禁断って何?
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#1 [シバ]
題名通りです。
シバ(♀)が経験した恋愛語ります。
シバは本名(名前)じゃないですが、名字にシバがつくんで&シバって呼ばれてるんで『シバ』で書いていきます。
荒らし、冷やかし、中傷はしないでください。
:09/12/16 00:59 :F902iS :shz8Uqh.
#2 [シバ]
自己紹介させて頂きます。
シバ…現在21歳です。♀です。
今まで付き合った人数は2:2です。
見方は♂:♀です。
題名から分かると思いますが、自分…バイセクシュアルです。
つまり、男も女も好きになるっていう奴です。
へぇ〜→2割
キモい→8割
第三者から見て、こうやって分かれると思います。
:09/12/16 01:05 :F902iS :shz8Uqh.
#3 [シバ]
最初は人に言えませんでした。
『女と付き合うとか、自分おかしいんだ…』
とか思って、自殺まで考えたことがあります。
でも、今はそういう話聞いてくれる人がいます。だから今、こうやって小説を書けるんだと思います。
こういう奴もいるんだ!って分かって頂けたら幸いです。
:09/12/16 01:09 :F902iS :shz8Uqh.
#4 [シバ]
そういうワケで、話進めていきます。
この手の話苦手とか、キモいとか思われる人は見ないでください。
でも、興味本位で見ることは大歓迎です(笑)
ただ、中傷とかはしないで欲しいです。
完結目指して頑張ります。
:09/12/16 01:13 :F902iS :shz8Uqh.
#5 [我輩は匿名である]
頑張れ
:09/12/16 01:15 :P01A :iPMIoHCY
#6 [シバ]
小学校時代…
シバは普通の女の子だった。
でも、スカートを履いたのは入学式の時だけ…
男子と外で遊ぶことが大好きだった。
ドッジボールしたり、サッカーしたり、鬼ごっこしたり…
もちろん女子とも遊ぶことは多かった。
:09/12/16 01:17 :F902iS :shz8Uqh.
#7 [シバ]
>>5匿名さん
ありがとうございます
元気出ました(笑)
(続き)
低学年の時は、とにかく楽しかったことの記憶しかない。
男女問わずみんな仲良しで、休み時間になるとクラス全員が外に出て一緒に遊んでた。
:09/12/16 01:21 :F902iS :shz8Uqh.
#8 [シバ]
シバは今現在、根っからの体育会系です。
たぶんガキンチョの頃からわんぱく少女だった為、今に至るのでしょう。
春夏秋冬関係なく、外で遊んでた。
春夏秋冬関係なく、外でワーワー走り回って汗かきまくって茹でダコみたいになってニヤニヤしてた。
ニヤニヤしてた記憶があるってことは、きっとその瞬間を目一杯楽しんでいたんでしょう。
:09/12/16 01:26 :F902iS :shz8Uqh.
#9 [シバ]
高学年に上がった!
休み時間…
あれ…?
女子、外行かないの?
ボールを持ったまま、シバは廊下に突っ立って教室を見渡した。
「ねぇ、ゆかり達外行かないの?ケイ君達もう先に行っちゃったよ!」
ゆかりは当時、仲の良かった友達。
ケイ君は当時、クラスのボス的存在だった男子。
:09/12/16 01:32 :F902iS :shz8Uqh.
#10 [シバ]
ゆかりは微笑んだ。
「シバ外行くの?外寒いよ〜(笑)」
そう言うと、他の女子と戯れながら本を読んでいた。
確かに外は寒かった!
雪降ってるし、風強いなんてもんじゃないし…
しかも、そんな季節なのに長袖1枚しか着てないワタクシ…
他の女の子達は、クマさんみたいにモコモコ厚着してるのに…
:09/12/16 01:37 :F902iS :shz8Uqh.
#11 [シバ]
シバのモットー…薄着で生活すること!
だって、厚着しちゃうと脇らへんがゴワゴワして気持ち悪いじゃないですか!
しかも動きづらいし…
だから、どんなに寒くても薄着でうろちょろしてました。
男子は半袖外でワーワー走り回ってるのに、女子はクマさんになって教室でまったり…
:09/12/16 01:40 :F902iS :shz8Uqh.
#12 [シバ]
仕方なく男子19人の中に、女1人で混ざってドッジボールやってた。
休み時間が終わってクラスに戻ると、クマさん組はヒソヒソ話…
一瞬聞こえたのが、
「シバ、絶対ケイ君のこと好きだよ(笑)だって、寒いのにわざわざ女の子1人で男子と遊ぶとか考えられないじゃん(笑)」
っていう話…
:09/12/16 01:47 :F902iS :shz8Uqh.
#13 [シバ]
あ?
こっちは外で遊びてぇ年頃なんだよ!
ガキのくせに室内で厚着して、ペチャクチャペチャクチャ喋ってるお前らは近所のババアかコラ!
そう思ったけど、口には出さず席についた。
シバの机には、相合い傘が描かれていた。
相手はケイ君…
:09/12/16 01:52 :F902iS :shz8Uqh.
#14 [シバ]
誰が書いたかは、すぐに分かった。
仲良しのハズだったゆかりだ…
ゆかりは小学生のクセに、めちゃくちゃ綺麗な字を書く。
だからすぐに分かった。
ゆかりはニヤニヤしながら消しゴムを渡してきた。
「シバ可哀想(笑)ほら、あたしの消しゴム使っていいよ」
偽善バレバレ。
:09/12/16 01:57 :F902iS :shz8Uqh.
#15 [シバ]
「ありがと」
そう言って、ゆかりの目の前で落書きを消す作業に入った。
ギャラリーも集まってきた。
ゆかりはニヤニヤしながらそれを見ていた。
シバは思いっきり消しゴムを上下させた。
消しゴムが破壊して、みるみる小さくなっていくじゃありませんか!!
:09/12/16 01:59 :F902iS :shz8Uqh.
#16 [シバ]
「あぁー!」
ゆかりは叫んだ。
1p弱になった消しゴムをゆかりに差し出した。ゆかりは泣いた。
泣いて茹でダコみたいに顔が赤くなった。
「先生に言うからぁ!」
ゆかりの言葉の後に、
「シバひっどーい!」
「ゆかりに謝りなよ!」
ああ、はいはい。
:09/12/16 02:03 :F902iS :shz8Uqh.
#17 [シバ]
んで、この後は先生に目一杯怒られるんですけど、どうでもいいっすそんなもん…
女ってダルい…
この時、初めてそう思いました。
中学に上がる前に、ゆかりは転校した。
シバのクラスは、なんとなく明るくなった。
なぜなら、クラスの女ボスはゆかりだったから…
この前までゆかりにペコペコしてた連中も、シバちゃんシバちゃんって…
:09/12/16 02:07 :F902iS :shz8Uqh.
#18 [シバ]
出た出た…
女特有の偽善的行動。
どうでもいいけど、中学校って制服じゃん…
あら、シバもスカート履かないとダメ…ですよねー?
あらあら、足下スースーして気持ち悪いんですけど…
シバのスカート姿に、小学校時代のシバを知る人は仰天していた。
:09/12/16 02:11 :F902iS :shz8Uqh.
#19 [シバ]
そんなシバは、バスケ部に入部した。
まさに体育会系ですね。シバの中学のバスケ部は、県内で常に上位にいた。
監督はスパルタウーマン…
シバは常に、スパルタウーマンから怒られーの、殴られーのしてた。
強いチームによくある話。
今となっては、『あんなこともあったね(笑)』なんて話ながらスパルタウーマンと酒飲めるようになりました。
:09/12/16 02:21 :F902iS :shz8Uqh.
#20 [シバ]
当時、女子バスケ部は周りからリスペクトされていた。
「先生怖いのに、女バスって凄いね〜♪」
何が凄いのかよく分かんないけど、とりあえず崇められるのは別にいっか♪とか思ってた。
そんな体育会系のシバだったけど、中2にもなると地味に乙女になってた。
:09/12/16 02:25 :F902iS :shz8Uqh.
#21 [シバ]
周りは彼氏彼女が出来だして、シバはヒューヒュー♪とか言ってその場を盛り上げる役になっていた。
ヒューヒュー言えば言うほど虚しくなってくる。
あ〜、虚しい…
バスケット三昧の生活なんて嫌だ!
シバも彼氏欲しい!
一緒に登下校したい!
周りからヒューヒュー言われたい!
:09/12/16 02:29 :F902iS :shz8Uqh.
#22 [シバ]
テスト休みの日…
忘れもしない。
まだ温かい風が吹いてる季節…
「柴崎さん!(シバの名字)」
名前呼ばれて振り返った。
陸上部のエース、楢木秀平(仮名)だった。
靴を履いて、慌てて走ってきた。
「楢木君じゃん。久しぶりだね」
:09/12/16 02:36 :F902iS :shz8Uqh.
