うまく言えない
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#1 [サな]
うまく言えないけど

溢れてくる

この声もこの涙も

君を想えば

⏰:08/12/04 09:44 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#2 [サな]
曜<よう>と出会うまで

適当なことばっかりしてきた。

曜に沢山教えられたよ。

うまく言えないけど‥

愛してる。

⏰:08/12/04 09:55 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#3 [サな]
曜と出会う何年も前の話。


うちは市内で一番

悪くて有名な中学に入学した。

それがきっかけで

すべてが変わったんだと思う。

⏰:08/12/04 09:58 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#4 [サな]
どうせみんなこんなもんだろ。

って思って化粧して

髪を染めてピアスを開けた。

スカートも切って短くして

それで入学式に臨んだ。

⏰:08/12/04 10:01 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#5 [サな]
なのに皆案外真面目だった。

髪は黒いしスカート長いし。

うちが一番目立ってたみたいで

すごい目で見られたし

先生に呼ばれて職員室で

黒スプレーをかけられた。

⏰:08/12/04 13:05 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#6 [サな]
入学式が終わって教室へ行くと

女の子が1人近づいてきた。

「髪染めとった子やろー!?
スプレーされとるしまじうける!
うち夢<ゆめ>っていうんよー。
よろしくなあー!名前なんて言うん?」

黒髪だけど顔立ちがギャルっぽくて

テンション高いしおもしろそうだし

気が合うなって思った。

⏰:08/12/04 13:13 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#7 [サな]
「うちは紗奈ってゆーよ!
夢は染めてないん?」

「染めとるけどスプレーよ。
普通に入学式くらいは
真面目にしてくるってー!
さなのこと絶対ばかやろ
って思ったもん」

「超失礼じゃんー!」


そんなこんなで

夢とは一番仲良くなった。

毎日バカして遊んだ。

⏰:08/12/04 13:18 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#8 [サな]
徐々に髪染めてる人も増えてきた。

入学して1ヵ月もすぎると、

うちと夢は先輩たちも含め

沢山の友達ができて

連むようになった。

同じクラスの七瀬(男)は

学年全体の頭みたいな感じで

うちはその七瀬とかなり仲良かった。

⏰:08/12/04 13:23 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#9 [サな]
七瀬は格好いい。

喧嘩強いしキレたら怖い。

中学生のうちには

それがすごいことだった。

毎日毎日喧嘩して

「また喧嘩したーん?」

っていうのがしょっちゅうだった。

⏰:08/12/04 13:27 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#10 [サな]
夏休みに入ってから

ある日の夜中携帯が鳴った。

着信は七瀬。

「どしたん?」

「今からキリン公園来て」

「なんでー」

「いいから来い」

「わかったわかった」

⏰:08/12/04 13:54 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#11 [サな]
キリン公園は学校近くの公園で

みんな溜まってるんだろー

と思いながら行った。

でも誰もいなかった。

呼び出したはずの七瀬もいない。

ブランコに座ってぷらぷらしてると

七瀬が来た。

⏰:08/12/04 13:57 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#12 [サな]
「七瀬遅ーっ」

「ごめんごめん」

「何の用?」

「特に用はない」

「なにそれー眠いのに来たのに」

「ごめんごめん嘘」

「嘘かよ」

⏰:08/12/04 14:03 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#13 [サな]
「俺紗奈が好き。
付き合って?」


いきなりすぎてびっくりした。

は?七瀬がうちを好きって?


「うち七瀬のこと
そーゆー目で見てない。」

「今から見て。別に今
好きじゃなくても良いし
付き合っとるうちに
好きになってくれたらいい」

⏰:08/12/04 14:06 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#14 [サな]
「いいよ。うん」

OKしてしまった。

「‥まじで?ありがとう!!」

七瀬は抱きついてきた。

「落ちる落ちる!」←ブランコから

「じゃああっち行こ」

引っ張られてすべり台の

真ん中に開いてる穴に入った。

⏰:08/12/04 14:09 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#15 [サな]
七瀬は抱きつきながら言った。

