禁断って何?
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#150 [シバ]
「真希から?何で?」

「『今日シバが元気なかったから』って。心配してたよ」

「マジで?でも大丈夫だから(笑)」

「そう?あ、あと…」

母さんは何か考え始めた。
とりあえず疲れてるから中に入れてくれ…

「アイリちゃん?だっけ?ついさっき電話がきたよ」

⏰:10/03/14 18:07 📱:F902iS 🆔:kcLJgh.I


#151 [シバ]
シバはバッと母さんを見た。

「うそ…!何て?アイリ何て言ってた?」

「『また10時頃電話かけます』って」

それを聞いてシバはソッコーなんやかんや済ませた。
風呂は頭と体洗ってお湯に浸からず上がって、ご飯を詰め込んで、宿題と部日誌を終わらせた。

⏰:10/03/14 18:10 📱:F902iS 🆔:kcLJgh.I


#152 [reo]
頑張ってください\(^O^)/

⏰:10/03/15 00:48 📱:F01A 🆔:5FK9EixU


#153 [シバ]
>>152
reoさん
本当にありがとうございます(^▽^)
更新します♪



>>151
10時になるのが待ち遠しかった。
1分経つごとに時計を見てはソワソワして、まったく落ち着きがなかった。

⏰:10/03/15 20:59 📱:F902iS 🆔:G22rQU86


#154 [シバ]
プルルルルル…


き…きたぁー!



「はい、もしもし」

「あ、もしもし川田です。こんばんは!シバさんいますか?ってか、シバさんですか?」

「はいはい。シバですけど(笑)」

⏰:10/03/15 21:02 📱:F902iS 🆔:G22rQU86


#155 [シバ]
アイリの声が何だか懐かしく感じて、ジーンときた。
顔は見えないけど、元気そうだから安心した。


「ってか、昨日電話するって言ってたのに、電話しなかったよね、バカアイリ(笑)」

「いやいや。そっち通話中だったじゃないですか(笑)」

「は?通話中?」

⏰:10/03/15 21:05 📱:F902iS 🆔:G22rQU86


#156 [シバ]
「うん、通話中」

「夜中は誰も電話使わないよ。受話器がはずれてたのかな?…………って、ちょっと待って」

昨日のことを思い返してみた。



…最悪だ。
間違い電話と同時にアイリから電話がかかってきてたんだ…

⏰:10/03/15 21:09 📱:F902iS 🆔:G22rQU86


#157 [シバ]
しかも、うちの電話はキャッチホン機能を最近外したからキャッチが入ったとか分からなかったんだ…
(キャッチホン機能ってお金かかるんですよ!)


