うまく言えない
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#1 [サな]
うまく言えないけど

溢れてくる

この声もこの涙も

君を想えば

⏰:08/12/04 09:44 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#2 [サな]
曜<よう>と出会うまで

適当なことばっかりしてきた。

曜に沢山教えられたよ。

うまく言えないけど‥

愛してる。

⏰:08/12/04 09:55 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#3 [サな]
曜と出会う何年も前の話。


うちは市内で一番

悪くて有名な中学に入学した。

それがきっかけで

すべてが変わったんだと思う。

⏰:08/12/04 09:58 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#4 [サな]
どうせみんなこんなもんだろ。

って思って化粧して

髪を染めてピアスを開けた。

スカートも切って短くして

それで入学式に臨んだ。

⏰:08/12/04 10:01 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#5 [サな]
なのに皆案外真面目だった。

髪は黒いしスカート長いし。

うちが一番目立ってたみたいで

すごい目で見られたし

先生に呼ばれて職員室で

黒スプレーをかけられた。

⏰:08/12/04 13:05 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#6 [サな]
入学式が終わって教室へ行くと

女の子が1人近づいてきた。

「髪染めとった子やろー!?
スプレーされとるしまじうける!
うち夢<ゆめ>っていうんよー。
よろしくなあー!名前なんて言うん?」

黒髪だけど顔立ちがギャルっぽくて

テンション高いしおもしろそうだし

気が合うなって思った。

⏰:08/12/04 13:13 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#7 [サな]
「うちは紗奈ってゆーよ!
夢は染めてないん?」

「染めとるけどスプレーよ。
普通に入学式くらいは
真面目にしてくるってー!
さなのこと絶対ばかやろ
って思ったもん」

「超失礼じゃんー!」


そんなこんなで

夢とは一番仲良くなった。

毎日バカして遊んだ。

⏰:08/12/04 13:18 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#8 [サな]
徐々に髪染めてる人も増えてきた。

入学して1ヵ月もすぎると、

うちと夢は先輩たちも含め

沢山の友達ができて

連むようになった。

同じクラスの七瀬(男)は

学年全体の頭みたいな感じで

うちはその七瀬とかなり仲良かった。

⏰:08/12/04 13:23 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#9 [サな]
七瀬は格好いい。

喧嘩強いしキレたら怖い。

中学生のうちには

それがすごいことだった。

毎日毎日喧嘩して

「また喧嘩したーん?」

っていうのがしょっちゅうだった。

⏰:08/12/04 13:27 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#10 [サな]
夏休みに入ってから

ある日の夜中携帯が鳴った。

着信は七瀬。

「どしたん?」

「今からキリン公園来て」

「なんでー」

「いいから来い」

「わかったわかった」

⏰:08/12/04 13:54 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#11 [サな]
キリン公園は学校近くの公園で

みんな溜まってるんだろー

と思いながら行った。

でも誰もいなかった。

呼び出したはずの七瀬もいない。

ブランコに座ってぷらぷらしてると

七瀬が来た。

⏰:08/12/04 13:57 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#12 [サな]
「七瀬遅ーっ」

「ごめんごめん」

「何の用?」

「特に用はない」

「なにそれー眠いのに来たのに」

「ごめんごめん嘘」

「嘘かよ」

⏰:08/12/04 14:03 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#13 [サな]
「俺紗奈が好き。
付き合って?」


いきなりすぎてびっくりした。

は?七瀬がうちを好きって?


「うち七瀬のこと
そーゆー目で見てない。」

「今から見て。別に今
好きじゃなくても良いし
付き合っとるうちに
好きになってくれたらいい」

⏰:08/12/04 14:06 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#14 [サな]
「いいよ。うん」

OKしてしまった。

「‥まじで?ありがとう!!」

七瀬は抱きついてきた。

「落ちる落ちる!」←ブランコから

「じゃああっち行こ」

引っ張られてすべり台の

真ん中に開いてる穴に入った。

⏰:08/12/04 14:09 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#15 [サな]
七瀬は抱きつきながら言った。

「俺、入学式んときに紗奈みて
一目惚れしたんよ。
まじ今嬉しいし大事にする。」




中1の夏


初めての彼氏ができた。

⏰:08/12/04 14:11 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#16 [サな]
七瀬はうちを大事にしてくれた。

まあ最初だけだったけど。


うちは、七瀬の彼女ってだけで

一目置かれた存在になった。


喧嘩しながらもずるずる続いて

中2になるころ、初めてHした。

⏰:08/12/04 22:05 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#17 [サな]
それから七瀬は変わった。

いっつもHしたがった。

断ると殴ってくる。

浮気もするようになったし

七瀬のことを信用できなくなった。

⏰:08/12/04 22:08 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#18 [サな]
「七瀬、別れようや?」

付き合って1年たとうとする頃、

我慢しきれなくてうちは言った。

「は?無理」

「じゃあ何で浮気するん?
何で会ったら毎回
ヤらんといけんのん?
うちは七瀬の何なん?」

「じゃあお前も浮気すれば?
俺の一番は紗奈に変わりないし
別れる気無いけど
何だかんだで遊びたいじゃん?」

馬鹿だと思った。

⏰:08/12/04 22:12 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#19 [サな]
「いやいや、七瀬にとって彼女ってなんなんよ?馬鹿じゃないん?そんなら別れればいいじゃん」

「だーかーら、俺の一番は紗奈なわけ。浮気しても一番は紗奈」

「じゃあなんでうちだけじゃだめなん」

「ダメなわけじゃないけど寄ってくるし断る理由とかなくない?」

「彼女おるならそれが断る理由じゃん」

「そーか?」


話にならない。
ほっとこうと思った。

⏰:08/12/04 22:15 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#20 [サな]
それを夢に言うと

「七瀬はそーゆーやつだって。ま、紗奈が浮気すれば平等なんじゃん?」


…そういう問題か?

