うまく言えない
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#701 [紗奈]
「紗奈ちゃんならみんな受け入れてくれると思うしっ!ほんまにお願い!」


「いくら咲香さんのお願いでも無理ですわ。ほんまにすんません」


うち、世話するよりされるほうやし。
これだけは譲らんかったな。

でも、競技場に顔出したときは必ず、何かしら手伝うようにはなった。

部員になってしまえば責任が生じるけど、そうじゃなかったら責任なんかないからマネージャーやらなかったってのもあるかもな。

⏰:09/06/06 02:34 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#702 [紗奈]
1月の終わり頃、少し遅い新年会が開かれた。

うちはそれになぜか参加させてもらった。

場所は"海"で、会費3500円で飲み放題。


イッキとかして酔いつぶれていくみんなをみながら、うちはちびちび飲んでた。


めっちゃ笑ってたなーこのとき。

⏰:09/06/06 02:46 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#703 [紗奈]
.


テンションがやばい高い人たちはそれから二次会に行って、うちと咲香さんと宏樹とあと女2人男2人は帰ることになった。

うちと咲香さんと麻美さんはほとんど酒入ってなくて、あとは泥酔してた。

だから1人1人ずつ送っていくことになった。

「紗奈ちゃん、宏樹送ったってくれんかな?宏樹の家ならわかるやろ?」


ってことでしゃあなしうちは宏樹を送っていくことになった。

⏰:09/06/06 02:54 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#704 [紗奈]
でもなんだかんだ、泥酔しとる男を送るって重たいやん。



とか思いながらうちはタクシー乗って宏樹を引っ張り入れた。

「宏樹〜大丈夫?気分悪くない?」

「大丈夫〜‥ん〜‥大丈夫‥‥」


ほんまに大丈夫なんかさえわからんような宏樹の返事。


しばらくしてから宏樹の家についた。

⏰:09/06/06 03:01 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#705 [紗奈]
「宏樹歩ける?歩けんとうち宏樹のこと抱えられのやし歩いてや?」


うちが肩を貸すと、宏樹はゆっくり歩き出した。

二階まで宏樹を連れて行って、鍵開けたら玄関先で宏樹が倒れた。


「大丈夫!?」

「う〜‥」

⏰:09/06/06 03:05 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#706 [紗奈]
うち1人じゃ本当に無理なくらい重くて、宏樹に自力で動いてもらうしかなかった。


頑張ってとりあえず部屋に入れて、頑張った。とにかく頑張った。



「吐きそうとか無い?大丈夫?」

「ん‥紗奈」

「え?どした?」

⏰:09/06/06 03:10 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#707 [紗奈]
.






「好きや」









宏樹はそのままうちに覆い被さるように抱きついてきた。

⏰:09/06/06 03:12 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#708 [紗奈]
「ちょ‥宏樹‥酔いすぎやって!!」

「酔ってへん」

「酔っとるやろ!!」



うちは宏樹をよけてベッドに横にならして水と薬をおいて帰った。



ほんま意味わからん。

酔った勢いで何言い出すんやこいつ‥。

⏰:09/06/06 03:16 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#709 [紗奈]
次の日宏樹は普通に接してきたし、少し戸惑ったけど、忘れてんだろうな〜とか思ってうちも普通に接した。


で、何日かしたとき、先輩に聞かれた。


「宏樹のことどう思っちょん?」







.

⏰:09/06/06 10:38 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#710 [紗奈]
「なんすかいきなり。笑」

「宏樹の気持ち知っちょんやろ?」

「はぁ?」

「宏樹、紗奈ちゃんに告ってしまったっち言うちょったよ」

「あの時‥宏樹酔ってたやないですか。酔った勢いで言った告白なんて知らないですよ。てか‥うちは宏樹のこと好きとかそんなんやないです。」

⏰:09/06/06 10:55 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#711 [我輩は匿名である]
筑豊?(´∀`)

⏰:09/06/06 13:01 📱:N905imyu 🆔:4JpYO9Uw


#712 [紗奈]
住みは公開しない予定です。

⏰:09/06/06 14:56 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#713 [紗奈]
実際は、全く好きじゃないって言ったら嘘だった。


