俺と幼なじみ２

なんかその時、俺ってなんの為に仕事をしとるんやろと思った。
家族の為と生活の為に仕事しとるし、仕事が楽しいでずっと長続き出来とる。
やけどなんや？
未知が毎日毎日遊ぶ金は俺の給料から出とるやん。
何に使っとるんか知らんけど、俺からしてみればすげー嫌やわ。

女は子育て男は仕事。

そんな風には思わんけど、今の未知はただ俺に働いて金稼いでこいって言っとる感じじゃないの？

未知が何を考えとるんかさっぱり分からへんかった。

俺も分かろうとしてなかったんかもな。

今の未知はきっと遊びたいばっかりやろうから、何言っても無駄やと思っとったんかもしれん。

俺が何かガツンと言ったら、何か変わったかもしれんのにな────

大晦日の日はさすがに未知も家におった。

やけど携帯触ってばっかりであまり会話がなかった。

ちびがおるから会話があるってだけで、俺と未知だけの会話ってのはなかった。

そんな俺等を見た母ちゃんが･･･

『アンタ達明日２人で初詣行ってきなよ。』

と言い出した。

『２人でゆっくりしてきなよ。子供等面倒見とくから。』

そう言った。
未知は返事もせんかった。

『未知･･･どうする？』

『どっちでも。』

本当、可愛くない言い方するわコイツは。

やけど未知とちゃんと話をしたかったし、ちびを預けて１日の日に２人で出掛けた。

元旦の日やからさすがに車が多かったもんで近所の神社まで歩いて行ってオミクジを引いた。

未知は大吉引いて喜んどったけど、俺は末吉と意外と普通(笑)
普通にお参りしてから家に帰って車に乗ってドライブに出掛けた。
未知は相変わらず携帯を触ってばっかりやった。
本当は色々聞きたいけど、聞いたらどうせ喧嘩になるやろうから聞けへんかった。
やけど･･･

『あのさぁ、俺、お前が浮気しとったら離婚するつもりやから。』

そう言って少し脅した。

『ふーん･･･』

ふーんて･･･
嫌がってはくれんの？
それだけで反応が終わってまった。

何で未知はこんな風になってまった？
小さい時の未知は可愛かったのに。
中学生の未知は純粋やったのに･･･
何が未知をこうさせた？
俺と結婚して子供が出来たからこうなったん？

未知にとって俺は、もう必要ないんかな────

年が明けてからは未知は家におる回数が増えたけど、俺等の間に会話はなかった。

話し掛けても短文で終わってまう。

未知が俺を癒してくれへんから、俺はちび達に癒してもらうしかないやんな。

koai.117net.net/..

気にするな

主ｻﾝ頑張ってくださいね

恵美
ありがとな

そしてある日、母ちゃんにマックを頼まれたもんで買いに行っとったら･･･

玲子に会った。
かなり久しぶりやった。

『嘘ー！久しぶり！』
『おー、久しぶりやな。』

あれからあまり連絡はなくてお互い何をしてるか知らない状況だった。

『噂で聞いたけど、本当にパパになったの？』
『なったわー。』

玲子は娘を連れとった。

『玲子そっくりやん。』
『やろ？性格悪そうな顔しとるやろ。』
『本当やな。』
『失礼やなぁー！』

お互いに久々に会ったのにも関わらず普通に話せた。
久しぶりやったから、普通に話せたんかもしれんな。

『未知ちゃんとうまくいってるん？』
『んー･･･どうやろ･･･普通･･･』
『そっか。』
『玲子は？彼氏作らんの？』
『彼氏なんていらーん！ちびがおってくれればいい！けど、欲しいって思う時もあるけどね。』
『そっか。』

玲子も玲子なりにシングルマザーで頑張っとるみたいやった。
年取ってくにつれて玲子は本当に綺麗になるし、すげーなと思った。

『また連絡するね。』

玲子にそう言われ、その場でバイバイした。

玲子と話をしとって思ったんやけど、ちゃんと家族がおる俺よりも玲子の方が幸せな生活しとると思った。

玲子はちゃんと笑って話してくれたもんな。

玲子の顔を見ると羨ましくなってまったわ。

春くらいには未知の遊びが減って家におるようになった。

やけど･･･

なんか俺の心は晴れん。

下のちびはまだ人見知りをしんもんで、いつもいなかった未知を見ても泣いたりはせんかったな。

それ見てなんか悔しかったわ(笑)

