うまく言えない
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#150 [サな]
「つか俺風呂入ってくる」

「はいよ」

「一緒に入る?」

「激しく遠慮」

「あらそうですか」

つまらなそうな顔をして曜は風呂場に向かった。

その間うちはパズルして、曜が上がったあとうちが風呂に入った。

曜の服を貸してもらったけどデカすぎてやばかった。

⏰:08/12/11 02:31 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#151 [サな]
「曜さん‥デカいっす」

「お前が小さいだけやって 笑」

曜は176センチ。

うちは149センチ〜151センチを行ったり来たり…。

それを曜に言ったら

「小さいのには変わりないし行ったり来たりはせんやろ」

って言われた。

⏰:08/12/11 19:55 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#152 [サな]
それから2人でパズルをした。

1時間くらいやったけど疲れてやめて今度はテレビゲームした。

ぷよぷよやってたんやけど、2人ともムキになって気付いたら12時すぎてた。笑

「ちょっと出かけよか」

曜が言い出した。

「この格好で?」

「大丈夫やって」


それから軽く化粧をして家を出た。

⏰:08/12/11 20:07 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#153 [サな]
「どこ行くん?」

「顔だしにやな。」


意味わからんかった。

それうちも行かんとだめなんか?って。

着いたのはうちから言わせてもらえば秘密基地みたいなところ。

そこには何十人とか言う人が溜まってた。

「入るで」

⏰:08/12/11 20:12 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#154 [サな]
「は!?嫌やし何で!?」

「えーから入れや」

「嫌や!」

「入れって」


うちは曜に押し込まれた。

みんながこっちを見る。

ほんま嫌や…

⏰:08/12/11 20:17 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#155 [サな]
「おう、曜やん。何?その女」

「みんなに聞いてほしいことあるんやけどええかな?」

みんなシーンとなる。視線はこっちに集まった。

多分年上から年下まで年齢層広くおる。

その前に立つ曜は何?

⏰:08/12/11 20:27 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#156 [サな]
「お前らM市の七瀬ってわかるよな?こいつは七瀬の元カノや」

周りがざわついた。しかも何でそんなこと言うんや?って思った。

「七瀬の元カノなんやけど、俺の惚れた女や。訳あって付き合えんのやけど、俺はこいつのこと守ってやりたいって思っとる。もしかしたら俺とおるところ見て七瀬が何かしてくるかもしれん。そんときは力貸してください。頼んます」

「曜が言うことには俺らは何も言わんよ。今までの借りがあるんやし、気い使うな。あんた名前は?」

そいつはうちを指差してきた。

⏰:08/12/11 20:59 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#157 [サな]
「前岡紗奈です」

「さなちゃんか。ここにおる奴みんな曜のこと慕っとる奴ばっかやし、何かあったら誰にでも言いや。何かあったらここに来い。絶対誰かおるから。」

「あ…ありがとうございます」

「そんな遠慮とかいらんから。まあ俺19やけど 笑」

「何で19なのに曜のこと慕うんです?」

「まあその辺はいろいろやよ!」

⏰:08/12/11 21:13 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#158 [サな]
不思議だ。

17歳のガキを19歳が慕う意味が分からない。

それだけ曜が偉いのか…

曜が強いのか?

全く理解できずにその場を後にした。

⏰:08/12/11 21:15 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#159 [サな]
「まあこれで大丈夫やと思うから」

「全然流れが読めん。あの人ら何なん?」

「俺の代わりに人を殴ってくれる人」


曜はそういってニコーッと笑った。


「俺、基本平和主義やから人とか殴らんのよ。俺が殴るときは紗奈が何かされたときくらいかな!笑」

⏰:08/12/11 21:21 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#160 [サな]
「いやいや、何で19歳とかが曜の代わりに殴るん?あんたまだ17やん」

「俺の家庭事情と今までの行いもあって慕われとんの。俺の父さんも母さんもヤバいから。やけどそれで俺が調子乗らずにうまくやってきたことによってこうなっとる。誰かがボコされて帰ってきても俺が指示せなみんな動かんのよ。それでやり返したら俺が感謝されるってゆーパターンみたい。ま、俺は喧嘩売りにも行かんし基本何もせんのやけどな。連絡入ったら指示するだけ」

「一番タチ悪いやん 笑」

「まあみんな何だかんだで楽しんどるしええんやない?」

⏰:08/12/11 21:29 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#161 [サな]
こいつを敵に回したら怖いと思った。

そりゃあ七瀬もやられるわな。



それからうちらは家に戻って寝た。



男と女が1日一緒におって、何もせんって考えられんかった。

でも、本当に何もない。

普通に一緒に寝るだけだった。

⏰:08/12/11 21:34 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#162 [サな]
朝、また同じ時間に携帯の目覚ましが鳴る。

「曜〜仕事やろ〜?」

「んー。」

「起きや」

「嫌や〜」


また曜は抱きついてきた。

ほんまに可愛いと思ってしまう。

⏰:08/12/11 22:36 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#163 [サな]
「嫌や〜じゃないわ!」

「ん〜」

うちはムカついて曜の鎖骨をおもいっきし噛んだ。

「いッ…何しよんや!?」

「起きた?」

「…起きた」

「てか志乃からメール来て心配しよるってゆーか寂しいみたいやからうち今日は帰るからな」

⏰:08/12/11 22:40 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#164 [サな]
「嫌や…」

「何で?」

「紗奈があっち帰って七瀬に会って何されるかわからんって考えたら嫌や」

「…でもそんなん言うてもうちの家はM市やもん。」

「わかっとるけど…。せめて夏休みの間はおってほしいんやんか」

「んなら志乃ここに呼んでもいい?」

「うん。いいで」


そんな話をして曜は仕事に出た。

⏰:08/12/11 22:44 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#165 [サな]
うちは志乃に電話をかけた。

「もしもし?あんた何しよん?」

「今、曜んちおる〜」

「は?まじで?」

「後でいろいろ説明する。曜がM市帰ったらだめって言うから今からH市来れん!?」

「うん。ええで。なら行くわあ」

電話を切ってうちは準備してから駅に向かった。

⏰:08/12/11 22:48 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#166 [サな]
「お、紗奈ちゃんやん」