「俺、入学式んときに紗奈みて
一目惚れしたんよ。
まじ今嬉しいし大事にする。」




中1の夏


初めての彼氏ができた。

⏰:08/12/04 14:11 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#16 [サな]
七瀬はうちを大事にしてくれた。

まあ最初だけだったけど。


うちは、七瀬の彼女ってだけで

一目置かれた存在になった。


喧嘩しながらもずるずる続いて

中2になるころ、初めてHした。

⏰:08/12/04 22:05 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#17 [サな]
それから七瀬は変わった。

いっつもHしたがった。

断ると殴ってくる。

浮気もするようになったし

七瀬のことを信用できなくなった。

⏰:08/12/04 22:08 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#18 [サな]
「七瀬、別れようや?」

付き合って1年たとうとする頃、

我慢しきれなくてうちは言った。

「は?無理」

「じゃあ何で浮気するん?
何で会ったら毎回
ヤらんといけんのん?
うちは七瀬の何なん?」

「じゃあお前も浮気すれば?
俺の一番は紗奈に変わりないし
別れる気無いけど
何だかんだで遊びたいじゃん?」

馬鹿だと思った。

⏰:08/12/04 22:12 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#19 [サな]
「いやいや、七瀬にとって彼女ってなんなんよ?馬鹿じゃないん?そんなら別れればいいじゃん」

「だーかーら、俺の一番は紗奈なわけ。浮気しても一番は紗奈」

「じゃあなんでうちだけじゃだめなん」

「ダメなわけじゃないけど寄ってくるし断る理由とかなくない?」

「彼女おるならそれが断る理由じゃん」

「そーか?」


話にならない。
ほっとこうと思った。

⏰:08/12/04 22:15 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#20 [サな]
それを夢に言うと

「七瀬はそーゆーやつだって。ま、紗奈が浮気すれば平等なんじゃん?」


…そういう問題か?

「ま、男紹介したるし今日ついておいで」


夢は結構顔が広い。
まあいいか。と思ってついて行くことにした。

⏰:08/12/04 22:18 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#21 [サな]
放課後夢に付いていくと

ヤンキーチックな男が何人かいた。
隣の学校の奴ら。

「この子紗奈ね。よろしくしたって」

「紗奈ってもしかして前岡紗奈?」

「うん。前岡紗奈よ」

「お前七瀬の女やろ?」

「七瀬?別れたし」


浮気の第一歩。

⏰:08/12/04 22:24 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#22 [サな]
「は?まじでー?」

「まじまじ。付き合っとられんもん」

「じゃあアド交換しよー」

「えーよえーよ」


そのアドを交換した男は悠真<ゆうま>。


金に近い髪に整った顔立ち。

少し七瀬に似てたかな。

⏰:08/12/04 22:28 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#23 [サな]
悠真にアドを教えた日から

悠真から紹介がよく来るようになった。

その悠真からの友達からも紹介がきて

男のアドは七瀬だけだったのが

あっと言う間に30人を超した。

その中の何人とも遊んだ。

世で言うヤリマンかな。

でも別に何も思わなかった。

だって自分の体だし

他の人にどーとか言われてもねw

⏰:08/12/04 22:34 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#24 [サな]
そのときは何も思ってなかったけど

後悔する日が来ることになる。


まだまだ先の話ではあるけど。

⏰:08/12/04 22:36 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#25 [サな]
そんな感じでずるずる続いて

あっという間に3年の後半。

七瀬と付き合って2年過ぎた。


七瀬は高校受験すらせず

現場職に就くと言った。

うちは隣の市の高校に行くことになった。

⏰:08/12/05 00:35 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#26 [サな]
バカで誰でも入れるような高校。

でも高校は出ておきたいし

そこに通うことになった。

七瀬とは、けじめつけよう

ってことで、卒業式の日に別れた。

七瀬がいなくなったらいなくなったで

寂しいと思う自分がいた。

なんだかんだで好きだったんだよね。

⏰:08/12/05 00:38 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#27 [サな]
高校に入ってから