誰がいつも夜ミルクあげとんねんって思った(笑)

まぁ何思ったって仕方ないんやけどな。

上のちびは未知がおってすげー楽しそうにしとる。

それを見とる俺もなんか楽しかった。

ずっとこんな風になっとればいいのにな。
昼間は俺は仕事やから仕方ないけど、帰ってきたら家族４人で笑いながら毎日を過ごしたいわ。
それは本気で思う。

春が過ぎて夏になった。
夏の外仕事は本当にきつい。
仕事が終わって帰ったら、なんか疲れが一気にくるみたいな感じやった。

休みの日は昼まで寝るって事が多かった。

やけどお盆休みもあるし夏やし、楽しもうと思っとった。

けど･･･

未知はやっぱり浮気をしとった────

がちょーん(ToT)

未知ちゃん、ひどい

最低やん

あたしもそうだけど
ここに書かないで

みにくいです

主さんすみません

感想板の方に返すわな

主さん、自分しか書き込めないようにオーダー設定してはどうですか？

匿名
そうした方が読みやすいわな

オーダーするわ

俺しか書けんようにしたで、これからは感想板の方に書いてな

すいません

７月中旬くらいやったかな。
珍しく玲子から電話が掛かってきた。
仕事の休憩中に掛かってきたもんで普通に出た。
そしたらいきなり

『大事な話があるで会いたい。』

とか言い出してきた。

大事な話って聞いた時、実は本当は俺の子って事を言われるんかと思って怖かった(笑)
やけど全然違った。

『大事な話って何？電話じゃあかんの？』
『電話やと話せんから、直接話したい。』

俺はますます玲子に不思議さを抱いた。
大事な話ってなんやろう。
まさか未知の事なんて思ってなかったでな･･･

『取り合えず早い方がいいで、いつ会える？今日なら今日がいい。』

って事で仕事が終わってから玲子に会った。

『話って何？』

『話か･･･遼を目の前にすると言いにくいな･･･』

『なんやて？』

『これからの･･･遼の人生にもしかしたら関わる事かもしれん･･･』

ますます気になってまった。

『もったいぶらずに早く言えよ。』

そして次の瞬間、玲子の口から信じれん言葉を聞いた。

『未知ちゃん･･･

裕樹と浮気しとるよ。』

それを聞いて正直“嘘”やと思った。
未知が裕樹となんて、ありえんわ。

『はぁ？嘘ばっかりやろ。』
『何で嘘って分かるん？』
『じゃあ何でマジやって分かるん？』

『それは本当にとは言えんけど･･･秋子おるやんね？』

秋子とは玲子の連れで、俺もよく知っとるしわりと仲いい奴。

『秋子ラブホで働いとるんやけど、ラブホって監視カメラあるやん？普通に２人が入ってくるの何回も見たってさ･･･』

『･･･』

たかがラブホの監視カメラだけで何を言っとんの？
どんだけそのカメラが映るか知らんけど、そんな明確に映るもんなんかて？

『あたしははっきりどうかは知らんけど、もし未知ちゃんじゃなかったら、秋子もこんなん言ってこんやろ？』
『･･･』

『働いとる側からしてみれば誰が来たとか言うの禁止らしいんやけど、遼の嫁さんってなると言わなヤバいって思ったみたいやお･･･』

話を聞いていく中で段々放心状態になってった･･･

マジやったらどうする？

ラブホなんて確実ヤっとるやん？

てか、いつからそんな関係？

裕樹は未知をどう思っとるん？

俺に悪いと思っとるんやろうか？

色々考えてまった。

『だから･･･ちゃんと未知ちゃんに言った方がいいんじゃない？』
『･･･』
『聞いとんの･･･？』
『それが嘘やったらどうしてくれるんや？本気でお前の事殴るよ？』
『･･･殴っていいよ･･･私は聞いた事伝えただけやから･･･』

玲子と別れて家に帰る道程が辛かった。
嘘か本当かも分からんまま家に入るのが苦しい･･･
２人目のちびは本当に俺の子かて？
とまで考えた･･･

家に着いてまったから普通に部屋ん中入るしかなかった。

『お帰り。』
『ただいま･･･』

お帰りって言ってくれるのは嬉しいけど、今お前がそうやって携帯いじってメール打っとんのは裕樹かて？
そう考えると携帯を折ってやりたかった。

その日は急に聞かされた事やし頭が回らへんくてご飯も食えんかった。

なんか知らんけど胸の奥が痛い。
イライラしてじっとしとれへん。

本気でイライラする。
ちゃんと事実を確認したいわ。

やから未知が風呂行っとる間に、悪いと思ったけど未知の携帯を手に取った。

(見てやるぞ。)