家を出てすぐのところに昨日の19歳の人がいた。

「…えーっと名前…」

「佳基<よしき>」

「佳基さんか。」

「おう。どこ行くん?」

「駅に友だち迎えに」

「送るよ」

⏰:08/12/11 23:18 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#167 [サな]
「いや、いいですよ!」

「紗奈ちゃんに何かあったら俺が曜におこられるやん」

「あ〜じゃあお言葉に甘えて」

佳基さんは曜の家の近所に住んでいるらしい。

「曜があそこに女連れてきたの初めてだったで」

「そうなんですか?」

「そんだけ紗奈が大切なんやん」


…ちょっと嬉しかった。

⏰:08/12/11 23:23 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#168 [サな]
駅に着くと志乃がいた。

「佳基さんありがとう!」

「送って帰らんで大丈夫か?」

「はい。大丈夫です」


そういうと佳基さんは手を振って帰って行った。

⏰:08/12/11 23:25 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#169 [サな]
「あんた曜くんちに居候?」

志乃が言った。

「居候っていうか…」


うちはここ何日かであったことを全部志乃に話した。


「いいんやない?それで。まあ一緒におって手出してこんのも男としてどーかと思うけどな!笑」

「え〜」

「ま、そんだけ大事にされとるゆーことやろーて」

⏰:08/12/11 23:28 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#170 [サな]
「まあちゃんとしとるなら安心やな」

「志乃親みたいやしっ」

「あんたほっといたら何するかわからんやん」

「そんなことないし!」

そんなことを話しながら4時を回った。

⏰:08/12/12 01:10 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#171 [サな]
「んならそろそろ帰るわあ!」

「へ?何で!?」

「そろそろ曜くん帰って来るやろ?」

「曜に会ってから帰ってや!」

「えー、邪魔やん」

「それで曜が邪魔ってゆーならうちが曜のこと殴ったる!」

「そう 笑 じゃあ待つよ」

⏰:08/12/12 01:28 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#172 [サな]
それからしばらくすると曜が帰ってきた。

「おかえり!」

「おじゃましてまーす」

「ただいま。あといらっしゃい」

「なら帰るね!」

「え!じゃあ駅まで一緒に行く!」

「は?お前馬鹿?帰り1人になるやーろが」

⏰:08/12/12 01:34 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#173 [サな]
「だってそんなん志乃1人で駅行くことになるやん」

「なら俺もついていく」

「嫌や!まだ志乃と話したいことある」

「んなら駅におる奴に連絡つけとくからそいつと帰ってこい」

「わかった〜」


過保護やなあ…

⏰:08/12/12 01:37 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#174 [サな]
外に出てから志乃と話しながら駅に向かった。

「どうやった?曜」

「束縛ひどそうな奴やな!笑
でもかっこええやん」

「確かにひどそうかもね〜。でもまあ良い奴やしっ」

「なあ紗奈、うちは紗奈が幸せになってくれたらそれでいい。やから、後悔だけはせんとってな?せっかく良い人見つけたんやから、大切にせな」

「うん。ありがとう」

⏰:08/12/12 01:41 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#175 [サな]
志乃、ほんまにありがとうな。

志乃がおらんかったら

曜にも出会えてないし、

会ってなかったよ。

志乃がおらんかったら

今の自分もおらんかった。

⏰:08/12/12 01:44 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#176 [サな]
志乃を送って駅の外に出ると

「紗奈さんっすか?」

背の低い勘違いギャル男?みたいなのが声かけてきた。

「はい」

「俺、曜さんの後輩っす。送っていけって頼まれました」

「あ、うん。ありがとう。ごめんね」

何かこいつは絡みづらいって真剣に思った。

⏰:08/12/12 03:26 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#177 [サな]
帰る途中すごい話しかけられてたけど、喋り方がすごい気に障った。笑

だからあんまり返事してなかった。

「つきましたよぉ〜」

「ありがとー。じゃあねっ」


うちはすぐに部屋に向かった。

⏰:08/12/12 03:29 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#178 [サな]
「曜、あの人絶対おかしいよ喋り方」

「あー笑 なんか今日駅にみんな溜まってないらしくて駅から一番近い奴選んだんよな。変な奴やけどな 笑」

「おなかすいた」

「母さんが作ってくれたで。食べ〜」

曜が持ってきてくれてそれを食べた。

「曜の母さんて何しとる人?」

「今はスナックで働いとる。ずっと水商売やよ。今日なんか久しぶりに家におるから作ってもらった」

⏰:08/12/12 03:35 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#179 [サな]
「父さんは何しよん?」

「それは内緒〜ッ」

「あ、そう。兄弟は?」

「2つ上に兄ちゃん。もう家おらんけど」

「そーなんやあ」


やっぱりまだたくさんいろんな事を知らない。

もっと知っていかんとなぁって思った。

⏰:08/12/12 03:39 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#180 [サな]
そんな日が1週間くらい続き、夏休みも残り1週間。

毎日一緒にいるのに全く手を出してこない曜が不思議で仕方なかった。

「曜って実はホモとか?」

不思議に思って聞いてみた。

「は?何いきなり」

「全く手出して来んからそっち系かなあと…」

「ありえんし!てか付き合ってもないのに手出せんやろ」

⏰:08/12/12 13:01 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#181 [サな]
「でもよく我慢できるよね」

「鎖骨噛まれたときは理性飛ぶかと思ったけどね」

「すんません 笑」

「まあ俺はその辺のヤツみたいに女とおったらヤるみたいな考え方しかできんやつとは違うから」

「そか」

曜は偉いと思った。

普通のことなのかもしれないけど、うちは今までそんな人と出会ったこと無かったから。

⏰:08/12/12 13:05 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#182 [サな]
夏休みも終わりに近づく。

