偽りの“ジン”...
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#1 [我輩は匿名である]
出会い系をなめていた。


“ジン”


この名前を私は一生忘れられることはできないだろう…。

⏰:09/07/02 02:26 📱:N904i 🆔:hnZaUsdE


#2 [我輩は匿名である]
高校2年の夏休み。


『あ〜暇だ…』


私(里沙)は朝と夜が逆転した生活を送っていた。

⏰:09/07/02 02:32 📱:N904i 🆔:hnZaUsdE


#3 [我輩は匿名である]
(可愛い画像でも探そうかなぁ〜♪)


そんなことを思いついて携帯をいじっていた。


しばらく探しているうちに

(探すより貰おうかな!)

そんな考えがよぎった。

⏰:09/07/02 02:36 📱:N904i 🆔:hnZaUsdE


#4 [我輩は匿名である]
中学時代流行っていた

“スタービーチ”

という出会い系サイト。


そこには画像掲示板というものがあり、投稿すると画像を送ってくれる人達がたかさんいる。

⏰:09/07/02 02:38 📱:N904i 🆔:hnZaUsdE


#5 [我輩は匿名である]
私は一時的にアドレスを変え久しぶりスタビに投稿した。


“可愛い待ち受け画像探してます女の子らしいのがいいなお願いします

⏰:09/07/02 02:40 📱:N904i 🆔:hnZaUsdE


#6 [我輩は匿名である]
〜♪〜♪〜♪〜


投稿してすぐにメール受信。

いっきに3件。

メールを開いてまたすぐに別のメール受信。

⏰:09/07/02 02:42 📱:N904i 🆔:hnZaUsdE


#7 [我輩は匿名である]
“テルHしない?”

“気持ちいいことしない

“¥しない?”

大半はそんな内容のメールばっかり。

⏰:09/07/02 02:45 📱:N904i 🆔:hnZaUsdE


#8 [我輩は匿名である]
画像も下半身などエロ系ばっかり。


(やっぱスタビはダメだな…)


昔からスタビに何回も投稿したことあったが、ほとんどは下心見え見えの人達ばかりでスタビに投稿してはアドレスを変えていた。

⏰:09/07/02 02:51 📱:N904i 🆔:hnZaUsdE


#9 [我輩は匿名である]
(そろそろアド戻そうかな…)

耐えないメールを見ながらそう思った。

そんな中、ある一通のメールが目に留まった。

⏰:09/07/02 12:40 📱:N904i 🆔:hnZaUsdE


#10 [我輩は匿名である]
“こんばんは
いっぱいメール来てるよね?画像は見つかった?俺の持ってるのでよかったら送るね


まともなメール内容。

画像を開くと、可愛いピンク背景のお菓子の画像。

⏰:09/07/02 16:23 📱:N904i 🆔:hnZaUsdE


#11 [我輩は匿名である]
“ありがとう

私はそのメールに返事をした。

“いえいえところでいくつなの?”

そう返事が来た。

⏰:09/07/02 19:55 📱:N904i 🆔:hnZaUsdE


#12 [我輩は匿名である]
だけど私は返事を返さなかった。

画像を貰っておきながら都合のいいパターンだ。笑


私は返事をせずに自分の元のアドレスに戻した。

⏰:09/07/02 19:58 📱:N904i 🆔:hnZaUsdE


#13 [我輩は匿名である]
『あーっ!!』


翌日、とんだ間違いをしてしまった。


友達に送るメールを昨日のスタビの人に間違えて送ってしまった。

⏰:09/07/03 00:27 📱:N904i 🆔:Rr44iXEc


#14 [我輩は匿名である]
私の送ったメールはバイトの内容だった。


“間違いメールもしかして桃ちゃん


すぐに返事が来た。

⏰:09/07/03 00:30 📱:N904i 🆔:Rr44iXEc


#15 [我輩は匿名である]
(バレたッッ!!)


