな]
暫くしてからメールが来た。

[駅来て]

うちは急いで駅に向かった。

駅には車が何台か止まっていた。

すぐにどれが真人かわかった。

「真人?」

窓越しに話しかける。

「紗奈。乗って」

「乗ってって馬鹿じゃない?あんた無免やん。しかも誰の車や」

⏰:09/02/02 21:29 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#332 [サな]
「先輩のシーマ借りてきた。まあ乗り」

「乗らん」

「ならええわ。俺が降りる」

「最初からそーせえ」


真人は車を降りた。

思ったより背がでかかった。

⏰:09/02/02 21:36 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#333 [サな]
「ちょいいろいろ話したいしどっか座ろか」

うちらは海岸沿いを歩いた。

そしてベンチに座った。


「はっきり言う。…俺はポン中や」

「…やっぱそうなんや」

「…嫌いになった?」

「そんなんやないけどさ…」

⏰:09/02/02 21:40 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#334 [サな]
「やめたくてもやめれん。ほんまに依存しとる」

「やめたいとか思ってんの?」

「思っとる。正確に言えば思っとった。やけど無理なんやって…。ほんま気持ち良くて、楽しくてやめれん」

「そんな話し聞きたくないよ。辞める努力だってしてないんやん。薬が悪いことだと思ってないやん。そんな奴やと思ってなかったわ」

⏰:09/02/02 21:44 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#335 [サな]
「紗奈聞いて…」

「何を?言い訳?」

「違う!!!俺紗奈のことが好きやから言えんやった。紗奈に言って嫌われるのが嫌やったんよ!!!やから言えんやったんやん。やけど紗奈が知ってしまったからわざわざ来たんやん!!」

「言い訳しに?」

「違う!!!」

「違くないやろが!お前が言いよることは言い訳以外のなにものでもないわ!」

⏰:09/02/02 21:48 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#336 [サな]
「聞いてや…ごめん紗奈…ごめん聞いて…」

真人は泣きながら喋った。

「俺が薬始めたのは、大失恋して寂しかったからやったんよ…。寂しくて仕方なかった。薬やってる時だけは忘れられた。やけど薬が切れたら今まで以上に寂しくなって、苦しくて仕方なかった。それでまたやるって繰り返しやった。…やけど紗奈と出会ってから薬の量がめっちゃ減ったんよ。薬がキレても紗奈と電話しやったら寂しくなかった。俺、紗奈とおったら薬やめれると思うんよ」

⏰:09/02/02 22:02 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#337 [サな]
なんだこのダメ男は…。

ダメすぎて笑える。

真人がうちといてやめれる?

そんなわけないやん。

馬鹿言うなよ。


「人に頼らんと自分でできんのか?犯罪犯して楽しいか?お前暴走やってしよんのやろ?人様に迷惑かけて何も思わんのか?もうこれ以上警察に世話になる人見たくない。うち、真人が薬やめてちゃんとした人間になるまで会わんから」

⏰:09/02/02 22:06 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#338 [サな]
なんやんやろ。

不良ぶっておもろいんかな?

薬やっておもろいんか?

グラム何万もするもんで…ただの粉で…わざわざ金かけてまで自分を壊す必要ないやん。

何考えとるんか知らんけど、真人みたいな人間、馬鹿としか思えない。

七瀬よりタチが悪い。

⏰:09/02/03 00:20 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#339 [サな]
腹が立って仕方なかった。

それと同時に悔しくて悲しかった。

うちは凌斗の家に行った。

すると美弥子が出てきてそっと抱きしめてくれた。

安心感からか涙があふれ出した。

うちなんだかんだ言って真人のこと好きだったんかもしれん。

このとき初めてそう思った。

⏰:09/02/03 00:25 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#340 [サな]
それから何日かして、また凌斗の家に行く機会があった。

「美弥子が実家に荷物取りに行く言うからついて行ってやってくれん?俺仕事やから」

凌斗にそう言われて、うちは美弥子の運転で美弥子の実家に行くことになった。

美弥子の実家=Y市

そのことはわかってた。

少しの不安と少しの期待があった。

⏰:09/02/03 00:30 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#341 [サな]
車で2時間ちょっとで美弥子の家についた。

美弥子の家は結構駅の近く。

内心ドキドキだったけど、そのとき駅には誰もいなかった。

「荷物取ったし帰ろっか」

美弥子がそう言って車に乗ったときだった。

5人くらいの集団がある家に入って行こうとした。

その中には真人の姿もあった。

⏰:09/02/03 10:49 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#342 [紗奈]
真人と目があった。