イメチェンしようと思って

髪を黒くしてストレートにして

メイクも変えた。

ギャルって雰囲気だったけど

清楚っぽくしてみた。

隣の市だから中学一緒の人が

少ししかいなかったんだけど

その人たちはびっくりしてた。

⏰:08/12/05 00:42 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#28 [サな]
でも、世の中うまくいかないもんで

同じクラスに悠真がいた。

「紗奈!?」

「うわ、悠真じゃん」

「何その格好」

「ん?イメチェン笑」

「似合わねー!笑」

⏰:08/12/05 00:44 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#29 [サな]
ほっといてくれって思いながら

自分の席に着いた。

「ねえ、あの人と知り合い?」

隣にいた金髪のねーちゃんに

話しかけられた。

「うん。まあ」

「中学一緒とか?何中?」

「うちは2中で悠真は3中」

「まじかあ!M市よね?」

⏰:08/12/05 00:48 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#30 [サな]
「うん。M市。てか名前は?」

「うちは志乃!K中よー。名前は?」

「紗奈。よろしくね」


そんなことを話ながらHRが終わった。


「ねぇ紗奈、思い出したけど、紗奈って七瀬君の彼女?」


うわ…最悪

⏰:08/12/05 00:51 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#31 [サな]
「まあもう別れたけどね」

「別れたん!?てかやっぱ七瀬君と付き合っとったんよなあ!?うち紗奈のことみたことあるよ!よくM駅におらんかった?てかイメージ変わったよなあ?」

「うん。M駅溜まり場みたいなもんだったし。七瀬と別れたしせっかくやしイメチェンしてみた笑」

「まじかー!ま、仲良くしてなあ」

この志乃との出会いで、うちは曜が出会うことになる。でもまだまだ先。

⏰:08/12/05 00:57 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#32 [サな]
学校の校舎は2階建てが5つある。

123 45
┃┃┃ ┃┃
┃┃┃ ┃┃

配置はこんな感じで

第1校舎が学年ごとで頭良い人が集まったクラスの校舎。

第2校舎が3年
第3校舎が2年
第4校舎が1年
第5校舎が特別校舎。

1年だけ離れた位置に校舎があった。

⏰:08/12/05 09:23 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#33 [(゚3゚)]
ゆず好きなんですか?(´∀`)

⏰:08/12/05 12:14 📱:D903i 🆔:anePv8KE


#34 [サな]
ゆず好きですよ(^^)/

⏰:08/12/05 12:32 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#35 [サな]
第3校舎と第4校舎の間には中庭があって、昼休みに先輩達は中庭に1年を見に来た。

うちと志乃は中庭で昼ご飯を食べていたから、よく先輩に声をかけられた。

「彼氏おるん?」

「アド教えてやー」

「ちょっと話そーっ」

そんな下手なナンパ師みたいな先輩達。

まあ別に悪い気はしないし

適当に話したりしてた。

⏰:08/12/05 12:39 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#36 [(゚3゚)]
私も大好きです(^O^)
更新頑張ってください♪

⏰:08/12/05 12:45 📱:D903i 🆔:anePv8KE


#37 [サな]
その中の龍<りゅう>先輩は3年で、

うちのタイプでもあった。

その龍先輩の周りには必ず

サッカー部の春樹<はるき>先輩と

野球部の政弘<まさひろ>先輩がいた。

志乃は春樹先輩を気に入ったらしい。

うちと志乃は毎日昼休みになるまで

龍先輩と春樹先輩の話ばっかりだった。

⏰:08/12/05 12:46 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#38 [サな]
ゆずいいですよね♪
頑張ります☆

⏰:08/12/05 12:47 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#39 [サな]
なんか久しぶりに恋をした気分だった。

中学はずっと七瀬か遊びの男だったし。


ちょっと自惚れだとは思うけど、龍先輩はうちのこと気に入ってくれてるみたいだし、何もかもが順調だった。

⏰:08/12/05 12:52 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#40 [サな]
「今度の休み遊び行こうや?」

龍先輩が行ってきた。

「行く!行きたい!」


その週の土曜日、初めて学校の外で会うことになった。

⏰:08/12/05 16:21 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#41 [サな]
行ってきた×
言ってきた○

⏰:08/12/05 16:22 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#42 [サな]
次の日、早起きして化粧や服に気合いを入れた。

《準備できたよ!》

うちがメールを送ると

《M駅まで来とるから出てきて》


もうM駅おるんか!