桃とは昨日の私の偽名だ。


私は出会い系の人に本アドがバレたのがすごくショックだった。

⏰:09/07/03 00:31 📱:N904i 🆔:Rr44iXEc


#16 [我輩は匿名である]
それもそのはず,,,

私のアドレスには携帯番号が入っていたのだ。


(どうしよう…どうしよう…)


動揺しながらも返事を返さないことにした。

⏰:09/07/03 00:36 📱:N904i 🆔:Rr44iXEc


#17 [我輩は匿名である]
『桃ちゃんだよね


しばらくするとまたメールが来た。

⏰:09/07/03 14:29 📱:N904i 🆔:Rr44iXEc


#18 [我輩は匿名である]
(このままこの人を敵に回しては番号とアドレスを悪用されるかも…)



私はメールを返すことに決めた。

⏰:09/07/03 14:30 📱:N904i 🆔:Rr44iXEc


#19 [我輩は匿名である]
“桃ですアドレス変わりました
さっきのは間違いメールですごめんなさい


と。

⏰:09/07/03 14:31 📱:N904i 🆔:Rr44iXEc


#20 [我輩は匿名である]
〜♪〜♪〜♪〜

すぐに知らない番号から着信。


(うわ〜絶対スタビの人だ)

『…もしもし』

私は恐る恐る電話に出た。

⏰:09/07/04 01:34 📱:N904i 🆔:l.Mx25hE


#21 [我輩は匿名である]
「もしもし!桃ちゃん?」


(やっぱり!スタビだ…)


『はい…』

「いきなり電話してごめんな!!」

⏰:09/07/04 01:36 📱:N904i 🆔:l.Mx25hE


#22 [我輩は匿名である]
「今さっきメールしとったもんです!」

『分かりますよ』

「やっぱアドの番号やったんや!気になってかけてしまった!俺ジンっていうんや!よろしくな!」



ジンという人はハキハキとした喋り方だった。

⏰:09/07/04 01:56 📱:N904i 🆔:l.Mx25hE


#23 [我輩は匿名である]
(声かっこいいじゃん…//)


ジンの声はハスキーでかっこよかった。

⏰:09/07/04 02:38 📱:N904i 🆔:l.Mx25hE


#24 [我輩は匿名である]
「てか俺にアドレス教える気本当はなかったやろ!?」

突然のジンの質問。


『そんなことないよ〜』 


と、ごまかす私。

⏰:09/07/04 02:41 📱:N904i 🆔:l.Mx25hE


#25 [我輩は匿名である]
「ウソつけ〜!まぁ俺怪しいやつじゃないし、せっかくの機会や!友達なろ!」


『うん。』

⏰:09/07/04 02:43 📱:N904i 🆔:l.Mx25hE


#26 [我輩は匿名である]
「ところで桃って名前は本名なん?」

『あ、うん。』


とっさにウソをついてしまった。

⏰:09/07/04 02:45 📱:N904i 🆔:l.Mx25hE


#27 [我輩は匿名である]
「じゃあこれから桃って呼ぶな!」


こうして私は“桃”として出会い系で知り合ったジンと友達になった。

⏰:09/07/04 02:46 📱:N904i 🆔:l.Mx25hE


#28 [我輩は匿名である]
「なぁ桃ってもしかして石川に住んどる?」


『え?何で?』


ジンの言葉に私は戸惑った。


なんせ私の出身は石川県だったからだ。

⏰:09/07/04 13:26 📱:N904i 🆔:l.Mx25hE


#29 [我輩は匿名である]
「俺今富山に住んどるけど、元は石川やよ!やし方言でそう思った」


『すご…なんかすごい偶然だね。』



意外に近くに住んでる偶然に驚いた。

⏰:09/07/04 13:31 📱:N904i 🆔:l.Mx25hE


#30 [我輩は匿名である]
ジンは私の5つ上。

建築業界の仕事をしているみたいだ。

それからというもの私はジンと連絡をとることになった。

⏰:09/07/05 17:28 📱:N904i 🆔:OtIUm3q6


#31 [我輩は匿名である]
“おはよ”

から

“おやすみ”

まで日常会話的なメールのやりとりを頻繁にした。

⏰:09/07/06 02:51 📱:N904i 🆔:hDWlh6Xw


#32 [我輩は匿名である]
ジンとメールをしているとジンと出会い系サイトで知り合ったというのは忘れている自分もいた。


友達感覚だった。

⏰:09/07/06 02:53 📱:N904i 🆔:hDWlh6Xw


#33 [我輩は匿名である]
“桃ってどんな子なん

“ダレに似てる?”

