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#1 [ゆうと]
お前は恋に恋するタイプ…


そんなことを言われたのはつい最近だ。

ショックだった。


「そんなんで自分の女守れるわきゃねーだろこの芋野郎!」

そう言い返してやったが、せせら笑われた。

⏰:09/10/31 01:59 📱:F902iS 🆔:DINsBX2g


#2 [ゆうと]
俺は今年で21歳になった小林 佑翔(こばやし ゆうと)※漢字違うけど本名


恋に恋するヤツ発言をしたのは俺の親友・ユウキ。

ユウキの言葉にカチンときた。

でも、俺の過去の恋愛を巡っていくと、確かにそうかもしれないって思うようになった。

⏰:09/10/31 02:07 📱:F902iS 🆔:DINsBX2g


#3 [ゆうと]
───2年前───


当時、俺は18歳だった。
高校卒業後、大学という次のステップが待っていた。

俺は頭のいい方じゃない。むしろパッパラパーだ。因数分解なんてこの世のものじゃないし、サイン・コサイン・タンジェントなんて小島よしお並にどうでもいい…

⏰:09/10/31 02:13 📱:F902iS 🆔:DINsBX2g


#4 [ゆうと]
俺はガキンチョの頃からバスケット大好き人間だった。
三度の飯よりバスケ…


頭パッパラパーな俺が大学に入学できるのは、バスケットがあったから…
バスケのスキルはそこそこだったし、それなりの結果出してたから推薦をもらえた。

K大学に入学が決まり、入学までの約1ヶ月はとことん遊びまくろう♪


そう考えていた。

⏰:09/10/31 02:20 📱:F902iS 🆔:DINsBX2g


#5 [ゆうと]
2月…


「3月から入寮なので、よろしくお願いします」

そんな通知が送られてきた。

母は、
「え〜?入寮3月…3日?」
と、あたふたしている。
通知を読み、幾度となくマスオさん混じりの「え〜?」を連呼する母を見て、俺はクスクス笑っていた。

「ユウト!あんた3月には入寮だって…もう1ヶ月もないよ」

「クスクス…ゴホン!…あぁ、うん」

俺は力なく答えた。

⏰:09/10/31 02:29 📱:F902iS 🆔:DINsBX2g


#6 [ゆうと]
決まったもんは仕方ない…
よっしゃ!
準備しましょか!


3月1日に卒業式…
その2日後には、もうK大学(以下、K大)の寮に入るんだ…

ワクワクドキドキする反面、緊張でプルプルワナワナしていた俺だったが…

そうだ!
ユウキも一緒だから頑張れる!

そう!
ユウキと俺は同じ大学に入学が決まっていたのだ。

⏰:09/10/31 02:36 📱:F902iS 🆔:DINsBX2g


#7 [ゆうと]
そして迎えた3月3日…

入寮に向けて引っ越しを始めた。
父さん、母さんは忙しい中、俺の引っ越しのために仕事を休んで手伝ってくれた。
はるばるとK大まで…


父「いい男になれよ」
母「辛くなったらいつでも呼ぶんだよ」

そう言うと、母さんを乗せた父さんの運転する車は見えなくなった。
見えなくなった瞬間、胸がジーンってなって寂しさを感じた。

お泊まり保育以上の寂しさだった。

⏰:09/10/31 02:46 📱:F902iS 🆔:DINsBX2g


#8 [ゆうと]
そんな寂しさは、約3分後には忘れられることになる。


「引っ越し終わった?」

ユウキが部屋に入ってきた。

「あ〜、まだ細々してるヤツ片付けないと…ってかお前、何ニヤニヤしてるん?」

「いい事聞いたんだぁ♪」

「何?何?」


「あのね、この寮の隣、今工事中じゃん?何ができると思う?」


「…コンビニ?知らん」


「女子バスケ部の寮だよ」

⏰:09/10/31 02:59 📱:F902iS 🆔:DINsBX2g


#9 [ゆうと]
「えぇ〜?」

驚いた。
俺もマスオさんになっていた。
やっぱり俺って母さんの息子なんだな…


「いいのかよ!男子寮の横に女子寮って…」

「なぁ。驚きだよな」

「ってか、K大に女子バスケ部ってあったんだ…」

「何言ってんだよ…女バスとか1部でバリバリじゃねーか。世間は男バスができたことにビックリしてるんだよ」

⏰:09/10/31 03:08 📱:F902iS 🆔:DINsBX2g


#10 [ゆうと]
(1部、2部…ってあって強いチームほど2部→1部って上がっていくわけです)