ってことで急いで駅に向かった。

⏰:08/12/05 16:26 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#43 [サな]
私服の龍先輩は大人びて見えた。

「雰囲気違うねえ」

「こっちの台詞ー」

なんて話しながらその辺を歩き始めた。

でも嫌だったことがある。

うちの地元だから

しょっちゅう声をかけられること。

⏰:08/12/06 00:37 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#44 [サな]
七瀬のせいで顔が広くなってしまったおかげで

大してはなしたこと無い人にまで呼ばれる。

「紗奈イメチェン!?まじ違う!」

とか言われるし、高校デビューした子みたいに思われてるんじゃないかとか不安にもなった。

龍先輩はヤンキーってよりも、爽やかイケメンみたいな感じ。

うちの周りとは少し違うタイプだった。

⏰:08/12/06 00:43 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#45 [サな]
「紗奈友達多いねー」

「大した友達じゃないよ」

「でも有名人みたいじゃん」

「うちが有名人なんじゃなくて元彼が顔広いだけだって」

「紗奈の元彼ヤンキー?」

「ヤンキー…かなぁ?どーかな」

「てか紗奈中学んときってどんな感じだったん?みんな変わったって言いよるけど」

「いや、まあいいじゃん」

⏰:08/12/06 00:47 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#46 [サな]
何か過去を知られたくなかった。

七瀬のことは好きだったけど、七瀬と付き合ってた事実を知られたくなかった。


日が暮れてきた頃、龍先輩が言った。

「紗奈、俺と付き合ってくれん?」

「えっ何いきなり」

「紗奈のこと好きなんよ」


びっくりしたけどうちはOKした。
高校生活初めての彼氏が龍。

⏰:08/12/06 00:53 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#47 [サな]
志乃に報告すると、凄い喜んでくれた。

「幸せになりーよ!」

って、自分のことのように喜んでくれた。


その1週間後くらいに、志乃と春樹先輩が付き合うことになった。

⏰:08/12/06 00:56 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#48 [サな]
龍との付き合いは順調だった。

順調だったのに。







うちのせい?


七瀬のせい?

⏰:08/12/06 00:58 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#49 [サな]
龍と付き合って2ヵ月くらいのとき悠真が話しかけてきた。

「紗奈が龍先輩と付き合っとんの七瀬知ってしもーたど?」


え、で?だから何?

七瀬とは別れたのに関係ないじゃん。


「七瀬が知ったところで関係なくね?」

「いや、キレとった」


…はあ?

⏰:08/12/06 01:04 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#50 [サな]
「今、龍先輩のこと探しよるみたいで。龍先輩に言うたほうがええで。あいつ何するかわからん。」


うちはすぐに龍に電話をかけた。

「龍、今どこおる!?」

「普通に教室」

「中庭来て!」


うちの過去のせいで龍に迷惑がかかる…。
苦しくて仕方なかった。

⏰:08/12/06 01:08 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#51 [サな]
すぐに龍は来た。
何て言って良いかわからなくて、しばらく沈黙が続いた。

「どした?なんかあったんやろ?」

心配そうに覗き込む龍。
龍を傷つけたくないと思った。

「龍…うちとおったらいけん。うちと離れた方がいい。ごめん、別れよう」

涙をこらえながら言った。

涙を流せば龍に心配かけてしまうと思ったから。

⏰:08/12/06 01:13 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#52 [サな]
「何で?何かあったんやろ?俺、何かした?」

「違うよ、龍が悪いんじゃない。うちが全部悪い…。ごめん龍。」

「理由話せん?俺納得せんよ?」

「うちとおったら龍が傷付く。それだけ」

「傷つくかなんかわからんやん。」

「わかるよ。心が傷付くとかだけじゃない。龍、絶対怪我するよ。軽い怪我じゃ済まん。入院せんといけんくなるかもしれん。そんな龍見たくない…。」

⏰:08/12/06 01:20 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#53 [サな]
「そんなことだけ言われて納得するわけないやん。ちゃんと説明しろや!?」