“写メみたいな〜

メール続けているうちにジンは私の顔を見たがるようになってきた。

⏰:09/07/06 02:54 📱:N904i 🆔:hDWlh6Xw


#34 [我輩は匿名である]
“普通の子だよ
写メはムリ


私は顔見せをジンに拒否った。

⏰:09/07/06 03:08 📱:N904i 🆔:hDWlh6Xw


#35 [我輩は匿名である]
“桃が嫌ならいいけど
俺の送るわ


とジンから画像つきでメールがきた。

⏰:09/07/06 03:13 📱:N904i 🆔:hDWlh6Xw


#36 [K]
黒い太陽のKです。
面白そう話しなんで最後まで、頑張って書いてくださいね。応援してます。

⏰:09/07/06 06:46 📱:P07A3 🆔:h9E73qcA


#37 [我輩は匿名である]
Kさんコメありがとうございます

Kさんも小説頑張って下さい

応援してます

⏰:09/07/06 14:16 📱:N904i 🆔:hDWlh6Xw


#38 [我輩は匿名である]
画像をクリックしてみた。

(うわ…かっこいい)

茶髪で顔が整っているイケメン。

まるで“赤西ジン”みたいだった。笑

⏰:09/07/06 15:20 📱:N904i 🆔:hDWlh6Xw


#39 [我輩は匿名である]
(私すごいイケメンとメールしてるじゃん!!)


テンションが上がった。


“写メみたよジンかっこいいね


とジンにメールを返した。

⏰:09/07/06 15:22 📱:N904i 🆔:hDWlh6Xw


#40 [我輩は匿名である]
“ありがとう桃も気向いたら見せてな

私はジンと比べてぶっさいく。

尚更見せれない自分がいた。

⏰:09/07/07 01:45 📱:N904i 🆔:1WgerZ5o


#41 [我輩は匿名である]
ジンとのメールはもちろん、電話もたまにしていた。


そして“桃”という偽名を使っていることに対し罪悪感もあった。

⏰:09/07/07 03:00 📱:N904i 🆔:1WgerZ5o


#42 [我輩は匿名である]
もうジンに本名を教えてもいいと思っていた。


だけど日が経つに連れて、ジンと仲良くなるほど言いだせなかった。

⏰:09/07/07 03:01 📱:N904i 🆔:1WgerZ5o


#43 [我輩は匿名である]
「桃はどんなんタイプなん?」

ある日、ジンとの会話で出された質問。


『う〜ん、心広い人かな!』

⏰:09/07/07 03:03 📱:N904i 🆔:1WgerZ5o


#44 [我輩は匿名である]
「顔とかで男選んだりするん?」


『全部が顔ってわけじゃないけど…ぶっちゃけ、ちょっとは気にするよ。』


「そうやな!でも桃って絶対性格重視やろ?」

⏰:09/07/07 03:05 📱:N904i 🆔:1WgerZ5o


#45 [我輩は匿名である]
『重視っていうか性格悪かったらムリだね。』


「やっぱ人間顔より性格やな!」


『そうだね。』


私はジンが外見で人を判断しない優しさに惹かれた。

⏰:09/07/07 03:07 📱:N904i 🆔:1WgerZ5o


#46 [我輩は匿名である]
(とは言っても私はジンの見た目に惹かれているんだが…。笑)


このことはジンには秘密にしとおこうと思った。

⏰:09/07/07 14:50 📱:N904i 🆔:1WgerZ5o


#47 [我輩は匿名である]
「俺は桃は性格いいって絶対思う!」

『わかんないよ〜』

「いや、俺には分かる!
桃はウソもつかんような子や!!」


ジンにそう言われ罪悪感が込み上げてきた。

⏰:09/07/07 15:15 📱:N904i 🆔:1WgerZ5o


#48 [我輩は匿名である]
『私だってウソぐらいつくよ〜!』


「でも俺にはついたことないやろ?」


『ついてたらどうする?』

⏰:09/07/07 15:17 📱:N904i 🆔:1WgerZ5o


#49 [我輩は匿名である]
「俺は桃を信じる」


『なんだそれ。笑』


ジンの根拠のない自信。
嬉しい反面、尚更本名を明かすことができなかった。

⏰:09/07/07 15:19 📱:N904i 🆔:1WgerZ5o


#50 [我輩は匿名である]
『信じてもらえて光栄です』

私はジンにそう言った。


(ジン、本当は桃じゃなくて里沙っていうんだ。ウソついてごめんね。)


私は心の中でジンに謝った。

⏰:09/07/07 15:20 📱:N904i 🆔:1WgerZ5o


#51 [みぃ]
気になるッ
応援してるし頑張って

⏰:09/07/07 23:19 📱:F905i 🆔:hAVu8QEk


#52 [我輩は匿名である]
みぃさん応援ありがとう

がんばります

⏰:09/07/08 00:26 📱:N904i 🆔:0UBT9Fwg


#53 [我輩は匿名である]
“今日友達と遊んできた〜

ある日の私からジンに送ったメール。

“いいな何して遊んできたん?”

