俺と幼なじみ２

子供がいてバツイチなんて言えなかったのは、未知と色んな事があり過ぎたからや。
まだ信じてた俺もバカやけど、ただ単に言えなかったんやな。
りんちゃんに出会って余計に言えんくなった。
嫌われるの怖いやん。

まさか好きになると思ってなかったし好きになられるとも思ってなかった。

難しいな人って。
何があるか分からんな…

文章だけやとそんなに悩んでないと感じるかもしれんけど、この時相当悩んどったよ(笑)

言わなきゃあかんのに言えないもどかしさっつーか、そんな変なのがめちゃくちゃあったからな…(笑)

まあ一通り俺は全部話したつもりや。
ずっと黙っとったりんちゃんが言った。

『あたしなんかより…奥さんとの絆の方が強いのは確かやん…幼なじみで、付き合って、結婚なんて…そんな小さい頃からずっと一緒ならあたし負けるに決まってるやん…子供おるし尚更やん…奥さんの事好きじゃないって言うけど…忘れる事出来んやろ…？』

忘れる事か…
“忘れるよ”“忘れれるよ”
なんてのは言えない。

『はっきり言うけど…それは無理や。忘れんし、これから先忘れる事もないわ。』
『…』

りんちゃんの為に忘れれると言った方が良かったやろうか？

女としてはそう言った方が気持ち的に落ち着くんやろうか？
けど俺は嘘は付きたくなかった。
子供がおるから未知を忘れんとかそんな理由じゃない。
知り合って数日とかの女なら簡単に忘れる事出来るよ？

けど未知はそんなんじゃないでな。
期間が長いんや。
期間が長くても短くても、何か衝撃的な事があればそれは頭にインプットされるかもしれん。
未知は俺の中で最強やわ。
…色んな意味でな。
だから忘れる事はないわ。

『けど本当に未知とはもう関係ないから。好きなのはりんちゃんやし、それだけは本当信じてほしい。』

『…信じれんよ、怖いもん…』

『…』

『…』

『りんちゃん考えたって言ったけど、俺の何を考えてたん？』

『…』

別れたいと言われると思った。
離したくないけど、それはそれで仕方ない事かもしれん。
受け入れなあかんかもやな…

『めちゃくちゃ腹が立った…何で元奥さんからぶつくさ言われなあかんのやろうと思った…遼ちゃんはあたしのやから、遼ちゃんはまだあたしが好きやからって言ってきて…本当苦しかった…』

『…うん…』