#23 [シバ]
楢木秀平は、同じ小学校だったけどクラスが一緒になることはなかった。
運動会のライバルとして、なぜか知ってた。
楢木は学年で一番足が早い(男子部門)、シバは学年で一番足が早い(女子部門)ってことを知ってるくらいで…
「女バス毎日忙しいからさぁ。今、大丈夫?」
:09/12/16 02:40 :F902iS :shz8Uqh.
#24 [シバ]
「うん。今から帰るとこだよ♪一緒帰る?」
ニヤリとしたつもりだったけど、楢木は茹でダコ未満レベルに顔が真っ赤になった。
「柴崎さんって…可愛い…よね♪」
「はぁ?」
モジモジしてる楢木にイラッときた。
「何が言いたいの?」
:09/12/16 02:44 :F902iS :shz8Uqh.
#25 [シバ]
普通の女の子だったら素直に喜ぶ言葉だ。
でも、シバは変な所でひねくれてるのか知らないけど、可愛いと言われてイラッときた。
実際女の子らしい容姿じゃないから、お世辞もいい所だわ…
楢木のモジモジは最高潮に達した。
「あのさ、俺…柴崎さんのこと、ずっと好きだったんだよね」
:09/12/16 02:48 :F902iS :shz8Uqh.
#26 [シバ]
「え?///////」
好き…?
シバのこと好きなの?
うっそ…
ホントに?
え〜?
でも、シバとか…
え〜?
マジで?
ひねくれ者の自分だけど、好きとか言われたのは初めて!
シバは照れくさいやら恥ずかしいやらで、モジモジしてしまった。
お互いモジったまま、しばらく沈黙が続いた。
:09/12/16 02:52 :F902iS :shz8Uqh.
#27 [シバ]
可愛いはお世辞にしても、「好き」というストレートな言葉が嬉しかった。
顔が赤くなってることは、自分でも分かった。
茹でダコとは違った赤らみだったと思う。
「俺と付き合ってくれない?」
「はい!」
恥ずかしながら、ノリで即答してしまった。
:09/12/16 15:09 :F902iS :shz8Uqh.
#28 [シバ]
楢木と付き合うことになった。
翌日、学校中が騒がしい…
シバが教室に入るなり、同じバスケ部やらバレー部やらハンド部やらサッカー部やら野球部やらの連中が飛びかかってきた。
「シバ彼氏できたの?」
「楢木でしょ?そうでしょ?」
「どっちから?」
「シバに彼氏とか、超ウケるんだけど(笑)」
:09/12/16 15:13 :F902iS :shz8Uqh.
#29 [シバ]
びっくりして当然だと思う。
シバはショートカット一筋で生きてきた女だし、1日1回は、
「柴崎!股を閉じろ!」
って授業中に先生に怒られるくらいだし…
授業中に退屈を感じると、シバは足を開いてデーンと座るからだ。
無意識なんだけどなぁ…
:09/12/16 15:18 :F902iS :shz8Uqh.
#30 [シバ]
まぁ、とりあえず
「ヒューヒュー♪」
と言われる立場になったワケだ。
いざ周りからヒューヒュー言われると、照れくさいし恥ずかしい。
…けど地味に嬉しい(笑)
廊下で楢木とすれ違う時は、お互いニヤニーヤ。
:09/12/16 15:22 :F902iS :shz8Uqh.
#31 [シバ]
楢木秀平…
みんなからはナラッキーって呼ばれてる。
中学に上がってから身長がグーンと伸びて、180近くある。
陸上部のエースで、細マッチョboy。
顔はタイプじゃないけど、全体的にはかっこいいオーラが出てる。
それからは、楢木がものすごくカッコ良く見えた。
恋の力なのかな?
:09/12/16 15:29 :F902iS :shz8Uqh.
#32 [シバ]
キャラ的に言えば、ワンピースのルフィみたいな奴でした。
でも、お互い部活が忙しくて2ヶ月で別れた。
楢木のことを、1度も『秀平』って呼んだことがなかった。
名前で呼び合うことがこの時の夢だったのに…
なんとまぁ、純粋な恋をしていたのだろうか。
:09/12/16 15:34 :F902iS :shz8Uqh.
#33 [シバ]
中3になり、また彼氏ができた。
3年生は部活を引退してる時期だった。
男子バスケ部の原口宏哉(はらぐち ひろなり・仮名)
宏哉も身長が高い。楢木に比べればだいぶ厳つい体格だけど、かなり純粋で優しい男。
毎日一緒に下校したり、休み時間に話したり…
あ〜、ホント純粋な恋しかしてないなぁ…
:09/12/16 17:59 :F902iS :shz8Uqh.
#34 [シバ]
宏哉とは6ヶ月付き合った。
キスもしなかった。
お互いそんなキャラじゃなかったから、仕方がない。
高校に上がった。
シバはまたバスケ部に入部した。
毎日がバスケ三昧…
これじゃあ、中学の時と変わらない生活…
いい加減、女らしく生きたいよ…
:09/12/16 18:02 :F902iS :shz8Uqh.
#35 [シバ]
2年生になった…
自分で言うのもなんだけど、シバにモテ期が訪れた。
告られたりしたけど、なぜか興味が湧かなかった。
そのうちの2人は体の関係があった。
…でも、本当に好き!って思えなかったから、すぐに切った。
好きでもないのに付き合うとか、相手に悪いから…
:09/12/17 00:15 :F902iS :f0gtwbQA
#36 [シバ]
そして3年目…
シバの中の何かが大きく変わる出来事が起こる…
バスケの遠征で、よその県に行くことがあった。かなり遠い道のりだった。
約1週間の合宿…
相手チームは、「やる気あんの?」って言いたくなるような態度の連中ばかりだった。
地味にチャラチャラしてた。
:09/12/17 00:22 :F902iS :f0gtwbQA
#37 [シバ]
3日経ったある日…
「先輩、名前なんて言うんですか?」
相手チームの子に名前を聞かれた。
「え〜っと…」
「先輩のチームの人達みんなシバって呼んでるから、なんていう名前なのかな〜って思って♪」
「本名?柴崎だけど…」
:09/12/17 00:25 :F902iS :f0gtwbQA
#38 [シバ]
その女の子は、ニッコリ笑った。
シバのことを『先輩』って呼ぶってことは、年下なのかな?
「じゃあ、アイリも先輩のこと『シバさん』って呼んでいいですか?」
「別にいいけど…ねぇ、何年生?」
「アイリですか?1年です」
:09/12/17 00:28 :F902iS :f0gtwbQA
#39 [シバ]
1年生かぁ…若っ!
「アイリちゃんっていう名前なの?」
「はい!先輩もアイリのこと、『アイリ』って呼んでください♪」
「分かった(笑)じゃあ、アイリって呼ぶね」
「はい、やったぁ♪」
アイリと名乗った子は、走ってチームの輪の中に入っていった。
:09/12/17 00:31 :F902iS :f0gtwbQA
#40 [シバ]
軽く見上げて話してた。シバよりも、少し目線が高かった。
シバが165pだから、アイリは170pはあったんじゃないかなぁ…
川田アイリ(仮名)…
なんかウサギみたいな子だった。
目が細くて、細身でスタイルよくて…
笑った顔が可愛い。
アイリと同学年の子達には、かなり懐かれた。
:09/12/17 00:38 :F902iS :f0gtwbQA
#41 [シバ]
ご飯食べてる時も、よく目が合った。
その都度アイリは変顔したり、ニッコリ笑っていた。
練習中もアイリは傍にいた。
ミーティング後に廊下をウロウロしていると、アイリに捕まって2人になっていろいろ話してた。
そしてお互いの部屋に戻る。
これの繰り返し。
:09/12/17 00:41 :F902iS :f0gtwbQA
#42 [シバ]
部屋に戻ると、仲良しの真希に聞かれた。
「シバ、またあの女の子と話してたの?」
「うん、また捕まっちゃってさ(笑)」
「あんた好かれてるね」
「どうかな?なんか同レベルって思ってるんじゃないかな?(笑)」
「ふ〜ん…あんたら、デキてんの?」
:09/12/17 00:45 :F902iS :f0gtwbQA
#43 [シバ]
シバは歯ブラシを落とした。
「なんでそうなる?(笑)」
「だってさぁ、いつも一緒じゃん(笑)」
「懐いてくれたみたいだしね(笑)別にこの時間暇だし」
「なぁ〜んだ!そうなんだ」
「そりゃあ、そうだよ。バーカ(笑)」
:09/12/17 00:48 :F902iS :f0gtwbQA
#44 [シバ]
「ごめんごめん(笑)あ、シバ歯みがきでしょ?一緒行こうよ♪」
ってなワケでこの日は就寝…
翌日昼休み…
「シバさん!食堂一緒行きましょうよ♪」
着替えを済ませたアイリが走ってきた。
:09/12/17 00:51 :F902iS :f0gtwbQA
#45 [シバ]
「えっと、アイリちゃんだっけ?」
隣にいた真希が聞く。
「はい!川田アイリっていいます♪」
「アイリちゃんね♪シバ、一緒行ってあげなよ(笑)」
真希はシバの背中をグイッと押した。
「真希も一緒に行こうよ」
:09/12/17 00:54 :F902iS :f0gtwbQA
#46 [シバ]
「あたしはいいよ。お邪魔だからさ(笑)ね、アイリちゃん(笑)」
「はい!そうですね♪」
真希の表情が強張った。あわわわ…
小声で真希に『ごめん』と言い、アイリとシバは食堂へ向かうことになった。
「シバさん達、あと2日で帰っちゃうんですね」
:09/12/17 00:58 :F902iS :f0gtwbQA
#47 [シバ]
アイリはボソッと呟いた。
「そうだね」
「アイリも一緒に帰ろっかな♪」
「はいはい(笑)できるもんならね」
「シバさん、アイリと離れるの寂しいでしょ(笑)」
「うん、寂しい(棒読み)」
:09/12/17 01:01 :F902iS :f0gtwbQA
#48 [シバ]
「うわ〜、素直じゃないっすね」
「まぁね(笑)」
「…アイリ、柴崎アイリになろうかな…」
「……な〜に言ってんの(笑)」
シバは引きつってた。
「そしたら、ずっと一緒にいれるじゃないですか」
:09/12/17 01:04 :F902iS :f0gtwbQA
#49 [シバ]
?マークを頭に浮かべながら、アイリを見た。
さっきのヘラヘラしてたアイリとは打って変わって真顔だった。
昨日、真希に言われた言葉を思いだした…
『あんたらデキてんの?』
…違う!
