俺と幼なじみ２

『ふーん･･･お前浮気しとるやろ？』
『は･･･？は？しとるわけないやん。』
『じゃあ携帯見せてよ。』

無理矢理取ろうとしたんやけど手を叩かれたもんで取れんかった。

『･･･請求書くる時に明細も取っていい？明細書取ったらどこに電話しとるとか分かるやろ？それ俺調べていい？』

『そんなんしんくていいし！何も疑う事ないし･･･』

『じゃあ携帯見せてよ？』

『･･･嫌･･･』

『嫌なんや･･･無理なんや･･･？』
『うん･･･』
『お前さ、ここが何処か分かる？』
『分かるよ？何で？』

悪いと思った。
悪いと思ったけど、冬の寒い時期に未知を車から降ろした。

『悪いけど１人で帰って。金渡すでタクシーで帰ってこいよ。』

俺は本当に未知に金を渡してそのまま車で帰った。
俺って最低やと思ったけど、未知に頭を冷やしてほしかったから。

車を出した後はすぐに未知から電話が掛かってきた。
３回くらい掛かってきただけで、後は一切連絡がなかった。
家で未知の帰りを待っとったら夜中に帰ってきた。
遊びに行っとって友達に送ってきてもらったと言いやがった･･･
置いてった俺に対して怒るわけでもなく、むしろ、遊べたからありがとうみたいな感じやった。

なんかその時、俺ってなんの為に仕事をしとるんやろと思った。
家族の為と生活の為に仕事しとるし、仕事が楽しいでずっと長続き出来とる。
やけどなんや？
未知が毎日毎日遊ぶ金は俺の給料から出とるやん。
何に使っとるんか知らんけど、俺からしてみればすげー嫌やわ。

女は子育て男は仕事。

そんな風には思わんけど、今の未知はただ俺に働いて金稼いでこいって言っとる感じじゃないの？

未知が何を考えとるんかさっぱり分からへんかった。

俺も分かろうとしてなかったんかもな。

今の未知はきっと遊びたいばっかりやろうから、何言っても無駄やと思っとったんかもしれん。

俺が何かガツンと言ったら、何か変わったかもしれんのにな────

大晦日の日はさすがに未知も家におった。

やけど携帯触ってばっかりであまり会話がなかった。

ちびがおるから会話があるってだけで、俺と未知だけの会話ってのはなかった。

そんな俺等を見た母ちゃんが･･･

『アンタ達明日２人で初詣行ってきなよ。』

と言い出した。

『２人でゆっくりしてきなよ。子供等面倒見とくから。』

そう言った。
未知は返事もせんかった。

『未知･･･どうする？』

『どっちでも。』