話して納得してもらえるなら話した方がいいと思った。

そして過去を話した。
3年近く七瀬と付き合っていたこと。
七瀬という人間のこと。

このまま龍と付き合っていれば必ず七瀬が殴り込みに来るということ。

自分が過去どんな人だったかも。

⏰:08/12/06 01:25 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#54 [サな]
「やから龍とは付き合えん」

「俺と別れて解決するならそれでいいよ」



多分龍はうちに幻滅したんだろう。

話した後はやけにあっさり別れを承諾してくれた。

⏰:08/12/06 01:27 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#55 [サな]
七瀬は何がしたいんだろう?

お互い納得して別れたはずなのに。



その日の放課後電車で駅まで帰ると、七瀬とその連れが溜まっていた。

「おう!紗奈、彼氏はどーしたぁ?」

七瀬が馬鹿にしてくるように言った。

「あんたの望み通り別れてやったわ」

⏰:08/12/06 15:38 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#56 [サな]
「まじでー!?手間が省けたわぁ」

「何なんあんた?何がしたいん?」

「紗奈ぁ、寄りもどそー?」

「は?無理」

「まあ無理っつーならやることは1つやけどなぁ」

「そーやってうちに彼氏ができたら潰していく気やろ?アホか。幼稚くさい」

⏰:08/12/06 15:42 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#57 [サな]
「好きな女手に入れるのに手段は選びませーん」

「まじで付き合う気ないよ?」

「別に俺以外の人と付き合っても手回すだけやしいいけどなー」

「お前ほんまうざいな。」

⏰:08/12/06 15:54 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#58 [サな]
家に帰って冷静に考えてみた。

あぁもお恋できんなって思った。

七瀬と付き合った時点で、もうだめだったんだろうなって思った。

自分にはどーすることもできないし、これから先もし誰かを好きになっても付き合えない。

悔しかった。

七瀬となんか付き合わなかったらよかった…って本当に後悔した。

約3年付き合ってきたけど、後悔しかなかった。

⏰:08/12/06 16:08 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#59 [サな]
それからしばらくの月日がたった。

隣のクラスの絵美<えみ>がいきなり教室に入ってきた。

絵美は小柄でギャルっぽい感じ。
七瀬の親友の達也<たつや>と付き合ってる。

達也と七瀬は中学は違うけど元々仲が良かった。

絵美は絶対に七瀬のことで来たんだと直感で思った。

⏰:08/12/06 21:24 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#60 [サな]
「紗奈…!ちょっといい?」

うちは頷いて絵美についていった。

中庭のベンチに座ると、絵美は深刻な顔をして言った。







「達也と七瀬、捕まったよ」

⏰:08/12/07 01:11 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#61 [サな]
別に驚かなかった。

だって、七瀬と達也だし、何しでかしてもおかしくないじゃん?

「何で捕まったん?」

「暴力事件の現行犯…」


絵美が泣きそうな顔をして言った。

あぁ、人を見た目で判断しちゃだめだな。
絵美はそういうのにまだ慣れてないんだ。

⏰:08/12/07 01:15 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#62 [サな]
「まだ初犯だしすぐ出てくるっしょ。」

「そうかな?うち達也が近くにおらんと寂しくて死にそうやし…」

「好きでおってもいいけど、あんま依存せんほうがいいよ。どーせ今回出てきてもまたやらかすやろーし。慣れんと」

「紗奈は七瀬と付き合っとったとき寂しくなかった?七瀬は他の女と遊んだりもしてたんよな?」

「別にな。他の女と遊ばれるのも慣れとったし。正直、純粋な気持ちで七瀬や達也と付き合おうとか、無理だと思うよ。」

⏰:08/12/07 01:21 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#63 [サな]
「…紗奈冷めとるよな。何で?」

「愛とか恋とか、もううちの中からそんなもの消えた。やから興味無いんよ。まあ頑張りや。絵美が達也の本命なら、達也を支えるのは絵美しかおらんのやよ。達也の家庭環境や過去を知っとんなら、絵美がちゃんと支えてやって。留置から出るんも待ってやれるやろ?で、年少行かんようにちゃんと達也を変えてやるくらいの気持ちでおりいや」