「ま、男紹介したるし今日ついておいで」


夢は結構顔が広い。
まあいいか。と思ってついて行くことにした。

⏰:08/12/04 22:18 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#21 [サな]
放課後夢に付いていくと

ヤンキーチックな男が何人かいた。
隣の学校の奴ら。

「この子紗奈ね。よろしくしたって」

「紗奈ってもしかして前岡紗奈?」

「うん。前岡紗奈よ」

「お前七瀬の女やろ?」

「七瀬?別れたし」


浮気の第一歩。

⏰:08/12/04 22:24 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#22 [サな]
「は?まじでー?」

「まじまじ。付き合っとられんもん」

「じゃあアド交換しよー」

「えーよえーよ」


そのアドを交換した男は悠真<ゆうま>。


金に近い髪に整った顔立ち。

少し七瀬に似てたかな。

⏰:08/12/04 22:28 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#23 [サな]
悠真にアドを教えた日から

悠真から紹介がよく来るようになった。

その悠真からの友達からも紹介がきて

男のアドは七瀬だけだったのが

あっと言う間に30人を超した。

その中の何人とも遊んだ。

世で言うヤリマンかな。

でも別に何も思わなかった。

だって自分の体だし

他の人にどーとか言われてもねw

⏰:08/12/04 22:34 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#24 [サな]
そのときは何も思ってなかったけど

後悔する日が来ることになる。


まだまだ先の話ではあるけど。

⏰:08/12/04 22:36 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#25 [サな]
そんな感じでずるずる続いて

あっという間に3年の後半。

七瀬と付き合って2年過ぎた。


七瀬は高校受験すらせず

現場職に就くと言った。

うちは隣の市の高校に行くことになった。

⏰:08/12/05 00:35 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#26 [サな]
バカで誰でも入れるような高校。

でも高校は出ておきたいし

そこに通うことになった。

七瀬とは、けじめつけよう

ってことで、卒業式の日に別れた。

七瀬がいなくなったらいなくなったで

寂しいと思う自分がいた。

なんだかんだで好きだったんだよね。

⏰:08/12/05 00:38 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#27 [サな]
高校に入ってから

イメチェンしようと思って

髪を黒くしてストレートにして

メイクも変えた。

ギャルって雰囲気だったけど

清楚っぽくしてみた。

隣の市だから中学一緒の人が

少ししかいなかったんだけど

その人たちはびっくりしてた。

⏰:08/12/05 00:42 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#28 [サな]
でも、世の中うまくいかないもんで

同じクラスに悠真がいた。

「紗奈!?」

「うわ、悠真じゃん」

「何その格好」

「ん?イメチェン笑」

「似合わねー!笑」

⏰:08/12/05 00:44 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#29 [サな]
ほっといてくれって思いながら

自分の席に着いた。

「ねえ、あの人と知り合い?」

隣にいた金髪のねーちゃんに

話しかけられた。

「うん。まあ」

「中学一緒とか?何中?」

「うちは2中で悠真は3中」

「まじかあ!M市よね?」

⏰:08/12/05 00:48 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#30 [サな]
「うん。M市。てか名前は?」

「うちは志乃!K中よー。名前は?」

「紗奈。よろしくね」


そんなことを話ながらHRが終わった。


「ねぇ紗奈、思い出したけど、紗奈って七瀬君の彼女?」


うわ…最悪

⏰:08/12/05 00:51 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#31 [サな]
「まあもう別れたけどね」

「別れたん!?てかやっぱ七瀬君と付き合っとったんよなあ!?うち紗奈のことみたことあるよ!よくM駅におらんかった?てかイメージ変わったよなあ?」

「うん。M駅溜まり場みたいなもんだったし。七瀬と別れたしせっかくやしイメチェンしてみた笑」

「まじかー!ま、仲良くしてなあ」

この志乃との出会いで、うちは曜が出会うことになる。でもまだまだ先。

⏰:08/12/05 00:57 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#32 [サな]
学校の校舎は2階建てが5つある。

123 45
┃┃┃ ┃┃
┃┃┃ ┃┃

配置はこんな感じで

第1校舎が学年ごとで頭良い人が集まったクラスの校舎。

第2校舎が3年
第3校舎が2年
第4校舎が1年
第5校舎が特別校舎。

1年だけ離れた位置に校舎があった。

⏰:08/12/05 09:23 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#33 [(゚3゚)]
ゆず好きなんですか?(´∀`)