ただ、宏樹と曜を比べてしまう自分がいて



あぁ、やっぱり曜が好きだ‥



って。



宏樹は、うちにとって最高の友達でとどめておこうって思ってたから‥。

⏰:09/06/06 18:01 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#714 [紗奈]
次の日、学校歩いてたら知らん女の人に話しかけられた。


「宏樹くんのこと好きやないんやったらもう宏樹くんと関わんなよ。ちやほやされて調子のんな」



いや、調子のってないし。

てかなんでそんなこと言われないかんの?って思ってシカトした。

⏰:09/06/07 02:10 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#715 [紗奈]
そしたら逆上。

キレておもきし引っ張られてそのまま転けた。


「‥ったぁ。‥‥大学生にもなってガキみたいなことしてんなよ。ほんまガキ」


相手にする気にもならんかった。

それだけ言って立ち上がって歩いてたら、また後ろから叫び声が聞こえてきた。

⏰:09/06/07 02:14 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#716 [紗奈]
「黙れよヤリマン!!誰にでも股開くくせに純粋ぶってキモいんよ!!そんな汚い体で歩き回んな!性病まき散らすなよ」



糞デカい声で叫んだもんで、周りの人がめっちゃ見てきた。



確かにヤリマンだったわ。

七瀬と付き合っとったときな。

⏰:09/06/07 02:20 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#717 [紗奈]
何かがうちの中で切れた。

「あんま調子こいとんなよ」

「こっちのセリフや!」



うちはそいつに近付いて行った。



「黙れよババア。宏樹が好きなら宏樹んとこ行けよ。相手にされんからってうちに僻んでくんな」

⏰:09/06/07 02:38 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#718 [紗奈]
しばらく言い合いしとったら、陸上部の先輩が宏樹を呼んできたらしくて宏樹が来た。




なんで学内でこんな修羅場みたいにならないかんの?

って思って、うちは帰ろうとした。

⏰:09/06/07 02:45 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#719 [紗奈]
「待てや!逃げるんか!」

「そんなに好きならそいつやるわ。2人でよろしくやればえーやん」



今思えば何様!?って感じやけど。笑



その後授業やったけど面倒くさくなって家に帰った。

⏰:09/06/07 15:49 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#720 [紗奈]
しばらくしてピンポン鳴った。

出てみたら宏樹やった。



「何?」

「なんかごめんな」

「別に。で、何?」

「ちょい今話せるか?」

「‥まあ別にええけど」



うちは宏樹を家に上げた。

⏰:09/06/07 15:58 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#721 [紗奈]
で、宏樹は話し始めた。

あいつの名前は真智(まち)

宏樹とタメ。で、元カノ。うちと出会った頃はまだ付き合っとったらしい。


宏樹が振ったらしくて、だけど真智さんは未だに宏樹のことが好きらしくて言い寄って来てた。

どーもならんくなったからか知らんけど、今日に至ったらしい。

⏰:09/06/07 16:11 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#722 [紗奈]
「うちが宏樹と仲良くしやるからいかんってことなんやろ?」

「いや‥あのさ‥‥俺、真智に紗奈ちゃんのこと好きやからって言ってまってさ‥。」

「なんでそんなこと言うてんの」

「‥ほんまのことやからやん。この前酔ってたから信用してもらえへんかったんかもしれんけど‥ほんまに俺、紗奈ちゃんのこと好きやねん。てかな、紗奈ちゃんを好きになったから真智と別れてん。」


「ごめんけど、付き合えんから。」

⏰:09/06/07 16:22 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#723 [紗奈]
「わかってるよ‥。紗奈ちゃんがまだ元彼のこと好きなことくらい。やけど俺、全部受け止めて行きたいと思っとるんやて。」


「中途半端な気持ちじゃ、宏樹を傷つけるだけやから。それでも良いって言われてもうちは無理や。やから宏樹とは付き合えん。」



「俺はいつまでも待っとるから。」

⏰:09/06/07 16:27 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#724 [紗奈]
そんなん言われてもな‥


一生無理やって。


うちには曜だけやもん。



付き合っても2番目にしかなれんのに、何が嬉しくてそんなんと付き合うん?