「あ〜…もしかしたら間違い電話がきた時かも」

「嘘つき(笑)誰と電話してたんですか?浮気?(笑)」

「アホ(笑)」

⏰:10/03/15 21:12 📱:F902iS 🆔:G22rQU86


#158 [シバ]
「はぁ〜?浮気だったらアイリ泣いちゃうからね」


可愛いなコイツ。


「ないない(笑)」

「絶対?」

「絶対(笑)」


「ふ〜ん…」

⏰:10/03/15 21:14 📱:F902iS 🆔:G22rQU86


#159 [シバ]
「ってか、昨日なんでそんなに遅かったのさ。電話かけてくる時間帯」

「あ〜…部活中に先生がピリピリしてて…昨日怒って帰っちゃったんですよ。んで、その後チームでミーティング…長々とめんどくさかったっす」

「あ、そうだったの」

「…うん」

この時、アイリの言葉を信じなきゃよかった…

⏰:10/03/15 21:18 📱:F902iS 🆔:G22rQU86


#160 [シバ]
「何か…ゴメン」

「何でですか?」

「チームが大変な時に電話しろ電話しろ!って…」

「いやいや(笑)約束破ったアイリが悪いですから」

「でも、電話してくれたじゃん」

「遅くなっちゃいましたけどね(笑)」

⏰:10/03/15 21:21 📱:F902iS 🆔:G22rQU86


#161 [シバ]
昨日はすれ違いだったけど…
夜疲れて帰ってきたのに、アイリがシバのことを考えてくれてた事がメチャクチャ嬉しかった。

間違い電話を憎んだけど、アイリのその気持ちが何より嬉しかった。


「あ、そうだ!シバさん…あの…」

「どした?」

⏰:10/03/15 21:25 📱:F902iS 🆔:G22rQU86


#162 [シバ]
「アイリもさっき…オカンに怒られた…」

「オカン?お母さんに?」

「うん」

「何で?」

「電話代…請求…ケータイ代…ウガァーって!」

ウガァーっの意味が分からなかったけど、とりあえず怒られたらしい。

⏰:10/03/15 21:28 📱:F902iS 🆔:G22rQU86


#163 [シバ]
「毎日電話してるもんね(笑)」

「うーん…でも、どうしよ…」

「何が?」

「だって…2人とも親に怒られたじゃないですか。来月もまた怒られるの嫌だ」


胸が痛んだ。
アイリの口からネガティブな言葉を聞いたのは初めてだったから、一瞬不安になった。

⏰:10/03/15 21:31 📱:F902iS 🆔:G22rQU86


#164 [シバ]
「じゃあ…アイリはどうしたい?」

「毎日電話したい!」

「そうじゃなくて…どうする?週に2〜3回って決めて電話しようか?」

「それはそれで寂しい」

「だって、しゃーないじゃん」

「寂しいよぉ…」

⏰:10/03/15 22:31 📱:F902iS 🆔:G22rQU86


#165 [シバ]
甘えた声出してくるから、年上として何とかしてあげないと…って思ってた。

「分かった…じゃあ、何とかするよ」

「マジですか?でも、家電はもう…」

「アイリからは掛けてこなくていいよ。シバが何とかするから」

年上のプライドを守った!

⏰:10/03/15 22:35 📱:F902iS 🆔:G22rQU86


#166 []
続き楽しみです

⏰:10/03/15 23:02 📱:SH05A3 🆔:z65DA5uE


#167 [シバ]
>>166さん

ありがとうございます(^^)v
これからも読んで頂けたら嬉しいです♪


>>165

…とは言ってみたものの、何をどうすればいいんだろう。
そこで、シバなりに一生懸命考えた!

⏰:10/03/16 23:16 📱:F902iS 🆔:BXIGXgPo


#168 [シバ]
公衆電話…
公衆電話だ!
もう、それしか残されていない!

財布の中身を確認した。100円玉が2枚、10円玉が2枚、5円玉が1枚、1円玉が16枚…

泣きそうになった。

お札は0だし、1円玉の使い方がヘタクソだし、電話代になるくらいのお金持ってないし…

⏰:10/03/16 23:20 📱:F902iS 🆔:BXIGXgPo


#169 [シバ]
最近、財布がポッコリしてきたなぁ〜って思ってたけど、原因は1円玉達だったのか…
解決してよかったわ♪


…じゃなくて。



どうしよう…
かっこつけてあんな事言ったけど、実際どうしようもない…

⏰:10/03/16 23:23 📱:F902iS 🆔:BXIGXgPo


#170 [シバ]
次の日の朝…

陸上部のマネージャーから、思いもしなかったプレゼントを与えられた。


テレフォンカードだ!

粗品としてもらっていたテレカがうんざりするほど家にある!との事だったので、貰えるだけ貰うことになった。

⏰:10/03/16 23:30 📱:F902iS 🆔:BXIGXgPo


#171 [受験生]
楽しみにしてます(*^□^*)大変ですががんばってください

⏰:10/03/16 23:56 📱:N01B 🆔:W3JuC9KI


#172 [シバ]
>>171
受験生さん

ありがとうございます受験されるんですか?
だとしたら、シバも受験生さんを応援しますよ♪笑
大変でしょうが頑張ってくださいね



更新します!

⏰:10/03/17 21:54 📱:F902iS 🆔:gj9iT8FE


#173 [シバ]
>>170

貰えたテレカは50度数6枚。
陸上部のマネージャーに感謝感激で、その日の部活帰りはランランだった♪


タダでアイリの声が聞ける…
しばらくは何も気にすることなく電話ができる…
嬉しくて嬉しくて、生きててよかった〜とか思えた。

⏰:10/03/17 21:58 📱:F902iS 🆔:gj9iT8FE


#174 [シバ]
部活終了まであと3時間…長い…長すぎる。


あと2時間半…
あれからまだ30分しか経ってない…イライラ

「ピピー!柴崎!ボーっとするな!ダッシュしてこい!」

スミマセン…

あと2時間…
う〜ん…

⏰:10/03/17 22:01 📱:F902iS 🆔:gj9iT8FE


#175 [シバ]
あと1時間半…
もうちょい頑張ろ…


あと1時間…
あの時計、ちゃんと動いてんの?
長いよ…


あと30分…
よしよし…


あと5分…
あ〜…
あと少しでアイリの声が聞ける。
アイリ待ってろよ♪

⏰:10/03/17 22:04 📱:F902iS 🆔:gj9iT8FE


#176 [シバ]
部活終了時刻…

「よ〜し!ストレッチ」


よっしゃぁぁ!
やっと終わった!