「知らなかった」

「ま、とりあえず頑張ろうな。あ!もうちょいしたらさ、吉野家行こうや♪腹減った」

ユウキのこのお誘いで、第1回目のすれ違いが生じることになる。

⏰:09/10/31 03:17 📱:F902iS 🆔:DINsBX2g


#11 [ゆうと]
(補足:男子バスケット部は俺らが第1期生です)
PM7:30〜
「吉野家ってこの近く?」
「うん。さっきここへ来る途中見つけた♪」

ユウキの地理力と勘はハンパじゃない。
俺とユウキはそれぞれのチャリに乗り、暗くて静かな道をチリンチリン鳴らしながら颯爽と駆け抜けた。

この季節の夜はまだ少し冷える。
俺はそんな季節がたまらなく好きだ。

すると…

⏰:09/10/31 03:30 📱:F902iS 🆔:DINsBX2g


#12 [ゆうと]
蛇行しながらこちらへやってくる2台のチャリ族発見。
いかにも『なんかスポーツやってます』的な格好をした女2人だった。


…それだけは覚えてる。

俺達は何も気にすることなく、そのチャリ2台とすれ違った。
向こうはコソコソ話しながらこちらを見ていたようだが…

とりあえず視線だけは感じていた。

⏰:09/10/31 03:41 📱:F902iS 🆔:DINsBX2g


#13 [ゆうと]
吉野家には30分ほどで着いた。
近くにあると言っていたのにだいぶかかったな。

牛丼を食べ→ダイソー→雑貨屋

の流れで、K市を満喫した。初めて見るK市は、俺の住んでいた町よりはるかに都会で、にぎやかで、明るかった。そんなK市を、俺は一目で好きになった。

帰宅…
明日は服屋に行こうとか、生活用品を見に行こうとか、ユウキとあれこれ約束してお互い部屋へと戻った。

⏰:09/10/31 21:15 📱:F902iS 🆔:DINsBX2g


#14 [ゆうと]
部屋へ戻り、残りの荷物を片付けた。
寮といっても個室だったから、1人暮らしのようなものだ。

ベッドの上に転がり、雑誌を読んでいた。

ピンポーン

呼び鈴が鳴り、ドアを開ける。
N県から来ていたアキヒロだ。アキヒロは馴れ馴れしいことで地元で有名だったようだ。

「名前アキヒロだっけ?入りなよ」

「おじゃま〜」

⏰:09/10/31 21:26 📱:F902iS 🆔:DINsBX2g


#15 [ゆうと]
「ちょっと散らかってるけど気にしないで!」

「大丈夫」

アキヒロはベッドにドカンと座り込んだ。
読んでいた雑誌がグシャッという音をたて、アキヒロの尻の餌食となった…
アキヒロはお構いなしにニヤニヤしながら口を開く。

「なんとかユウトだよね?俺人の名前覚えれないからさぁ(笑)」

「小林だよ」

そんな感じの会話が続き、話しているうちに仲良くなっていったっぽい。

⏰:09/10/31 21:34 📱:F902iS 🆔:DINsBX2g


#16 [ゆうと]
そして本題!

「あ!そうだ…さっき女バスの先輩が来たよ」
アキヒロがニヤニヤしながら話し出す。

「へぇ。何しに?」

「新しく出来る寮を見に来たんだって。あと5日くらいで完成だから下見に来たらしい」

そういえば…

「もしかしてバスケのスウェット着てた人?2人?」

⏰:09/10/31 21:39 📱:F902iS 🆔:DINsBX2g


#17 [ゆうと]
「そーそー。知ってんの?」

「あ、いや…さっきそこの道路でそれらしき2人組とすれ違ったから。でも顔は見えなかったよ」

「そうなんだ。1人可愛い人いたよ!」

アキヒロは嬉しそうに言った。
「なんていうか…可愛いけどドSって感じのさぁ(笑)俺Mだからああいう人好きかも(笑)」

アキヒロのニヤニヤは最高潮に達した。

⏰:09/10/31 21:47 📱:F902iS 🆔:DINsBX2g


#18 [ゆうと]
それからはアキヒロの今までの彼女の話だの、俺のタイプは…だの、過去の武勇伝だの、頼んでもいないことを延々と聞かされるハメになった。
アキヒロは背が高く、手足が長くてスタイルがいい。
ただ、顔がアンガールズの田中だけど…