馬鹿みたいやん。

⏰:09/06/07 16:31 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#725 [紗奈]
それから宏樹とは今までと変わらず友達として過ごした。

学校で真智さんと遭えばなんか言ってきてたけど関係ない。









そんなこんなでうちらは進級した。

⏰:09/06/07 17:54 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#726 [紗奈]
うちは3年、宏樹は4年。


陸上部に遊びに行った時は、1年生もいて、マネージャーも入ったらしくて賑やかだった。



1年を見ながら、若いな〜なんて思ったりして。笑

⏰:09/06/07 18:35 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#727 [紗奈]
居酒屋のバイトは続けてた。

バイトするけど使わんから金は貯まるばっかり。

宏樹たちと食べに行くってなっても宏樹が払ってくれるから金はなくならない。


宏樹には悪いと思ってるから、たまに宏樹んちに行くときは手土産持って行った。

⏰:09/06/11 01:16 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#728 [紗奈]
宏樹んちに行くって言っても、何をするわけでもない。

ただ言えることは、宏樹んちは広い!!

広いし、程よい散らかり具合がすごい落ち着く。

だからよく入り浸ってた。

家にいるときにいきなり宏樹の友達が来たりして一緒にわいわいすることもあった。

⏰:09/06/11 01:27 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#729 [紗奈]
ある日いつものように宏樹の家でダラダラしてると、いきなり宏樹が何かを投げてきた。

「何!?」



‥よく見ると合い鍵。



「それやるわ」


それだけ言って宏樹は布団に潜った。

⏰:09/06/11 01:35 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#730 [紗奈]
「いやいや!これはさすがにもらえんよ」


「なんで?ほぼ毎日のように俺んちおんのにあったほーが便利やん」

「そりゃそうやけどさ‥」

「えーから持っとき!俺は紗奈が好きやから渡してんねん」



うちは何ともいえない複雑な気分で鍵を受け取った。

⏰:09/06/11 01:38 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#731 [紗奈]
宏樹は、あの日から開き直ったかのように"好き"って言うようになった。

そのたびうちは複雑な気分になる。



宏樹のことは好きだ。

好きだけど、どうしても曜と比較してしまう。

中途半端なら宏樹を傷つけるだけ‥


そう思いながらも、何ともいえない中途半端な関係を続けていた。

⏰:09/06/11 01:43 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#732 [紗奈]
中途半端は一番避けないといけなかったのかもしれない。

だけど、宏樹と離れたくなかった。

宏樹と一緒にいたかった。


宏樹の気持ち知っときながら、最低な女。



宏樹と毎日一緒にいるから大阪弁うつるし、音楽の趣味とか、好きな食べ物とか、なんかすごい似てきてた。

⏰:09/06/11 18:01 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#733 [紗奈]
全く事情を知らない1年生には付き合ってるって思われてた。

「付き合ってないよ!」

って言っても

「今更そんな隠さんでいーですよー」

って信じてくれんかった。



まあだからって何があるわけでもないんだけどね。

⏰:09/06/11 18:06 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#734 [紗奈]
4月の終わりの新歓。

うちも誘われたけど行かんことにした。


「どーせ宏樹つぶれるまで飲むんやから紗奈ちゃん宏樹んちおったってな」


って先輩に言われて、うちは宏樹んちで待機することになった。

⏰:09/06/11 18:12 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#735 [紗奈]
12時前くらいやったか、宏樹が連れられて帰ってきた。

春斗先輩は玄関先に宏樹を投げて帰って行こうとした。

「ちょ、ちょい待って!それはないですよ」

「紗奈ちゃんなら大丈夫かな〜思ったんやけど。笑」


そう言いながら春斗先輩は宏樹をベッドまで連れて行ってくれた。

⏰:09/06/11 18:21 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#736 [紗奈]
「紗奈ちゃんほんま宏樹に愛されとるね〜」

っていきなり言い出した。

なんか新歓のときずっと

この前紗奈ちゃんが〜とか
紗奈ちゃん好きや〜とか
紗奈ちゃんかわええ〜とか


そんなことばっか言ってたらしい。



なんか周りの人たちに申し訳ない。
1年生とかどん引きだったろうに‥笑

⏰:09/06/11 18:27 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#737 [紗奈]
「で?紗奈ちゃんは今どーなわけ?」