日が経つごとに曜の態度が変化していくのがわかる。

物にやつあたりしたり、イライラして煙草の量が増えたり…。

そんなの見てもうちはどうすることもできない。

曜も何もできない自分にイライラしてたんだと思う。

⏰:08/12/12 23:16 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#183 [サな]
「なあ曜、うちはどうしたらいいん?」

曜がうちにどうしてほしいのかわからなかった。

「俺は…出て行ってほしくない。H市におれば何もされんし、何も知られん。でも、そんなに紗奈を縛っても仕方ない。自分でもどうしたらいいんかわからんし、どうしてほしいんかもわからん…」

「うちは学校に行かないかん。家にも帰らないかんよ。やから結局はM市に戻らんといかんやん。これからは毎日一緒におれるわけやないし、うちはM市で過ごすしかないよ。」

⏰:08/12/12 23:22 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#184 [サな]
「うん。…またH市まで来てな?」

「来るよっ」

「もしなんかあったら絶対言えな?」

「うん」


うちはちゃんと学校に行く。
土日はちゃんとH市に行く。

それが条件になった。

⏰:08/12/12 23:27 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#185 [サな]
夏休みも終わり、うちはM市に帰った。

普通にいつも通りの学校生活。

土日はちゃんとH市に行った。

駅をなるべく通らないようにするために、駅から離れたところに佳基さんが迎えに来てくれる。

そんな日が何日も続いた。

…でも、そんな毎日がずっと続くわけがない。

狭いM市の中では、情報がおもしろいように回った。

⏰:08/12/12 23:50 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#186 [サな]
紗奈に男がいる。と。

それが誰なのかは知られてなかった。

ただ、佳基さんの車に乗り、H市に向かう姿が目撃されて、七瀬のもとに情報が届いた。

学校で、志乃にも他の人にも恋バナなんかしなかった。

うちの学校にはM市の人もH市の人も少なくて、基本O市の集まり。

だけど、どこで誰が何を聞いてどう情報が流れるかわからないから、学校でそういう話は一切しなかった。

⏰:08/12/13 00:01 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#187 [サな]
それでも、うちの学校の人間に少し手を回せばすぐにわかることだった。

うちの学校のH市の人間は、何かしらのかたちで曜に言われてると思うから。

でももしそれが気が弱い人であれば、少し脅されればすぐ言ってしまうと思う。

その噂を聞いてからは、毎日不安で仕方なかった。

曜を傷つけたくなかった。

⏰:08/12/13 00:06 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#188 [サな]
「しばらく会うの止めよう」

うちは電話で曜に言った。

「は?何で?」

「うちがH市に男がおるって噂が広がって七瀬の耳にも入っとる。このままだったら曜も、曜の周りの人もみんな巻き込んでしまう。うち、やっぱそんなの耐えれん」

「俺は紗奈に会えんくなるほうが耐えれん。俺ら付き合ってないやん。やましいことなんか何もない」

「そんなの七瀬に通用せんよ。とりあえず2週間は会わんとこう」

⏰:08/12/13 00:14 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#189 [サな]
「わかった」

これで解決するわけがない。

この2日後、七瀬がうちの高校にやってきた。

うちを待ち伏せるように、校門の前に5人くらいで溜まっていた。

⏰:08/12/13 00:19 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#190 [サな]
「紗奈、七瀬くんや」

志乃が言った。

「…どうせうちのことやろ。もううちが行くしかないやん」

「絶対やめとき!何されるかわからんで!?」

「大丈夫。行くでな。志乃は帰っといて」

⏰:08/12/13 00:21 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#191 [サな]
うちが七瀬のほうに向かっていくと、七瀬もうちに向かってきた。

「うちに話しでもあるんやろ?こそこそせんと言うてみ」

「わかっとんやん。お前男おるらしいな」

「それただの噂。うち彼氏おらん」

「H市の奴やろ?大体見当ついた」

「嘘やん。誰な?言うてみ?」



「水野 曜やろ」

⏰:08/12/13 00:27 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#192 [サな]
当てられた。こいつは調べ上げて来たんや。


「…ははっ違うわ」

「嘘つくなや。俺前にも言うたよなぁ?お前が男作っても潰すって」

「まじで彼氏やないし。しかも何でいつまでもあんたに干渉されないかんわけ?」

「お前が好きやからやん」

「そんなん言われても嬉しくない。本間に好きならうちの幸せ願えるくらいの男になれや」

⏰:08/12/13 00:32 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#193 [サな]
「やから俺と付き合えば幸せになれる」

「絶対なれんわ。あんたなんかと一緒におったら気が狂うわ」

「俺はほかの男とおる紗奈がいやなんやって。」

「あんだけ浮気すれば?とか言うてたくせに」


学校前で言い争いをしていると、グラウンドで部活をしていた先生がこっちに走ってきた。

⏰:08/12/13 00:35 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#194 [サな]
うちらはそれぞれ逃げた。

すると七瀬が追いかけてきた。

「まだ話終わってないやろが!」



うちは立ち止まった。

そして七瀬と話すために、2人で近くの公園に行った。

⏰:08/12/13 00:38 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#195 [ゆちゃん]
見てます!
頑張ってください★

⏰:08/12/13 00:44 📱:D903i 🆔:CmoMf8bg


#196 [サな]
ゆちゃん

ありがとうございます(゚∀゚)

⏰:08/12/13 01:15 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#197 [サな]
「俺はお前とよりもどしたい」

「無理。うちは七瀬のこと好きやない」

「でも俺は好きやから、お前が俺んとこくるまで邪魔するで?」

「あんたのせいでなんもかんもめちゃくちゃなんやん!あんたさえおらんかったら幸せなのに!」

「俺はお前がおってくれれば幸せなんやって」

「あんたの幸せなんか願いたくもないわ!」

⏰:08/12/13 01:20 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#198 [サな]
「まあ好きにすれば。お前が水野曜のことを好きなのはよーくわかった」

「何でそーなるん」

「水野曜潰せばええんやろ?」

「ふざけんな!」

「じゃ、またな」

「ふざけんなよ!?誰か傷つけたら絶対許さん!」

⏰:08/12/13 01:23 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#199 [ま]
見てます
頑張ってください