⏰:09/07/08 01:32 📱:N904i 🆔:0UBT9Fwg


#54 [我輩は匿名である]
“ご飯食べてカラオケ行ってプリクラ


“いいなぁてか…プリクラ見たいな笑”

⏰:09/07/08 01:47 📱:N904i 🆔:0UBT9Fwg


#55 [我輩は匿名である]
ジンからの返事に少し悩んだ。


私はジンの顔を見てる。

ジンは会ったことはないけど信頼できるメル友だ。

⏰:09/07/08 01:48 📱:N904i 🆔:0UBT9Fwg


#56 [我輩は匿名である]
(勇気を出してジンに私の顔を見せようかな…)


そんなことを考えていたとき、メール受信の音楽。


またジンからのメールだった。

⏰:09/07/08 02:26 📱:N904i 🆔:0UBT9Fwg


#57 [我輩は匿名である]
“ごめん、ムリやったらいいからな” 


そんなジンの優しさから私はプリクラの画像を送ることを決めた。

⏰:09/07/08 02:57 📱:N904i 🆔:0UBT9Fwg


#58 [我輩は匿名である]
携帯のプリクラ画像は二枚。

そのうち一枚は落書きで
“里沙”と書いてあるのでもう一枚のほうを送ることにした。

⏰:09/07/08 02:59 📱:N904i 🆔:0UBT9Fwg


#59 [我輩は匿名である]
“別に平気送るね
右だよ


送信完了。


ドキドキが止まらない。

⏰:09/07/08 11:49 📱:N904i 🆔:0UBT9Fwg


#60 [我輩は匿名である]
私の中ではプリクラ写りはいいほうだ。

だけどジンと比べれば天と地の差。

(嫌われたりして…)


送った後に後悔が押し寄せてきた。

⏰:09/07/08 11:56 📱:N904i 🆔:0UBT9Fwg


#61 [我輩は匿名である]
〜♪〜♪〜♪〜

メール受信の着信。


(きたっ!!)


私はジンからのメールを開いた。

⏰:09/07/08 15:07 📱:N904i 🆔:0UBT9Fwg


#62 [我輩は匿名である]
“画像ありがとう
めっちゃタイプ


ジンからのメールの内容を見てニヤけている私がいた。

⏰:09/07/09 00:23 📱:N904i 🆔:UXzx9cGg


#63 [我輩は匿名である]
初めてジンが私にメールでハートマークをつけたことにも嬉しかった。


(あたし…ジンのこと好きかも)


そのときは本当にそう思ったんだ。

⏰:09/07/09 00:26 📱:N904i 🆔:UXzx9cGg


#64 [我輩は匿名である]
“桃…会いたい


画像を送って数時間後のジンからのメール。


(どうしよう…)


私は迷った。

⏰:09/07/09 01:21 📱:N904i 🆔:UXzx9cGg


#65 [我輩は匿名である]
恋かどうかは分からないけれどジンのことは好きだ。


だけど出会い系で会うのはやっぱり抵抗がある。

⏰:09/07/09 01:29 📱:N904i 🆔:UXzx9cGg


#66 [我輩は匿名である]
“まだ会うのは勇気がないな


私はジンに返事した。


〜♪〜♪〜♪〜


すぐにジンから電話がかかってきた。

⏰:09/07/09 21:30 📱:N904i 🆔:UXzx9cGg


#67 [我輩は匿名である]
『もしもし』

「桃〜俺のこと嫌いなん?」

『質問唐突すぎ!笑』

「ごめん、ごめん。でも俺らそろそろ会わんけ?」

⏰:09/07/10 00:33 📱:N904i 🆔:QVTGLOxU


#68 [我輩は匿名である]
『なんかこういうの初めてやし…ちょっと怖い』


「俺怖くないって!じゃあ一時間ぐらいドライブしながら話して帰るだけでいいしダメ?」

⏰:09/07/10 02:14 📱:N904i 🆔:QVTGLOxU


#69 [我輩は匿名である]
「お願い…」


『…分かったよ』


私はジンと会うことに決めた。

⏰:09/07/14 01:59 📱:N904i 🆔:8sC.c1Hk


#70 [我輩は匿名である]
「ありがと!めっちゃ嬉しい!楽しみ!」

ジンは子供のように喜んでくれた。


(かわいいなぁ)

私はそう思いながらさっきまでの不安は飛んでいった。

⏰:09/07/14 02:01 📱:N904i 🆔:8sC.c1Hk


#71 [我輩は匿名である]
そしてジンと会う当日。

“今日○○まで迎えに行くな

ジンからのメール。

(本当にジンと会うんだぁ)


