俺と幼なじみ２

『マジなんや･･･？』
『はい･･･』
『何でそんなんするん？俺の嫁って分かっとるやろ？』
『分かってます･･･』
『だったら何でそんなんするんじゃ！』
『すいません･･･』

『謝って済むと思っとんの？お前俺等の仲をどうしたいんや？未知とヤってお前は一体何がしたいん？』
『･･･』
『俺と未知が離婚したらお前のせいやぞ。俺はお前から慰謝料取ったり出来るんやからな。』
『はい･･･』
『はいってお前なめとんのか？』
『そんなんじゃないです！』

『殴っていいか？』
『はい･･･』

殴っていいかと聞いた時、俺は昔の事を思い出した。
あれは確か、未知と裕樹が付き合っとるって知っときながら、俺は裕樹に未知が好きって伝えた時やったな･･･

その当時の事が俺と裕樹が逆になっただけか･･･
すげー殴りたかった。
けど殴った所ですっきりせんと思った。
浮気された事実は、これから先もずっと、俺に着いて回るんやからな･･･

『お前が昔俺に言った事覚えとる？』
『･･･何ですか？』
『それと俺は同じ気持ちやわ。』
『･･･』
『すげー腹立つしボコボコにしてやりたいけど、俺はお前の事大事な後輩やって思っとる･･･やからそんな事したくねぇわ･･･！』

『･･･』
『やけど何で未知なん？もっと他におるやろ･･･何で未知なんやて･･･』
『すいません･･･』

普通、嫁と連れが浮気をしとったら怒り狂うもんなんやろうか？

そんな気力もなかった。
ただ悲しくてさ･･･
必死で涙を堪えるだけやった。

『お前未知の事どう思っとんの？好きとか嫌いとか普通とかあるやろ。』
『･･･』
『答えろて。』
『･･･別に、何も･･･』

『･･･はぁ？』
『遼さんの前でこんな事言うのかなり失礼って分かってますけど･･･ただ･･･ヤれればいいかなって･･･』
『は？』
『未知も言ってました。遼さんは、私の事信じとるから黙っとればバレへんよって･･･』

『は？だからヤっとったんか？』
『はい･･･』
『セフレみたいな感じやったんか？』
『･･･はい･･･』

“はい”の言葉を聞いて俺はプチっとキレた。

酒も入っとるしキレて何言っとったか覚えてないけど、怒鳴ったりして店員に外に出されてまった。
車のとこで裕樹の首掴んでずっと突っ掛かっとったけど、裕樹はずっと謝っとるだけやった。
謝るくらいならすんなよ。

俺が惨めなだけやん。