バツイチ子持ちの君へ
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#38 [けん]
次の日、蒼汰と一緒に近くの川で泳いだ。
もちろん蒼汰は浮き輪。
絵美はそんな仲むつまじい風景を、岸辺でカメラに残していた。
すると
「けんちゃん!!蒼汰が・・・!」
その声につられて、ふと後ろを振り向くと・・・蒼汰の姿がなく、浮き輪だけ浮かんでいた。
「蒼汰っ!!」
俺は慌てて潜った。
間一髪だった。
泣きわめく蒼汰。
ゴメンな。俺が目を離したばっかりに怖い思いをさせてしまって・・・
この時、蒼汰を失う事は自分にとっても悲しい出来事だと実感した。
蒼汰は他人の子ではない。
紛れもなく俺の子だ。
:09/06/23 17:08
:F905i
:8Qssq5mI
#39 [けん]
楽しかった思い出ばかりが鮮明に蘇ってくる・・・
こういうのを美化っていうんだろう笑
でも、悪い意味で俺にとって「一生忘れる事はない日」がやって来た。
季節は冬。
仕事中に、突然絵美から電話が掛かってきた。
なんだろう?
:09/06/23 21:38
:F905i
:8Qssq5mI
#40 [けん]
絵美の次の言葉に絶句した。
「また妊娠したみたい」
呆れるといった感じに、笑って絵美は話した。
中絶をしてから、まだ3ヶ月しか経っていない。
それなのに、俺は・・・
絵美には返す言葉が見つからなかった。
「帰ってゆっくり話そう」
そう言って電話を切った。
:09/06/24 14:22
:F905i
:90qVDZ0c
#41 [けん]
家に帰って俺達は話し合った。
絵美の表情は前回と違って何故か明るい。
「私達、ほんまバカやな〜産めるわけないのにまた同じ過ちを繰り返して・・・すぐ手術の予約入れとくね!」
絵美は俺の返事を聞く前に、堕ろす覚悟をしていた。
正直、心の中で(助かった)と思う自分がいた。
:09/06/24 14:27
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#42 [けん]
この時、強がってしまった。
「まだ堕ろすとは言ってないやん。もう少し考えよう。二回目やし、俺も男としての責任があるからさ・・・」
この言葉は絵美に、過大な期待をさせるものになっていた。
そして・・・決断を下せないまま1ヶ月が経とうとしていた。
:09/06/24 15:31
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#43 [けん]
産んでいいの?
絵美がそう言った。
俺は首を横に振った。
落胆する絵美。
当時を思い出して、今ここに書き綴っているが、やっぱりどうしようもない男だと改めて思う。
:09/06/24 22:48
:F905i
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#44 [けん]
なぁ絵美。
俺は今頃になって、あの時産ませてあげれば良かったと後悔しているんだ。
俺達の愛の結晶が、この世にカタチとして残っていれば、2人は離れる事は無かったんじゃないか・・・
いや、離れられなかったんじゃないか・・・
そんなセコい事を思ってしまうんだ。
:09/06/24 22:54
:F905i
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#45 [けん]
2度目の手術の前日ー
俺は仕事の付き合いで飲みに行っていた。
いわゆる忘年会だ。
絵美には電話で
「信じられへん」
と言われた。
それでも飲みに行った俺。
もちろん、傍にいてやりたいと思っていたけど、断るに断れなかった。
自分が幹事だったから。
所詮、言い訳にしかならないよな・・・
:09/06/24 23:00
:F905i
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#46 [けん]
あの時、絵美は
どれだけ寂しかったんだろう。
どれだけ辛かったんだろう。
どれだけ泣きたくなったんだろう。
家に帰ると
「もう終わりやね」
と言われた。
:09/06/24 23:04
:F905i
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#47 [けん]
初めて絵美の前で涙を流した。
別れる事に対してじゃない。
何もしてやれなかった
自分に情けなくて泣いた。
あの時流した涙は一生忘れる事はない。
:09/06/24 23:07
:F905i
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