シバはそんなんじゃない!
:09/12/17 01:10 :F902iS :f0gtwbQA
#50 [シバ]
しかも、よく考えてみろ!
年下のイタリアンジョークかもしれないじゃん!
もしくはその場のノリ…
いや、アメリカンジョークか?
そんなんどっちでもいいわ!
ってか、イタリアンジョークとアメリカンジョークの違いって何なんだろう?
パスタと缶コーヒー?
:09/12/17 01:13 :F902iS :f0gtwbQA
#51 [シバ]
「シバさん!!」
ハッとして我に返った。
「ああ、何?」
「何ボーっとしてるんですか(笑)」
「別に(笑)考え事」
「そう?アイリの事?」
「別に(笑)違うことだよ」
:09/12/17 01:17 :F902iS :f0gtwbQA
#52 [シバ]
頭ポリポリ掻いて、顔を上げた。
アイリの顔が近かった。
びっくりして、そのまま動けずにアイリの目を見ていた。
「シバさん、綺麗な顔してますね。カッコいい」
そんなことを言いながら、アイリは相変わらず真顔のままだ。
:09/12/17 01:33 :F902iS :f0gtwbQA
#53 [シバ]
アイリはニヤリと笑った。
そして離れた。
「あ〜…おかしくなる!」
びっくりしていたシバは何も話せない。
「ねぇ、シバさん」
「…あ、何?パスタ?」
「パスタ?今日の昼ですか?(笑)」
:09/12/17 01:38 :F902iS :f0gtwbQA
#54 [シバ]
さっきのイタリアンが尾を引いて、トンチンカンなことを言ってしまった。
「ごめん、ボーっとしてた(笑)食堂行こう」
そして食堂についた。
ご飯食べてても、頻繁にアイリと目が合う。
アイリこっち見過ぎだろ(笑)
でも、目が合うってことはシバも意識して見てしまってるってことだよなぁ?
:09/12/17 01:41 :F902iS :f0gtwbQA
#55 [シバ]
午後からの練習では、目線がアイリに釘付けだった。
さっきまで意識してなかったから気付かなかったけど…
アイリ、バスケ上手い…足も速いし、運動能力が高い。
よく跳ぶ!
細身で背が高いから、少しダボッとした練習着がよく似合う。
無意識にアイリを目で追ってる自分がいる…
:09/12/18 01:18 :F902iS :/uKtv91k
#56 [シバ]
ヘラヘラしてたアイリは、練習中はまったく別の人だった。
だから目が合ってもニッコリ…なんてしなかった。
だからシバの頭をよぎったのが、
『こいつ、たぶんシバのこと本気じゃねーな(笑)』
だった。
本当に好きなら、どんな場面でも好き好きアピールをするはずだから…
:09/12/18 01:22 :F902iS :/uKtv91k
#57 [シバ]
シバの経験上、シバ自身が彼氏(好きな人)に好き好きアピールしまくりだったから、アイリと自分を比べていたんだ…
同じ女なんだから、そんな感情あるはずがない!ただ、シバさんシバさんって来てくれて、先輩として好いてくれてるんだ!
そう思ってた。
そして、その日の夜…
:09/12/18 01:26 :F902iS :/uKtv91k
#58 [シバ]
明日でアイリ達とお別れだ。
シバは、アイリのチームの3年生とも仲良くなっていたから、お互いの連絡先を交換したり、『手紙書くからね』みたいなこと話してた。
遠征が終わることにホッとしたような、お別れでジーンと寂しさを感じるような、よく分からない気持ちでいた。
アイリは、シバのチームの1年生とワーワー騒いでいた。
:09/12/18 01:33 :F902iS :/uKtv91k
#59 [シバ]
ほ〜らね…
アイリはやっぱり本気じゃない!
ってか、シバ1人で何勘違いしてたんだろう(笑)
そう思いながら、1人で外に出た。
シバは、夜風に当たって1人でたそがれていた。
よその学校に寝泊まりするのも、たまにはいいなぁ…
おかげで友達もいっぱいできたしね…
:09/12/18 01:38 :F902iS :/uKtv91k
#60 [シバ]
ハミガキを終えて、歯ブラシをしまった。
「シ〜バさん(笑)」
振り向くと、そばにアイリが立っていた。
ビックリした。
…でも、なんか嬉しかった。
「もう寝ますか?」
「そうだね。明日また早いし、そろそろ…」
:09/12/18 01:41 :F902iS :/uKtv91k
#61 [シバ]
「え〜?アイリまだ眠くないのにぃ…」
「コラ!ちゃんと寝ないと先輩に怒られるよ(笑)」
「うちの先輩、その辺テキトーっすよ。ってか、別に怒られてもいいし」
おいおい…
「シバさん、ちょっと話しません?」
「眠い(笑)」
:09/12/18 01:45 :F902iS :/uKtv91k
#62 [シバ]
「またそんなこと言う!だって、明日にはもうお別れなんですよ?ちゃんと寝ます!寝ますから、ちょっとだけ話しましょうよ」
涙目で訴えられちゃあ、こっちも弱い。
「分かった分かった!何も泣くことないでしょ(笑)」
「マジですか?じゃあ…うちらの部室行きましょう♪」
:09/12/18 01:49 :F902iS :/uKtv91k
#63 [シバ]
宿泊所から少し離れた場所に、部室はあった。
コンクリート造りの狭い部屋…
アイリは地面に散らかってたテーピングのゴミや空っぽのペットボトルを壁側に蹴っ飛ばした。
「汚い部室(笑)」
「そうですかぁ?一応掃除はしてるんですよ♪アイリはまだ掃除したことないけど(笑)めんどくさいし」
:09/12/21 01:41 :F902iS :bQ5XhAtA
#64 [シバ]
「うちらが1年の時は先輩達にみっちりと掃除させられたよ(笑)」
「めんどくさいっすね(笑)」
「まぁね」
…しばらく沈黙が続いた。
シバは部室の椅子に腰掛けた。
「次はいつ会えると思います?」
:09/12/21 01:44 :F902iS :bQ5XhAtA
#65 [シバ]
突っ立っているアイリを見上げた。
「実際、なかなか会える距離じゃないですよね…合宿って言っても、そうあるモンじゃないし…」
「そうねー…来年とか?じゃないかなぁ」
「来年って…シバさんはもういないじゃないですか(笑)」
:09/12/21 01:47 :F902iS :bQ5XhAtA
#66 [シバ]
「…まぁね」
なんでだろう…
なんか寂しい…
明日帰る!ってリミットが近づいてくればくるほど、寂しさが増していく。
まぁ、『楽しかった』で締めくくれればいっか!
「明日なんて来なきゃいいのに…」
:09/12/21 01:51 :F902iS :bQ5XhAtA
#67 [シバ]
アイリがぼそりと呟いた。
…そんなこと言うなよ!