⏰:08/12/13 03:02 📱:P906i 🆔:7.CVkD3c


#200 [サな]
まちゃん
ありがとう

⏰:08/12/13 12:32 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#201 [サな]
うちは一気に怖くなった。

七瀬がいなくなってから即行曜に電話をかけた。

「もしもし曜っ…七瀬に曜の存在バレたよ…!」

「そっか。とりあえず今から佳基そっちにやるからH市まで来い」

曜は冷静だった。

もうこうなることはわかってたんだろう。

⏰:08/12/13 12:37 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#202 [サな]
しばらくしていつものところに佳基さんが来た。

うちが車に乗ると、佳基さんが言った。


「曜、今みんなに手まわしとるから大丈夫で。」

いや、そういう問題じゃない。

うちは曜の周りが傷つくのも嫌だ。

迷惑かけたくない…。

「佳基さん、うちもう嫌だよ…」

⏰:08/12/13 12:44 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#203 [サな]
「何でや?」

「みんなに傷ついてほしくない。こんなことになってみんなに迷惑かけるなら、もううちが七瀬の言うとおりにすればいいんやないかなって…」

「ほんまにそれでええんか?」

「…わからん」



それから何も喋らずに、うちは曜の家に着いた。

⏰:08/12/13 12:56 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#204 [サな]
曜の家に入ると何人か人がいた。

「あ、じゃあ俺ら出るわ」

その人たちはそう行って出て行った。

「紗奈」

「…曜、もうやめよっか」



もうこれ以上迷惑かけられない。

うちが七瀬のところにいけば…

それで終わりにできる。

⏰:08/12/13 15:20 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#205 [サな]
「うち、七瀬んとこに行くから」


七瀬なんか大っ嫌い。

曜が大好きで仕方ない。

何が正しくて何が間違いかなんかわからない。

でも、曜をこれ以上振り回したくない。





曜、大好き。

⏰:08/12/13 15:23 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#206 [サな]
「お前は七瀬が好きなんかよ?」

「…うん」

好きじゃないよ。
うちが好きなのは曜やもん。

「…それがほんまなら俺は別に引き止めんよ。紗奈が幸せになれるんならそれでいいよ」


幸せって何?

曜が傷ついてまで一緒にいるのが幸せ?

自分の気持ちを押し殺して七瀬のとこに行って過ごすのが幸せ?

⏰:08/12/13 15:28 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#207 [サな]
どっちも幸せなんかじゃない。

うちは幸せにはなれないと思う。

七瀬のところに行っても

曜のところにいても。



でも、曜のことはやっぱり好き。

だから、曜のためにも七瀬のところに行く。

⏰:08/12/13 15:32 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#208 [サな]
悲劇のヒロインみたいに思うかもしれない。

だけど、本当にそうするしか考えられなかった。

「曜、ばいばい」


うちは曜の家を出た。


我慢してた涙が一気に溢れ出した。

曜が大好き。

ただそれだけなのに。

⏰:08/12/13 15:36 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#209 [サな]
うちはM市に帰った。

駅前には七瀬がいて、こっちを睨んできた。


「七瀬、話ある」

うちは七瀬を連れて、駅から少し離れた公園に行った。

⏰:08/12/13 15:38 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#210 [サな]
「うち、曜とは本当に付き合ってなかった。でももういいから。曜と関係切ってきた。アドレスも番号も消したから」

「俺とよりもどしてくれるわけ?」

「…うん。いいよ」


何でかな。
…何でなんだろ。

もう七瀬しかいないんだろうな…。

⏰:08/12/13 15:42 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#211 [サな]
七瀬はうちをベンチに押し倒してきた。

深い深いキスをして、服の上から胸を触ってきた。

「七瀬…やだっ無理…」

「俺の方が無理。どんだけ待たせたと思っとるんな?」

七瀬は更にエスカレートしてくる。

もうすでに辺りは暗くなっていた。

それをいいことに七瀬はどんどん服を脱がせていく。

うちはされるがままだった。

⏰:08/12/13 15:52 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#212 [サな]
嫌だった。

気持ち悪くて仕方なかった。

曜がいい。

曜やないと嫌だ。





七瀬なんか大っ嫌い…

⏰:08/12/14 01:57 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#213 [サな]
家に帰って泣き崩れた。

ただ幸せになりたいだけなのに。


その"ただ幸せになる"っていうことは、簡単じゃないって思い知らされた。



うちはその日から学校に行かなくなった。

家にずっといて、七瀬から呼び出されれば行く。


そんな生活をしていた。

⏰:08/12/14 02:02 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#214 [サな]
志乃から電話が掛かってきても出なかった。

志乃には何も話してない。

あの後何があったかも、曜とどうなったかも。


いっつも一緒にいてくれたのは志乃なのに。

⏰:08/12/14 02:06 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#215 [サな]
10月に入ってから、知らない番号から電話があった。

…曜だ。

うちは何回も掛かってくるその番号には、一切出ないようにした。

担任からもしょっちゅう電話がかかってきた。

学校に来いって、それだけだけど。

⏰:08/12/14 02:11 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#216 [サな]
このままだと単位が危ない。

そう言われて、うちは行くしかなかった。

10月も終わりかけた頃、うちは久しぶりに学校に行った。


教室に入ると志乃の姿。

志乃は驚いた顔でこっちを見た。

⏰:08/12/14 02:29 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#217 [サな]
「志乃…ごめん」

うちがそう言うと志乃は近づいてきた。

「ちょっと外出よっか」

うちは志乃に連れられて外へ出た。

授業中は絶対に人が通らないテニスコート。

うちらはそこに置いてあるベンチに座った。

⏰:08/12/14 18:31 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#218 [サな]
「紗奈の口からちゃんと聞きたい。噂でだいたいのことは聞いとるけど、何が真実かなんかわからんから。ちゃんと紗奈から事実を聞きたい。」