アキヒロはしゃべり疲れたらしく、部屋へ戻っていった。

俺は踏み潰された雑誌を読んでいたんだが、その『女バスの可愛い人』という人物が気になり始めた。

⏰:09/10/31 21:58 📱:F902iS 🆔:DINsBX2g


#19 [ゆうと]
顔くらい見とけばよかったな…

ちょっとした後悔はあったものの、実際はまったく知らない人だから翌日には忘れていた。


K市に来て2日目…
昨日の約束通り、午前中にユウキとK市をぶらぶらした。
午後からは、男バスの新1年生全員でカラオケに行った。
新1年生は全員で8人。この8人だけでスタートするのだから、バスケをする上で多少難しい面がある。
そんな8人はすぐに仲良くなった。

⏰:09/10/31 22:17 📱:F902iS 🆔:DINsBX2g


#20 [ゆうと]
1日中遊ぶことは久しぶりだった。

明日からは練習が始まるんだ。
部屋に戻ってからは、荷物の中から練習着を引っ張り出すことに専念した。
ちゃんと片付けたつもりだったのに、どこに何があるのか分かんねぇ…

⏰:09/10/31 22:23 📱:F902iS 🆔:DINsBX2g


#21 [ゆうと]
その時だ。

外から話し声が聞こえてきた。
数人はいる。
アキヒロの調子こいてる時の甲高い笑い声、ユウキの声もする。その他数人はいたみたいだ。

寮周辺は静かなご近所…
その話し声がうるさかったのか、入浴後っぽい股引を履いたじいさんまでもが登場し、うるせー的なことをガミガミ言っている。
そのにぎやかな御一行は寮へと入ってきた。

⏰:09/10/31 22:33 📱:F902iS 🆔:DINsBX2g


#22 [ゆうと]
ピンポーン…

御一行が俺の部屋へ来たようだ。
ドアを開けると、

「起きてた〜?ユウト君」
アキヒロの様子がおかしい。1人でビール飲んでて酔っ払ったらしい。
おいこら未成年…


「ちょっ…お前酒くせーよ。ってか隣のじいさんキレてたじゃん」

「生きてるから大丈夫〜!あ、上田さん、こいつが小林ってやつです」

⏰:09/10/31 22:41 📱:F902iS 🆔:DINsBX2g


#23 [ゆうと]
上田さん…?

アキヒロの横に小柄な女性が立っている。

「K高の子だよね?ってか昨日自転車ですれ違ったみたいだね〜」

ニコニコして俺に話しかけてくる。

「K高知ってるんすか?」
「うん!バスケ部強かったじゃん(笑)」


(K高は俺の出身です。ゴチャゴチャしててすみません)

⏰:09/10/31 22:48 📱:F902iS 🆔:DINsBX2g


#24 [ゆうと]
「ってか、女バスにK高出身の子がいるからさ。後輩が来るっていうから見てみたいって思って♪」

初対面なのに照れることなく淡々と話す彼女の名前は『上田』というらしい。

上田 彩乃(うえだ あやの)

昨日アキヒロが言っていた『可愛い人』は、たぶんこの人だろうと予想がついた。

アキヒロの顔を見ると、酔いとは別に顔が赤くなっている。
それで確信がついた。

⏰:09/10/31 22:54 📱:F902iS 🆔:DINsBX2g


#25 [ゆうと]
御一行は俺の部屋に入ってきた。
軽く1時間はいろんな質問攻めに合ったと思う。
上田さんと一緒に来ていたもう1人の女バスの先輩は、ミクさんという人。
2人とも4年生だと言う。
アキヒロ、ユウキ、上田さん、ミクさん、俺の5人はすぐに仲良くなった。

⏰:09/10/31 23:04 📱:F902iS 🆔:DINsBX2g


#26 [ゆうと]
大学の寮生活は、高校の時よりはるかに自由が利く。
まだ入学はしていなかったが…ってか、まだK市に来て2日目なのだが、すべてが新鮮で楽しかった。