せっかく気持ち切り替えれたのに…
「アイリ…やっぱりシバさんと一緒にいたい!」
真剣な表情のアイリをジッと見た。
バスケの時しか見せない表情だ。
:09/12/21 01:55 :F902iS :bQ5XhAtA
#68 [シバ]
とりあえず作り笑いを演じてみた。
んで地面を見つめた。
ガッ!と顔を掴まれた…ビックリして顔を上げた…
アイリはなんの迷いもなく、キスしてきた。
何が起こったのか分からない…
しばらくボンヤリしてた。
:09/12/21 01:59 :F902iS :bQ5XhAtA
#69 [シバ]
シバの唇が地味に濡れた。
どんだけの勢いでキスすんだよ…
ってか、何キスしてんだよ…
アイリはニヤリと笑った。
「チューしちゃった(笑)」
「いやいや!何してんの…」
:09/12/21 02:02 :F902iS :bQ5XhAtA
#70 [シバ]
「嫌ですか?」
…嫌じゃない。
なんなんだ?
この気持ちは…
めちゃくちゃドキドキしてる…
「…嫌に決まってんじゃん」
「じゃあ、なんでよけなかったんですか?」
:09/12/21 02:04 :F902iS :bQ5XhAtA
#71 [シバ]
「…分かんない。固定されたし…」
「固定しても、シバさんの馬鹿力と瞬発力ならよけれたハズですよ(笑)」
顔が熱い!
こんな気持ち初めてだ!
「シバさん、顔真っ赤(笑)」
:09/12/21 02:07 :F902iS :bQ5XhAtA
#72 [シバ]
「アイリはさ、何がしたいの?」
恥ずかしさで口が勝手に回る。
「何がしたいって?何が?」
「なんでキスしたの?」
「え?なんでって…キスしたかったから」
曖昧な答えにイラッときた…
:09/12/21 02:10 :F902iS :bQ5XhAtA
#73 [シバ]
「好きな人とキスしちゃダメなんですか?」
「好きな人って…アイリ、シバのこと好きなの?」
「好きですよ!だから、会った時からずっと伝えてるじゃないですか!」
「なんで好きなの?」
「知りませんよ!好きなモンは好きなんですから」
:09/12/21 02:15 :F902iS :bQ5XhAtA
#74 [シバ]
「だって…女同士だよ?シバもアイリも…」
「分かってますよ。だから何ですか?」
「いや、だから…」
「同じ人間同士じゃないですか。人を好きになって何が悪いんですか?」
「いや…アイリは彼氏とかいないの?」
:09/12/21 02:19 :F902iS :bQ5XhAtA
#75 [シバ]
「シバさんの言うその彼氏って、絶対に男じゃないといけないんですか?」
「そんなことは言ってないじゃん!ただ、彼氏いないのかなー?って思って」
「…いませんよ。でも、好きな人はいます」
「それならいいんだけどさ」
:09/12/21 02:22 :F902iS :bQ5XhAtA
#76 [シバ]
「どんだけ分かってないんですか……だから、アイリの好きな人はシバさんなんです!」
「女としてシバを好きなん?それとも…」
「…人として好きです」
「それなら普通の先輩後輩でいいじゃん。友達でもいいし」
:09/12/21 02:25 :F902iS :bQ5XhAtA
#77 [シバ]
「アイリだけの物でいてほしい…」
「は?」
「シバさんには分かんない!アイリがどれだけヤキモチ妬いてるのか」
「…ヤキモチ?妬く必要あるの?」
「だからシバさんには分かんないんですって…アイリ側の立場を経験してないから」
:09/12/21 02:29 :F902iS :bQ5XhAtA
#78 [シバ]
「うん…ごめん」
「アイリ、今まで女の人にこんな気持ち抱いたことないんです…だから正直言って、アイリもテンパってます。ってか、テンパってました。でも、時間は待ってくれないから…明日にはシバさんと離れ離れになっちゃうから、気持ちだけは伝えないと!って思って…」
アイリはうつむいた。
こんなこと、シバも初めてだ…
:09/12/21 02:34 :F902iS :bQ5XhAtA
#79 [シバ]
シバにはアイリの気持ちが理解できなかった。
偏見とかじゃなくて、なんでシバなの?っていう気持ちの方が強かった。
「アイリと付き合ってください」
率直だ!
率直すぎる…
「…………」
シバは返事に困って、しばらく黙り込んだ。
:09/12/24 00:52 :F902iS :mAaZR0zs
#80 [シバ]
「アイリ…ごめん!」
アイリの目を見れない…アイリはシバの方をずっと見ていたっぽい。
「やっぱり、アイリは後輩にしか見れないよ」
シバの精一杯の答えだった。
アイリがどう受け止めるか…
「…分かりました」
:09/12/24 00:56 :F902iS :mAaZR0zs
#81 [シバ]
アイリは何もしゃべらず、部室を出た。
シバはアイリの後ろ姿を見ていた。
何か喋ってくれるだろうって期待しながら…
足音が遠ざかっていった。
アイリは宿泊所に戻っていったみたいだ。
さっきの出来事で心臓を動かしまくったシバは、ボンヤリと椅子に座ったままでいた。
:09/12/24 01:06 :F902iS :mAaZR0zs
#82 [シバ]
翌日…
チームメイトの輪の中に、元気な笑顔を振りまくアイリがいた。
ホッとした…
けど、目が合ってもアイリは目をそらす。
その度に、心が痛んだ。意を決して告白してくれたアイリに対して、申し訳ない気持ちと動揺がシバの中でグルグル回ってる。
:09/12/24 01:10 :F902iS :mAaZR0zs
#83 [シバ]
合宿終了…
帰りのバスが到着した。荷物を積んで、相手チームにバイバイとか言いながら1人ずつバスに乗っていく。
シバがバスの入口に立った。
…腕を掴まれた。
「?!」
振り向くと、無表情のアイリが立っていた。
:09/12/24 01:13 :F902iS :mAaZR0zs
#84 [シバ]
「…元気でね(笑)」
精一杯の笑顔をアイリに見せた(つもりだ)。
何かを渡された。
グッシャグシャになった紙だ…
「後で見てください」
アイリの頭をポンポンと軽く叩いて、シバはバスに乗った。
:09/12/24 01:16 :F902iS :mAaZR0zs
#85 [シバ]
席に着いて外を見た。
アイリ泣いてるし…
アイリごめんね…
バスが出発して、校門を出た。
アイリが小さくなっていく…
角を曲がって全く見えなくなった。
さっきアイリから渡された紙を広げる…
:09/12/24 01:20 :F902iS :mAaZR0zs
#86 [シバ]
アドレスと番号が書かれていた。
うちのバスケ部はケータイ禁止だったから、メールはできない…
電話してくれっていう意味なのか…?
「シバ!明日一緒にプリクラ撮り行こ♪」
後ろに座っていた真紀だ。
「なんでプリクラ?」
「合宿お疲れ様〜の意味をこめて(笑)」
:09/12/24 01:24 :F902iS :mAaZR0zs
#87 [シバ]
地元に帰ってきた。
一週間の合宿は、とにかく疲れた。
家に帰りつくなり、爆睡してしまった。
それから1日1日、あっという間に過ぎていった。
1ヶ月経った頃…
同じバスケ部の男子に告られた。
:09/12/24 01:29 :F902iS :mAaZR0zs
#88 [シバ]
シバも恋がしたかったから、この告白は嬉しかった。
…ハズだった。
でも、なんかモヤモヤする。
ときめかない…
嫌だ…
何、この気持ち…
「柴崎?」
:09/12/24 01:33 :F902iS :mAaZR0zs
#89 [シバ]
ハッと顔を上げる。
告白してきた男子が笑っていた。
「えっと…俺のこと嫌いかな?」
嫌いじゃない!
彼はバスケ部の中でも、かなりの努力家で頑張り屋で、爽やかで…
でも、何だろう…
好きになれない!
直感でそう思った。
:09/12/24 01:38 :F902iS :mAaZR0zs
#90 [シバ]
「ごめんなさい」
彼はビックリした顔を見せた。
「え?え?嘘だろ(笑)」
「付き合えない…ごめん」
シバは走って教室に戻った。
机に顔を伏せた。
なんか変だ!
何このモヤモヤ…
:09/12/24 01:42 :F902iS :mAaZR0zs
#91 [シバ]
「シバ!」
真紀がシバの机の前に現れた。
「ヤス(さっきの彼)に告られたでしょ?今」
「…うん」
「なんでフッたの?」
どうやら真紀はヤスから相談を受けていたらしい…
「…好きになれない」
:09/12/24 01:46 :F902iS :mAaZR0zs
#92 [シバ]
「なんで?(笑)付き合ってみないと分かんないじゃん!シバ、てっきりOKしてくれると思ってたし」
だからさっき、ヤスも動揺してたんだ。
なんで?って言われても…
こっちが聞きたいよ!
何これ…
モヤモヤする…
どうしちゃったんだろ…
:09/12/24 01:50 :F902iS :mAaZR0zs
#93 [シバ]
ただ1つだけドキドキすることがある。
ヤスの告白から数日後に気付いた…
アイリだ…
アイリのことを思い出すだけで、顔が熱くなるのが分かった。
アイリの名前を聞くだけで胸がドキドキしている。
:09/12/24 01:55 :F902iS :mAaZR0zs
#94 [シバ]
意味が分からない。
なんでドキドキしないといけない?