まあ誰もが思う疑問やよね。


「自分でもどーしたいんかわからんから困っとるんです‥。」

「てかさー、付き合えばよくね?元カレを忘れてないみたいなこと宏樹から聞いたけどそれでもよくね?慎重になる意味が分からん。好きならそれでえーやん。元カレ上回れんくても、宏樹を好きならそれはそれで関係ないと思うけど」

⏰:09/06/11 18:35 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#738 [紗奈]
そんな話を春斗先輩に延々とされて、先輩は帰って行った。


うちはその次の日から、あんまり宏樹んちに行かなくなった。


自分と向き合って考えたかったから。

⏰:09/06/11 18:37 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#739 [紗奈]
宏樹は疑問に思っていた。

何で最近家に来んのん?って。


そんな理由なんて言うわけもなく、うちらの間にはちょっと距離ができた。



それから、その間に宏樹は就職で内定もらってた。

場所は大阪。

⏰:09/06/11 18:43 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#740 [紗奈]
うちはそれを聞いたとき



宏樹を失いたくない




‥と、強く思った。


宏樹が大阪に帰ってしまえば、宏樹はうちの存在なんて忘れてしまう。



‥そんなの絶対に嫌だ。

⏰:09/06/12 02:48 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#741 [紗奈]
うちは本当にわがままだ。

いっぱい周りを振り回してきた。



宏樹を、いっぱい傷つけてきた。




うちは宏樹が好き。

それだけでいいんだ‥と。

⏰:09/06/12 02:51 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#742 [紗奈]
宏樹は曜のことを受け入れてくれると言った。

だからもう、思い切り宏樹に甘えてしまえばいい。



最低かもしれないけど、うちはそう思った。

⏰:09/06/12 02:52 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#743 [紗奈]
.








久しぶりに行った宏樹の家。

合い鍵でドアを開けて中に入ると、テレビも電気もつけっぱなしで寝ている宏樹の姿。

⏰:09/06/12 02:53 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#744 [紗奈]
うちはその横に座ってテレビを見てた。



しばらくして起きた宏樹。



めっちゃびっくりしてて、キョドってた。



で、うちは寝起きの宏樹に言った。

⏰:09/06/12 02:56 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#745 [紗奈]
.








「うちは宏樹が好き」






宏樹は固まって動かんかった。

⏰:09/06/12 02:58 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#746 [紗奈]
「宏樹がまだうちのこと好きなら‥付き合ってください」





凄い恥ずかしかった。

告白とかしたことなかったし、まじでもう死にそうなくらい緊張してた。

頭に血が上るってゆーか‥顔が赤くなるどころの問題じゃなかった。

⏰:09/06/12 03:01 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#747 [紗奈]
「‥‥‥俺寝ぼけとる‥?」



とか言い出すから、おもきし肩パンしたった。



「いった〜!!何してんねん!!」

「人が真剣に告白してんのに何やん!最低!宏樹なんか知らん」

うちは知らんうちに泣いてた。

⏰:09/06/12 03:05 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#748 [紗奈]
「ご‥ごめん!!泣かんといて!?ってか‥!!本気で言うてる!?」

「冗談で言うわけ無いやんか‥ボケ!!」


「付き合お。ほんま嬉しい。ありがとう」


宏樹はそう言って、泣きまくってるうちを抱きしめた。

⏰:09/06/12 03:09 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#749 [紗奈]
やけど、現実に戻ってちゃんと話した。


宏樹のこと好きやけど、曜が一番やってこと。

これからも曜を愛していくだろうと言うこと。


やからまたいっぱい傷付けるかもしれん。



それでもいい?


