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#1 [ゆうと]
お前は恋に恋するタイプ…
そんなことを言われたのはつい最近だ。
ショックだった。
「そんなんで自分の女守れるわきゃねーだろこの芋野郎!」
そう言い返してやったが、せせら笑われた。
:09/10/31 01:59
:F902iS
:DINsBX2g
#2 [ゆうと]
俺は今年で21歳になった小林 佑翔(こばやし ゆうと)※漢字違うけど本名
恋に恋するヤツ発言をしたのは俺の親友・ユウキ。
ユウキの言葉にカチンときた。
でも、俺の過去の恋愛を巡っていくと、確かにそうかもしれないって思うようになった。
:09/10/31 02:07
:F902iS
:DINsBX2g
#3 [ゆうと]
───2年前───
当時、俺は18歳だった。
高校卒業後、大学という次のステップが待っていた。
俺は頭のいい方じゃない。むしろパッパラパーだ。因数分解なんてこの世のものじゃないし、サイン・コサイン・タンジェントなんて小島よしお並にどうでもいい…
:09/10/31 02:13
:F902iS
:DINsBX2g
#4 [ゆうと]
俺はガキンチョの頃からバスケット大好き人間だった。
三度の飯よりバスケ…
頭パッパラパーな俺が大学に入学できるのは、バスケットがあったから…
バスケのスキルはそこそこだったし、それなりの結果出してたから推薦をもらえた。
K大学に入学が決まり、入学までの約1ヶ月はとことん遊びまくろう♪
そう考えていた。
:09/10/31 02:20
:F902iS
:DINsBX2g
#5 [ゆうと]
2月…
「3月から入寮なので、よろしくお願いします」
そんな通知が送られてきた。
母は、
「え〜?入寮3月…3日?」
と、あたふたしている。
通知を読み、幾度となくマスオさん混じりの「え〜?」を連呼する母を見て、俺はクスクス笑っていた。
「ユウト!あんた3月には入寮だって…もう1ヶ月もないよ」
「クスクス…ゴホン!…あぁ、うん」
俺は力なく答えた。
:09/10/31 02:29
:F902iS
:DINsBX2g
#6 [ゆうと]
決まったもんは仕方ない…
よっしゃ!
準備しましょか!
3月1日に卒業式…
その2日後には、もうK大学(以下、K大)の寮に入るんだ…
ワクワクドキドキする反面、緊張でプルプルワナワナしていた俺だったが…
そうだ!
ユウキも一緒だから頑張れる!
そう!
ユウキと俺は同じ大学に入学が決まっていたのだ。
:09/10/31 02:36
:F902iS
:DINsBX2g
#7 [ゆうと]
そして迎えた3月3日…
入寮に向けて引っ越しを始めた。
父さん、母さんは忙しい中、俺の引っ越しのために仕事を休んで手伝ってくれた。
はるばるとK大まで…
父「いい男になれよ」
母「辛くなったらいつでも呼ぶんだよ」
そう言うと、母さんを乗せた父さんの運転する車は見えなくなった。
見えなくなった瞬間、胸がジーンってなって寂しさを感じた。
お泊まり保育以上の寂しさだった。
:09/10/31 02:46
:F902iS
:DINsBX2g
#8 [ゆうと]
そんな寂しさは、約3分後には忘れられることになる。
「引っ越し終わった?」
ユウキが部屋に入ってきた。
「あ〜、まだ細々してるヤツ片付けないと…ってかお前、何ニヤニヤしてるん?」
「いい事聞いたんだぁ♪」
「何?何?」
「あのね、この寮の隣、今工事中じゃん?何ができると思う?」
