禁断って何?
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#467 [シバ]
「好きだよ…シバさん」
ふいにアイリは口走った。
シバはビックリしたっていうか、は?みたいな怒りというか、その言葉を聴きたかったんだよ〜…っていう喜びみたいな感情が襲ってきた。
「いや、何…え?」
「アイリもシバさん好きだよ。忘れてないよ」
…泣きそうになった。
体が震えた。
全身がジワッと熱くなった。
:10/06/29 22:47 :F02B :TPLahEEo
#468 [シバ]
アイリの方に顔を向ける。
アイリは身を乗り出して、シバの顔を両手で包み込んだ。
アイリの目を見続ける…
微かに潤んでいた。
そのままの体勢で、2人ともしばらく無言でいた。
セミの鳴き声も、外からの陸上部の声も聞こえなくなった。
「シバさん触るの久しぶりだなぁ(笑)」
:10/06/29 22:51 :F02B :TPLahEEo
#469 [シバ]
「…うん」
「あの時みたいに嫌がらないの?嫌じゃないの?」
「…嫌じゃないよ」
「素直すぎて不気味なんだけど(笑)あの時は野良猫みたいに警戒しまくってたのに(笑)」
「誰が野良猫だよ(笑)」
「ごめんなさい(笑)」
「…もう会う事ないって思ってた」
「アイリも。ウケるね(笑)」
「ウケるのか?」
「ウケる(笑)」
:10/06/29 22:56 :F02B :TPLahEEo
#470 [シバ]
「いや、ウケない」
「ウケるし。ま、どっちでもいいよ(笑)」
アイリの無邪気な笑顔を見るのは久しぶりだった。
それを見て、内心ホッとしている自分がいる。
「秀一…かぁ」
「?」
「もしシバが男だったら、アイリはシバと付き合ってた?」
「シバさんが男だったら出会ってないと思いますよ(笑)」
:10/06/29 23:43 :F02B :TPLahEEo
#471 [シバ]
「そうかなぁ…」
「そうだよ。だって、お互い『女子バスケ部』だから、一緒に合宿できたんじゃん(笑)」
最もだ!
シバが男だったら、今頃何をしているかも分からないし、出会うハズもなかったアイリと、こうして出会えたのもバスケットを通してこそなのだから。
「ってか、アイリはね。シバさんが男でも女でもどっちでもいいんだよ。シバさんっていう人間が好きなんだから」
:10/06/29 23:50 :F02B :TPLahEEo
#472 [シバ]
「……………」
黙ってアイリの話を聞いていた。
何より嬉しい言葉だった。
「ぶっちゃけて言うと、最初は一目惚れだったんだ…だから仲良くなりたくて絡みまくったし、どんな人なのか知りたくて仕方なかったし」
「女に一目惚れ?」
「うん。女の人に惚れたのとか初めてだったから戸惑いまくったけどね(笑)でも好きならしょうがない…みたいなね(笑)」
:10/06/29 23:54 :F02B :TPLahEEo
#473 [シバ]
「そっか…」
「そっかって…(笑)嬉しくないの?」
「もうちょっと早く聞きたかったよ…その言葉」
「それはこっちのセリフ…シバさんからアイリの事『好き』って聞いて相当ビックリしたし」
「なんで?」
「いや、だってずっと後輩として見られてると思ってたから」
「ああ、そうね…」
:10/06/29 23:59 :F02B :TPLahEEo
#474 [シバ]
「シバさんの馬鹿…これからシバカって呼ぶから!(笑)」
アイリは笑った。
「…じゃあ、秀一と別れろって言ったら別れられる?」
何てカッコ悪い事言ってしまったのだろう…
アイリの笑顔が消え、一気に真顔になった。
「…う〜ん。難しいね(笑)」
「なんで?」
:10/06/30 00:03 :F02B :rwGxcRPs
#475 [シバ]
気がつくと、アイリの両手はシバから離れ、また体育座りの位置へと移動していた。
「秀…今は好きだもん」
アイリは秀一の事を『秀(シュウ)』と呼んでいるようだ。
「『今は』って…?」
「秀はね、入学してからずっとアイリの事好きだったみたいでさ。アイリとはクラスは違うけど、よく話すし、いい奴だったし…」
:10/06/30 00:08 :F02B :rwGxcRPs
#476 [シバ]
「…そんなに好きなんだ」
「いや…うん。どうだろ」
「好きじゃなきゃ付き合わないよね…そっかそっか…」
「だからシバさんに『遅い』って言ったじゃん!シバさんからさっきの言葉もうちょっと早く言ってもらってたら秀とは仲良い友達で終わってたよ」
「嘘つけ(笑)」
「ホントだよ」
:10/06/30 00:13 :F02B :rwGxcRPs
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