「紗奈」

真人がうちを呼ぶ。

うちは動けなかった。

「紗奈…俺…」

「ちょっと話せば?うちちょっと買い物してくるし」

美弥子はそう言ってうちを置いて車でどこかへ行った。

⏰:09/02/06 00:45 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#343 [紗奈]
「紗奈、話そう」

「…うん」

「中入ろうや。」

「真人んち?」

「違うけど…まあ部屋貸してもらうし中入ろ」

うちは真人に引っ張られて中に入った。


たまり場なんだろう。

雑誌や煙草やゴミで足の踏み場もないような部屋だった。

⏰:09/02/06 00:49 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#344 [紗奈]
「健哉くん奥の部屋借りるで」

健哉くんとはこの家の人で真人の先輩らしい。

たまり場の奥にあるドアを開けてはいると、結構きれいな部屋だった。

ベッドとソファーとテーブルと電気のみ。

多分寝室。


真人はベッドに座った。


「横来る?」

⏰:09/02/06 00:54 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#345 [紗奈]
「無理」

うちはそう言ってソファーに座った。

すると真人が隣に来て座った。


「真人まだやめてないやろ?」

「えっ…」

「ここ、薬するために溜まる所なんやないん?」


図星だったらしく真人は黙ってうつむいた。

⏰:09/02/06 00:57 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#346 [紗奈]
「やめる気ないん?」

「やめようと思った。やめて紗奈んとこにもう一回行こうって思っとったんやけど…ここに来れば誘惑に負けてしまう」

「来んかったらえーやん」

「そーゆー訳にはいかん。ここは俺の家みたいなもんやし。」

「自分ち帰ればええやんか」

「孤独やったらいろいろ考えてしまっておかしくなりそうなんやって…。紗奈と連絡取りよったときは電話するから何も考える暇なかったし」

⏰:09/02/06 01:03 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#347 [紗奈]
「うちがおればやめれるわけ?ほんまにそう言い切れる?」

「俺、紗奈がおればそれでええんやって。紗奈がおれば絶対頑張れる。言い切れる」


真剣な目で真人はそう言った。

信用していい?

こんな奴とうちが一緒にいていい?

一瞬のうちに沢山の不安や疑問が頭の中に浮かんできた。

⏰:09/02/06 01:09 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#348 [我輩は匿名である]
>>1-50
>>51-100
>>101-150
>>151-200
>>201-250
>>251-300
>>301-350
>>351-400

⏰:09/02/07 14:26 📱:W52SH 🆔:egfVOuho


#349 [紗奈]
「まあとりあえずもう一回連絡取るようにしよっか。」

考えたあげく出た言葉はこれだった。

「俺絶対辞めるからな。」

真人は煙草を取り出して火をつけた。

「煙草は吸うんやな(笑)」

「それはしゃーなし許してや」

「まあそこまでは言わんけどさ」

⏰:09/02/08 01:38 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#350 [紗奈]
「そろそろ美弥子来る思うし外出るわ」

うちはそう言って立ち上がった。

「紗奈待って!!!」

「何?何かある?」



「……ちゅーしたい」

「はあー?」

⏰:09/02/08 01:40 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#351 [紗奈]
すると真人が近付いてきた。

「ちょい待て待て!!」

そのまま壁に張り付け状態にされてその瞬間後頭部を思いっきりガンッって打った。
「痛ーっ!!」

「あ、ごめん。」

「絶対もうせんからな」

「していい?」

「嫌や!!つか嫌やってゆーてもこの体制になったってことはする気満々やん!!」

⏰:09/02/08 01:48 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#352 [紗奈]
「当たり前やん」

真人はそう言って意地悪そうに笑ってキスをしてきた。

「あーあ。うちのファーストキスが…」

「うそぉっ!!!!!?????」

「嘘に決まっとるやん。アホか」

「…つまらん奴」

「どーせつまりませんよっ!ならうち帰りますんで」

⏰:09/02/08 01:53 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#353 [紗奈]
「やーだ」

「やーだじゃなーいっ」

「もっかーい」

真人は甘えた声で催促してくる。

「やだ」

「やーだー」

きりがない。

⏰:09/02/13 04:50 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#354 [紗奈]
「じゃあ次ちゅーしたら帰る」

「えーっ」

「どっちや!!」

「する」


今度はさっきとは違って舌が入ってきた。

深い深いキス。

どさくさに紛れて胸触ってきたけどそこは許してあげた。

⏰:09/02/13 04:54 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#355 [ひとみ]
おもしろいです
続き気になります★