って聞いた。

⏰:09/06/12 03:12 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#750 [紗奈]
「俺はその覚悟で紗奈ちゃんと付き合いたい思ってたんやからいいよ。紗奈ちゃんがそばにおってくれればええ。」


うちはほんまに嬉しかった。





宏樹と付き合ったって一番に報告したのは、佳基さんやったな。

⏰:09/06/12 03:16 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#751 [紗奈]
「そんなえー男そうそうおらんで大事にしいや。またこっち帰ってきたら曜んとこ行こか。」


って。

佳基さんはほんまに喜んでくれた。

⏰:09/06/12 03:18 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#752 [紗奈]
付き合ったからと言って、何かが変わるわけでもなかった。


ただ、宏樹の部屋にはだんだんうちのものが増えていった。



たまにどっか遊びに行ったりもした。

宏樹のバイト先にもよく行った。

うちのバイト先に宏樹が来ることもよくあった。


ほんまに毎日が楽しかった。

⏰:09/06/12 03:23 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#753 [紗奈]
付き合ってすぐはちゅーとか全くせんかった。

てか、今までそーゆーの無かったから、大学生後半のくせに超緊張しててできんかった。

何週間かしてから、初めてちゅうした。


ほんま恥ずかしかった。


お互いその後笑いまくりやったね。

⏰:09/06/12 03:28 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#754 [紗奈]
うちらは順調で、そのまま夏休みに入った。


「うち地元帰って来てもええ?」

「なんでいちいち聞く?帰ってきたらえーやん」


曜に会いに行きたいから‥って、言えなかった。
言ったら宏樹、なんか傷付ける気がして言えなかった。

⏰:09/06/12 03:34 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#755 [紗奈]
それを察してか、

「墓参り、行って来いな?」


って、宏樹が言った。


「えっ‥」


「行って来いよ。ちゃんと行け」


宏樹は笑って頭をなでた。

⏰:09/06/12 03:37 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#756 [紗奈]
その何日か後にうちは地元に帰った。

即行佳基さんに連絡したら、次の日佳基さん仕事休んでまで来てくれた。

「佳基さんありがとう」

って言うと

「今更照れるやん」

って笑った。

⏰:09/06/13 02:00 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#757 [紗奈]
うちは曜のお墓の前で手を合わせた。





曜、うちにも大切な人ができたよ。

こんなうちを受け入れてくれる、優しい奴やよ。


やけどな、うちの中ではやっぱ曜が一番なん。

それだけは、ほんまに変わらんのやて。

⏰:09/06/13 02:03 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#758 [紗奈]
曜は笑うかな?怒るかな?

いつまで俺のこと引きずっとんや!そいつを一番に想ってやれよ!

って、曜なら言うやろうね。



やけど、曜は曜、宏樹は宏樹のええとこがあるんよ。

やからさ、いつまでたってもこんな中途半端な奴やけど‥見守っといてな‥?



曜‥愛しとるよ。

⏰:09/06/13 02:06 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#759 [紗奈]
.








うちは曜に伝えたいこと全部伝えて立ち上がった。


「曜、よかったな」


って佳基さんが言った。

佳基さんはほんま良い兄さんや。

⏰:09/06/13 02:10 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#760 [紗奈]
.


その後、夕方くらいに佳基さんに凌斗の家に送ってもらった。

佳基さんとバイバイしてから、うちは凌斗んちに入った。


「キャー!!!」


って美弥子の叫び声。

うち帰ってきたこと何も言ってなかったからめっちゃ驚いてた。

そんで美弥子は抱きついてきた。

⏰:09/06/13 02:14 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#761 [紗奈]
落ち着いてから、凌斗もまぜて3人で話すことになった。



宏樹っていう彼氏ができたこと、すごい喜んでくれた。

絶対に大切にしいやって言われた。



うちは今までのこと全部話した。


曜のこと、宏樹のこと、泣きながら全部‥。

⏰:09/06/13 02:18 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#762 [紗奈]
「もっとうちらに頼ってくれればよかったのに‥。」


美弥子はそう言って一緒に泣いてくれた。



美弥子も凌斗も、ほんまにうちにとって最高の親友や‥。

⏰:09/06/13 02:21 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#763 [紗奈]
.