そう思うと緊張が押し寄せてきた。

⏰:09/07/14 02:35 📱:N904i 🆔:8sC.c1Hk


#72 [我輩は匿名である]
出会い系は何度もしたことはある。

だけどメル友と会うのはジンが初めて。

ちょっとドライブするだけ。


だけどこんなにも緊張するのは久しぶりだ。

⏰:09/07/14 02:39 📱:N904i 🆔:8sC.c1Hk


#73 [我輩は匿名である]
ぁげ

⏰:09/07/14 23:04 📱:F02A 🆔:7nJDZKjY


#74 [我輩は匿名である]
あげありがとございます

⏰:09/07/17 05:42 📱:N904i 🆔:rXoFy.kU


#75 [我輩は匿名である]
待ち合わせ場所についた。

(緊張するぅ…)


私は何度も鏡チェックをした。

⏰:09/07/17 05:44 📱:N904i 🆔:rXoFy.kU


#76 [我輩は匿名である]
〜♪〜♪〜♪〜


ドキッ!

携帯が鳴り、心臓が止まるかと思うほど驚いた。


ジンからの着信。

⏰:09/07/17 05:47 📱:N904i 🆔:rXoFy.kU


#77 [我輩は匿名である]
『もしもし』

「着いたよ!」

『私も』

「どこら辺?俺今駐車場におる!」

⏰:09/07/17 05:51 📱:N904i 🆔:rXoFy.kU


#78 [我輩は匿名である]
『私もそこら辺立ってる!』

「あっ!分かったかも!白のワンピっぽいの?」

『うん!てかどこにいんの?』

「今行く!」

⏰:09/07/17 05:53 📱:N904i 🆔:rXoFy.kU


#79 [我輩は匿名である]
そして一台の車が私に近づいてきた。


(え…)


一瞬、自分の目を疑った。

⏰:09/07/17 06:02 📱:N904i 🆔:rXoFy.kU


#80 [我輩は匿名である]
私にゆっくりと車で向かってくる人はジンではなかった。


その車の窓が開いた。


「よっ!乗って!」

その男の人は私にそう言った。

⏰:09/07/17 06:05 📱:N904i 🆔:rXoFy.kU


#81 [我輩は匿名である]
(誰この人…?)


声は電話で何度も聞いたジンの声だ。

だけど私の目の前にいる人はジンではない。

⏰:09/07/17 06:09 📱:N904i 🆔:rXoFy.kU


#82 [亜弥奈]
続き気になります!!
最後まで頑張ってください!

⏰:09/07/17 06:41 📱:W65T 🆔:dJBODEis


#83 [ラリックマ]
気になるw

⏰:09/07/17 19:10 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#84 [我輩は匿名である]
ありがとうございます
マイペースですが最後まで頑張ります

⏰:09/07/18 03:31 📱:N904i 🆔:rbNxcGm2


#85 [我輩は匿名である]
ジンの綺麗な茶髪と違い、黒髪で前髪の一部が妙に長くテンパ。

体重も100キロはあるだろう。

目だって開いているのかさえ分からない。

⏰:09/07/18 03:35 📱:N904i 🆔:rbNxcGm2


#86 [我輩は匿名である]
写メでしか見たことがないジン。

だけど写メ詐欺なんてもんじゃない。

全くの別人だ。

⏰:09/07/18 03:46 📱:N904i 🆔:rbNxcGm2


#87 [我輩は匿名である]
『………』

私は固まっていた。


「お〜い、桃!とりあえず乗れって!」


私の知らないジンがそう言って車から降りてきた。

⏰:09/07/18 03:53 📱:N904i 🆔:rbNxcGm2


#88 [我輩は匿名である]
「桃?」


『………』


「とりあえず乗って」


冷たい空気が流れた。

⏰:09/07/18 04:19 📱:N904i 🆔:rbNxcGm2


#89 [我輩は匿名である]
(怖い…逆らえない…)


私は車に乗った。


「やっと会えた。会いたかったよ」

そう言われ鳥肌がたった。

⏰:09/07/18 04:29 📱:N904i 🆔:rbNxcGm2


#90 [我輩は匿名である]
「桃プリクラより可愛いね」


『ジンは…写メのジンじゃないよね?』


私は勇気を出して切り出した。

⏰:09/07/18 04:36 📱:N904i 🆔:rbNxcGm2


#91 [我輩は匿名である]
>>1-50
>>51-100

⏰:09/07/18 22:39 📱:W61SH 🆔:ulfFvfJ.