⏰:09/02/14 01:46 📱:SO705i 🆔:KS.1QO/o


#356 [名無し]
更新せぇヘんの

⏰:09/02/21 21:40 📱:SH904i 🆔:Bp0Srx8U


#357 [サな]
すみません事情があってしばらく書けんと思います追々小説にも出てくると思いますがしばらく更新できません。
ほんまに申し訳ないです

⏰:09/02/23 17:51 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#358 [サな]
ちょい更新します

⏰:09/02/27 00:54 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#359 [サな]
「じゃあうち帰るからな?」

「帰ったら連絡して」

「わかった」

「ちゃんと連絡してな!?俺、ほんまに紗奈のこと好きやから!絶対薬やめるから!俺のこと嫌いにならんとってな…?」

真人は泣きそうな顔で必死に訴えてきた。

「大丈夫やから」

うちはそう言って家を出た。

⏰:09/02/27 01:01 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#360 [サな]
外にでると美弥子がいた。

うちは全部美弥子に話した。

「あんたこれから大変やと思うで?大丈夫なん?」

「わからん。でも頑張る。うち真人の良いところたくさん知っとる。悪いとこたくさんあるけど良いところもたくさんあるんやって。やから頑張れると思う」

「そか。応援するし何かあったら言いや?」

⏰:09/02/27 01:04 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#361 [サな]
家に帰ってからうちは真人にメールを入れた。

それから毎日何時間も電話したり、電話してないときはメールしたりした。

それから何週間か経って、久しぶりに真人と会うことになった。

⏰:09/02/27 01:15 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#362 [サな]
もうすでに7月が終わろうとしていた。

うちは夏休みに入ってから、志乃んちか稜斗んちに居座る生活を続けていた。

「俺んち来るか?」

電話で真人が言った。

「いや、いいわ。行かん」

「そか。なら俺が行くし遊ぼ!」



…ということで真人が来ることになった。

⏰:09/02/27 01:20 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#363 [サな]
うちは基本夜行性。
11時くらいかな。うちは駅に向かった。

その頃駅に監視カメラが付いた。

駅にたまり、悪さをするのを防ぐためだ。

そのため駅には人の気配がほとんどなかった。
少し前はすごく賑やかだったのに。



少しすると車がうちの前に止まった。

中を見ると真人。

前と車が違う。

⏰:09/02/27 20:13 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#364 [サな]

「車違うやん」

「色んな車乗りたいやん?今日はマジェ♪」

「あっそ。無免とか格好悪いけどな」

「そのうち取るて。乗らん?」

「えーわ。うちやっぱその辺真面目に行くし!!」

⏰:09/02/27 20:26 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#365 [サな]
タグつけてしまった笑
気にせんでなw

⏰:09/02/27 20:27 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#366 [サな]
「家出娘がよう言うわ!」

「黙れや〜関係ないし!つぅか駐車場でもどこでも置いてきーや。いつまで窓越しで話す気なん」

「置いて来ますよ。なら待っといてな」

「あいよ」

真人はどっかに車を置きに行った。

⏰:09/02/27 20:33 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#367 [サな]
少ししてから真人が歩いて来た。

「どこ行くんやしー」

「まあとりあえず歩くみたいな」


うちらはとりあえず海岸沿いを歩いた。


「会うの久々やなあ」

「やね〜。」

⏰:09/03/02 02:16 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#368 [紗奈]
「なぁ紗奈〜、俺じゃだめ?」

砂浜に座ってしばらくしてから真人が言った。

「…」

うちは何も言えなかった。


自分の気持ちを人に伝えるのは難しい。
自分では考えて言ったようでも、相手に伝わらないことだってある。

うちの気持ちは今、言葉にできない。

⏰:09/03/03 01:30 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#369 [紗奈]
「ごめん。まだやっぱ無理やよな…」

真人はうちの髪をクシャッとした。

「真人…うち真人のこと嫌いやないから」

「…ありがと。でも今そんなん言われても辛いだけやわ」

そう言って煙草に火をつけた。





やっぱり言葉って難しいね…。

⏰:09/03/03 02:09 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#370 [紗奈]
うちは煙草を吸う真人をずっと見てた。

辺りは真っ暗で、真人の煙草の火と沢山の星だけが見えた。


「もう薬やってないよ」

「ほんま?…よかった」

「心配かけてごめんな」

「うん。もうやったらいかんよ?」

「多分大丈夫」

⏰:09/03/03 02:20 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#371 [紗奈]
真人はうちを抱きしめた。