「うん…」

うちは志乃に話した。

あの後曜に会って、七瀬と居ると決めたこと

もう誰も巻き込みたくないということ。

学校に来てなかった1ヵ月間、何をしてどう過ごしていたか…。

⏰:08/12/14 18:44 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#219 [サな]
「あんた不器用すぎるよ。自分の気持ち殺して幸せになんかなれるわけないやん。馬鹿やない?いい加減素直になりや。曜くんが紗奈を好きで、紗奈が曜くんを好きで…それでいいやん!?七瀬くんなんかにビビってどーするん!?周りが守ってくれる、曜くんが守ってくれるって言いよるんやろ!?頼ればいいやん!」

⏰:08/12/14 22:42 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#220 [サな]
志乃の言葉は凄い心に響いた。

頼ればいい、確かにそうなんだけど、うちの性格上、人に頼るのは嫌いだった。

それから、今更曜のところに行って、曜はどう思うのか…。

⏰:08/12/14 22:49 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#221 [サな]
そんなことを考えながら、結局曜には連絡も何もしなかった。

ただ、七瀬とは別れた。

これでいい。

結局振り出しに戻る。



曜と出会う前のように、

男とは関わらないように。


それでいいんだ。

それがいいんだ。

⏰:08/12/17 00:45 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#222 [サな]
2年も終わりに近づいてきた。

進路について色々担任に聞かれる時期。

うちは県をでたかった。

七瀬のいないところで過ごしたかった。

"●●大学"

うちは大学を志望した。

馬鹿だから馬鹿な大学しか行けないから、某県で一番偏差値が低いくらいの大学。

親には迷惑かけっぱなしだけど、親はうちが大学というところに行くということ自体を喜んでくれた。

⏰:08/12/17 00:52 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#223 [サな]
こんな娘でごめんねって本気で思った。

馬鹿ばっかりしてごめんねって…。





そして春休みになった。

⏰:08/12/17 00:58 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#224 [サな]
春休みに入ってすぐのことだった。





携帯が鳴る…






090********




…誰?

⏰:08/12/17 01:01 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#225 [サな]
「俺やけど…わかる?」















「…佳基さん?」

⏰:08/12/17 01:03 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#226 [サな]
電話の主は佳基さんだった。

頭の中がハテナでいっぱいになる。


佳基さんがなんでうちの番号…?



「曜の携帯から勝手に番号取った。ごめんないきなり。」

「いいけど…何?」

「今から会える?」

「いや…無理」

⏰:08/12/17 01:06 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#227 [サな]
「ほんなら電話でええから聞いて」

「何?」










「曜、まだ紗奈ちゃんのこと好きやから」

⏰:08/12/17 01:07 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#228 [サな]
「…どんだけ前の話しよん?」

「曜はあれからずっと紗奈ちゃんのこと好きやったんやって。もし紗奈ちゃんがまだ曜のことちょっとでも好きなら、曜に会いに来てやって…」

「なんで佳基さんがそんなこと言うん?」

「あいつ元気ないから…。聞いたらまだ紗奈ちゃんのこと好きやって言うから…。余計なお世話かもしらんけど…」

⏰:08/12/17 01:12 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#229 [サな]










「もう曜のこと好きやないから」







⏰:08/12/17 01:14 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#230 [サな]
「…そっか。そんならええんや。ごめんな。元気でやりや」


佳基さんはそう言うと電話を切った。











涙が溢れ出した。

⏰:08/12/17 01:16 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#231 [サな]
ほんまはな、まだ曜のこと好き。


大好きで仕方ない。




…でもな、結局は
自分が素直になれんだけなんよ。




なんだかんだで結局逃げてばっかりで


向き合おうとしてないのはうちなんよ。

⏰:08/12/17 01:20 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#232 [サな]
なんでも勝手にほいほい決めて

後悔して泣いて


自分が向き合ってないのに

幸せになりたいなんて

馬鹿やんな。



曜…うちは曜のこと

ほんまに大好きや

⏰:08/12/17 01:22 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#233 [サな]
曜が大好きやから涙が溢れる。

もうどおしたらええんかわからんくて

ほんまに自分馬鹿や…って思って

涙が溢れる…。



曜、なんでこんなうちを

好きでおってくれるん?

曜ならうちより良い女と

絶対付き合えるやん。

⏰:08/12/17 01:26 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#234 [サな]
なのになんでうちなん?

何でこんな面倒くさい女なん?






うちはどうするのが一番正しいん?





素直やなくてごめんな…

⏰:08/12/17 01:28 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#235 [サな]
うちは1週間後、電車に乗った。




…行き先はH市。










⏰:08/12/17 01:33 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#236 [サな]
駅から出ると懐かしい光景。

いつものように溜まっている人たち。

うちが向かう先は曜の家…



ではなくて、佳基さんのところ。





あの、曜が連れて行ってくれた溜まり場。

⏰:08/12/17 01:35 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#237 [サな]
中にはいると佳基さんの声が聞こえた。

更に奥に入る。


「佳基さん…」

「紗奈ちゃん…!?」


周りはかなりざわついていた。


うちは佳基さんのところに行って
佳基さんに抱き付いて声を上げて泣いた。

⏰:08/12/17 01:38 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#238 [サな]







「佳基さんっ…ごめんな…うち、嘘ついた…」

「どしたんや?」

「うち…うち…曜のことまだ大好きや…」





⏰:08/12/17 01:40 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#239 [サな]
「…そうか。言いに来てくれてありがとな」

うちは化粧ボロボロになっていた。





やっと言えた。





これが自分の素直な気持ちやから…。



⏰:08/12/17 01:43 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#240 [サな]
「みんな聞いたか?そーゆーことやからな。また忙しくなるで!笑」



みんなが守ってくれる。

みんな迷惑やなんて思ってない。

今度はみんなを頼りたいから…。







みんなありがとう。

⏰:08/12/17 01:45 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#241 [サな]
うちは佳基さんの車に乗った。

行く場所は1つ。

曜の家だけ…。


うちは崩れた化粧を車で直した。

佳基さんは横で笑ってた。



そして曜の家の前についた。

⏰:08/12/18 00:09 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#242 [サな]
「あとは紗奈ちゃんひとりで行きや」

「えっ…佳基さんも来てや…」

「俺が行ってどーすんや」

「…よし。うん。行ってくる!!」




うちは曜の家に入った。

⏰:08/12/18 00:11 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#243 [サな]
変わらない家。

だけど懐かしく感じた。


曜の部屋の前に行って、大きく一回深呼吸してからドアを開けた。

⏰:08/12/18 00:13 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#244 [サな]
入った瞬間曜と目があった。




二人とも無言で時計の音だけが聞こえた。






「…紗奈」

⏰:08/12/18 00:16 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#245 [サな]
.