上田さん達は4年生ということで、俺達に比べてすべてがしっかりして見えた。

もっと仲良くなりたいな…


「ねぇ、そろそろ帰ろうか。マコちゃん待ってるよ」

⏰:09/10/31 23:11 📱:F902iS 🆔:DINsBX2g


#27 [ゆうと]
「…マコちゃん?」
アキヒロが目を丸くして聞く。

「うん。マコちゃん。アヤの彼氏」

ミクさんは上田さんのことを『アヤ』と呼ぶ。


「そうなんだ。…そりゃあ、彼氏いますよねぇ」
アキヒロは残念そうに笑いながら言う。もう酔いは覚めたみたいだ。

寮を出て少し行った所に1台の赤い車が停まっていた。

俺達に気付くと、『マコちゃん』はエンジンをかけた。

⏰:09/10/31 23:16 📱:F902iS 🆔:DINsBX2g


#28 [ゆうと]
「押しかけちゃってごめんね〜。楽しかった。ありがとう♪またね!」

上田さんは助手席に、ミクさんは後ろに乗り込んだ。

運転席の窓が開いた。

『マコちゃん』はニコッと笑い、頭をちょこんと下げた。
暗かったから顔はよく分からなかったけど、大人の男!っていうオーラは感じ取れた。

⏰:09/10/31 23:20 📱:F902iS 🆔:DINsBX2g


#29 [ゆうと]
俺は返す言葉がなくて、
「彼氏さんですよね?今度ドライブ連れて行ってくださいよ♪」
と言った。

『マコちゃん』は照れ臭そうに笑い、小さく頷いた。

上田さんも笑って

「今度ね♪」
なんて言ってた。

ユウキは

「その時は俺も!」
と言った。

アキヒロは引きつり笑いを演じていた。

⏰:09/10/31 23:25 📱:F902iS 🆔:DINsBX2g


#30 [ゆうと]
俺達は赤い車を見送った。

『マコちゃん』はクラクションを2回鳴らし、上田さん達2人は手を振ってくれた。


大学生の恋愛ってなんか大人だなぁ〜

なんて思ってた。

小学校の頃は恋愛なんか興味なし、中学校の頃は彼女との登下校、高校はいろいろ発展して〜…ってな感じで恋愛を経験してきた。

そんなものがちっぽけなものに思えたと同時に、今までの恋愛の価値観が子供に思えた。

⏰:09/10/31 23:40 📱:F902iS 🆔:DINsBX2g


#31 [ゆうと]
あのクールな感じの『マコちゃん』も、俺みたいな恋愛を経験してきたのだろうか…

俺も大人になれるのだろうか…

その一瞬で、いろんなことを考えた。

⏰:09/10/31 23:45 📱:F902iS 🆔:DINsBX2g


#32 [ゆうと]
翌日…
女バスが練習するコートの横で、8人の新生男バスは集合した。

監督の大川さんの指導の下でやっていく。

女バスはできたばかりの男バスに興味深々でこちらを見ていた。

⏰:09/11/01 01:50 📱:F902iS 🆔:1/hxFirQ


#33 [ゆうと]
練習が始まった。

個々のスキルを見せようと、みんな張り切っていた。
アキヒロは自分のバッシュの紐を踏んづけて転び、恥ずかしかったみたいでブルーになっていた。




そんなこんなで練習は終わった。
初日ということもあってかなり楽なメニューだった。

⏰:09/11/01 01:54 📱:F902iS 🆔:1/hxFirQ


#34 [ゆうと]
練習が終わったのは昼過ぎ…
春休みということもあり、大学内は静かだった。
めちゃくちゃ心地よい風が吹いていた。
綺麗なピンク色の桜の花びらが風に舞い、K大を明るく包み込んだ。

チャリで寮まで帰る。

坂道を一気にかけ降りると、去年まで見ていた桜の木とは違う桜の木に出会う。
K高内の桜は少なかった。
だから季節を感じる。…なんてことはなかった。今目の前にある桜の木は、圧倒的な存在感を感じさせてくれる。

⏰:09/11/01 02:06 📱:F902iS 🆔:1/hxFirQ


#35 [ゆうと]
ユウキとアキヒロ、もう1人男バスのリョータと俺の4人で昼からK市に遊びに行くことになった。

準備をして、バスに乗っていざ出陣!

