禁断って何?
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#108 [シバ]
母だった。
覚悟はしてたけど、ものすごい形相だ。
「時間…」
ゆっくりとその一言だけ口にすると、シバの部屋の時計を指差した。
その間にも、アイリはなんやかんや話してたようだったけど…
約束は約束だ…
今日は仕方ない…
:10/01/29 01:39 :F902iS :urptTvCo
#109 [シバ]
「アイリ…ごめん。今日はもう寝ないと」
母を横目で見ながら、受話器に向かって話した。
母は怒りながらも納得したようで、部屋を出た。今度はゆっくりとドアを閉めた。
「マジですかぁ…じゃ、また明日電話かけてくださいよ」
「ああ…かけれたらね」
:10/01/29 01:43 :F902iS :urptTvCo
#110 [シバ]
「かけれたらじゃなくて、絶対(笑)分かりました?」
「はいはい」
「………」
「………」
また沈黙が続く。
どうやって電話を切ろうか考えていた。
じゃあ、またね!って潔く切ることができればいいんだけど、シバの場合それができない。
:10/01/29 01:49 :F902iS :urptTvCo
#111 [シバ]
相手から切り出してくれないと、なぜかその電話を終わらせることができない。
現に21歳になった今も、それは変わらない。
(こういうめんどくさい性格治したい)
「シバさん…アイリはシバさんのこと、マジメに好きです。おやすみなさい」
:10/01/29 01:54 :F902iS :urptTvCo
#112 [シバ]
先に沈黙を破ったのはアイリ…
同時に、先に電話を切る役も引き受けてくれた。
それにしても…
まただ…
この感じ…
めちゃくちゃドキドキしてる。
マジメに好きって…
本気でその言葉…受け取っていいの?
:10/01/29 01:59 :F902iS :urptTvCo
#113 [シバ]
翌日からは、何をしてても上の空。
授業内容なんて何一つ頭に入ってこない。
うん…
たぶん、自分はアイリのことが好きなんだ。
特別な友達とか、特別な後輩とか、そんなんじゃない。
“恋”の対象として好きなんだ…
:10/01/30 02:20 :F902iS :Owp4Rl3E
#114 [シバ]
しかし…
これまた厄介だなぁ…
女が女を好きになるなんて…
誰にも相談できないし、1人で考えれば考えるほど混乱する。
でも、好きなもんは好きなんだ。
アイリのことを思うだけで、胸がドキドキする…
:10/01/30 02:24 :F902iS :Owp4Rl3E
#115 [シバ]
数日後…
アイリから手紙が届いた。
プリクラも入れられていて、シバのテンションはMAX…
「(アイリの顔見るの久しぶりだなぁ…)」
女の子らしい癖のある字。
伝えたいことがたくさんあるのだろう…
まとまりのない文章がギッシリと書き尽くされている。
:10/01/30 02:30 :F902iS :Owp4Rl3E
#116 [シバ]
それからは、約一週間置きにアイリから手紙が届くようになった。
帰宅する度に、ポストを開けるのが習慣になっていた。
「(今日は届いてないな…)」
とか思って部屋に行くと、机の上に可愛い封筒が置かれていたり…
シバ宛に、あの癖字で記されていた。
:10/01/30 02:35 :F902iS :Owp4Rl3E
#117 [シバ]
もちろん、シバも返事を書くことを忘れない。
むしろ、返事を書くことが日頃の楽しみになっていた。
今日は何を書こうか…
とか、
昨日面白いことがあったから、一刻も早く伝えたい!
とか。
:10/01/30 02:38 :F902iS :Owp4Rl3E
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