普通に生活していく中で、何か寂しさを感じるようになった。
そう…
アイリがいないから…
すぐに分かった。
ドキドキの原因はアイリ…
ヤスの告白を拒否ってしまった理由も、アイリの存在があったから…
:09/12/24 02:00 :F902iS :mAaZR0zs
#95 [シバ]
アイリ…
連絡先は知ってるのに、あの合宿以来まったく連絡を取ってない。
だって、何を話せばいいか分からなかったから…
しかもケータイ持ってないし…
アイリ、今何してんだろ…
普通に授業受けてんのかな?
サボったりしてないかな?
:09/12/24 02:24 :F902iS :mAaZR0zs
#96 [シバ]
とりあえずアイリと連絡を取りたい!
親のケータイを使ってメールすることも考えた。
だけど、
「バスケ部はケータイダメなんでしょ?あんた1人だけケータイOKとか許されないよ!だからダメ!」
断固として拒否られた。正論を言われ、結局はメールをすることをあきらめた。
:09/12/27 02:59 :F902iS :GoN1dN4k
#97 [シバ]
家の電話なら大丈夫だろう!
そう思ったけど、よく考えたら親には聞かれたくない内容ばかりだ。
しかもシバの場合、大抵2〜3時間は余裕で話す。
だから電話代がバカにならない!って親に怒られるから無理だ…
シバは自分の部屋でいろいろ考えていた。
:09/12/27 03:05 :F902iS :GoN1dN4k
#98 [シバ]
「ちゃんと時間を決めて電話するから!」
結局は親に頼み込むことになった。
親の答えは、
「じゃあ15分だけね」
よっしゃ!
でも内容聞かれたくないから、子機を使って部屋で電話をかけることになった。
:10/01/27 23:02 :F902iS :7D1nYFi.
#99 [シバ]
「0…9…0…」
あいりから渡された紙には自宅の電話番号が書かれていなかった。
だからアイリのケータイに…
子機の番号をポチポチと押しながら、めちゃくちゃ緊張していた。
アイリと話すのは久しぶりだ。
だけど、何を話そうか…アイリは今どんな気持ちなのか…
ベッドに転がっては起き、転がっては起き…を繰り返して、アイリが電話に出るのを待った。
:10/01/27 23:09 :F902iS :7D1nYFi.
#100 [シバ]
プルルルルル…
プルルルルル…
プルルルルル…
ガチャ…
「…はい、もしもし?」
「…もしもし」
「はい?」
「あの〜、アイリですか?」
「はい、そうですよ。え〜っと…誰ですかぁ?」
「シバです」
:10/01/27 23:14 :F902iS :7D1nYFi.
#101 [シバ]
「…………」
何も言わなくなった。
アイリとの出来事を思い出し、1人でめちゃくちゃ緊張していた。
足が震えてる…
どんだけ上がり症なんだ自分…
「シバさん?…シバさんって、あのシバさん?」
どのシバさんかは分からなかったけど、とりあえず
「そうだよ(笑)」
:10/01/27 23:57 :F902iS :7D1nYFi.
#102 [シバ]
「え〜?シバさんかぁ!えー?元気でした?」
あの時泣いてたアイリとは打って変わって元気そうだった。
元気?って、こっちが聞き返さなくても分かるくらい、アイリは元気そうだった。
「まぁ、元気だよ(笑)久しぶりだね」
「そうっすねー…シバさんに連絡先教えてたのに、今まで音沙汰なしって一体どういうことですか(笑)」
:10/01/29 01:14 :F902iS :urptTvCo
#103 [シバ]
「ごめん!いろいろ忙しくてさ」
「本当かなぁ?どうせ、連絡するのがめんどくさかったんでしょ?」
「そんなんじゃないよ(笑)いや、マジで忙しかったんだって」
「まぁ、いいや♪とりあえず、シバさんが元気そうでよかったです」
「そりゃどうも」
:10/01/29 01:17 :F902iS :urptTvCo
#104 [シバ]
しばらく沈黙が続いた…
「…あの、そっちはみんな元気にしてる?」
「相変わらずですよ。あ!この前、授業中に携帯ポチポチしてたのが先生にバレて部活禁止になりました(笑)」
「誰がポチポチしてたん?」
「アイリです(笑)先生と先輩達にめっちゃ怒られました」
:10/01/29 01:22 :F902iS :urptTvCo
#105 [シバ]
「アホ(笑)」
「よく言われます(笑)今は普通に部活できてるんですけどね♪めんどくさいけど」
よかった…
普通に喋れる。
さっきまで緊張してたことが嘘のように、体はリラックスしていた。
アイリの笑い声を聞くとホッとする。
:10/01/29 01:25 :F902iS :urptTvCo
#106 [シバ]
しばらく雑談してた。
アイリの学校生活の話、お互いの部活に関する話、チームメイトの話…
ふと時計に目をやる。
電話をかける前に確認した時、夜10時ジャスト。
今現在、11時を遥かに超えていた。
:10/01/29 01:32 :F902iS :urptTvCo
#107 [シバ]
あらまぁ…
そう思っていると、廊下をズカズカと歩いてくる音が聞こえてくる。
その音は、あきらかにこちらへと近づいてきている。
シバは身構えた。
部屋のドアが勢い良く開いた。
勢い良くというか、怒り混じりっていうのはすぐに分かった。
:10/01/29 01:35 :F902iS :urptTvCo
#108 [シバ]
母だった。
覚悟はしてたけど、ものすごい形相だ。
「時間…」
ゆっくりとその一言だけ口にすると、シバの部屋の時計を指差した。
その間にも、アイリはなんやかんや話してたようだったけど…
約束は約束だ…
今日は仕方ない…
:10/01/29 01:39 :F902iS :urptTvCo
#109 [シバ]
「アイリ…ごめん。今日はもう寝ないと」
母を横目で見ながら、受話器に向かって話した。
母は怒りながらも納得したようで、部屋を出た。今度はゆっくりとドアを閉めた。
「マジですかぁ…じゃ、また明日電話かけてくださいよ」
「ああ…かけれたらね」
:10/01/29 01:43 :F902iS :urptTvCo
#110 [シバ]
「かけれたらじゃなくて、絶対(笑)分かりました?」
「はいはい」
「………」
「………」
また沈黙が続く。
どうやって電話を切ろうか考えていた。
じゃあ、またね!って潔く切ることができればいいんだけど、シバの場合それができない。
:10/01/29 01:49 :F902iS :urptTvCo
#111 [シバ]
相手から切り出してくれないと、なぜかその電話を終わらせることができない。
現に21歳になった今も、それは変わらない。
(こういうめんどくさい性格治したい)
「シバさん…アイリはシバさんのこと、マジメに好きです。おやすみなさい」
:10/01/29 01:54 :F902iS :urptTvCo
#112 [シバ]
先に沈黙を破ったのはアイリ…
同時に、先に電話を切る役も引き受けてくれた。
それにしても…
まただ…
この感じ…
めちゃくちゃドキドキしてる。
マジメに好きって…
本気でその言葉…受け取っていいの?
:10/01/29 01:59 :F902iS :urptTvCo
#113 [シバ]
翌日からは、何をしてても上の空。
授業内容なんて何一つ頭に入ってこない。
うん…
たぶん、自分はアイリのことが好きなんだ。
特別な友達とか、特別な後輩とか、そんなんじゃない。
“恋”の対象として好きなんだ…
:10/01/30 02:20 :F902iS :Owp4Rl3E
#114 [シバ]
しかし…
これまた厄介だなぁ…
女が女を好きになるなんて…
誰にも相談できないし、1人で考えれば考えるほど混乱する。
でも、好きなもんは好きなんだ。
アイリのことを思うだけで、胸がドキドキする…
:10/01/30 02:24 :F902iS :Owp4Rl3E
#115 [シバ]
数日後…
アイリから手紙が届いた。
プリクラも入れられていて、シバのテンションはMAX…
「(アイリの顔見るの久しぶりだなぁ…)」
女の子らしい癖のある字。
伝えたいことがたくさんあるのだろう…
まとまりのない文章がギッシリと書き尽くされている。
:10/01/30 02:30 :F902iS :Owp4Rl3E
#116 [シバ]
それからは、約一週間置きにアイリから手紙が届くようになった。
帰宅する度に、ポストを開けるのが習慣になっていた。
「(今日は届いてないな…)」
とか思って部屋に行くと、机の上に可愛い封筒が置かれていたり…
シバ宛に、あの癖字で記されていた。
:10/01/30 02:35 :F902iS :Owp4Rl3E
#117 [シバ]
もちろん、シバも返事を書くことを忘れない。
むしろ、返事を書くことが日頃の楽しみになっていた。
今日は何を書こうか…
とか、
昨日面白いことがあったから、一刻も早く伝えたい!