その声を聞いた瞬間涙が溢れた。




曜のことで、何回涙を流しただろう。





でもその涙は、曜のことが好きだから流れる涙なんだ。

⏰:08/12/18 00:18 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#246 [M I]
毎日見させてもらッてます更新頑張ッてくださぃ
>>1-100
>>101-200
>>201-300
>>301-400
>>401-500
>>501-600
>>601-700
>>701-800
>>801-900
>>901-1000

⏰:08/12/18 01:23 📱:SH906i 🆔:n9YAKRsA


#247 [サな]
.






「…曜」







久しぶりに会った曜は、少し大人びて見えた。

⏰:08/12/18 01:24 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#248 [サな]
M Iちゃん
ありがとうございます
最後まで読んでくれたら嬉しいです
あとアンカーありがとうございます!!

⏰:08/12/18 01:26 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#249 [サな]
髪が黒くなって、髪が伸びていた。

落ち着いた雰囲気の曜は、今までとは違う格好良さがあった。



「こっちおいで」


曜は手招きしてうちを呼んだ。
うちは頷いて曜の横に座った。

⏰:08/12/18 01:29 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#250 [サな]
「何で来てくれたん?」







答えは1つだけ。









「曜が好きやからやよ」

⏰:08/12/18 01:31 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#251 [サな]
今までずっと言わなかった言葉。

今までずっと言えなかった言葉。

大好きなのに、気持ち押し殺して

ずっとずっと言ってなかった言葉。




「ありがとう」



曜はギュッと抱きしめてくれた。

⏰:08/12/19 00:23 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#252 [サな]
.



「好き」



このたった一言で

こんなにも幸せを感じることができるのに…。



ただ、七瀬っていう存在を怖がってた。

⏰:08/12/19 00:25 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#253 [サな]
でも、怖がる心配も、気を使う意味もなかったんだ。



周りには沢山の味方がいて

みんなみんな、良い人ばっかだから。

⏰:08/12/19 00:28 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#254 [サな]
.


もう怖がらない。

遠慮もしない。




曜と幸せになるんだ。




そう決めた4月3日。

うちと曜の記念日。
これからがうちと曜のスタート。

⏰:08/12/19 00:32 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#255 [サな]
うまく言えないけど

溢れてくる

この声も

この泪も

君を思えば…

⏰:08/12/20 00:54 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#256 [サな]
.



うちは3年生になった。

風が吹き、桜が舞い、

少し肌寒く、少し暖かい

そんな時季。


真新しい制服を着て

校門をくぐる1年生たち。

⏰:08/12/20 00:58 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#257 [サな]
うちは志乃とまた同じクラスになった。

2階の教室の廊下から中庭を覗く。

初々しい1年生たちが騒いでいる。


「可愛らしいねぇ」

「あの中でカップルが誕生するんやろうね」

「志乃も彼氏作りなさい」

「あんた自分が幸せやからって…」

「あはっ」

⏰:08/12/20 01:05 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#258 [サな]
「紗奈せんぱぁーいっ!」

1年生の集団の中の1人がうちを呼んだ。


…誰?



その子は階段を駆け上がってきた。

「先輩!2中の美優です!覚えてますか?」

⏰:08/12/20 01:10 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#259 [サな]
2中って同中…。

こんな奴おったっけ?


美優<みゆう>と名乗るその子は、少し赤っぽい髪で背は多分160センチくらい。

可愛いわけではないけどぶさいくではない。でも少し頑張ってる感がある、いわゆるパギャルって感じの子。

…2中にこんな奴おったか?

てか後輩と特別仲良くなかったし

ましてや2個下なんて。

⏰:08/12/20 01:15 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#260 [サな]
「ごめん、覚えてない」

「えぇ〜。じゃあこれから覚えてください!真中美優です」

「あぁうん。よろしくね」

「紗奈先輩!アドレス教えてください!」

「…うん」

美優にアドレスを教えると、美優は礼をして中庭に戻っていった。

⏰:08/12/20 01:19 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#261 [サな]
「紗奈、後輩?」

「いや、知らん。」

「何か凄い勢いある子やね」

「ほんまに誰かわからん」

「高校デビューかなんかやろ。紗奈みたいに 笑」

「うちのは高校デビューって言わん!うちのはただのイメチェンや!」

「はいはいっまあ確かにそうやね笑」

⏰:08/12/20 01:23 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#262 [サな]
話は少し変わって、うちは曜の家から学校に通うことにした。

まあいわゆる同棲ってやつ。

親は特に何も言わなかった。

ただ、
「ちゃんと大学受験しなさいよ」

とだけ言われた。

⏰:08/12/20 01:34 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#263 [サな]
曜の仲間の中に、うちの高校の近くに仕事場がある人がいて、毎日その人に送ってもらうことになった。

帰りは1個上のフリーターの健<けん>くんが学校の近くに迎えに来てくれた。

良いことなのか悪いことなのかは微妙なところだけど、本当に周りの皆には感謝しかない。

⏰:08/12/20 01:40 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#264 [サな]
うちが曜の部屋で転がっていると、美優からメールが来た。

【紗奈先輩!美優です☆今何してますか?】

「誰?」

「何か美優って子。2中出身らしいんやけど知らんのんよね。みたことない」

メールが来て30分後にメールを返した。

【今彼氏んちおるよ】

返事は5分もたたないうちに返ってきた。

⏰:08/12/20 01:46 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#265 [サな]
【まだ七瀬先輩と続いてるんですか?】

【続いてないよ】

【そうなんですか!?よかったぁ…】


…もしかして?