と意気込んだのにも関わらず･･･
メールのとこには見れんように鍵がかかっとった。

鍵つけとくなんて完璧に怪しいな･･･
嫁を疑う事なんてしたくない。
けど、これはもう疑っても仕方ないやん･･･
教えてくれよ未知。

お前は浮気をしとるんか？
結婚しとるで不倫になるんか？

未知が風呂から出て寝る前になったら未知を抱き締めてみた。

『ちょっと･･･何するん？』
『何って別に･･･ヤるムードを出しとるだけやん。』
『私今日ヤりたくないし。』
『何で？』
『ヤりたくないから。』
『･･･』

正直へこんだな(笑)
そんなズバッとヤりたくないとか言わんといてくれよと思った。
けどヤらんくて良かったかもしれん。
裕樹が抱いたのに、未知を抱きたくはない。

俺だけしか経験した事なかったのにさ･･･
むかついた────

それから３日間くらい俺は我慢を続けた。
誰にも言わずに１人で我慢しとるもんやから精神的に参ってまった。

ご飯も食えんし体はダルい。

イライラするし胸が痛い。

そんな生活やった。

みなみなら何か絶対知っとるんやないかと思ったし、翔とみなみと遊んどる時にみなみに直接聞こうと思った。

最初は中々聞けんかった。

翔とみなみがあまりにも楽しく話すもんで、そんな暗い話はしたくなかった。

２人を羨ましいなって思った。
翔は本気でみなみに惚れとるらしくみなみ一途や。
みなみも翔に一途やし今の俺からして見ればすげー羨ましい。

『遼ってなんか痩せた？』

みなみのこの一言をきっかけに、俺は話をした。

『みなみさぁ、未知の事知っとるやら？』
『･･･知っとるって何？』

みなみの顔の表情が少し焦ったように見えたで、裕樹の事を悟ったんやなと思った。

『未知の浮気やん。知っとるんやろ？』

『･･･知らん。』
『とぼけんなて。アイツがみなみに言わんはずがねぇやん。』
『は？何？みっちょが浮気ってどうゆう事？』

何も知らん翔が首を突っ込んできた。

『翔は取り合えず黙っとけ。』
『あ？おう･･･』

『話してくれん？みなみが知っとる事全部。』
『･･･』

みなみは話そうとはしんかった。
けど聞かなどうにもならんから半無理矢理聞き出した。

『私はやめときなって言ったんやけど、バレんければいいって未知が言うから･･･』

『バレんければいいって･･･何でお前は俺に隠しとったんや。』

『だって未知は友達やから遼に言えへんよ･･･』

『俺だって連れじゃねぇの？未知を裏切りたくない気持ちも分かるけど、俺には何も思わんかったの？』

『それは･･･ごめん･･･』

『何で言ってくれんかったんじゃ･･･』

みなみに対して呆れはしんかった。
未知を守りたい気持ちは分かるし、みなみの立場が俺で、未知の立場が翔やったらもしかしたら言えんかもしれん。
けど･･･

ふざけんなって感じやな。

『未知が裕樹の事どう思っとるか分かる？』

『どうって？』

『好きとか･･･』

『好きではないと思う。そんなん聞いた事ないし･･･ただ･･･浮気ってやつをしたいだけなんやないかな･･･』

『･･･』

溜め息が出たわ。
イライラするもんで煙草の本数も増えた。
俺が怒るのは当たり前やけど、翔もキレとった。

翔は翔でみなみにかなりキレとった。

未知に言わなあかん･･･
頭では分かっとるけど、俺はちゃんと言い出す事が出来るんやろうか･･･

多分無理やな(笑)

しかし何で秋子も教えてくれたんやろう。
黙っとれば鈍感な俺は気付かんかったのにな。
けど、今になっては教えてくれて良かったと思っとる。

知らん方がいい事だって中にはあるけど、やっぱり知って良かった────

翔と飯行った時に色々話した。

『何で相談してくれんかったんやて？』
『だって事実か分からんかったし。』
『やけど相談くらいしろよな。みなみもみなみでマジうぜぇな、帰ってからあれから喧嘩やて。みなみが遼にごめんやってさ。本当に悪かったやってさ。』