とか。
:10/01/30 02:38 :F902iS :Owp4Rl3E
#118 [シバ]
電話することも日課になっていた。
手紙と電話とプリクラと…
これが毎日のシバのエネルギーとなっていた。
部活で多少辛いことが起こっても、家に帰ればアイリの声が聞ける…
今日の練習が終われば、またアイリの顔が見れる…
:10/01/30 02:42 :F902iS :Owp4Rl3E
#119 [シバ]
そんなこんなで、シバの頭の中はアイリで一杯になっていた。
アイリ一色。
アイリがいるから、何でも頑張れる!
部活だって勉強だって何だって!
自分は今、最強なんだから!
大切な人、アイリ…
だからアイリの支えになりたい…
:10/01/30 02:47 :F902iS :Owp4Rl3E
#120 [シバ]
毎日の寝る前の楽しみ…電話。
だけど、1ヶ月経った頃…
家に帰るなり、恐い顔した母が玄関先でシバを出迎えた。
「ただいま。どうしたの?」
「…これ、見てみな」
母から一枚の紙を渡された。
:10/01/30 03:19 :F902iS :Owp4Rl3E
#121 [我輩は匿名である]
あげ!!!!
:10/02/04 08:27 :PC :☆☆☆
#122 [まき]
:10/03/07 23:40 :SH05A3 :ZrwbDVIM
#123 [reo]
更新楽しみにしています
:10/03/09 01:47 :F01A :/ar4Ih3g
#124 [シバ]
匿名さん
まきさん
reoさん
放置すみません
あげていただき、温かいコメントまで…
今日からまた更新していきます!
よろしくお願いします
:10/03/09 19:27 :F902iS :mhupUEXs
#125 [まき]
楽しみ
あげ
:10/03/09 23:25 :SH05A3 :G2FkUwBY
#126 [シバ]
>>125まきさん
ホントにありがとうございます
少しずつですが更新します!
:10/03/10 00:00 :F902iS :AE.vvLEU
#127 [シバ]
>>120その紙を受け取って上から下まで見回した。
「1万…8000円?え?どういうこと?」
「あんたが毎晩毎晩電話してるからでしょ!そのアイリちゃんって子と…いつもは3000円くらいで済むのに。だからちゃんと考えて電話しなさいって言ったでしょ」
:10/03/10 00:05 :F902iS :AE.vvLEU
#128 [シバ]
母さんは溜め息を何度も繰り返し、クルリと背を向けた。
…電話代の請求書だった。
こっちは自宅から…
あっちはケータイ…
そりゃあ、金額はそれなりに行くだろうなぁって思ってたけど、さすがにこれはちょっと…
:10/03/10 00:08 :F902iS :AE.vvLEU
#129 [シバ]
その日、母さんに何度も頭を下げ、なんとかアイリに電話をさせてくれとお願いした。
母さんは、指を3本立てた。
「それ…スリーピース?」
「バカ!3分だけ!」
「分かった」
アイリに電話した。
:10/03/10 00:11 :F902iS :AE.vvLEU
#130 [シバ]
「シバさぁん!待ってましたよ〜」
いつものテンションだったから、嫌な話を持ち出したくなかった。
「あんさ、アイリ…」
「何ですかい?」
「今日、母様から電話代の請求書見せられてさ…ちょっと今月ヤバいんだわ…」
:10/03/10 00:14 :F902iS :AE.vvLEU
#131 [シバ]
「へぇ」
「へぇ…じゃなくて。だからこれからは電話の回数を…」
「だったらアイリん家の家電使えばいい(笑)」
「は?」
「言ってませんでしたっけ?うち、普通に家の電話ありますよ(笑)」
:10/03/10 00:17 :F902iS :AE.vvLEU
#132 [シバ]
力が抜けた。
「なんで早く言わないの?!」
「いや、なんか、そういう習慣になってたから(笑)」
「アホ!」
「あはは、よく言われます(笑)」
:10/03/10 00:20 :F902iS :AE.vvLEU
#133 [シバ]
怒られ損って感じがした。
いや、シバが悪いのは事実なんだけども…
「じゃあ、今日はアイリからかけますね!ちょっと待ってて」
「…うぃ」
それから余裕で2時間は喋った。
母さんは呆れた顔をしながら寝室へと戻っていった。
:10/03/10 00:24 :F902iS :AE.vvLEU
#134 [シバ]
更に1ヶ月後…
帰宅して、いつものようにアイリからの電話を待っていた。
大体9時半過ぎくらいにはかかってくる。
身の回りの片付けや、明日の学校の準備を早々と済ませていた。
「……電話こない」
:10/03/11 22:12 :F902iS :9/E.HIE6
#135 [シバ]
時計を見ると、11時を過ぎていた。
「明日も学校でしょ?早く寝なさいよ」
母さんは欠伸をしながら寝室へと向かっていた。
「…アイリ、今日はもう寝ちゃったのかな?」
諦めないといけないよな…
ま、しょうがないか。
でも、やっぱり寂しい…
:10/03/11 22:16 :F902iS :9/E.HIE6
#136 [シバ]
めちゃくちゃ眠いくせに、子機を握りしめたままずっと待っていた。
12時を過ぎた。
毎朝6時には起きないといけない。
そろそろ寝ないと明日起きれない…
テンションがた落ちのまま布団に潜り込んだ。
ピリリリリリリ…
:10/03/11 22:19 :F902iS :9/E.HIE6
#137 [シバ]
バッと起き上がって机の上の子機を見た。
着信時に光る黄色いランプが忙しくパカパカと光っていた。
「え?ちょ…(笑)」
自分でも分かるくらいニヤニヤしていた。
電話が来ない!
っていう怒りは一瞬で吹っ飛んだ。
:10/03/11 22:22 :F902iS :9/E.HIE6
#138 [シバ]
すぐに通話ボタンを押した。
「…はい、もしもし?」
渋々〜…みたいな演技をした。
ずっと待ってたんだよ!っていう気持ちを押し殺して電話に出た。
「ヒロ〜?ゴメンね〜(笑)お仕事お疲れ様ぁ♪何してたぁ?もしかして寝てたぁ?」
:10/03/11 22:26 :F902iS :9/E.HIE6
#139 [シバ]
ヒ…ヒロ?
ワタシハシバサキデスガ…
「………」
「もしもし〜?マジでゴメンって(笑)遅くなっちゃったけどヒロ君の声聞きたくなっちゃってさぁ(笑)ってか、何黙ってんのさ(笑)」
「…あの」
「どぉしたのぉ?(笑)」
「間違い電話じゃないですか?」
:10/03/11 22:30 :F902iS :9/E.HIE6
#140 [シバ]
「はぁ?(笑)」
「いや…ヒロとかいう人はいないですよ、ウチには」
「え?村岡さんじゃないの?」
「はい…村岡じゃないです」
「え?ちょっと(笑)嘘…やだ〜(笑)間違ったぁ(笑)♯$☆&※*バイバーイ」
ブツッ…
:10/03/11 22:35 :F902iS :9/E.HIE6
#141 [シバ]
なんてこった…
アイリからの電話が来ない上に、まったく知らない奴からの間違い電話…
さっき吹っ飛んでいったハズの怒りが倍になって帰ってきた。
「とりあえず寝る!クソ!」
再び布団に潜り込んだ。
:10/03/11 22:38 :F902iS :9/E.HIE6
#142 [我輩は匿名である]
続き気になります
頑張って下さい
:10/03/13 10:14 :S001 :R4HOtDec
#143 [なつ]
一気に読ませていただきました!!!
更新応援しています!!!