#92 [我輩は匿名である]
「あ〜やっぱり気づくよな?あれ別人なんだ。ごめん、ごめん。ははは。」


(別人?ごめん、ごめんって?何笑ってんのこの人?)

私は唖然とした。

⏰:09/07/19 00:52 📱:N904i 🆔:PGchal9k


#93 [我輩は匿名である]
「でも桃は見た目より中身重視だからな!気にせんよな!」

笑いながらそう言われた。


私は返す言葉が見つからなかった。

⏰:09/07/19 01:16 📱:N904i 🆔:PGchal9k


#94 [我輩は匿名である]
確かに前にジンと外見より中身のほうが大事って言ったよ?


だけど目の前にいるあなたは中身は完璧なの?


ただの詐欺男じゃないの?

⏰:09/07/19 02:54 📱:N904i 🆔:PGchal9k


#95 [我輩は匿名である]
(ジンを信じた自分がバカだった…)


出会い系なんてやっぱり
ろくなもんじゃない。

自分に反省しながら、とにかくさっさとドライブをしてさっさと帰ろうと思った。

⏰:09/07/19 03:07 📱:N904i 🆔:PGchal9k


#96 [我輩は匿名である]
「夜景見に行こ」

『…うん』

(早く帰りたいよ…)

心の中でそう思いながらも渋々夜景を見に行くことになった。

⏰:09/07/22 02:46 📱:N904i 🆔:ro3OJTe.


#97 [我輩は匿名である]
車の中でジンはマシンガントークだった。

話を聞いてて分かったこと。


ジンはナルシストだ。

⏰:09/07/22 02:49 📱:N904i 🆔:ro3OJTe.


#98 [我輩は匿名である]
「俺今まで逆ナンされたことあってもナンパしたことないんだよな〜」


(本当かよ?)


「昔よく伊藤英明に似てるって言われてたな〜」


(似てねーよ)

⏰:09/07/22 04:15 📱:N904i 🆔:ro3OJTe.


#99 [美和~]
更新待ってますx

⏰:09/07/22 13:10 📱:W63CA 🆔:f7x78qZI


#100 [りおな]
おもしろ〜い

⏰:09/07/22 13:21 📱:P904i 🆔:McYyFKdM


#101 [(゜∀゜;ノ)ノ]
更新
頑張ってください!!
楽しみにしてます(^-^)

⏰:09/07/22 22:41 📱:W63SA 🆔:CRwC02DI


#102 [我輩は匿名である]
ありがとうございます
更新がんはります

⏰:09/07/23 01:27 📱:N904i 🆔:pb9phE0g


#103 [我輩は匿名である]
「俺昔から空手とか色々やってたんだ。だから体系とかすごいガッチリしてるだろ?」


(ガッチリっていうかデブじゃん)


見た目だけじゃなく話していくうちに中身さえメル友だったジンとのイメージがかけ離れていった。

⏰:09/07/23 01:38 📱:N904i 🆔:pb9phE0g


#104 [我輩は匿名である]
メル友だったときのジンは自分の武勇伝を語るような人じゃなかった。

だけど今私の前にいるジンは「俺は〜、俺は〜、」
と過去の武勇伝ばかり語っている。

⏰:09/07/23 02:03 📱:N904i 🆔:pb9phE0g


#105 [我輩は匿名である]
私の横にいる奴は一体誰なんだよ。


怒りと後悔が頭の中をモンモンと漂った。

⏰:09/07/23 02:12 📱:N904i 🆔:pb9phE0g


#106 [我輩は匿名である]
「着いたよ」

『うん、降りようか』


車の中は狭くジンとの密室が嫌だったので私はそう言った。

⏰:09/07/23 02:25 📱:N904i 🆔:pb9phE0g


#107 [我輩は匿名である]
「手、」

車を降りたとき、ジンが私に手を差し出してきた。

手を握ろうということだ。

⏰:09/07/23 03:52 📱:N904i 🆔:pb9phE0g


#108 [我輩は匿名である]
(無理!!)


『手汗すごいし遠慮しとく』

とっさに言い訳をし拒否った。

⏰:09/07/24 02:34 📱:N904i 🆔:TPmKBl8w


#109 [我輩は匿名である]
アゲ

⏰:09/08/02 11:27 📱:F905i 🆔:3HHFDhjY


#110 [我輩は匿名である]
「俺は手足なんて気にしない。遠慮するな。」


ジンが私にそう言った。


『いやいや、マジいいって』

⏰:09/08/02 14:50 📱:N904i 🆔:FNJcmOuc


#111 [我輩は匿名である]
手足!

