禁断って何?
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#718 [シバ]
そんな話を受けて、シバは黙り込んでしまった。
いきなりのカミングアウト…
まさかの展開…
シバは笑顔を作って聞いていたけど、心の中はとんでもない事になっていた。
別に理彩ちゃんの事、何とも思ってないはずなのに…
やっぱり、心って正直だ。
完璧にヤキモチやいてる自分がいる…
:10/10/18 23:10 :F02B :9Y/WWEKk
#719 [シバ]
少し俯いて、照れくさそうに笑う理彩ちゃんを見たくなかった。
そんなシバを見て、理彩ちゃんは一言…
「あ、こんな話しちゃってごめんね」
いやいや、と慌てて返事をしたけど、自分の顔から笑顔が消えていた事に気付く。
「ねぇ…」
理彩ちゃんはシバの顔を覗き込んだ。
:10/10/18 23:14 :F02B :9Y/WWEKk
#720 [シバ]
「シバ、ヤキモチ妬いてる?」
真顔でもない、笑顔でもない理彩ちゃんの表情…
好奇心…
と言った方が正しいのだろうか?
理彩ちゃんの表情から、何も捉える事ができない。
だから黙り込んだまま。
「シバ…」
小さな声で呼びかけられる。
:10/10/18 23:18 :F02B :9Y/WWEKk
#721 [シバ]
「ヤキモチとか、妬いてない!」
シバは言い張った。
「…そう」
理彩ちゃんは俯いて、そのまま布団に寝転んだ。
何で素直に『ヤキモチ妬いてるよ』って言えないんだろう…
でも、それで良かった。
「ヤキモチ…妬いて欲しかったな」
理彩ちゃんは呟いた。
小さな声だったけど、その一言はとても衝撃的だった。
:10/10/18 23:22 :F02B :9Y/WWEKk
#722 [シバ]
理彩ちゃんを見る。
仰向けに寝て、腕を顔の前に持ってきて、顔を隠すような体勢だった。
その奥の理彩ちゃんは、どんな表情をしていたのだろう。
シバは固まってしまった。
その一言に、理彩ちゃんはどんな意味を込めたのだろうか?
いろんな疑問を持った。
「リィさ、その子の事、本当に好きだったのか今でも分からないんだ」
:10/10/18 23:27 :F02B :9Y/WWEKk
#723 [シバ]
ふーん…とも言えず、そのままお互いバラバラの体勢で話が続く。
「その子の笑顔は可愛かったし、一緒にいて癒されてたし、一緒に笑って楽しかったのに、付き合うってなった日から何も分からなくなった」
シバは窓を見た。
雨が降るワケでもない、星一つないさっきと同じ空。
「付き合ったからって、一体何が変わるんだろう…そんな疑問ばっか」
:10/10/18 23:32 :F02B :9Y/WWEKk
#724 [シバ]
理彩ちゃんは起き上がって、後ろからシバに抱きついた。
「どうしたの?!」
びっくりしたシバは、情けない言葉をポツリ。
「う〜ん…分かんない。でも何か、シバと一緒にいたら…落ち着くんだ。あの人にこんな事してみても、変に緊張してたっていうか、その場の空気を読んでの行動だった…みたいな」
理彩ちゃんの顔が、シバの背中にあたる。
:10/10/18 23:37 :F02B :9Y/WWEKk
#725 [シバ]
「ファンって言ってたから、バスケしてるリィに憧れみたいなもの持っててくれてたんだろうな〜って思ってたけど、最初からそんなんじゃなかったみたい」
理彩ちゃんの腕に力が入る。
「最初から、あっちは男目線でリィの事見てた。分かるかな?」
「うん…なんとなく」
「自分の彼女にしたい…ただそれだけ。んで、実際自分の物になったら、所有物になる」
:10/10/18 23:42 :F02B :9Y/WWEKk
#726 [シバ]
今気付いた。
さっきの理彩ちゃんの照れくさそうな笑顔は、照れくさいでも何でもなく、複雑な笑顔。
それに気付かなかったシバはホント大馬鹿者。
「話が難しくなっちゃうから簡単に言うと、相手にとって念願の彼氏彼女の関係に発展!勝手に束縛して、勝手に満足して、相手は色々楽しかったんだろうね。リィの気持ちなんてお構いなしに勝手に恋愛ごっこしてただけ。そんな感じ」
:10/10/18 23:49 :F02B :9Y/WWEKk
#727 [シバ]
なんとなく理解できた。
結局は、最初だけいい顔して理彩ちゃんの気を惹いて、自分の物にして満足して終わり…
そりゃ、理彩ちゃんだって付き合う意味が分からなかっただろうよ。
本当に好きでもないのに、付き合うなんて無理な話だ。
理彩ちゃんの腕から力が抜けた。
何してるんだろう?って思って、背中側に意識を集中する。
その集中は、一瞬にして破られた。
「シバ、キスして」
:10/10/18 23:55 :F02B :9Y/WWEKk
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