:10/03/14 01:18 :N02A :PptXOIwM
#144 [シバ]
>>142さん
>>143さん
ありがとうございます!更新頑張ります(^^)
>>141翌日…
学校ではいつもとは違った上の空状態。
この時から変な不安みたいな、モヤモヤした勘が働いていたのかもしれない…
:10/03/14 17:45 :F902iS :kcLJgh.I
#145 [シバ]
「シバ、おはよ」
ポンっと肩を叩いてきたのは真希。
「元気ないぞ(笑)何かあったのか〜?」
「あ、真希おはよ…あのさ…」
「何じゃらほい♪」
「…いや、やっぱ何でもない」
「何それ(笑)」
:10/03/14 17:48 :F902iS :kcLJgh.I
#146 [シバ]
真希は一番の仲良しだ。普通の恋愛話だったらソッコー相談してる。
でも…
シバが今恋してる相手はアイリだ…
女の子だ…
仲良しとはいえ、そんな話をしちゃったら真希との関係にヒビが入る気がして、怖くて話せなかった。
:10/03/14 17:52 :F902iS :kcLJgh.I
#147 [シバ]
結局、アイリのことを真希に相談できないまま部活の時間になった。
上の空状態で、何度も監督に怒られた。
パスが来てもキャッチミス、シュートを打っても打ってもリングに嫌われ…
いつもはアイリとの電話のために、部活終了と同時にソッコー帰る。
でも、今日は体育館の入り口に座ってボンヤリしていた。
:10/03/14 17:59 :F902iS :kcLJgh.I
#148 [シバ]
体育館の電気が消された。
急に真っ暗になったことにビックリしながら帰る準備を始めた。
「…ただいま」
家に帰り着くなり、母さんが心配そうに出迎えた。
:10/03/14 18:01 :F902iS :kcLJgh.I
#149 [シバ]
「おかえりー!今日は遅かったね。元気ないし…学校で何かあったの?」
「別に何もないよ。ただ疲れただけ(笑)」
シバはニッコリ笑ったつもりだったけど、引きつっていたみたいで…
「今ね、真希ちゃんから電話があったのよ」
:10/03/14 18:03 :F902iS :kcLJgh.I
#150 [シバ]
「真希から?何で?」
「『今日シバが元気なかったから』って。心配してたよ」
「マジで?でも大丈夫だから(笑)」
「そう?あ、あと…」
母さんは何か考え始めた。
とりあえず疲れてるから中に入れてくれ…
「アイリちゃん?だっけ?ついさっき電話がきたよ」
:10/03/14 18:07 :F902iS :kcLJgh.I
#151 [シバ]
シバはバッと母さんを見た。
「うそ…!何て?アイリ何て言ってた?」
「『また10時頃電話かけます』って」
それを聞いてシバはソッコーなんやかんや済ませた。
風呂は頭と体洗ってお湯に浸からず上がって、ご飯を詰め込んで、宿題と部日誌を終わらせた。
:10/03/14 18:10 :F902iS :kcLJgh.I
#152 [reo]
頑張ってください\(^O^)/
:10/03/15 00:48 :F01A :5FK9EixU
#153 [シバ]
>>152reoさん
本当にありがとうございます(^▽^)
更新します♪
>>15110時になるのが待ち遠しかった。
1分経つごとに時計を見てはソワソワして、まったく落ち着きがなかった。
:10/03/15 20:59 :F902iS :G22rQU86
#154 [シバ]
プルルルルル…
き…きたぁー!
「はい、もしもし」
「あ、もしもし川田です。こんばんは!シバさんいますか?ってか、シバさんですか?」
「はいはい。シバですけど(笑)」
:10/03/15 21:02 :F902iS :G22rQU86
#155 [シバ]
アイリの声が何だか懐かしく感じて、ジーンときた。
顔は見えないけど、元気そうだから安心した。
「ってか、昨日電話するって言ってたのに、電話しなかったよね、バカアイリ(笑)」
「いやいや。そっち通話中だったじゃないですか(笑)」
「は?通話中?」
:10/03/15 21:05 :F902iS :G22rQU86
#156 [シバ]
「うん、通話中」
「夜中は誰も電話使わないよ。受話器がはずれてたのかな?…………って、ちょっと待って」
昨日のことを思い返してみた。
…最悪だ。
間違い電話と同時にアイリから電話がかかってきてたんだ…
:10/03/15 21:09 :F902iS :G22rQU86
#157 [シバ]
しかも、うちの電話はキャッチホン機能を最近外したからキャッチが入ったとか分からなかったんだ…
(キャッチホン機能ってお金かかるんですよ!)
「あ〜…もしかしたら間違い電話がきた時かも」
「嘘つき(笑)誰と電話してたんですか?浮気?(笑)」
「アホ(笑)」
:10/03/15 21:12 :F902iS :G22rQU86
#158 [シバ]
「はぁ〜?浮気だったらアイリ泣いちゃうからね」
可愛いなコイツ。
「ないない(笑)」
「絶対?」
「絶対(笑)」
「ふ〜ん…」
:10/03/15 21:14 :F902iS :G22rQU86
#159 [シバ]
「ってか、昨日なんでそんなに遅かったのさ。電話かけてくる時間帯」
「あ〜…部活中に先生がピリピリしてて…昨日怒って帰っちゃったんですよ。んで、その後チームでミーティング…長々とめんどくさかったっす」
「あ、そうだったの」
「…うん」
この時、アイリの言葉を信じなきゃよかった…
:10/03/15 21:18 :F902iS :G22rQU86
#160 [シバ]
「何か…ゴメン」
「何でですか?」
「チームが大変な時に電話しろ電話しろ!って…」
「いやいや(笑)約束破ったアイリが悪いですから」
「でも、電話してくれたじゃん」
「遅くなっちゃいましたけどね(笑)」
:10/03/15 21:21 :F902iS :G22rQU86
#161 [シバ]
昨日はすれ違いだったけど…
夜疲れて帰ってきたのに、アイリがシバのことを考えてくれてた事がメチャクチャ嬉しかった。
間違い電話を憎んだけど、アイリのその気持ちが何より嬉しかった。
「あ、そうだ!シバさん…あの…」
「どした?」
:10/03/15 21:25 :F902iS :G22rQU86
#162 [シバ]
「アイリもさっき…オカンに怒られた…」
「オカン?お母さんに?」
「うん」
「何で?」
「電話代…請求…ケータイ代…ウガァーって!」
ウガァーっの意味が分からなかったけど、とりあえず怒られたらしい。
:10/03/15 21:28 :F902iS :G22rQU86
#163 [シバ]
「毎日電話してるもんね(笑)」
「うーん…でも、どうしよ…」
「何が?」
「だって…2人とも親に怒られたじゃないですか。来月もまた怒られるの嫌だ」
胸が痛んだ。
アイリの口からネガティブな言葉を聞いたのは初めてだったから、一瞬不安になった。
:10/03/15 21:31 :F902iS :G22rQU86
#164 [シバ]
「じゃあ…アイリはどうしたい?」
「毎日電話したい!」
「そうじゃなくて…どうする?週に2〜3回って決めて電話しようか?」
「それはそれで寂しい」
「だって、しゃーないじゃん」
「寂しいよぉ…」
:10/03/15 22:31 :F902iS :G22rQU86
#165 [シバ]
甘えた声出してくるから、年上として何とかしてあげないと…って思ってた。
「分かった…じゃあ、何とかするよ」
「マジですか?でも、家電はもう…」
「アイリからは掛けてこなくていいよ。シバが何とかするから」
年上のプライドを守った!
:10/03/15 22:35 :F902iS :G22rQU86
#166 []
続き楽しみです
:10/03/15 23:02 :SH05A3 :z65DA5uE
#167 [シバ]
>>166さん
ありがとうございます(^^)v
これからも読んで頂けたら嬉しいです♪
>>165…とは言ってみたものの、何をどうすればいいんだろう。
そこで、シバなりに一生懸命考えた!
:10/03/16 23:16 :F902iS :BXIGXgPo
#168 [シバ]
公衆電話…
公衆電話だ!
もう、それしか残されていない!
財布の中身を確認した。100円玉が2枚、10円玉が2枚、5円玉が1枚、1円玉が16枚…
泣きそうになった。
お札は0だし、1円玉の使い方がヘタクソだし、電話代になるくらいのお金持ってないし…
:10/03/16 23:20 :F902iS :BXIGXgPo
#169 [シバ]
最近、財布がポッコリしてきたなぁ〜って思ってたけど、原因は1円玉達だったのか…
解決してよかったわ♪
…じゃなくて。
どうしよう…
かっこつけてあんな事言ったけど、実際どうしようもない…
:10/03/16 23:23 :F902iS :BXIGXgPo
#170 [シバ]
次の日の朝…
陸上部のマネージャーから、思いもしなかったプレゼントを与えられた。
テレフォンカードだ!
粗品としてもらっていたテレカがうんざりするほど家にある!との事だったので、貰えるだけ貰うことになった。
:10/03/16 23:30 :F902iS :BXIGXgPo
#171 [受験生]
楽しみにしてます(*^□^*)大変ですががんばってください
:10/03/16 23:56 :N01B :W3JuC9KI
#172 [シバ]
>>171受験生さん
ありがとうございます
受験されるんですか?
だとしたら、シバも受験生さんを応援しますよ♪笑
大変でしょうが頑張ってくださいね
更新します!
:10/03/17 21:54 :F902iS :gj9iT8FE
#173 [シバ]
>>170貰えたテレカは50度数6枚。
陸上部のマネージャーに感謝感激で、その日の部活帰りはランランだった♪
タダでアイリの声が聞ける…
しばらくは何も気にすることなく電話ができる…
嬉しくて嬉しくて、生きててよかった〜とか思えた。
:10/03/17 21:58 :F902iS :gj9iT8FE
#174 [シバ]
部活終了まであと3時間…長い…長すぎる。
あと2時間半…
あれからまだ30分しか経ってない…イライラ
「ピピー!柴崎!ボーっとするな!ダッシュしてこい!」
スミマセン…
あと2時間…
う〜ん…
:10/03/17 22:01 :F902iS :gj9iT8FE
#175 [シバ]
あと1時間半…
もうちょい頑張ろ…
あと1時間…
あの時計、ちゃんと動いてんの?