『まぁ･･･謝られてもって感じやけどな。教えてくれたで良かったけど･･･』
『みっちょに言った？』
『言えるわけないやん。』
『言えよちゃんと！』
『･･･』

すぐ言えたら苦労せんわ(笑)

家に帰ってもずーっと、未知は携帯をいじりっぱなし。
もう携帯をいじる事が当たり前のようになっとるから、俺の親も何も言わへん。

まさか未知が浮気しとるなんて思ってもないやろうでな。

俺は我慢しとるし不満をどこにぶつけたらいいんか分からんかった。
ぶつけるとこないしさ。

『海行こか！』

連れの誘いで海に行く事にした。
未知に言ったら文句を言われた。

『へー、水着の女見に行くんやあ。へー･･･』

『ちゃうわ。』

『だったら何で行くん？』

『普通に泳ぎにやんか。』

『へー･･･』

何がへーやて。
たかが水着の女見るだけやぞ？
お前はそれ以上に酷い事しとるやねぇか。
何言っとんのって思った。
しまいには行くなまで言い出してさ。

けど行ったけどさ(笑)

海は、翔と、仕事の先輩の貴弘さんと、ノブって連れと行った。
貴弘さんとノブは女がおらんからナンパしとったけど、俺と翔は興味なかった。
普通に泳いで普通に焼いて、普通に男同士の海を楽しんどった。

『あちぃしかき氷食いに行こ。』

翔がそう言うで海の家にかき氷を食いに行った。
食っとる最中に

『何で男２人でかき氷やて！』

とか言って笑い合っとった。

かき氷を食って荷物置いたる場所に戻ってゆっくりしとった。
そしたら、逆ナンってやつをされてまった！
普通に声掛けられたでびびった。

『２人で来てんの？私達３人ー。』

って声掛けられた。

『いや、連れと４人で来てます。』

明らかに見た目で年上やったからつい敬語になってまった。

『そうなの？何歳？』

話し掛けられてからはやけに色々と聞かれた。
俺と翔はその質問に応えとるだけやった。

相手の女３人組は２９歳のお姉さんやった(笑)
２９歳って聞いたらやたらと大人の色気を感じた(笑)
話をしとったら貴弘さんとノブが来たもんで皆で話をしとった。

『連絡先教えて？』
『いや、俺嫁と子供いますんで。』

『えー！？見えん！』

そりゃどうもって感じやった(笑)
しかもその人達偶然にも俺等と同じ県に住んどった！
もし結婚してなくても教えてなかったと思う。
いきなり何処かで出くわしたらなんか怖いからな(笑)

やけど貴弘さんとノブは女を見付けてすぐに交換しとったけど。

結局俺等はその人達と遊んどった。

貴弘さんが１番女達に興味示しとったけどな。

夜まで海におって、花火買ってきたもんで皆で花火をした。

打ち上げ花火とか普通に楽しかった。
けど俺と翔は

『女と遊んだなんてアイツ等には言えへんな。』

って話をしとった。
けど、たまにはいいもんやと思った。
未知と裕樹の嫌な事を忘れる事が出来とったから。

貴弘さんとノブは、年上の女に魅力を感じたからかただヤりたいだけか知らんけど、車ん中でヤっとった。
残された俺と翔ともう１人の女は座って話をしとった。

そんな変な空気に耐えれんかった俺は

『俺あっち行くわ。』

って言ってその場を離れようとしたんやけど･･･

『遼君と話したい。』

って言ってくるで翔が離れてってまった･･･

やめてくれよー。
２人きりにさせんなよって思った。
俺の真横に女が座って話をしとった。
特に何を話すってわけでもなかったんやけど、適当に話をしとった。

『子供何歳なの？』

って普通に聞かれて、話は嫁の未知の話になった。
最初は見ず知らずの奴に家庭の事情話すのは嫌やったんやけど、俺は未知の事を色々と話してまった。
きっと知らん奴やったからすんなり話が出来たんかもしれん。