手汗?

⏰:09/08/02 16:48 📱:F01A 🆔:w8.uSsFM


#112 [我輩は匿名である]
>>111

すいません

手汗です

⏰:09/08/02 21:50 📱:N904i 🆔:FNJcmOuc


#113 [我輩は匿名である]
「なんだよ、桃は照れ屋だな。ふふ…」


(嫌だ!何か勘違いしてる!)

私の鳥肌は増加する一方だった。

⏰:09/08/02 22:47 📱:N904i 🆔:FNJcmOuc


#114 [我輩は匿名である]
「きれいだね」


『うん』


「桃…」


『ん?』

⏰:09/08/02 23:25 📱:N904i 🆔:FNJcmOuc


#115 [我輩は匿名である]
「そろそろ俺たち付き合わない?」


『は!?』


思わず声をあげてしまった。

⏰:09/08/03 03:28 📱:N904i 🆔:DuKZp3m.


#116 []
かなり気になります〜
主さんの身が心配

⏰:09/08/03 20:28 📱:SH906iTV 🆔:☆☆☆


#117 [我輩は匿名である]
さん

ありがとうございます
続き書きます

⏰:09/08/04 13:56 📱:N904i 🆔:FWJoceD6


#118 [我輩は匿名である]
「だから…そろそろ付き合お?」


(付き合う?何言ってんのこの人?てか、そろそろってなによ…)

⏰:09/08/04 22:39 📱:N904i 🆔:FWJoceD6


#119 [我輩は匿名である]
『私今彼氏とかはいいや…ごめん。』

もちろんNOと返事。


「………嘘だろ?」

⏰:09/08/04 22:44 📱:N904i 🆔:FWJoceD6


#120 [我輩は匿名である]
面白い
続ききになります

⏰:09/08/04 22:54 📱:SH02A 🆔:1JLSK2dw


#121 [我輩は匿名である]
>>120さん


ありがとうございます

⏰:09/08/04 23:41 📱:N904i 🆔:FWJoceD6


#122 [我輩は匿名である]
ジンは強ばった表情だった。

『ごめん…』

「そうだよな。今日初めて会ったし、いくら両思いでも早いよな。」

と、いきなり笑顔になったジン。

⏰:09/08/04 23:41 📱:N904i 🆔:FWJoceD6


#123 [我輩は匿名である]
きになる(¨;)

⏰:09/08/04 23:45 📱:SH704i 🆔:x.4MPsOE


#124 [我輩は匿名である]
>>123

どうもです
続き頑張って書きます

⏰:09/08/04 23:56 📱:N904i 🆔:FWJoceD6


#125 [我輩は匿名である]
(は???)


『ちょ、ジン。何か勘違いしてない?』


「勘違いって?」


『…両思いって何?』

⏰:09/08/04 23:56 📱:N904i 🆔:FWJoceD6


#126 [我輩は匿名である]
「俺ら両思いだろ?」

『え、違うよ。』


・・・・・・・・・


しばらく沈黙が続いた。

⏰:09/08/04 23:58 📱:N904i 🆔:FWJoceD6


#127 [我輩は匿名である]
「…桃って思わせ振りだな。」


ジンがそう言った。


『え?思わせ振り?』


思わず私は聞き返した。

⏰:09/08/05 00:09 📱:N904i 🆔:B3rjtma.


#128 [我輩は匿名である]
「電話やメール…俺に気がある素振りだっただろ?」


ジンは不機嫌な口調で私に言い放った。

⏰:09/08/05 00:16 📱:N904i 🆔:B3rjtma.


#129 [我輩は匿名である]
ジンの言っていることは確かかもしれない。

メールや電話だけで繋がっていた頃、私は確かにジンに惹かれていた。

思わせ振りだったかもしれない。

⏰:09/08/05 00:43 📱:N904i 🆔:B3rjtma.


#130 [我輩は匿名である]
だけど詐称していた奴が偉そうに文句言える立場なの?


『そんなつもりはない』


私はそっけなくジンに返事した。

⏰:09/08/05 13:30 📱:N904i 🆔:B3rjtma.