落ち着いた頃、凌斗が言った。


「俺ら結婚するから」



いきなりのことにまじで驚いた。

いや、でも逆にこんな長く同棲しとんのに籍入れるに至らんかったことも不思議やった。

⏰:09/06/13 02:24 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#764 [紗奈]
「紗奈が落ち着いたら結婚しようなって言ってたんよ」


って、凌斗が言った。


「えっ‥なんでなん!?そんなん‥‥」


「違うでな。紗奈、自分のこと責めんで?あんな、俺らがうまくやってこれたんも、紗奈がおったからなんよ。やから俺らが決めたことやからそれでえーんよ。素直に祝ってーな!」

⏰:09/06/13 02:28 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#765 [紗奈]
うちは泣きながら

「おめでとう」

って、何回も何回も言った。


ほんま泣きすぎて

「いつまで泣いとん!笑」

って2人とも笑ってた。

⏰:09/06/13 02:31 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#766 [紗奈]
「赤ちゃん生まれたら凌斗より先にだっこしたる〜!」

「それだけは許さん!」

「冗談やんっでもだっこさせてな?」

「当たり前やん。」




なんてちょっと先の幸せな話なんかしてみたり。

⏰:09/06/13 02:35 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#767 [紗奈]
その日は泊まって、次の日久しぶりに志乃と連絡取って、たまたまあったその日の夜の祭りに一緒に行くことになった。


その祭は県の三大祭?みたいなのの1つなんやけど、人ごみ嫌いやからあんま行ったこと無かった。


うちらがガキの頃はよく暴れとる奴がおったけど、なんか厳しくなっとるし暴れる奴は少なかった。

まあ道路の真ん中で大宴会してる未成年の奴らがおったけど。

⏰:09/06/13 02:43 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#768 [紗奈]
若いな〜とか言いながらうちらは屋台でいろいろ買って人ごみ面倒くさいし公園に移動した。


志乃にも全部話した。

宏樹のこと、志乃もすごい喜んでくれた。

それから思い出話とかしながら、蚊にさされながらめっちゃ笑った。

⏰:09/06/13 02:48 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#769 [紗奈]
しばらくしてから若い集団が花火とか持ってきた。


「紗奈ねえ!?」


その中にいた1人が話しかけてきた。


「龍佑(りゅうすけ)やん!」


龍佑ってのは簡単に言えば近所の子。

何個下か数えるの面倒くさいから数えんけどうちが大学3年のとき高1。

まあ高校行ってないらしいんやけどね。

⏰:09/06/13 02:58 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#770 [紗奈]
まあヤンチャなガキに成長したみたいです。笑

ここ何年も会ってなかったし声かけられたときはほんまびっくりした。


で、一緒に花火をさせていただいた。


「紗奈ねえ!今何してる人?」

「大学生やけど」

「紗奈ねえでも大学生なれたんや!」



‥糞ガキ!!!

⏰:09/06/13 03:03 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#771 [紗奈]
(訂正⇒龍佑はうちが大学3年のとき中3でした)

なんやかんやわいわい話しとったら朝近くなって、もう龍佑たちより若くないうちと志乃は帰ることにした。


龍佑は

「紗奈ねえまた遊ぼーな!」

って言ってた。


まあこいつが数ヶ月後に族に入ったことは後々知った。

ほんま馬鹿ちんや(´・ω・`)

⏰:09/06/13 06:24 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#772 [紗奈]
何日か後、うちは宏樹のもとへ戻った。



「何ニヤニヤしとんねん!」



帰ってきて第一声がこれ。



「楽しかった!」



思い出し笑いでニヤニヤしてるうちを宏樹はキモチワル〜みたいな目で見てきてた。

⏰:09/06/13 06:27 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#773 [紗奈]
「何してたん?」


うちは地元に帰ってた間の話を宏樹にした。

墓参りに行ったこと、親友カップルが結婚すること、友達と祭りに行って弟分と花火したこと。


「良い人に恵まれとんやね」



って、言ってくれた。

⏰:09/06/13 20:37 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#774 [紗奈]
うちはほんまに良い人に恵まれとる。

今までずっと、誰かに支えられてきた。


みんながいたから今のうちがいるし、みんながいたから頑張れた。

みんながいなかったらうちは多分生きてない。

それだけ周りの存在は大きかった。

⏰:09/06/14 01:08 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#775 [紗奈]
確かにまっとうな道を歩んできた人たちばかりじゃなかった。

自分だって、間違った道を進んでた。


だけど、そのおかげで出会えた沢山の人。


そこにいたから学んでこれたことだって沢山あった。



そして、宏樹と出会えたのも

それがあったからだ。

⏰:09/06/14 02:03 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#776 [紗奈]
すべては偶然じゃなくて必然。