「ありがと。…また相談していい?」

うちは返事をせずに教室に戻った。

何が楽しくて絵美の相談にのらんといけんのんかわからんかった。

⏰:08/12/07 01:32 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#64 [サな]
嫌でもどこかで繋がってる七瀬。

縁を切りたかったし、繋がりたくなかった。

ちゃんとした恋愛がしたかったのに、それさえも元彼である七瀬のせいでさせてもらえない。

ここにいる限り、恋愛しても意味がない。

そんなことを考えてるうちに、人に冷たくなっていく自分がいたんだと思う。

⏰:08/12/07 01:37 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#65 [サな]
そんなうちは高2になった。
志乃と同じクラス。

志乃は春樹先輩と別れてフリーだった。


まあ別に2年になったところで、何も変わらないだろうと思っていた。

どうせ七瀬に監視されるし、恋なんかしないって思ってた。

⏰:08/12/07 01:42 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#66 [サな]
夏休みのことだった。

家にいても楽しくないし、ほとんどを志乃んちで過ごしてた。
完全に自分ちみたいな感じ。

志乃の部屋でゴロゴロしてると、夜の12時過ぎた頃に志乃の携帯が鳴った。

「なぁー、知らん番号から電話なんすけどー」

「んー?出てみればいいじゃん」

そう言うと志乃は通話ボタンを押した。

⏰:08/12/07 01:48 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#67 [サな]
受話器ごしに話を聞けば、ちょっと前に志乃が誰かから紹介してもらったブサイク男(出●哲朗似)らしい。

「ちょい横に友達おるから友達と話して」

って言われて電話を渡された。

「もしもしー?」

「もしもしー、じゃあ俺も横におる友達に代わるね」


とか言われて電話を代わられた。

⏰:08/12/07 01:54 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#68 [サな]
「もしーっ」

なんかちょっと酔った感じの声だった。

「もしー?つか誰か知らんけど酔っとるやろ?」

「やー、今飲みよったんやんかー」

「ほーなんかー」

「名前なんてゆーん?」

「名前ー?内緒」

⏰:08/12/07 01:57 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#69 [サな]
「教えてーや!」

「前岡ちゃんですー」

「名字かよ!笑」

「自分名前なんてゆーん?」

「俺ぇ?水野くんです」

「名字かよ!笑」

⏰:08/12/07 02:00 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#70 [サな]
「前岡ちゃん何歳?」

「前岡ちゃんは今年17歳」

「んなら俺とタメやんー」

「まじかー、何高?」

「高校とか普通に行ってないし。つかこの携帯の持ち主はブサイクやけど俺そんなブサイクやないからな!格好いいお兄さんやから!笑」

「自分で言う時点でありえんわー笑」

⏰:08/12/07 02:04 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#71 [サな]
そんなこんなで気付けば1時半。
水野くんのわかったことと言えば、


中卒で現場職。
住みはH市、
今年17歳で自称きもくない 笑
出●哲朗似(19歳)はパシリ。
その日職場の人に怒られた。

そんな感じだった。


まあ眠たいし寝るってことで、お互い電話番号を交換して電話を切った。

⏰:08/12/07 02:14 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#72 [サな]
H市の水野…

聞いたことある。

七瀬の連れだったっけな?

とか思ったけど、考えるのが面倒になってやめた。

まあどうせその辺の奴は七瀬の連れだろうって。

⏰:08/12/07 02:16 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#73 [サな]
そんな電話したことなんか忘れて2週間がたった。

久しぶりに家に帰ってゆっくりしていたときだった。


〜♪〜♪
着信"水野くん"


水野…水野…あぁ、水野!