「…コンビニ?知らん」
「女子バスケ部の寮だよ」
:09/10/31 02:59
:F902iS
:DINsBX2g
#9 [ゆうと]
「えぇ〜?」
驚いた。
俺もマスオさんになっていた。
やっぱり俺って母さんの息子なんだな…
「いいのかよ!男子寮の横に女子寮って…」
「なぁ。驚きだよな」
「ってか、K大に女子バスケ部ってあったんだ…」
「何言ってんだよ…女バスとか1部でバリバリじゃねーか。世間は男バスができたことにビックリしてるんだよ」
:09/10/31 03:08
:F902iS
:DINsBX2g
#10 [ゆうと]
(1部、2部…ってあって強いチームほど2部→1部って上がっていくわけです)
「知らなかった」
「ま、とりあえず頑張ろうな。あ!もうちょいしたらさ、吉野家行こうや♪腹減った」
ユウキのこのお誘いで、第1回目のすれ違いが生じることになる。
:09/10/31 03:17
:F902iS
:DINsBX2g
#11 [ゆうと]
(補足:男子バスケット部は俺らが第1期生です)
PM7:30〜
「吉野家ってこの近く?」
「うん。さっきここへ来る途中見つけた♪」
ユウキの地理力と勘はハンパじゃない。
俺とユウキはそれぞれのチャリに乗り、暗くて静かな道をチリンチリン鳴らしながら颯爽と駆け抜けた。
この季節の夜はまだ少し冷える。
俺はそんな季節がたまらなく好きだ。
すると…
:09/10/31 03:30
:F902iS
:DINsBX2g
#12 [ゆうと]
蛇行しながらこちらへやってくる2台のチャリ族発見。
いかにも『なんかスポーツやってます』的な格好をした女2人だった。
…それだけは覚えてる。
俺達は何も気にすることなく、そのチャリ2台とすれ違った。
向こうはコソコソ話しながらこちらを見ていたようだが…
とりあえず視線だけは感じていた。
:09/10/31 03:41
:F902iS
:DINsBX2g
#13 [ゆうと]
吉野家には30分ほどで着いた。
近くにあると言っていたのにだいぶかかったな。
牛丼を食べ→ダイソー→雑貨屋
の流れで、K市を満喫した。初めて見るK市は、俺の住んでいた町よりはるかに都会で、にぎやかで、明るかった。そんなK市を、俺は一目で好きになった。
帰宅…
明日は服屋に行こうとか、生活用品を見に行こうとか、ユウキとあれこれ約束してお互い部屋へと戻った。
:09/10/31 21:15
:F902iS
:DINsBX2g
#14 [ゆうと]
部屋へ戻り、残りの荷物を片付けた。
寮といっても個室だったから、1人暮らしのようなものだ。
ベッドの上に転がり、雑誌を読んでいた。
ピンポーン
呼び鈴が鳴り、ドアを開ける。
N県から来ていたアキヒロだ。アキヒロは馴れ馴れしいことで地元で有名だったようだ。
「名前アキヒロだっけ?入りなよ」
「おじゃま〜」
:09/10/31 21:26
:F902iS
:DINsBX2g
#15 [ゆうと]
「ちょっと散らかってるけど気にしないで!」
「大丈夫」
アキヒロはベッドにドカンと座り込んだ。
読んでいた雑誌がグシャッという音をたて、アキヒロの尻の餌食となった…
アキヒロはお構いなしにニヤニヤしながら口を開く。
「なんとかユウトだよね?俺人の名前覚えれないからさぁ(笑)」
「小林だよ」
そんな感じの会話が続き、話しているうちに仲良くなっていったっぽい。
:09/10/31 21:34
:F902iS
:DINsBX2g
#16 [ゆうと]
そして本題!