そして床に座ろうとした…

「シバさん。監督が呼んでます」

2つ下の後輩だった。

「は?マジ?今?」

⏰:10/03/17 22:08 📱:F902iS 🆔:gj9iT8FE


#177 [シバ]
「はぁ…たぶん…今だと思います」

挙動不審な後輩…
その態度を見ただけで、いい意味の呼び出しではないということが感じ取れた。


体育教官室のドアをノックしたが、返事なし。


「失礼します」

⏰:10/03/17 22:11 📱:F902iS 🆔:gj9iT8FE


#178 [シバ]
ドアを開けると、ドア側に背を向けたまま立っている監督がいた。

「座れ」

振り返ることなく、ぶっきらぼうに一言放った。


そこには、ボロボロになった一台のパイプ椅子が用意されていた。

⏰:10/03/17 22:15 📱:F902iS 🆔:gj9iT8FE


#179 [シバ]
静かに腰掛けたつもりだったけど、オンボロ椅子はギシギシと軋んだ。

しばらく無言…


監督は振り向き、向かい側の椅子(ソファー?)に腰掛けた。



「最近のお前の態度…何か気になるんだが」

⏰:10/03/17 22:18 📱:F902iS 🆔:gj9iT8FE


#180 [シバ]
「………」

「練習中に何か余計な事考えてるよな?」

「………」


「部活の時だけじゃない。授業中もだ。国語の原田先生も、物理の八木先生も『最近の柴崎の授業態度が気になる。聞いてるのか聞いてないのか分からない』っておっしゃってた」

⏰:10/03/17 22:25 📱:F902iS 🆔:gj9iT8FE


#181 [シバ]
ええ、そうですとも!
恋してますよ!
恋わずらいですよ!



…とか言えたらいいなぁ〜って思いながら監督の鼻を眺めた。
目合わせると緊張しちゃうから、あえて鼻。


監督の鼻から毛出てないかな〜…とか余計なこと考えてた気がする。

⏰:10/03/17 22:29 📱:F902iS 🆔:gj9iT8FE


#182 [シバ]
「このままだと、授業単位落とすぞ」

「………」

「聞いてるのか?」

「…はい」


「バスケ…やる気がないならレギュラーの座を後輩に渡すしかないな。最後の最後に応援席に立ちたいのか?」

⏰:10/03/17 22:33 📱:F902iS 🆔:gj9iT8FE


#183 [シバ]
「…いいえ」

「今2年生が伸びてきてるからな。織田あたりなんか、playも成長してきたしメンタルも強い。お前の控え…と考えていたが、今はその逆だぞ」

「…(ああ、そう)」


何も感じなかった。
3年目という大事な時期なのに…
バスケなんかよりアイリの存在の方が大きかったんだ…

⏰:10/03/17 22:40 📱:F902iS 🆔:gj9iT8FE


#184 [シバ]
この後もグダグダと監督の話は続いた。

こんな話をされたら、前のシバだったら『コノヤロー!』とか『やってやろうじゃん!』って、悔しくて燃えてた。

だけど、今は全然。
グダグダ言われてカチンときても、ローソクの火をフッと吹き消すかのように、一瞬にしてその気持ちは消えていた。
不思議なもんです。

⏰:10/03/17 22:46 📱:F902iS 🆔:gj9iT8FE


#185 [シバ]
アイリに電話できねー…早く終わってくれ。

その一心で監督の鼻を見つめ続けた。
聞いてますよ!っていう態度だけは貫き通した。


「あーだこーだ、それからなんちゃらかんちゃら………とりあえずよく考えろ。これからの行動次第で良くも悪くもなってくる。気をつけて帰れ。お疲れさん」

⏰:10/03/17 22:52 📱:F902iS 🆔:gj9iT8FE


#186 [シバ]
>>173-174

(話が飛んでますね『翌日』っていう言葉が抜けてました)

⏰:10/03/17 22:57 📱:F902iS 🆔:gj9iT8FE


#187 [受験生]
更新ありがとうございます(´∀`)受験終わって今日は合格発表ですこわいですでも、シバさんの更新を見て落ち着きました応援ありがとうございますむっちゃくちゃ嬉しいですまた、更新してくれる待ってます

⏰:10/03/18 00:51 📱:N01B 🆔:Xjz8gAnQ


#188 [シバ]
>>187
受験生さん

そうだったんですか
いい結果でありますように
シバなんかの小説で落ち着けたなんて嬉しいです(笑)

もうちょいしたら更新します!