TSUTAYAを発見した。しかもかなりデカい
俺の地元のTSUTAYAの10倍はある…
それほど俺の地元はショボかった…

バスを降りてTSUTAYAへ向かう。


「あれ?」

⏰:09/11/01 02:16 📱:F902iS 🆔:1/hxFirQ


#36 [ゆうと]
後ろから声がした。

振り向くと上田さんだった。

「あらー!4人で来たの?」

「はい…ってか、あれ?上田さん1人ですか?」

「いや、彼氏と」

「そうなんだ」

仲良しカップルなんだな…

「あの…彼氏さんって今…どこにいます?」
アキヒロは『マコちゃん』が気になって仕方がないようだ。

⏰:09/11/01 02:22 📱:F902iS 🆔:1/hxFirQ


#37 [ゆうと]
「ん?彼氏?たぶん雑誌のとこにいるよ」

アキヒロが顔をよく見てみたいと言う。
俺もこの前見た、あのクール&大人な『マコちゃん』がどんな人なのか気になっていたから見てみたかった。

「えー?彼氏見たいの?あんまりカッコよくないよ?」

「まっさかぁ!見るだけ見るだけ…」

「…あれ!」
上田さんの指差す方に後ろ姿の『マコちゃん』はいた。

⏰:09/11/01 02:28 📱:F902iS 🆔:1/hxFirQ


#38 [ゆうと]
買うものが決まったのか、ナイスタイミングで振り返り、こっちに近づいてくる。
手には雑誌を持ち、ポケットから財布を取り出した。


「…」
「…」
「…」
「…」

4人一緒に言葉を失った。

え?こいつが上田さんの彼氏?
え?この上田さんの?

↑たぶん、4人共通してこんなこと考えてたと思う。

⏰:09/11/01 02:34 📱:F902iS 🆔:1/hxFirQ


#39 [ゆうと]
上田彩乃さんは声は少しハスキー、小柄で、髪がサラサラで肩より長め、顔は広末涼子と北川景子を足して2で割ったような感じだ。
世間でいう美人の部類に入る。

俺が想像していた『マコちゃん』は音をたてて崩れていった。見事に期待を裏切ってくれた。

髪は無造作に伸びていて(決しておしゃれとは言えない)、目がシャキーンで、タラコ唇…

顔のこと抜きにしても、その容姿ば不潔"という印象が残った…

⏰:09/11/01 02:45 📱:F902iS 🆔:1/hxFirQ


#40 [ゆうと]
「アヤ、聞いて。最新刊出てたよ」
ヌメヌメした声で『マコちゃん』は話す。

「車のやつでしょ?よかったじゃん。買ってきなよ」

『マコちゃん』は嬉しそうにレジへ向かった。


おい…誰か1人くらい「かっこいいですね」とか言えや!
↑(4人共通の心の声)


「あたしの彼氏、車のことしか頭にないからね〜(笑)いっつもあんな本ばっか読んでるんだよ」


「あ…あはははは…」
↑(これが精一杯の返事)

⏰:09/11/01 02:53 📱:F902iS 🆔:1/hxFirQ


#41 [ゆうと]
「まだTSUTAYAん中見るの?」

上田さんは優しく聞いてくれた。

「いや…別に用事ないから次行こうかなぁ…って」

「そうなんだ。じゃあさ、みんなでマクドナルド行かない?マコがおごってくれるからさ(笑)車は頑張れば後ろに4人乗れるし(笑)」


空腹だった俺らは遠慮がちに、またはしめしめと言わんばかりに返事をして、マクドナルドに行くことになった。
アキヒロは乗り気じゃないけど…

⏰:09/11/01 03:05 📱:F902iS 🆔:1/hxFirQ


#42 [ゆうと]
会計を済ませた『マコちゃん』が戻ってきた。

「ごめんね、待った?」

「別にぃ。ねえ、この子達もさ、一緒にマクドナルド行きたいって」

「お!みんなで行こか」

「マコバイト代入ったんでしょ?」

「やられた(笑)俺がおごるから、みんな心配しなくていいよ」


わーい
↑(アキヒロ以外)