って感じで思い出して電話に出た。

⏰:08/12/07 20:15 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#74 [サな]
「お前電話してこいやー」

水野くんが言った。

「いやいや、自分がしてこい」

「待っとったのにしてこんし」

「待つくらいならしてこい」

「てか今から遊ぼー」

「はい無理ー」

「うわ。即答かい!ちょっとは悩め」

「すっぴんとスエットとかキモイやん」

⏰:08/12/08 01:45 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#75 [サな]
「大丈夫可愛い可愛い」

「見たこと無いくせに」

「俺の妄想やし」

「妄想すんなきもちわるい笑」

「絶対前岡ちゃんSやろ」

「よく言われるー」

「で、遊ぼー!」

「いや、無理やって」

⏰:08/12/08 01:50 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#76 [サな]
そんなやりとりをしつつ、世間話も交えつつ、なんだかんだで3時間も話してた。

切るタイミングも無いし話がつきるわけでもないし。

どんなタイミングで切ったか忘れたけど、電話切って即行寝た。

⏰:08/12/08 21:32 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#77 [サな]
それから毎日電話が来るようになった。

毎日毎日、遊ぼーって言われた。

毎日毎日、うちは断った。

顔も知らんのに、こいつ誰でもいいんやろうなって思った。


あれだけ電話しても、メールしようなんて話にはならなかった。

⏰:08/12/09 00:27 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#78 [サな]
「いい加減遊べば良いやん」

志乃が呆れるように言った。

「あいつ絶対チャラいし。」

「あんたが言えることやないやん笑」

「失礼な」

「遊んでみるくらいええんやない?前向きにとらえれば顔を気にせん人やってことやろ?」

「もし七瀬の連れやったらどーすん!?」

「大丈夫やって」

⏰:08/12/09 00:31 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#79 [サな]
そんな話をしていると着信。

水野くんだった。

「今回誘われたら絶対遊びーよ。じゃないと家おいだすよ」

志乃に若干脅されつつ電話に出た。

⏰:08/12/09 00:33 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#80 [サな]
「前岡ちゃんおはよう!」

「おはようやないよ笑 もう11時やん(夜の)」

「俺ドラキュラやもん」

「あほ?笑」

「やから遊ぼー」

「何でそっから遊ぼーに繋がるんよ」


志乃に目をやると遊びに行けって合図してた。

⏰:08/12/09 00:36 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#81 [サな]
「遊ぼーってばー」

甘え口調で言ってくる。

「んー、いいよ」

「……まじで!?」

「は、誘っといて何それ!笑」

「やって、いっつも断るやん!まじびっくりしたわ」

「冗談なん?冗談なんやったら遊ばん」

「冗談やないし!今からM駅行く」

⏰:08/12/09 00:39 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#82 [サな]
「ちょー、待て待て!M駅はまずい」

七瀬がおる。絶対におる。

「ならどこ行けばいいよ?」

「M駅から真っ直ぐ歩いていったら防波堤みたいなんあってそのへんにベンチが何個かあるんやけどそこの一番右んとこに来てや」

「おん。わかったー。着きそうになったらまた電話するわあ」

⏰:08/12/09 00:42 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#83 [サな]
H市からM市までは電車で20分。
でももう電車はないはず。
どうやって来る気なんやろ?
チャリとか?笑

って志乃と話しながらうちは準備した。

顔見られたくないからキャップ被ってサングラスかけていざ出発。

志乃の家を出て少ししてから電話が鳴った。

⏰:08/12/09 00:52 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#84 [サな]
「もー着くよ」

「はやっ!まだうち着かんで」

「今どこらおるん?」

「ローソンらへん」

「んならそこおってや、ローソンらへんに今俺もおるし」

「まじ?んならローソンで待っとくわ」

⏰:08/12/09 00:55 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#85 [サな]
うちはローソンに入ってジュース2本買って外に出て座って待った。

しばらくすると…


「おー、家出少女ッ」


髪が短めで金に近い色に髪を染めた男が声をかけてきた。


「誰がや 笑」


すぐに水野くんだってわかった。

⏰:08/12/09 00:58 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#86 [サな]
「初めまして水野くんです!」

ニッコーっと笑った顔が可愛かった。
格好いいってより可愛いって感じ。

「初めまして前岡ちゃんです」


そんな挨拶をしてからうちは水野くんにジュースを渡した。


「うわ、俺こんなことしてもらったの初めて」

「まじ?良い女おらんかったんやね〜」

⏰:08/12/09 01:01 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#87 [サな]
「で?どこ行く」