「あ!そうだ…さっき女バスの先輩が来たよ」
アキヒロがニヤニヤしながら話し出す。
「へぇ。何しに?」
「新しく出来る寮を見に来たんだって。あと5日くらいで完成だから下見に来たらしい」
そういえば…
「もしかしてバスケのスウェット着てた人?2人?」
:09/10/31 21:39
:F902iS
:DINsBX2g
#17 [ゆうと]
「そーそー。知ってんの?」
「あ、いや…さっきそこの道路でそれらしき2人組とすれ違ったから。でも顔は見えなかったよ」
「そうなんだ。1人可愛い人いたよ!」
アキヒロは嬉しそうに言った。
「なんていうか…可愛いけどドSって感じのさぁ(笑)俺Mだからああいう人好きかも(笑)」
アキヒロのニヤニヤは最高潮に達した。
:09/10/31 21:47
:F902iS
:DINsBX2g
#18 [ゆうと]
それからはアキヒロの今までの彼女の話だの、俺のタイプは…だの、過去の武勇伝だの、頼んでもいないことを延々と聞かされるハメになった。
アキヒロは背が高く、手足が長くてスタイルがいい。
ただ、顔がアンガールズの田中だけど…
アキヒロはしゃべり疲れたらしく、部屋へ戻っていった。
俺は踏み潰された雑誌を読んでいたんだが、その『女バスの可愛い人』という人物が気になり始めた。
:09/10/31 21:58
:F902iS
:DINsBX2g
#19 [ゆうと]
顔くらい見とけばよかったな…
ちょっとした後悔はあったものの、実際はまったく知らない人だから翌日には忘れていた。
K市に来て2日目…
昨日の約束通り、午前中にユウキとK市をぶらぶらした。
午後からは、男バスの新1年生全員でカラオケに行った。
新1年生は全員で8人。この8人だけでスタートするのだから、バスケをする上で多少難しい面がある。
そんな8人はすぐに仲良くなった。
:09/10/31 22:17
:F902iS
:DINsBX2g
#20 [ゆうと]
1日中遊ぶことは久しぶりだった。
明日からは練習が始まるんだ。
部屋に戻ってからは、荷物の中から練習着を引っ張り出すことに専念した。
ちゃんと片付けたつもりだったのに、どこに何があるのか分かんねぇ…
:09/10/31 22:23
:F902iS
:DINsBX2g
#21 [ゆうと]
その時だ。
外から話し声が聞こえてきた。
数人はいる。
アキヒロの調子こいてる時の甲高い笑い声、ユウキの声もする。その他数人はいたみたいだ。
寮周辺は静かなご近所…
その話し声がうるさかったのか、入浴後っぽい股引を履いたじいさんまでもが登場し、うるせー的なことをガミガミ言っている。
そのにぎやかな御一行は寮へと入ってきた。
:09/10/31 22:33
:F902iS
:DINsBX2g
#22 [ゆうと]
ピンポーン…
御一行が俺の部屋へ来たようだ。
ドアを開けると、
「起きてた〜?ユウト君」
アキヒロの様子がおかしい。1人でビール飲んでて酔っ払ったらしい。
おいこら未成年…
「ちょっ…お前酒くせーよ。ってか隣のじいさんキレてたじゃん」
「生きてるから大丈夫〜!あ、上田さん、こいつが小林ってやつです」
:09/10/31 22:41
:F902iS
:DINsBX2g
#23 [ゆうと]
上田さん…?
アキヒロの横に小柄な女性が立っている。
「K高の子だよね?ってか昨日自転車ですれ違ったみたいだね〜」
ニコニコして俺に話しかけてくる。
「K高知ってるんすか?」
「うん!バスケ部強かったじゃん(笑)」
(K高は俺の出身です。ゴチャゴチャしててすみません)
:09/10/31 22:48
:F902iS
:DINsBX2g
#24 [ゆうと]
「ってか、女バスにK高出身の子がいるからさ。後輩が来るっていうから見てみたいって思って♪」
初対面なのに照れることなく淡々と話す彼女の名前は『上田』というらしい。
上田 彩乃(うえだ あやの)
昨日アキヒロが言っていた『可愛い人』は、たぶんこの人だろうと予想がついた。
アキヒロの顔を見ると、酔いとは別に顔が赤くなっている。
それで確信がついた。
:09/10/31 22:54
:F902iS
:DINsBX2g
#25 [ゆうと]
御一行は俺の部屋に入ってきた。
軽く1時間はいろんな質問攻めに合ったと思う。