【七瀬のこと好きなん?】

【はい!1年生のときから…】

⏰:08/12/20 01:49 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#266 [サな]
そういうことか。


うちは曜にメールを見せた。


「まあいいんじゃね?」


いいんだか悪いんだか…。



美優はうちが七瀬の彼女だったからうちを知っていたわけで、うちと美優は直接関係なかったわけだ。

通りで知らないわけだ。

⏰:08/12/20 01:51 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#267 [サな]
【やめときなよ】

うちはそう打って送ろうとしたけど消して打ち直した。

【頑張れ】

他人の恋に首突っ込んでもしかたないしね。


その後美優から質問攻めにあった。

七瀬との昔のことをいろいろ聞かれた。

横には曜がいるってわかってるくせに空気読まなさすぎる美優。

まあ最終的にうちはメールをブチった。

⏰:08/12/20 01:58 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#268 [サな]
次の日の昼休、美優がうちのクラスに走ってきた。

「紗奈せんぱーいっ!話しましょお」

クラスの皆は唖然として美優を見る。

「…ごめん。今無理やから」

「じゃあ放課後話しましょ!」

「ごめん彼氏んち行くんよ」

「じゃあまたメールします」


美優はそう言って教室を出た。

⏰:08/12/20 02:02 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#269 [サな]
「あの子何?まじで」

うちは昨日あったことを志乃に話した。




「うわー。まじないわ」





今日はメール来ても全く返さんとこうと思った。

曜だっていい気せんやん。

⏰:08/12/20 02:05 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#270 [サな]
夜、また美優からメールが来た。

【こんばんわぁ♪彼氏さんといるんですか?今日も七瀬先輩のこと教えてくださあい!】



彼氏とおるってわかっとってこんなメール送ってくるバカ初めてやったわ。

ほんまびっくりした。




うちはメールを返さなかった。

⏰:08/12/20 02:07 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#271 [サな]
すると電話がめっちゃかかってきた。

やばいくらい鳴り続ける携帯。

「出たったらええやん」

曜はそう言ったけど若干不機嫌。

でも鳴り止まない携帯。

うちは電話に出た。

⏰:08/12/22 13:22 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#272 [サな]
「先輩!何でメール返してくれないんですか!?」

「うち彼氏んち行くって言ったよね?」

「メールくらい返してくれてもいいじゃないですか!うちは七瀬先輩のこといっぱい知りたいんです」

「うちに聞くなよ」

「先輩が七瀬先輩のこと一番知ってるじゃないですか。何で教えてくれないんですか!?先輩だけいい思いして」

⏰:08/12/22 18:34 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#273 [サな]
はあ!?良い思い?

あれだけ七瀬に振り回されてうちが良い思いしとるって!?


うちはついにキレた。


「何も事情知らん奴が何言いよんや!?お前は何様な?調子のんなよ!!黙っとったら言いたい放題言いやがって。お前明日覚えとけよ。」

本気でムカついた。
2個下の高校デビューになめられたらたまったもんじゃない。

⏰:08/12/22 18:40 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#274 [サな]
うちは電話を切って布団に潜り込んだ。

ムカムカする。

ムカつきすぎて吐きそうだった。

ムカつく

ムカつく

ムカつく!!!

⏰:08/12/22 22:58 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#275 [サな]
「紗奈」

曜が布団に手をかける。

「触んな!!!!!」


…あ。


言った後にすぐ後悔した。


曜は部屋から出て行った。

⏰:08/12/23 01:04 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#276 [サな]
何もかんもうまくいかんくてイライラする。

結局は全部自分が悪いんかもしれんけど

でもそんなんゆーたってしゃーないやん

うちが不器用なことくらい自分でもわかっとるよ。

何がしたいんか自分でもわからんもん

⏰:08/12/23 02:10 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#277 [ゆかリ]
もーめっちゃ好きですこれからもずっと読むんで頑張ってください

⏰:08/12/24 11:44 📱:N903i 🆔:Duc7T5iQ


#278 [我輩は匿名である]
>>150-300

⏰:08/12/24 23:24 📱:N703iD 🆔:XcMk87Cs


#279 [我輩は匿名である]
>>1-278

⏰:08/12/25 10:30 📱:P906i 🆔:qXjSgMSk


#280 [我輩は匿名である]
頑張って下さい
更新楽しみに待ってます

⏰:08/12/25 23:57 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#281 [サな]
>>277ー280
ありがとうございます
ちょっと放置してすみません
また更新していきますね

⏰:08/12/26 01:58 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#282 [サな]
自己嫌悪に陥りながら、うちはどうすることもできずに、ただボケッと座っていた。

しばらくすると、曜があったかいカフェオレを持ってきた。

曜がたまに作ってくれるこのカフェオレが美味しくて、うちは大好きだった。

自分で作っても絶対この味にならない、不思議な曜特製のカフェオレ。


「イライラしてどうすんや。イライラしてなんかいいことあるんか?落ち着けや」

⏰:08/12/26 02:08 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#283 [サな]
曜はそう言ってうちにカフェオレを渡した。

「まあ俺も人のこと言えんけどさぁ、イライラしよっても何も良いこと無いやん?やし、そんなんでそんなことゆーてもしゃーないんやって。」



曜はちゃんといろいろ考えてる。


うちはなんなんやろ?ってたまに思う。
曜が持ってるものが大きすぎて、うちのことがちっぽけに思える。

⏰:08/12/26 02:15 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#284 [サな]
「お前明日何するんか知らんけど手だけは出すなよ」

「うん‥。でも何で?」


曜自身も、よっぽどが無い限り殴ったりしない。

前からちょっとした疑問だった。

⏰:08/12/26 02:17 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#285 [サな]
.