みんなとは、出会うべくして出会った。



やから、大切にせないかん。

⏰:09/06/14 02:11 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#777 [紗奈]
宏樹は10月までは部活に行くって言ってて、うちはまあそれを見に行ってて‥



ってしてたら夏休みもあっという間に終わって、10月もすぐ過ぎて、宏樹は部活を引退した。

⏰:09/06/14 02:22 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#778 [紗奈]
付き合って半年で、うちらはやっとHした。


今までうちが受け入れられずにずっと拒否してたから。


理由は、曜とHしたことなかったから。


やから、なんかできんかった。

だけど、やっと受け入れられた。

うちはその後涙が出た。

何でかはわからんかったけど。

⏰:09/06/14 02:31 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#779 [紗奈]
ごめんな、宏樹。


あのとき、曜の顔が浮かんだ。

やけど、宏樹のことほんまに好き。



この複雑な感情は、いつまで残るんやろう?って‥。

⏰:09/06/14 02:36 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#780 [紗奈]
それから、あっという間に月日は流れ、宏樹は卒業した。


卒業式の後、宏樹は家に帰ってきて


「紗奈が大学卒業して落ち着いたら結婚しよか」



って言ってペアリングをくれた。

うちはほんまに嬉しくて、また泣いた。

⏰:09/06/14 02:43 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#781 [紗奈]
「俺が紗奈のすべてを受け止めるから。紗奈が曜くんのこと忘れられへんくても、俺は大丈夫やから。曜くんのことを好きな紗奈を好きになったんは俺なんやから」


って宏樹は言った。


宏樹はどこまでお人好しなんやろ?

ほんまに宏樹に出会えてよかったと思うし、こんな良い奴他におらんやろって思った。


最初は宏樹に甘える気なんてなかったのにね。

⏰:09/06/14 02:48 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#782 [紗奈]
.


宏樹は大阪に行ってしまった。

うちは4年に進級して、学生最後の年を迎えた。

⏰:09/06/14 02:51 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#783 [紗奈]
もう単位ほとんど取ってたし、学校行く日数も少なかったし、よく大阪に行くようになった。


大阪では宏樹が一人暮らししてる。


何日か大阪に滞在して帰るってのを繰り返してた。

今まで貯まってたバイト代がここで役に立った。

⏰:09/06/14 19:27 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#784 [紗奈]
大きな喧嘩はしなかった。

それは宏樹が大人だからなんだろうね。



うちはガキで、本当に宏樹を困らせてたと思う。




夏休みになって、うちは地元に帰る。


そして、お墓参りに行き、曜に気持ちを伝える。

⏰:09/06/14 19:34 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#785 [紗奈]
.


うちはあえて地元に就職した。

就職先は親戚が経営する会社。

まあコネってやつなんだけど。笑


宏樹も納得してくれてた。


だけどそれからすれ違うようになったんよね。

⏰:09/06/14 23:46 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#786 [紗奈]
冬休み前のことやった。

うちは最初宏樹んとこに行く予定やったんやけど、美弥子が妊娠したとかゆー話を聞いて、やっぱ地元に帰りたくなって地元に帰ることを優先した。

年越しを宏樹の実家でするって話になっとったから宏樹はキレた。

お前なに考えとんや?って。

宏樹の両親との初顔合わせだったからなおさら。

⏰:09/06/14 23:55 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#787 [紗奈]
そりゃあそうやよな。

‥全てうちのわがまま。

ほんま申し訳ないんやけど‥



うちはそれよりも美弥子に会いたかった。

美弥子はそんなこと望んでないやろうけどね。

⏰:09/06/15 00:10 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#788 [紗奈]
宏樹はキレたまんまやったけど、お構いなしに地元に帰った。


元気で幸せそうな美弥子を見て、うちも幸せになった。


男の子かな〜?女の子かな〜?

名前どーするー?