そのお姉さんはいきなり俺に持たれ掛かってきた。

『な、なんすか･･･？』
『浮気されて辛いよね･･･』
『まぁ･･･』

横向けばお姉さんはおるし、下向けば乳見えそうやし、どこ見たらいいんかが分からんかった。

大人のお姉さんの色気を感じてその時は本当にヤバかったかもしれん(笑)
俺の頭の中で少し悪魔が出てきたしな･･･
今日だけ楽しんでもいいかな？
って思った。

俺がヤる気見せたら絶対にヤれたやろうし、一夜限りだっていいやんって思ってまった。
だからヤってしまおうって考えが浮かんだ。
ヤったってもうきっと会う事はないやろう。
もし会っても向こうも話掛けてはこんやろうって思った。

やけど･･･
いくら未知が裕樹と浮気をしとろうがヤっとろうが、俺には未知を裏切る事は出来んかった。
絶対に裏切りたくはなかった。
全然ヤってないし確かに欲求不満でヤバかったけど、そこはグッと堪えた(笑)

今でもたまに道を外してヤってまおうかと思う時もあるけど俺はヤったりできんのよな。

真面目過ぎるんかな？

キモいよな(笑)

貴弘さんとノブはヤり終わったらすっきりしとって、もう不必要な感じみたいにバイバイ言っとった。
お姉さん達が去ってから

『ヤりたい時呼ぼかな。』

って言っとったけど、きっと連絡する事はないやろうなって思った。

海での遊びも終わったし、俺にはやらなあかん事がある。
それは、まず裕樹に未知との関係をはっきり聞く事。

だからすぐに行動に移して裕樹と会った────

ちょうどその日は裕樹も暇をしとったから仕事が終わってから２人で会った。
裕樹に迎えに来てもらって居酒屋に行った。
今から話をするって思うといてもたってもいれんくなって、頼んだ生中を取り合えず一気飲みした。

最初は普通に食って飲んでをしとったんやけど、もうそろそろ言わなアカンと思ったし俺は話した。

『お前さぁー･･･未知と浮気しとるって本当？』
『･･･』

裕樹の表情が一瞬凍ったかのようにも見えた。

『な、何言ってるんすか！そんな事あるわけないっすよ！』

『○○ホテルあるやんな、ラブホの。未知と行っとるんやろ？』

『行ってないっすよ･･･！』

『嘘付くなよ。お前いつから嘘付くような奴になったんや。』

『･･･』

『･･･』

俺等２人暫く無言やった。
回りで騒いどる奴等の声が耳障りで仕方なかった。

『俺は真剣に話とるんやぞ。だからお前も本気で答えろや、嘘付かずに。』
『･･･』
『･･･』

裕樹はかなりためらっとった様子やった。

けど、俺はちゃんと事実を確かめたい。

嘘付かれたりするのは嫌だ。

仲いい後輩が嫁に手ぇ出す理由ってのはなんや？

ちゃんと知りたい･･･

『すいません･･･』

謝るって事は、それが事実なんやんな･･･
イラッとしたもんでグラスをぶちまけてまった。
裕樹はビクッとして正座をしとった。

『マジなんや･･･？』
『はい･･･』
『何でそんなんするん？俺の嫁って分かっとるやろ？』
『分かってます･･･』
『だったら何でそんなんするんじゃ！』
『すいません･･･』

『謝って済むと思っとんの？お前俺等の仲をどうしたいんや？未知とヤってお前は一体何がしたいん？』
『･･･』
『俺と未知が離婚したらお前のせいやぞ。俺はお前から慰謝料取ったり出来るんやからな。』
『はい･･･』
『はいってお前なめとんのか？』
『そんなんじゃないです！』

『殴っていいか？』
『はい･･･』

殴っていいかと聞いた時、俺は昔の事を思い出した。
あれは確か、未知と裕樹が付き合っとるって知っときながら、俺は裕樹に未知が好きって伝えた時やったな･･･

その当時の事が俺と裕樹が逆になっただけか･･･
すげー殴りたかった。
けど殴った所ですっきりせんと思った。
浮気された事実は、これから先もずっと、俺に着いて回るんやからな･･･

『お前が昔俺に言った事覚えとる？』
『･･･何ですか？』
『それと俺は同じ気持ちやわ。』
『･･･』
『すげー腹立つしボコボコにしてやりたいけど、俺はお前の事大事な後輩やって思っとる･･･やからそんな事したくねぇわ･･･！』

『･･･』
『やけど何で未知なん？もっと他におるやろ･･･何で未知なんやて･･･』
『すいません･･･』

普通、嫁と連れが浮気をしとったら怒り狂うもんなんやろうか？