ごめんなって、何回も言ってきた。



うちは涙があふれた。

何でかはわからないけど…。



「愛しとるよ…紗奈」



真人はもっと強く、潰れてしまいそうなくらい抱きしめてきた。

⏰:09/03/03 02:25 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#372 [紗奈]
「もお俺ヤバい」

とかなんか言って真人は立ち上がった。

「え、何?」

「ヤバい。お前とおったら調子狂う。自分がキモい。」

「なんやそれッ!」

⏰:09/03/04 01:59 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#373 [紗奈]
「いい。帰る」

「は?何で?もお帰るん?」


真人はニヤっとした。


「そんなに帰ってほしくないん?」



…うわ、こいつウザい。笑

⏰:09/03/04 22:19 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#374 [ゆリ]
おもしろいです
曜さんと、また
戻らないかな

いつも楽しみに
してますっ★だから
更新頑張って下さい

⏰:09/03/05 01:26 📱:SH706i 🆔:☆☆☆


#375 [紗奈]
ゆりちゃん

ありがとうございます
更新ちょっとずつですが
完結させるんでみてください

⏰:09/03/05 02:09 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#376 [紗奈]
「別に帰ればいいやん」

「いやいや、そこはちょっと可愛らしく帰らんといて?とか言おうや!笑」

「うちにそれ求めちゃだめだってw」

「やな、求める人間違えたわ。他の女に求めます」

「そーしなさい」

「…ってそこも引きとめようや」

「面倒くさい奴やなw」

⏰:09/03/05 02:13 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#377 [紗奈]
「もおええ!まじで帰る!」

真人は元来た道を歩き始めた。

「真人待ってやッ」



数メートル先を歩く真人。
うちはそれを追った。



「真人!帰らんといてや…」


思わず出た言葉だった。
うちそんなキャラじゃない。

⏰:09/03/05 02:18 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#378 [紗奈]
「うわ〜、紗奈でもそんなこと言うんや」

意地悪そうに笑いながら真人はうちのほうに向かって歩いてきた。


「あんたとおったら調子狂う」

「それは俺も一緒。」


真人はうちの手を引いて歩き出した。


人と手を繋いだのっていつぶりだろう?

⏰:09/03/05 02:23 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#379 [紗奈]
曜と手、繋いだことあるっけ?



あるとは思う。



でも、こんな感覚初めてというか、懐かしいというか…。




真人といたらドキドキする。
多分、…好きって感覚。

⏰:09/03/05 02:26 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#380 [紗奈]
「車動かさんし乗れば?」

真人は車に乗り込んだ。

うちも続いて助手席に乗る。


「動かすなよ〜」

「大丈夫やって。でもやっぱ車ん中わいちゃつきにくいな」

「いちゃつかんくてええから」

⏰:09/03/05 17:53 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#381 [紗奈]
「素直になりなさい」

「ならんよ〜」

「てことは紗奈が言うたことは全部逆ってことやなあ?」

「あー?なんやそりゃ」

「いちゃつきたくない=いちゃつきたい!みたいなね」

「勝手に言うとけよ!笑」

⏰:09/03/05 20:07 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#382 [紗奈]
すでに時間は2時くらい。

眠たかったからそのまま座席を倒した。

すると真人も座席を倒してこっちを向いてきた。

「何や恥ずかしいやん。こっち見んなし」

「やだ。見たい」

「キモッ」

うちが反対を向くと後ろから思いっきし服を捲り上げてきた。

⏰:09/03/06 17:46 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#383 [紗奈]
「はッ!?調子乗んなボケ!!」

うちは真人の頭をひっぱたいた。

「冗談やん〜ごめん〜」

「あほやん。」

「紗奈の近く行きたい」

「普通に考えて無理やろ」

「じゃあ外出よ〜?」


そう言って真人は外に出た。
うちも仕方なく外へ。

⏰:09/03/06 17:52 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#384 [紗奈]
真人が普通に差し出す手。


うちなんでこんなことでこんなにドキドキしとんやろ。


「ここ何もなさすぎ」

「Y市も言えんやろ」


とか話しながら結局海岸へ。

⏰:09/03/06 18:07 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#385 [紗奈]
「…なんで俺紗奈なんか好きになったんやろー」

「紗奈"なんか"って何よ」

「ん〜…別に特別可愛いわけでもめっちゃ性格良いわけでもないやん?」

「失礼やなw」

「でもなあ〜、何か好きなんよ。何でなんやろな。」

「知らんけど。笑」

⏰:09/03/06 18:37 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#386 [紗奈]
「紗奈の前付き合っとった奴ってどんな人やったん?」




