うまく言えない
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#332 [サな]
「先輩のシーマ借りてきた。まあ乗り」

「乗らん」

「ならええわ。俺が降りる」

「最初からそーせえ」


真人は車を降りた。

思ったより背がでかかった。

⏰:09/02/02 21:36 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#333 [サな]
「ちょいいろいろ話したいしどっか座ろか」

うちらは海岸沿いを歩いた。

そしてベンチに座った。


「はっきり言う。…俺はポン中や」

「…やっぱそうなんや」

「…嫌いになった?」

「そんなんやないけどさ…」

⏰:09/02/02 21:40 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#334 [サな]
「やめたくてもやめれん。ほんまに依存しとる」

「やめたいとか思ってんの?」

「思っとる。正確に言えば思っとった。やけど無理なんやって…。ほんま気持ち良くて、楽しくてやめれん」

「そんな話し聞きたくないよ。辞める努力だってしてないんやん。薬が悪いことだと思ってないやん。そんな奴やと思ってなかったわ」

⏰:09/02/02 21:44 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#335 [サな]
「紗奈聞いて…」

「何を?言い訳?」

「違う!!!俺紗奈のことが好きやから言えんやった。紗奈に言って嫌われるのが嫌やったんよ!!!やから言えんやったんやん。やけど紗奈が知ってしまったからわざわざ来たんやん!!」

「言い訳しに?」

「違う!!!」

「違くないやろが!お前が言いよることは言い訳以外のなにものでもないわ!」

⏰:09/02/02 21:48 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#336 [サな]
「聞いてや…ごめん紗奈…ごめん聞いて…」

真人は泣きながら喋った。

「俺が薬始めたのは、大失恋して寂しかったからやったんよ…。寂しくて仕方なかった。薬やってる時だけは忘れられた。やけど薬が切れたら今まで以上に寂しくなって、苦しくて仕方なかった。それでまたやるって繰り返しやった。…やけど紗奈と出会ってから薬の量がめっちゃ減ったんよ。薬がキレても紗奈と電話しやったら寂しくなかった。俺、紗奈とおったら薬やめれると思うんよ」

⏰:09/02/02 22:02 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#337 [サな]
なんだこのダメ男は…。

ダメすぎて笑える。

真人がうちといてやめれる?

そんなわけないやん。

馬鹿言うなよ。


「人に頼らんと自分でできんのか?犯罪犯して楽しいか?お前暴走やってしよんのやろ?人様に迷惑かけて何も思わんのか?もうこれ以上警察に世話になる人見たくない。うち、真人が薬やめてちゃんとした人間になるまで会わんから」

⏰:09/02/02 22:06 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#338 [サな]
なんやんやろ。

不良ぶっておもろいんかな?

薬やっておもろいんか?

グラム何万もするもんで…ただの粉で…わざわざ金かけてまで自分を壊す必要ないやん。

何考えとるんか知らんけど、真人みたいな人間、馬鹿としか思えない。

七瀬よりタチが悪い。

⏰:09/02/03 00:20 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#339 [サな]
腹が立って仕方なかった。

それと同時に悔しくて悲しかった。

うちは凌斗の家に行った。

すると美弥子が出てきてそっと抱きしめてくれた。

安心感からか涙があふれ出した。

うちなんだかんだ言って真人のこと好きだったんかもしれん。

このとき初めてそう思った。

⏰:09/02/03 00:25 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#340 [サな]
それから何日かして、また凌斗の家に行く機会があった。

「美弥子が実家に荷物取りに行く言うからついて行ってやってくれん?俺仕事やから」

凌斗にそう言われて、うちは美弥子の運転で美弥子の実家に行くことになった。

美弥子の実家=Y市

そのことはわかってた。

少しの不安と少しの期待があった。

⏰:09/02/03 00:30 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#341 [サな]
車で2時間ちょっとで美弥子の家についた。

美弥子の家は結構駅の近く。

内心ドキドキだったけど、そのとき駅には誰もいなかった。

「荷物取ったし帰ろっか」

美弥子がそう言って車に乗ったときだった。

5人くらいの集団がある家に入って行こうとした。

その中には真人の姿もあった。

⏰:09/02/03 10:49 📱:D905i 🆔:☆☆☆


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