「みんなに慕われる人はな、絶対人を殴ったりせんのんやってさ。何があっても殴ったらいかんって、これ俺の父さんの教えやから。俺が慕われるのも、この教えのおかげみたいなもんやから。押し付けみたいかもしれんけど、俺は紗奈にもみんなに慕われる人になってほしいと思うし、それ以前に女の子は殴ったりしたらいかんで」




.

⏰:08/12/26 02:25 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#286 [サな]
なんか大人やなあって思った。

強い人=喧嘩が強い人

って考えやったけど、ほんまの強い人って言うんは、曜みたいな人のことなんやろうなって思った。


曜みたいな人とうちが付き合っとってええんやろか?って思うくらい、曜は凄い大人な考えを持つ人間やと思った。

⏰:08/12/26 02:30 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#287 [サな]
次の日うちは学校へ向かった。

志乃に昨日あったことを言うと


「そいつ呼んで来たるわー」


って言って教室を出て行こうとした。


「待ってや志乃!うちが行くし、志乃ここおってや」

⏰:08/12/30 00:59 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#288 [サな]
うちはそう言って美優のクラスへ行った。


「美優おる?」

教室の前にいた子に問う。

「美優、今日遅れてくるってメールで言ってました」


美優の奴、うちが朝来ると思って遅刻する気だと思った。

「わかった。また来るわぁ」

⏰:08/12/31 01:42 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#289 [サな]
教室に戻ると志乃が近寄ってきた。

「あいつ来てなかったよ」

「はぁ〜?まじで?」

「まあまた行ってくるわぁ」


そうして普通に授業を受けて、昼休憩が終わって5時間目が始まった頃、外を見ると女が一人歩いていくのが見えた。


美優やな。

⏰:09/01/03 19:00 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#290 [ケ]
頑張れっ(°∇°)ォ

⏰:09/01/04 00:29 📱:W61SH 🆔:dRDFmFqA


#291 [サな]
>>290
ありがと☆
ちょっとずつの更新で
申し訳ないです(/_;)

⏰:09/01/04 02:06 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#292 [サな]
「先生ちょっと用事できたから行ってくるわあ」

「欠課になるよ?あんた大丈夫なん?」

「卒業できんかったら困る。でもたぶんこの授業は大丈夫やから行ってくる〜」



うちはそういって教室から出て美優のところに猛ダッシュした。

⏰:09/01/04 02:09 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#293 [サな]
「おい美優!ちょっとこっちけえや!」


美優はお化けでもみたみたいな顔をして振り向いた。


うちは美優が固まってる間に腕をつかんだ。


「ちょっと来いや。逃げとんやなあぞ」

⏰:09/01/05 01:43 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#294 [サな]
うちはそのまま学校の外に引っ張り出した。

「ごめんなさい!すみませんでした」

まだなんもやってないのに泣きじゃくる美優。

「泣いたら終わる思っとんか?泣き止めや。別に殴る気なんかないんやって。お前が泣いて終わらせようとするなら殴るけどな」

⏰:09/01/05 01:51 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#295 [サな]
しばらくして美優が泣き止んだ。

「すみませんでした…」

美優が頭を下げた。

「お前は上下関係知っとんのか?うちをナメとんのか?調子のっとんやなあぞ?」

「すみませんでした…。自分のことでいっぱいいっぱいやったんです。周りが見えてませんでした…。本当にすみませんでした…」

⏰:09/01/05 01:59 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#296 [サな]
うちは元々美優を責める気はなかった。
というか、責めるよりも聞きたかった。


「あんたほんまに七瀬が好きなん?」

「…はい」

「何で?」

「うちが部活やってて、七瀬先輩がボール取ってくれたんですけど、そのとき「がんばってね」って言われたのが嬉しくて…。先輩格好いいじゃないですか。…一目惚れってやつなんです。でも、紗奈先輩と付き合ってたの、最初知らなかったんです。うち、目立たない人だったから…。」

⏰:09/01/05 02:09 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#297 [サな]
「紗奈先輩が七瀬先輩と一緒に帰ってるところ見て、初めて知ったんですよ。2人が付き合ってること…。七瀬先輩に一目惚れして4ヵ月くらいたってたんですけど、それまで気付かなかったんです。見てるだけだったけど諦められなくて、先輩が卒業してからもずっと忘れられなくて…。七瀬先輩高校行ってないって聞いたし、なら紗奈先輩と同じ高校行こうって思って…」

「うちと七瀬はもう別れたから好きにしたらいいよ。ただね、うち今彼氏おるし、彼氏と七瀬仲悪いんよ。うちは七瀬と関わらんようにってことで彼氏と同棲しとるしな。やから美優に協力してあげることはできん。」

⏰:09/01/05 02:19 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#298 [サな]
「七瀬先輩は…まだ紗奈先輩のこと好きなんですか?」

「知らんよ。最近地元帰ってないし」

「そうなんですか…」

「悠真に聞けば?まだ悠真は七瀬と連んどるはずやし、聞きたいことあるなら悠真に聞きや。うちは悠真に話に行けんけど」

「うちが勝手にいきなり話しかけに行ったら変な子や思われるやないですか!」

「あんたうちには話しかけてくるのに悠真は無理ってか?うちもなめられたもんやの」

⏰:09/01/05 02:26 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#299 [サな]
「い、いやっそんなんやないです!!!」

「冗談やって。まあ悠真ならちゃんと話してくれる思うし行ってみ」

「…わかりました」

「じゃ、まあ頑張りや。うちにはどーもできんから」

「ありがとうございます。すみませんでした。」


うち、美優みたいな恋愛したことないからわからん。

でも、美優は悪い奴やない。ただちょっと空回りしとるだけなんよな。

⏰:09/01/05 02:32 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#300 [サな]
教室に戻ると休憩時間で、すぐに志乃が寄ってきた。

「どやった!?」

「んーまあ一件落着?てかうち疲れたから帰るわ」

「は?あと1時間やん!がんばりいな」

「しんどいんやもん〜」


うちはそれからすぐに電話して迎えに来てもらって曜の家に帰った。

⏰:09/01/05 02:36 📱:D905i 🆔:☆☆☆


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