…前付き合っとった奴かぁ。





…曜のことやんね。

⏰:09/03/06 18:56 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#387 [紗奈]
「良い奴やった」




…良い奴やったよ。曜は。


うちのこと必死で守ろうとしてくれてた。

やけどうちは馬鹿でガキやったから、そんな曜を手放した。



別れてからわかるよね。その人の大切さって。

⏰:09/03/06 19:01 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#388 [紗奈]
「ええ奴やった。ええ奴やったけど、ええ奴すぎた。」

「紗奈まだそいつのこと好きなん?」

「は?好きやないよ!」

「そか。そいつってどこの奴?」

「それって言わんといかんの?」






七瀬みたいなことするんやないかって、一瞬でそのことが頭に浮かんだ。

⏰:09/03/06 19:35 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#389 [紗奈]
「聞いたらいけんやった?」

「いや…別に」

「明らか不機嫌やん。どした?」

「何もないって!!大丈夫」



態度に出てたのは自分でもわかった。

⏰:09/03/06 23:33 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#390 [紗奈]
うちは人を信じきれてないんだ。



信じれば傷付く。



人を想えば想うほど傷付く。




そんな考えだった。

⏰:09/03/06 23:35 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#391 [紗奈]
だから、一途な恋とか多分無理なんだ。

初めて付き合ったのが七瀬だったからかな?

…何でも七瀬のせいにしちゃだめだよね。

結局は自分の意識の問題だ。


七瀬と達也が捕まったって聞いたとき、絵美には"冷めとる"って言われた。


うん。確かにそう。

なんか…冷めとるって言うか、どーでもいい。

⏰:09/03/07 01:07 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#392 [紗奈]
本当に言葉って難しい。



だからうちは自分の気持ちを言葉に出さない。



好きとか、嫌だとか、辛いとか、寂しいとか、苦しい、嬉しい、楽しい…。





…ただ素直になれないだけ。

⏰:09/03/07 01:15 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#393 [紗奈]
実はちょっと羨ましい。

自分の気持ちを素直に言って甘えたりする人。



うん。うちはやっぱガキだ。




変なプライドが邪魔ばっかする。

⏰:09/03/07 01:18 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#394 [紗奈]
でもね、真人とおったらちょっとだけ…素直になれる。

ちょっとだけな。


なんか、言うつもりない感情が口からでる。


何でかな。真人が素直すぎるんかもな。

⏰:09/03/07 01:22 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#395 [紗奈]
帰り際、うちは真人に聞いた。


「ほんまにうちのこと好き?」


「は!?唐突やな。何やいきなり」


「何でもない。気ぃつけて帰ってな。事故ったら許さんで?」


「大丈夫やって」




そう言って真人はうちにキスをした。

⏰:09/03/07 01:27 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#396 [紗奈]
「本気で好きやから」


真人は真剣な顔で言った。


「なぁ、何かあったんか?さっきから泣きそうな顔やん。」

「そんなことないで!元気やから。あ、今度はうちがY市行くね!」

「おぉ、ほんまに?待っとくで家出少女」

「任せとき〜」

⏰:09/03/07 01:33 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#397 [紗奈]
「じゃあ帰るから。…何かあったらいつでも言えな?」

「うん。大丈夫やから」



真人はエンジンをかけて車を走らせた。


うちは1人、明け方の海を眺めた。






うち、また恋してもいいよね?

⏰:09/03/07 01:36 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#398 [紗奈]
うちはそのまま凌斗の家に行った。

数日前、凌斗がなぜかくれた合い鍵でドアを開ける。


この鍵…貰って良いものか?


うちがどれだけこの家に居座っているのかがわかる。

せっかくの同棲生活を邪魔しているのは紛れもなくこの私。笑

⏰:09/03/07 01:47 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#399 [紗奈]
「紗奈お帰り!」

美弥子が笑顔で迎えてくれるその奥には寝ぼけた凌斗の姿。


「ただいま。凌斗仕事は?」

「ん〜今日休み」

「そーなんや。うちお邪魔やし志乃んとこ行こうか?」

⏰:09/03/07 01:50 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#400 [紗奈]
「うち紗奈と話したいこといっぱいやからおってええよ!」

美弥子が言った。

「お〜。おればええやん。今更遠慮されてもキモイわ。俺尚君とこ行ってくるから」

※尚君=うちも仲良い先輩(多分当時21歳)


「尚君に今度ご飯連れてってって言うといてな!」

「どこまでも図々しい奴やなw」

⏰:09/03/07 01:55 📱:D905i 🆔:☆☆☆


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