「別に行くとこないし 笑」

「いっつもどこにおるん?」

「友達んち」

「家出少女やもんなー」

「普通に家帰れますから。てか駅の方向かって歩くのやめてくれるかな?」

「何で?まあ嫌なら反対行くか。」

⏰:08/12/09 01:04 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#88 [サな]
「てかどーやってきたん?」

「先輩の車」

「先輩足に使うなよ!チャリで来るんか思ったし」

「来れるわけないやん!バイクぶっ壊れたし」

「あー、バイクってゆー手があったか」

「どんだけやし笑」

⏰:08/12/09 01:08 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#89 [サな]
それからふらふら歩いてから、本気で行くところがなかった。

「どこ行くよ?」

「ラブホ行く?」

「あーそれ目当て?」

「違う違う!絶対に違う!絶対何もせん自信あるし、俺見た目これやけどめっちゃ一途やし!」

「ほんまかいや」

「ほんまだって!まあ嫌なら他行こう」

「普通に嫌じゃないって言う人のが少ないだろ笑」

⏰:08/12/09 01:12 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#90 [サな]
結局着いたのはマン喫。

ラブホと変わらん気がするけど。

部屋のソファーに座ったら、横に水野くんが座ってきた。

「つかいい加減帽子とサングラスとったら?」

「顔見られたくない」

「いやいや普通にその辺の奴より可愛いやろ」

「妄想やろ?笑」

⏰:08/12/09 01:17 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#91 [サな]
結局無理やり取られた。

「うん。全然OK。可愛いやん」

「はいはいありがとありがと」

「どんだけ適当なん笑」



何か普通に話してるうちに、格好いいなー。いいやつだなーって凄い思った。

水野くんの笑顔にキュンキュンきた。

⏰:08/12/09 01:21 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#92 [サな]
こんな感情久しぶりだった。

ドキドキとか、そういうの。


「てかいい加減名前教えろや」

「えぇ〜…紗奈やけど」

「紗奈か!俺は曜なッ!」




水野 曜…

名前を聞いたとき、ふと過去の記憶が蘇った。

⏰:08/12/09 01:24 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#93 [サな]
誰か読んでくれてますかね?

⏰:08/12/10 00:50 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#94 [サな]
━━━━━中3 夏

「うわ、七瀬どしたあ!?また喧嘩?」

珍しく喧嘩後に怪我をしていた七瀬。
顔が血だらけでぶすっとふてくされてた。

「誰と喧嘩したん?」

「H中の奴。でも頭の奴は手ぇ出して来んかった」

「あんた下っ端にやられたん!?笑」

「普通に相手10人とかおったし俺1人やったしまじ卑怯やん」

⏰:08/12/10 00:56 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#95 [サな]
「そこに喧嘩売っていくあんたのが馬鹿やんね」

「ほんまあいつウザい。いつか絶対ヤったる」

「名前とかわかるん?」







「水野 曜」


━━━━━━━━━━━

⏰:08/12/10 00:58 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#96 [ゆん]
読んでますよ(´ω`)
更新頑張って下さい☆

⏰:08/12/10 00:59 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#97 [サな]
「水野 曜…」

「へ?何?」

「いや、なんでもない」



あの時弱虫だとか言ってた水野曜?

H中の水野曜?

⏰:08/12/10 01:03 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#98 [サな]
ゆんちゃん
ありがとうございます★!

⏰:08/12/10 01:06 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#99 [M I]
見てるよ☆
毎日更新楽しみにしてるし頑張ッて

⏰:08/12/10 01:07 📱:SH906i 🆔:MO4dVSL.


#100 [サな]
ってことは七瀬の連れではないんだ。

七瀬の連れじゃないけど、七瀬とは繋がりがあるんだ…。


「おーい、どした?眠い?」

「んーん、眠くないよ」

「ボケっとしよるやん〜」

「ほんまなんもないし大丈夫」

⏰:08/12/10 01:09 📱:D905i 🆔:☆☆☆


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