上田さんと一緒に来ていたもう1人の女バスの先輩は、ミクさんという人。
2人とも4年生だと言う。
アキヒロ、ユウキ、上田さん、ミクさん、俺の5人はすぐに仲良くなった。
:09/10/31 23:04
:F902iS
:DINsBX2g
#26 [ゆうと]
大学の寮生活は、高校の時よりはるかに自由が利く。
まだ入学はしていなかったが…ってか、まだK市に来て2日目なのだが、すべてが新鮮で楽しかった。
上田さん達は4年生ということで、俺達に比べてすべてがしっかりして見えた。
もっと仲良くなりたいな…
「ねぇ、そろそろ帰ろうか。マコちゃん待ってるよ」
:09/10/31 23:11
:F902iS
:DINsBX2g
#27 [ゆうと]
「…マコちゃん?」
アキヒロが目を丸くして聞く。
「うん。マコちゃん。アヤの彼氏」
ミクさんは上田さんのことを『アヤ』と呼ぶ。
「そうなんだ。…そりゃあ、彼氏いますよねぇ」
アキヒロは残念そうに笑いながら言う。もう酔いは覚めたみたいだ。
寮を出て少し行った所に1台の赤い車が停まっていた。
俺達に気付くと、『マコちゃん』はエンジンをかけた。
:09/10/31 23:16
:F902iS
:DINsBX2g
#28 [ゆうと]
「押しかけちゃってごめんね〜。楽しかった。ありがとう♪またね!」
上田さんは助手席に、ミクさんは後ろに乗り込んだ。
運転席の窓が開いた。
『マコちゃん』はニコッと笑い、頭をちょこんと下げた。
暗かったから顔はよく分からなかったけど、大人の男!っていうオーラは感じ取れた。
:09/10/31 23:20
:F902iS
:DINsBX2g
#29 [ゆうと]
俺は返す言葉がなくて、
「彼氏さんですよね?今度ドライブ連れて行ってくださいよ♪」
と言った。
『マコちゃん』は照れ臭そうに笑い、小さく頷いた。
上田さんも笑って
「今度ね♪」
なんて言ってた。
ユウキは
「その時は俺も!」
と言った。
アキヒロは引きつり笑いを演じていた。
:09/10/31 23:25
:F902iS
:DINsBX2g
#30 [ゆうと]
俺達は赤い車を見送った。
『マコちゃん』はクラクションを2回鳴らし、上田さん達2人は手を振ってくれた。
大学生の恋愛ってなんか大人だなぁ〜
なんて思ってた。
小学校の頃は恋愛なんか興味なし、中学校の頃は彼女との登下校、高校はいろいろ発展して〜…ってな感じで恋愛を経験してきた。
そんなものがちっぽけなものに思えたと同時に、今までの恋愛の価値観が子供に思えた。
:09/10/31 23:40
:F902iS
:DINsBX2g
#31 [ゆうと]
あのクールな感じの『マコちゃん』も、俺みたいな恋愛を経験してきたのだろうか…
俺も大人になれるのだろうか…
その一瞬で、いろんなことを考えた。
:09/10/31 23:45
:F902iS
:DINsBX2g
#32 [ゆうと]
翌日…
女バスが練習するコートの横で、8人の新生男バスは集合した。
監督の大川さんの指導の下でやっていく。
女バスはできたばかりの男バスに興味深々でこちらを見ていた。
:09/11/01 01:50
:F902iS
:1/hxFirQ
#33 [ゆうと]
練習が始まった。
個々のスキルを見せようと、みんな張り切っていた。
アキヒロは自分のバッシュの紐を踏んづけて転び、恥ずかしかったみたいでブルーになっていた。
そんなこんなで練習は終わった。
初日ということもあってかなり楽なメニューだった。
:09/11/01 01:54
:F902iS
:1/hxFirQ
#34 [ゆうと]
練習が終わったのは昼過ぎ…
春休みということもあり、大学内は静かだった。
めちゃくちゃ心地よい風が吹いていた。
綺麗なピンク色の桜の花びらが風に舞い、K大を明るく包み込んだ。
チャリで寮まで帰る。
坂道を一気にかけ降りると、去年まで見ていた桜の木とは違う桜の木に出会う。
K高内の桜は少なかった。
だから季節を感じる。…なんてことはなかった。今目の前にある桜の木は、圧倒的な存在感を感じさせてくれる。
:09/11/01 02:06
:F902iS
:1/hxFirQ
#35 [ゆうと]
ユウキとアキヒロ、もう1人男バスのリョータと俺の4人で昼からK市に遊びに行くことになった。
準備をして、バスに乗っていざ出陣!