⏰:09/11/01 03:11 📱:F902iS 🆔:1/hxFirQ


#43 [ゆうと]
「じゃあ、後ろに乗って…乗り切るかな?」

「詰め込めば入る♪ごめんね、狭いけど(笑)」

『マコちゃん』と上田さんの会話は、どこかほんわかするものがある。
飾ってなくて、ものすごく自然で…

そう考えている時に、マコちゃんcarはエンストした。よく見ると、だいぶ前の型の車だ。
車の雑誌読んでるんじゃなかったんかい…

⏰:09/11/01 03:18 📱:F902iS 🆔:1/hxFirQ


#44 [ゆうと]
マクドナルド…


注文を終え、ハンバーガーやポテトを乗せたお盆を持って席に着く。

「今日、ミクさんは一緒じゃないんすか?」

ユウキが話を切り出す。
「ミクはバイトだよ」


ピリリリリリ…
「電話だ」

『マコちゃん』は席を立ち、外に出た。


「あの、上田さんと彼氏さんって付き合ってどれくらいなんすか?」

⏰:09/11/01 03:26 📱:F902iS 🆔:1/hxFirQ


#45 [ゆうと]
「今年で4年目だよ♪」

「4年?!長っ肇
「彼氏さんって何してる人なんすか?」

「マコはあたしと同じ学部だよ。クラスもずっと一緒なんだ」

「え?大学生?…あ、別にそういう意味じゃ…」

「あはは、よく言われる(笑)老けてるよね」

確かに三十路って感じの雰囲気を醸し出してる。アンバランスなカップルに見えるけど、実は調和が取れてるのかも…と思わせるくらい、お互いのことを理解してるようだ。

⏰:09/11/01 03:33 📱:F902iS 🆔:1/hxFirQ


#46 [ゆうと]
『マコちゃん』が戻ってきた。
上田さんの隣に座り、ハンバーガーを食べ始めた。

「あ、そうだ。アヤ、今日夜は拓弥達と飲み行くけどどうする?」

「あたし行かないよ。電話拓君から?」

「そう。Wデートしようぜみたいなこと言ってたよ。一緒行こ!」

「え〜?……すぐ帰るなら別にいいけど」

「んじゃ、7時に待ち合わせだから、ちょい前くらいに迎え行くよ」

⏰:09/11/01 13:30 📱:F902iS 🆔:1/hxFirQ


#47 [ゆうと]
「2人仲良いんすね〜」

ユウキがそう言うと、2人は照れくさそうに笑った。

同時に、アキヒロの中で何かがキレた。

「…すみません。ちょっとう○こしてきます」
と言い、立ち上がる。


「いちいち報告すんなよ(笑)」
みたいな会話でギャハハとなったけど、10分〜15分…
アキヒロは帰ってこない。
何かを察した俺は、こっそり抜け出して、アキヒロに電話をかけた。

⏰:09/11/01 13:37 📱:F902iS 🆔:1/hxFirQ


#48 [ゆうと]
プルルルルル…
プルルルルル…
プルルル…ガチャ

「…しもし?」
「もしもし?お前何してんの?」

「………」

「う○こじゃないんだろ?今どこだ?」

「……バス乗った」

「…は?なんで?帰ってんの?」

「ユウト後で俺の部屋来て。お前だけだぞ。他のやつは呼ばないでな」

電話が切れた。

⏰:09/11/01 13:44 📱:F902iS 🆔:1/hxFirQ


#49 [ゆうと]
俺は店の中へ戻った。

「アキヒロは?」

「…ああ。なんか猛烈に腹が痛くなったからって慌てて帰ったみたい(笑)昨日ビール大量に飲んで、めちゃくちゃ食べてたみたいだから(笑)心配かけてすみませんだって」

「そうなんだ。よかった」
上田さんがニッコリ笑った。



夕方…
『マコちゃん』と上田さんにお礼を言い、俺達3人はバスに乗り、寮へと戻った。
後から知ったことだけど、女バスの旧寮はK市内の街中にあったみたいだ。

⏰:09/11/01 13:50 📱:F902iS 🆔:1/hxFirQ


#50 [ゆうと]
約束通り、俺は1人でアキヒロの部屋に行った。アキヒロはベッドに転がり、お香を炊いていた。
「…急にどうした?上田さんの彼氏が原因か?なんか言われたん?」

アキヒロは座り、うつむいた。

「上田さん心配してたぞ」
「…俺さ、好きかも…上田さんのこと」

「…あのさ…上田さんに出会ってまだ3日目だよ?ってか、地質2日目だよ?」

⏰:09/11/01 15:10 📱:F902iS 🆔:1/hxFirQ


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