#131 [はる]
すっごい続きが気になります!更新頑張って下さい(^^♪
楽しみにしてます

⏰:09/08/05 19:05 📱:SO706i 🆔:oMGGDe/k


#132 [我輩は匿名である]
ありがとうございます
更新がんばります

⏰:09/08/08 01:38 📱:N904i 🆔:uMtEJJDc


#133 [我輩は匿名である]
(もうめんどくさい…)

早く帰りたい。

何もかもがヤダ。

ジンといることが苦痛で仕方なかった。

⏰:09/08/08 01:44 📱:N904i 🆔:uMtEJJDc


#134 [我輩は匿名である]
「桃は最低だったんだな」

『そうですね』

「勝手にしろよ」


そう言われてジンはスタスタと歩いていった。

⏰:09/08/08 01:52 📱:N904i 🆔:uMtEJJDc


#135 [我輩は匿名である]
バタン

ジンは車に乗った。

ブルルルル

エンジンのかける音がした。


(え!?)

⏰:09/08/08 02:33 📱:N904i 🆔:uMtEJJDc


#136 []
すごくおもしろいデス
でも先がめちゃ心配

あたしも石川県出身なんで自分の事のように
見入ってしまいました

頑張って下さい

⏰:09/08/08 10:36 📱:P02A 🆔:XvXyJQOQ


#137 [我輩は匿名である]
石川県なんですか

なんか親近感わきますね更新がんばるんで応援よろしくお願いします

⏰:09/08/09 16:03 📱:N904i 🆔:ZcnqWavA


#138 [我輩は匿名である]
ジンの車は私の目の前で走り去っていた。


(嘘でしょ…)


夜景がキレイな山の中、私は一人置き去りにされてしまった。

⏰:09/08/09 22:55 📱:N904i 🆔:ZcnqWavA


#139 [我輩は匿名である]
『ありえねーし!くそでぶやろうー!!』


聞こえないだろうが私は過ぎ去った車に向かって大声で叫んだ。

⏰:09/08/09 23:09 📱:N904i 🆔:ZcnqWavA


#140 [我輩は匿名である]
(こっからどうやって家に帰ればいいのよ…)


駅まででも何時間もかかるだろう。

夜景は綺麗でも帰り道は山の中。

怖いにきまっている。

⏰:09/08/09 23:16 📱:N904i 🆔:ZcnqWavA


#141 [我輩は匿名である]
『もしもし。起きてた?
お願いがあるんだけど…』

私は親友の絵里に軽く事情を説明して迎えに来てくれるよう頼んだ。

⏰:09/08/09 23:33 📱:N904i 🆔:ZcnqWavA


#142 [我輩は匿名である]
「もしもーし!もう着くよ!」

『わかったぁ!ありがとう!』


しばらくすると車のライトが見え、絵里が来てくれた。

⏰:09/08/10 00:26 📱:N904i 🆔:Cyd9VzKg


#143 [我輩は匿名である]
『絵里ー!ありがとう!!』


「てかいったいどうしたのよ?置き去りって?」


『聞いてよ!マジムカつくんだよ!!』

⏰:09/08/10 00:49 📱:N904i 🆔:Cyd9VzKg


#144 [我輩は匿名である]
親友である絵里は何でも話せる仲。


私は絵里にジンについてのことを全部話した。

⏰:09/08/10 13:39 📱:N904i 🆔:Cyd9VzKg


#145 [我輩は匿名である]
『本当出会い系をした自分がバカだった』

「本当だよ〜出会い系で会うなんて危険すぎるよ!」

『もう二度としない!』

絵里に出会い系は二度としないと私は約束した。

⏰:09/08/10 14:26 📱:N904i 🆔:Cyd9VzKg


#146 [我輩は匿名である]
「てかそのメル友頭おかしいよね」

『絵里にも生のそいつ見せたかったよ!』

「見たくな〜い」

⏰:09/08/13 02:49 📱:N904i 🆔:L5biXM72


#147 [我輩は匿名である]
〜♪〜♪〜♪〜

絵里にジンの悪口を言っていると、電話が鳴った。


着信相手はジンからだった。

⏰:09/08/13 03:23 📱:N904i 🆔:L5biXM72


#148 [我輩は匿名である]
じらされてる感じ。

⏰:09/08/13 03:34 📱:F02A 🆔:Xl6369GU


#149 [我輩は匿名である]
えぇー

じらしてませんよ

⏰:09/08/13 04:41 📱:N904i 🆔:L5biXM72


#150 [我輩は匿名である]
『えっ!絵里!ジンから電話なんだけど!』

「え!?マジ?出ないの?」

『出ないよ!もう関わりたくないもん!』

⏰:09/08/13 04:48 📱:N904i 🆔:L5biXM72


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