ペアリング
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#718 [ゆうと]
財布とケータイだけを持って、飛び出してきた…
駅に着くたびに、ミクさんにメールして場所を聞く。
ホームに着いたら、乗り換えで新幹線に乗る…
到着したら、また乗り換えで電車に乗る…
半日はかかった…
俺んとこが田舎だから、交通の便が不便なんだ…
でも、放心状態だったのかな…?
あっという間にA県に着いた気がする…
:09/11/14 00:48
:F902iS
:SsIHbRfA
#719 [ゆうと]
でも、あいつの家がどこか分からない…
ミクさんが目印の店を教えてくれた。
猛ダッシュで向かった…
気が狂ったかのように足が動く…
涙は出ない…
なんで…?
俺の中のあいつは、まだ生きてるから…
もうすぐだ…
黒いスーツ姿のミクさんが見えた…
:09/11/14 00:52
:F902iS
:SsIHbRfA
#720 [ゆうと]
「ユウト!」
無表情のミクさんが手を振る。
ガクガクの足でミクさんに近づいた。
「あんた…よくここが分かったね」
「なんとなく…勘で…」
息が苦しい…
「彩乃は?」
「…………こっち」
ミクさんについて行く。約10分間、無言…
そして、俺は足が止まった…
:09/11/14 00:57
:F902iS
:SsIHbRfA
#721 [ゆうと]
葬祭場…
黒い喪服に身を包んだ人間が出入りしていた。
目線の先には、
『故・上田 彩乃』
の文字…
その文字を何度も読み返した…
何度も何度も…
:09/11/14 01:01
:F902iS
:SsIHbRfA
#722 [ゆうと]
ミクさんが俺の腕を掴んだ。
ビクッとした…
「行くよ…ユウキ達が中にいる」
足を前に進めた。
中に入る…
お通夜…
入り口の右側には、あいつの遺品…
左にはモニターがある。
:09/11/14 01:06
:F902iS
:SsIHbRfA
#723 [ゆうと]
モニターには、白い箱をメインとして映し出されていた。
すぐに目をそらした…
それが棺って分かってたから…
ただ認めたくなかったんだ…
遺品を見ようとする…
ミクさん達元4年生、ユウキ、アキヒロが出てきた。
「あ、ユウト…」
アキヒロが呟いた。
うつろな目つきだった…
:09/11/14 01:11
:F902iS
:SsIHbRfA
#724 [ゆうと]
「バカ!遅ぇよ!」
ユウキに怒鳴られた。
「…………」
言葉が出なかった。
それを見ていた小柄な女性、2人の男が近付いてきた。
「ミクのお知り合いの方々でしょうか?私、上田彩乃の母親です」
小柄な女性は、彩乃のお母さんだった…
:09/11/14 01:17
:F902iS
:SsIHbRfA
#725 [ゆうと]
そういえば、さっきミクさんと、この『お母さん』は入り口で話をしていた…
ミクって呼んだってことは、家族ぐるみで仲良しだったっていうのが読み取れる。
俺は頭を下げた。
「彩乃の兄の弘樹、弟の健太です」
彩乃のお母さんが名前を言った後、後ろに立っていた2人が頭を下げた。
お母さんの目は腫れていた…
:09/11/14 01:22
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:SsIHbRfA
#726 [ゆうと]
すぐに思い出した…
前、彩乃が『お父さん』の話をした時に、兄弟がいるって言ってたな…
そう思いながら、遺品や写真を見た。
久しぶりに見る彩乃の笑顔、小さい頃の写真…
「あ!これ…」
俺は叫んだ。
「何?どうしたの?」
ミクさんが俺の横に並んだ。
:09/11/14 01:27
:F902iS
:SsIHbRfA
#727 [ゆうと]
遺品として置かれていたのは、薄いピンク色の指輪…
あの時、俺があげた『ペアリング』…
なんでここにあるんだ…?
彩乃のお母さんが話しだした…
「家で料理を作る時以外は、ずっとこの指輪をしてましたよ。一番のお気に入りだったみたいで、今日、ここに置かせていただきました」
:09/11/14 01:31
:F902iS
:SsIHbRfA
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