TSUTAYAを発見した。しかもかなりデカい
俺の地元のTSUTAYAの10倍はある…
それほど俺の地元はショボかった…
バスを降りてTSUTAYAへ向かう。
「あれ?」
:09/11/01 02:16
:F902iS
:1/hxFirQ
#36 [ゆうと]
後ろから声がした。
振り向くと上田さんだった。
「あらー!4人で来たの?」
「はい…ってか、あれ?上田さん1人ですか?」
「いや、彼氏と」
「そうなんだ」
仲良しカップルなんだな…
「あの…彼氏さんって今…どこにいます?」
アキヒロは『マコちゃん』が気になって仕方がないようだ。
:09/11/01 02:22
:F902iS
:1/hxFirQ
#37 [ゆうと]
「ん?彼氏?たぶん雑誌のとこにいるよ」
アキヒロが顔をよく見てみたいと言う。
俺もこの前見た、あのクール&大人な『マコちゃん』がどんな人なのか気になっていたから見てみたかった。
「えー?彼氏見たいの?あんまりカッコよくないよ?」
「まっさかぁ!見るだけ見るだけ…」
「…あれ!」
上田さんの指差す方に後ろ姿の『マコちゃん』はいた。
:09/11/01 02:28
:F902iS
:1/hxFirQ
#38 [ゆうと]
買うものが決まったのか、ナイスタイミングで振り返り、こっちに近づいてくる。
手には雑誌を持ち、ポケットから財布を取り出した。
「…」
「…」
「…」
「…」
4人一緒に言葉を失った。
え?こいつが上田さんの彼氏?
え?この上田さんの?
↑たぶん、4人共通してこんなこと考えてたと思う。
:09/11/01 02:34
:F902iS
:1/hxFirQ
#39 [ゆうと]
上田彩乃さんは声は少しハスキー、小柄で、髪がサラサラで肩より長め、顔は広末涼子と北川景子を足して2で割ったような感じだ。
世間でいう美人の部類に入る。
俺が想像していた『マコちゃん』は音をたてて崩れていった。見事に期待を裏切ってくれた。
髪は無造作に伸びていて(決しておしゃれとは言えない)、目がシャキーンで、タラコ唇…
顔のこと抜きにしても、その容姿ば不潔"という印象が残った…
:09/11/01 02:45
:F902iS
:1/hxFirQ
#40 [ゆうと]
「アヤ、聞いて。最新刊出てたよ」
ヌメヌメした声で『マコちゃん』は話す。
「車のやつでしょ?よかったじゃん。買ってきなよ」
『マコちゃん』は嬉しそうにレジへ向かった。
おい…誰か1人くらい「かっこいいですね」とか言えや!
↑(4人共通の心の声)
「あたしの彼氏、車のことしか頭にないからね〜(笑)いっつもあんな本ばっか読んでるんだよ」
「あ…あはははは…」
↑(これが精一杯の返事)
:09/11/01 02:53
:F902iS
:1/hxFirQ
#41 [ゆうと]
「まだTSUTAYAん中見るの?」
上田さんは優しく聞いてくれた。
「いや…別に用事ないから次行こうかなぁ…って」
「そうなんだ。じゃあさ、みんなでマクドナルド行かない?マコがおごってくれるからさ(笑)車は頑張れば後ろに4人乗れるし(笑)」
空腹だった俺らは遠慮がちに、またはしめしめと言わんばかりに返事をして、マクドナルドに行くことになった。
アキヒロは乗り気じゃないけど…
:09/11/01 03:05
:F902iS
:1/hxFirQ
#42 [ゆうと]
会計を済ませた『マコちゃん』が戻ってきた。
「ごめんね、待った?」
「別にぃ。ねえ、この子達もさ、一緒にマクドナルド行きたいって」
「お!みんなで行こか」
「マコバイト代入ったんでしょ?」
「やられた(笑)俺がおごるから、みんな心配しなくていいよ」
わーい
↑(アキヒロ以外)
:09/11/01 03:11
:F902iS
:1/hxFirQ
#43 [ゆうと]
「じゃあ、後ろに乗って…乗り切るかな?」
「詰め込めば入る♪ごめんね、狭いけど(笑)」
『マコちゃん』と上田さんの会話は、どこかほんわかするものがある。
飾ってなくて、ものすごく自然で…