とか、まだまだ生まれて来んのに、そんな話ばっかしてた。

⏰:09/06/15 00:14 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#789 [紗奈]
冬休みが明けてからなんとなく宏樹と気まずくなって‥

大阪に行くこともなくなった。



このままやったら絶対別れる‥

そう思ってた矢先、宏樹に振られた。


寂しくはなかった。

仕方ないことなんだと‥。



うちはそのまま卒業し、地元に帰った。

⏰:09/06/15 00:26 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#790 [紗奈]
凌斗と美弥子んちの近くに家を借りてそこに住むことにした。

引っ越しには2人とも手伝いに来てくれて、わいわいはなしながら部屋を綺麗にした。



2人には宏樹と別れたことは言った。

馬鹿って言われて怒られたけどね。


22歳で別れて、正直もういーやって思ったね。

⏰:09/06/15 00:31 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#791 [紗奈]
それからうちは社会人になった。

職場は年齢層が若くて、人数も少なかったためすぐにみんなと仲良くなれた。

めっちゃ人に恵まれた良い職場だったと思う。



その中でも一番仲良くなったのが成美さん。

成美さんは2個上の超美人な人。

何でも親身に聞いてくれたし、ほんまに姉さんって感じだった。

⏰:09/06/17 00:59 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#792 [紗奈]
仕事にも慣れてきた頃

「紗奈ー!飲み行こ!」

「いーっすね。行きましょ」

「あ、うちの彼氏とその友達もおるんやけどいける?」


そーゆーことかい。笑


「いーですよ」


ってことで行くことになった。

⏰:09/06/17 03:25 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#793 [紗奈]
職場の近くの居酒屋。

ついてちょっとしてから成美さんの彼氏とその友達が来た。


「これが彼氏の渉(わたる)」

「よろしくねー。で、こっちが駿(しゅん)」






これがうちと駿ちゃんの出会いやった。

⏰:09/06/17 03:53 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#794 [紗奈]
駿ちゃんは格好良かった。

なんか女がほっとかんような感じ。


笑った顔とか超可愛くて、尻尾振って付いてくる子犬みたいやった。


でも別にこのときは何も思ってなかった。


可愛い奴やなあってくらい。

⏰:09/06/17 04:02 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#795 [紗奈]
その日を境に駿ちゃんと頻繁に遊ぶようになった。

仕事終わって会ったり、休みの日に買い物連れて行ってもらったり。


それから徐々に惹かれていった。

優しいし可愛いし大人やし‥ほんまやばい。


成美さんに、駿ちゃんは紗奈のこと好きみたいなニュアンスのことを言われた。

正直嬉しかったけど複雑だった。

⏰:09/06/17 04:10 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#796 [紗奈]
お盆が近付くにつれて、駿ちゃんと会いたくないと思うようになった。


駿ちゃんを傷つけたくない。

駿ちゃんとおれば絶対に駿ちゃんを傷付ける。



駿ちゃんは曜の存在を知らないから。

⏰:09/06/17 04:13 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#797 [紗奈]
8月に入ってから、うちは完全に駿ちゃんと遊ばなくなった。

駿ちゃんの誘い全部断ってた。

成美さんには色々聞かれたし色々言われたけど、何も言えなかった。

⏰:09/06/17 04:17 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#798 [紗奈]
うちは美弥子に相談した。

美弥子は、


「駿ちゃんって人にちゃんと話すべきやよ。もし紗奈が逆の立場だったらどう思うん?なんも事情知らんのに離れて行かれたら辛いやろ?」


って言った。



でも、話したくないんやもん。

駿ちゃんを巻き込みたくなかった‥

⏰:09/06/17 04:21 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#799 [紗奈]
毎回どの彼氏にせよ、結局はみんなを傷付けて、うちのわがままで別れる。

たくさんの愛をもらっても愛で返せない。

一番愛した曜にさえも中途半端で‥本当に大切だと気付いた後にはもう曜はいなかった。


駿ちゃんと一緒にいたいと思ったけど、駿ちゃんは良い人すぎる。


駿ちゃんにはもっと良い人がいるって。

⏰:09/06/17 11:05 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#800 [紗奈]
お盆に、佳基さんとお墓参りに行った。


お盆が明けてから、成美さんに誘われて遊びに行くことになった。

仕事終わり、成美さんの車に乗り込む。



車を走らせて辿り着いたところは一軒のアパート。


チャイムを鳴らして入ると



そこには駿ちゃんの姿。

⏰:09/06/18 22:45 📱:D905i 🆔:☆☆☆


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