うまく言えない
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#120 [サな]
外が見えるところまで行くと、10数人が駅前に溜まっていた。
これだから出るなって言ったんかな?そんなんM駅のほうがもっと大人数で溜まっとるやん。
そう思って突っ立っていたら、そのうちの1人がうちに気付いた。
「こんな時間に何しよんや?」
「別にあんたに関係無いやん」
「強気やね〜。ちょお、俺らと遊ぼうや」
「無理やし。何が楽しくてあんたらと遊ぶん」
:08/12/10 21:09 :D905i :☆☆☆
#121 [サな]
「調子こいとんやないど。お前H市の人間やないやろ」
「うちM市やし」
「俺らM市の人間が一番嫌いなんよな」
「そーなんやあ」
「まあお前1人がどーかなったからゆーて何もならんやろ?」
そう言って男はうちを引っ張って集団の中に連れ込んだ。
:08/12/10 21:12 :D905i :☆☆☆
#122 [サな]
「離せや!嫌や!」
「こいつM市の奴やってさ。うざいし何してもえーよ」
「ふざけんな!!何お前が勝手に決めとんや!!」
そんなやり取りしよったら、一台のバイクが止まった。
「紗奈!お前出るな言うたやろ」
「うちが出たんやなくてひっぱられたんやしっ」
バイクの主は曜だった。
:08/12/10 21:16 :D905i :☆☆☆
#123 [サな]
「うわ、曜さんやん」
「お前ら何しとんや?」
「曜さんの女?」
「お前らに関係無いやろ。ガキがしゃしゃっとんやないぞ」
‥ガキ?ってことはこいつら高1、もしくはそれより下!?
「‥てかもしかしてM市の紗奈ってM市の七瀬の元カノやない?」
1人の男が言った。
:08/12/10 21:22 :D905i :☆☆☆
#124 [サな]
は‥ありえん。何で今言うん‥?
曜に聞かれたやん。今日自分で話そう思っとったのに。
その言葉にみんなシーンとなった。
涙が出てきた。
人づたいに曜に知られた…
うち、どうしたらええ?
気がついたときにはうちは走って逃げていた。
もう無理やと思った。
:08/12/10 21:27 :D905i :☆☆☆
#125 [サな]
ちょっとだけ、ドラマみたいな展開を期待してる自分がいた。
すぐ追いかけてきてくれるって、どこかで期待してた。
でも、1人になりたい自分がいて、携帯の電源を落として、知らない土地をひとりで歩いた。
:08/12/10 21:33 :D905i :☆☆☆
#126 [サな]
公園にある時計を見ると11時過ぎだった。
どうしよう…終電も無くなった。
てか、終電11時ってはやくないか?
田舎じゃないって思ってたけどやっぱり田舎?
そんなことを考えながら、公園を出て再び歩き始めた。
…ここどこだよ。帰り道もわからん。
完全に迷子状態。
でも、歩き続けるしかなかった。
:08/12/10 21:38 :D905i :☆☆☆
#127 [サな]
1時間くらい歩いたかな。
ふと、遠くからバイクの音が聞こえた。
…曜?ってか曜バイク壊れたって言ってなかったっけ。
そんなことを考えていたら、バイクの音はだんだん近づいてくる。
そしてうちの横で止まった。
:08/12/10 21:42 :D905i :☆☆☆
#128 [サな]
「おった!」
それは曜ではなくて、さっきうちの手を引っ張った奴だった。
「曜さん心配しとるで!曜さんとか、あそこにおったみんな紗奈さんのこと捜しとる!」
「うち、曜に合わす顔ないし」
「曜さんはほんまに紗奈さんのことが好きなんやって。さっき七瀬のこと言うた奴、曜さんが殴りやった。曜さん普段絶対に手出さんのに殴りやった。」
:08/12/10 21:50 :D905i :☆☆☆
#129 [サな]
「…今日な、七瀬のことも全部曜に話そう思ってたんよ。曜に嫌われたくなくて、言えんかった。やけど今日先に言われてしまったし。自分の口から言いたかったのに。」
「…とりあえず曜さんに連絡とるわ。ちょ、待っといて」
そいつは曜さんに電話を掛け始めた。
少しして戻ってくると
「バイク乗って。」
と言ってヘルメットを渡してきた。
「彼女専用やったんやけどな」
:08/12/10 21:56 :D905i :☆☆☆
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