そう考えている時に、マコちゃんcarはエンストした。よく見ると、だいぶ前の型の車だ。
車の雑誌読んでるんじゃなかったんかい…
:09/11/01 03:18
:F902iS
:1/hxFirQ
#44 [ゆうと]
マクドナルド…
注文を終え、ハンバーガーやポテトを乗せたお盆を持って席に着く。
「今日、ミクさんは一緒じゃないんすか?」
ユウキが話を切り出す。
「ミクはバイトだよ」
ピリリリリリ…
「電話だ」
『マコちゃん』は席を立ち、外に出た。
「あの、上田さんと彼氏さんって付き合ってどれくらいなんすか?」
:09/11/01 03:26
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:1/hxFirQ
#45 [ゆうと]
「今年で4年目だよ♪」
「4年?!長っ肇
「彼氏さんって何してる人なんすか?」
「マコはあたしと同じ学部だよ。クラスもずっと一緒なんだ」
「え?大学生?…あ、別にそういう意味じゃ…」
「あはは、よく言われる(笑)老けてるよね」
確かに三十路って感じの雰囲気を醸し出してる。アンバランスなカップルに見えるけど、実は調和が取れてるのかも…と思わせるくらい、お互いのことを理解してるようだ。
:09/11/01 03:33
:F902iS
:1/hxFirQ
#46 [ゆうと]
『マコちゃん』が戻ってきた。
上田さんの隣に座り、ハンバーガーを食べ始めた。
「あ、そうだ。アヤ、今日夜は拓弥達と飲み行くけどどうする?」
「あたし行かないよ。電話拓君から?」
「そう。Wデートしようぜみたいなこと言ってたよ。一緒行こ!」
「え〜?……すぐ帰るなら別にいいけど」
「んじゃ、7時に待ち合わせだから、ちょい前くらいに迎え行くよ」
:09/11/01 13:30
:F902iS
:1/hxFirQ
#47 [ゆうと]
「2人仲良いんすね〜」
ユウキがそう言うと、2人は照れくさそうに笑った。
同時に、アキヒロの中で何かがキレた。
「…すみません。ちょっとう○こしてきます」
と言い、立ち上がる。
「いちいち報告すんなよ(笑)」
みたいな会話でギャハハとなったけど、10分〜15分…
アキヒロは帰ってこない。
何かを察した俺は、こっそり抜け出して、アキヒロに電話をかけた。
:09/11/01 13:37
:F902iS
:1/hxFirQ
#48 [ゆうと]
プルルルルル…
プルルルルル…
プルルル…ガチャ
「…しもし?」
「もしもし?お前何してんの?」
「………」
「う○こじゃないんだろ?今どこだ?」
「……バス乗った」
「…は?なんで?帰ってんの?」
「ユウト後で俺の部屋来て。お前だけだぞ。他のやつは呼ばないでな」
電話が切れた。
:09/11/01 13:44
:F902iS
:1/hxFirQ
#49 [ゆうと]
俺は店の中へ戻った。
「アキヒロは?」
「…ああ。なんか猛烈に腹が痛くなったからって慌てて帰ったみたい(笑)昨日ビール大量に飲んで、めちゃくちゃ食べてたみたいだから(笑)心配かけてすみませんだって」
「そうなんだ。よかった」
上田さんがニッコリ笑った。
夕方…
『マコちゃん』と上田さんにお礼を言い、俺達3人はバスに乗り、寮へと戻った。
後から知ったことだけど、女バスの旧寮はK市内の街中にあったみたいだ。
:09/11/01 13:50
:F902iS
:1/hxFirQ
#50 [ゆうと]
約束通り、俺は1人でアキヒロの部屋に行った。アキヒロはベッドに転がり、お香を炊いていた。
「…急にどうした?上田さんの彼氏が原因か?なんか言われたん?」
アキヒロは座り、うつむいた。
「上田さん心配してたぞ」
「…俺さ、好きかも…上田さんのこと」
「…あのさ…上田さんに出会ってまだ3日目だよ?ってか、地質2日目だよ?」
:09/11/01 15:10
:F902iS
:1/hxFirQ
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