長いよ…
あと30分…
よしよし…
あと5分…
あ〜…
あと少しでアイリの声が聞ける。
アイリ待ってろよ♪
:10/03/17 22:04 :F902iS :gj9iT8FE
#176 [シバ]
部活終了時刻…
「よ〜し!ストレッチ」
よっしゃぁぁ!
やっと終わった!
そして床に座ろうとした…
「シバさん。監督が呼んでます」
2つ下の後輩だった。
「は?マジ?今?」
:10/03/17 22:08 :F902iS :gj9iT8FE
#177 [シバ]
「はぁ…たぶん…今だと思います」
挙動不審な後輩…
その態度を見ただけで、いい意味の呼び出しではないということが感じ取れた。
体育教官室のドアをノックしたが、返事なし。
「失礼します」
:10/03/17 22:11 :F902iS :gj9iT8FE
#178 [シバ]
ドアを開けると、ドア側に背を向けたまま立っている監督がいた。
「座れ」
振り返ることなく、ぶっきらぼうに一言放った。
そこには、ボロボロになった一台のパイプ椅子が用意されていた。
:10/03/17 22:15 :F902iS :gj9iT8FE
#179 [シバ]
静かに腰掛けたつもりだったけど、オンボロ椅子はギシギシと軋んだ。
しばらく無言…
監督は振り向き、向かい側の椅子(ソファー?)に腰掛けた。
「最近のお前の態度…何か気になるんだが」
:10/03/17 22:18 :F902iS :gj9iT8FE
#180 [シバ]
「………」
「練習中に何か余計な事考えてるよな?」
「………」
「部活の時だけじゃない。授業中もだ。国語の原田先生も、物理の八木先生も『最近の柴崎の授業態度が気になる。聞いてるのか聞いてないのか分からない』っておっしゃってた」
:10/03/17 22:25 :F902iS :gj9iT8FE
#181 [シバ]
ええ、そうですとも!
恋してますよ!
恋わずらいですよ!
…とか言えたらいいなぁ〜って思いながら監督の鼻を眺めた。
目合わせると緊張しちゃうから、あえて鼻。
監督の鼻から毛出てないかな〜…とか余計なこと考えてた気がする。
:10/03/17 22:29 :F902iS :gj9iT8FE
#182 [シバ]
「このままだと、授業単位落とすぞ」
「………」
「聞いてるのか?」
「…はい」
「バスケ…やる気がないならレギュラーの座を後輩に渡すしかないな。最後の最後に応援席に立ちたいのか?」
:10/03/17 22:33 :F902iS :gj9iT8FE
#183 [シバ]
「…いいえ」
「今2年生が伸びてきてるからな。織田あたりなんか、playも成長してきたしメンタルも強い。お前の控え…と考えていたが、今はその逆だぞ」
「…(ああ、そう)」
何も感じなかった。
3年目という大事な時期なのに…
バスケなんかよりアイリの存在の方が大きかったんだ…
:10/03/17 22:40 :F902iS :gj9iT8FE
#184 [シバ]
この後もグダグダと監督の話は続いた。
こんな話をされたら、前のシバだったら『コノヤロー!』とか『やってやろうじゃん!』って、悔しくて燃えてた。
だけど、今は全然。
グダグダ言われてカチンときても、ローソクの火をフッと吹き消すかのように、一瞬にしてその気持ちは消えていた。
不思議なもんです。
:10/03/17 22:46 :F902iS :gj9iT8FE
#185 [シバ]
アイリに電話できねー…早く終わってくれ。
その一心で監督の鼻を見つめ続けた。
聞いてますよ!っていう態度だけは貫き通した。
「あーだこーだ、それからなんちゃらかんちゃら………とりあえずよく考えろ。これからの行動次第で良くも悪くもなってくる。気をつけて帰れ。お疲れさん」
:10/03/17 22:52 :F902iS :gj9iT8FE
#186 [シバ]
:10/03/17 22:57 :F902iS :gj9iT8FE
#187 [受験生]
更新ありがとうございます(´∀`)受験終わって今日は合格発表です
こわいです
でも、シバさんの更新を見て落ち着きました
応援ありがとうございます
むっちゃくちゃ嬉しいです
また、更新してくれる待ってます
:10/03/18 00:51 :N01B :Xjz8gAnQ
#188 [シバ]
>>187受験生さん
そうだったんですか
いい結果でありますように
シバなんかの小説で落ち着けたなんて嬉しいです(笑)
もうちょいしたら更新します!
:10/03/18 18:24 :F902iS :GlnjqbDc
#189 [ぽん]
あげーい(・∀・)
:10/03/18 18:45 :N02A :0diKPh2M
#190 [シバ]
>>189ぽんさん
あげありがとうございます
更新します!
>>186教官室を後にする。
みっちりと怒られたのに、ウキウキしていた。
やっとアイリに電話ができる!
:10/03/18 21:16 :F902iS :GlnjqbDc
#191 [シバ]
学校近くの公衆電話へ向かった。
自分の財布から、テレフォンカードを1枚取り出した。
1つも穴の開いていないテレフォンカード…
これがあと5枚もあるなんて…
しかし、テレフォンカードとか小学校以来だなぁ。
忘れ物した時『お母さぁ〜ん』って泣きじゃくりながら電話して届けてもらったっけ?
:10/03/18 21:19 :F902iS :GlnjqbDc
#192 [シバ]
テレカを入れ、番号を押す。
プルルルルル…
プルルルルル…
「え?もしもし?」
ビックリしたような声が聞こえた。
「『え?』って何?『え?』って(笑)」
シバが笑うと、アイリはすぐに分かったようだった。
:10/03/18 21:23 :F902iS :GlnjqbDc
#193 [シバ]
「あ、なんだ!シバっちかぁ(笑)」
「シバっち?(笑)」
「みんなシバさんシバさん呼ぶからさぁ。何かアイリだけ違う呼び方するとVIPに聞こえません?(笑)」
「別にVIPではないけどね(笑)ま、何とでも呼んでくれ!」
すましたフリして、違う呼び方とか実はかなり嬉しかったりする…
:10/03/18 21:27 :F902iS :GlnjqbDc
#194 [シバ]
「公衆電話からの着信とか初だからビックリしましたわ」
「だろうね。公衆電話からとかありえないよね、今時」
「もしかしてシバっちが言ってた『何とかする』って…そういうことだったワケ?」
「悩みに悩み抜いた結果だよ。少しは感謝しろよ(笑)」
:10/03/18 21:30 :F902iS :GlnjqbDc
#195 [シバ]
アイリは鼻で笑った。
フガッて聞こえた。
「感謝してますよ。サンキューベリマ〜ッチ♪」
「はいはい。ってか今日テンション高いね。何かいい事でもあったん?」
「まぁね♪数学で初めて赤点じゃない点数を取ったんですよ♪」
:10/03/18 21:36 :F902iS :GlnjqbDc
#196 [シバ]
「ほう…で、何点?」
「39点」
「………」
「だからサンキューベリーマッチって言ったじゃないですかぁ(笑)」
アイリの中に『危機感』という文字はないな…と思った。
「マジか(笑)成績は大丈夫なワケ?」
:10/03/18 21:39 :F902iS :GlnjqbDc
#197 [シバ]
「あ〜…たぶんヤバいでしょうねぇ(笑)前回の中間で早速赤点取って親呼び出しだったから、今回は頑張ったつもりなんですけどね〜」
「まぁ、気にすんな。赤点じゃないことに対して笑って喜べ!思いっきり泣いて喜んでもいいよ」
「シバっちのそういう所が好きですよ。泣いても笑ってもアイリを受け止めてね」
:10/03/18 21:43 :F902iS :GlnjqbDc
#198 [シバ]
「受け止める!」
「きゃー♪やったぁ」
いつもなら「はいはい」って軽く流すシバだけど、自分頼られてる〜!って感じだったから嬉しかった。
だからアイリの素直な気持ちに素直に答えた。
「シバっち!」
「何?」
「会いたいよぉ」
:10/03/18 21:48 :F902iS :GlnjqbDc
#199 [シバ]
ひっきりなしに可愛い事を言ってくるアイリ…
目の前にいたらギュッと抱きしめてる。
それくらい、シバはアイリに夢中だった。
電話じゃなくて、会いたい。
次会った時は、シバのこの気持ちを伝えよう!
アイリ…
どうかシバだけのモノでいて欲しい。
一生懸命守るから…
:10/03/18 21:53 :F902iS :GlnjqbDc
#200 [シバ]
その一週間後…
テレカ6枚を使い切った。
たった一週間で、すべてのテレカが無くなった。あっという間で、6枚目を使い切る時、孤独感みたいな寂しさみたいな感情がウワッと込み上げてきた。
これからどうしよう…
何か違う方法を考えることにした。
:10/03/18 21:59 :F902iS :GlnjqbDc
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