⏰:08/12/05 12:14 📱:D903i 🆔:anePv8KE


#34 [サな]
ゆず好きですよ(^^)/

⏰:08/12/05 12:32 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#35 [サな]
第3校舎と第4校舎の間には中庭があって、昼休みに先輩達は中庭に1年を見に来た。

うちと志乃は中庭で昼ご飯を食べていたから、よく先輩に声をかけられた。

「彼氏おるん?」

「アド教えてやー」

「ちょっと話そーっ」

そんな下手なナンパ師みたいな先輩達。

まあ別に悪い気はしないし

適当に話したりしてた。

⏰:08/12/05 12:39 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#36 [(゚3゚)]
私も大好きです(^O^)
更新頑張ってください♪

⏰:08/12/05 12:45 📱:D903i 🆔:anePv8KE


#37 [サな]
その中の龍<りゅう>先輩は3年で、

うちのタイプでもあった。

その龍先輩の周りには必ず

サッカー部の春樹<はるき>先輩と

野球部の政弘<まさひろ>先輩がいた。

志乃は春樹先輩を気に入ったらしい。

うちと志乃は毎日昼休みになるまで

龍先輩と春樹先輩の話ばっかりだった。

⏰:08/12/05 12:46 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#38 [サな]
ゆずいいですよね♪
頑張ります☆

⏰:08/12/05 12:47 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#39 [サな]
なんか久しぶりに恋をした気分だった。

中学はずっと七瀬か遊びの男だったし。


ちょっと自惚れだとは思うけど、龍先輩はうちのこと気に入ってくれてるみたいだし、何もかもが順調だった。

⏰:08/12/05 12:52 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#40 [サな]
「今度の休み遊び行こうや?」

龍先輩が行ってきた。

「行く!行きたい!」


その週の土曜日、初めて学校の外で会うことになった。

⏰:08/12/05 16:21 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#41 [サな]
行ってきた×
言ってきた○

⏰:08/12/05 16:22 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#42 [サな]
次の日、早起きして化粧や服に気合いを入れた。

《準備できたよ!》

うちがメールを送ると

《M駅まで来とるから出てきて》


もうM駅おるんか!

ってことで急いで駅に向かった。

⏰:08/12/05 16:26 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#43 [サな]
私服の龍先輩は大人びて見えた。

「雰囲気違うねえ」

「こっちの台詞ー」

なんて話しながらその辺を歩き始めた。

でも嫌だったことがある。

うちの地元だから

しょっちゅう声をかけられること。

⏰:08/12/06 00:37 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#44 [サな]
七瀬のせいで顔が広くなってしまったおかげで

大してはなしたこと無い人にまで呼ばれる。

「紗奈イメチェン!?まじ違う!」

とか言われるし、高校デビューした子みたいに思われてるんじゃないかとか不安にもなった。

龍先輩はヤンキーってよりも、爽やかイケメンみたいな感じ。

うちの周りとは少し違うタイプだった。

⏰:08/12/06 00:43 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#45 [サな]
「紗奈友達多いねー」

「大した友達じゃないよ」

「でも有名人みたいじゃん」

「うちが有名人なんじゃなくて元彼が顔広いだけだって」

「紗奈の元彼ヤンキー?」

「ヤンキー…かなぁ?どーかな」

「てか紗奈中学んときってどんな感じだったん?みんな変わったって言いよるけど」

「いや、まあいいじゃん」

⏰:08/12/06 00:47 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#46 [サな]
何か過去を知られたくなかった。

七瀬のことは好きだったけど、七瀬と付き合ってた事実を知られたくなかった。


日が暮れてきた頃、龍先輩が言った。

「紗奈、俺と付き合ってくれん?」

「えっ何いきなり」

「紗奈のこと好きなんよ」


びっくりしたけどうちはOKした。
高校生活初めての彼氏が龍。

⏰:08/12/06 00:53 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#47 [サな]
志乃に報告すると、凄い喜んでくれた。

「幸せになりーよ!」

って、自分のことのように喜んでくれた。


その1週間後くらいに、志乃と春樹先輩が付き合うことになった。

⏰:08/12/06 00:56 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#48 [サな]
龍との付き合いは順調だった。

順調だったのに。







うちのせい?


七瀬のせい?

⏰:08/12/06 00:58 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#49 [サな]
龍と付き合って2ヵ月くらいのとき悠真が話しかけてきた。

「紗奈が龍先輩と付き合っとんの七瀬知ってしもーたど?」


え、で?だから何?

七瀬とは別れたのに関係ないじゃん。


「七瀬が知ったところで関係なくね?」

「いや、キレとった」


…はあ?

⏰:08/12/06 01:04 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#50 [サな]
「今、龍先輩のこと探しよるみたいで。龍先輩に言うたほうがええで。あいつ何するかわからん。」


うちはすぐに龍に電話をかけた。

「龍、今どこおる!?」

「普通に教室」

「中庭来て!」


うちの過去のせいで龍に迷惑がかかる…。
苦しくて仕方なかった。

⏰:08/12/06 01:08 📱:D905i 🆔:☆☆☆


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