⏰:10/03/18 18:24 📱:F902iS 🆔:GlnjqbDc


#189 [ぽん]
あげーい(・∀・)

⏰:10/03/18 18:45 📱:N02A 🆔:0diKPh2M


#190 [シバ]
>>189
ぽんさん

あげありがとうございます
更新します!



>>186
教官室を後にする。
みっちりと怒られたのに、ウキウキしていた。
やっとアイリに電話ができる!

⏰:10/03/18 21:16 📱:F902iS 🆔:GlnjqbDc


#191 [シバ]
学校近くの公衆電話へ向かった。
自分の財布から、テレフォンカードを1枚取り出した。

1つも穴の開いていないテレフォンカード…
これがあと5枚もあるなんて…
しかし、テレフォンカードとか小学校以来だなぁ。

忘れ物した時『お母さぁ〜ん』って泣きじゃくりながら電話して届けてもらったっけ?

⏰:10/03/18 21:19 📱:F902iS 🆔:GlnjqbDc


#192 [シバ]
テレカを入れ、番号を押す。


プルルルルル…
プルルルルル…

「え?もしもし?」

ビックリしたような声が聞こえた。

「『え?』って何?『え?』って(笑)」

シバが笑うと、アイリはすぐに分かったようだった。

⏰:10/03/18 21:23 📱:F902iS 🆔:GlnjqbDc


#193 [シバ]
「あ、なんだ!シバっちかぁ(笑)」

「シバっち?(笑)」

「みんなシバさんシバさん呼ぶからさぁ。何かアイリだけ違う呼び方するとVIPに聞こえません?(笑)」

「別にVIPではないけどね(笑)ま、何とでも呼んでくれ!」

すましたフリして、違う呼び方とか実はかなり嬉しかったりする…

⏰:10/03/18 21:27 📱:F902iS 🆔:GlnjqbDc


#194 [シバ]
「公衆電話からの着信とか初だからビックリしましたわ」

「だろうね。公衆電話からとかありえないよね、今時」

「もしかしてシバっちが言ってた『何とかする』って…そういうことだったワケ?」

「悩みに悩み抜いた結果だよ。少しは感謝しろよ(笑)」

⏰:10/03/18 21:30 📱:F902iS 🆔:GlnjqbDc


#195 [シバ]
アイリは鼻で笑った。
フガッて聞こえた。

「感謝してますよ。サンキューベリマ〜ッチ♪」

「はいはい。ってか今日テンション高いね。何かいい事でもあったん?」

「まぁね♪数学で初めて赤点じゃない点数を取ったんですよ♪」

⏰:10/03/18 21:36 📱:F902iS 🆔:GlnjqbDc


#196 [シバ]
「ほう…で、何点?」

「39点」

「………」

「だからサンキューベリーマッチって言ったじゃないですかぁ(笑)」


アイリの中に『危機感』という文字はないな…と思った。

「マジか(笑)成績は大丈夫なワケ?」

⏰:10/03/18 21:39 📱:F902iS 🆔:GlnjqbDc


#197 [シバ]
「あ〜…たぶんヤバいでしょうねぇ(笑)前回の中間で早速赤点取って親呼び出しだったから、今回は頑張ったつもりなんですけどね〜」


「まぁ、気にすんな。赤点じゃないことに対して笑って喜べ!思いっきり泣いて喜んでもいいよ」

「シバっちのそういう所が好きですよ。泣いても笑ってもアイリを受け止めてね」

⏰:10/03/18 21:43 📱:F902iS 🆔:GlnjqbDc


#198 [シバ]
「受け止める!」

「きゃー♪やったぁ」


いつもなら「はいはい」って軽く流すシバだけど、自分頼られてる〜!って感じだったから嬉しかった。
だからアイリの素直な気持ちに素直に答えた。


「シバっち!」
「何?」
「会いたいよぉ」

⏰:10/03/18 21:48 📱:F902iS 🆔:GlnjqbDc


#199 [シバ]
ひっきりなしに可愛い事を言ってくるアイリ…
目の前にいたらギュッと抱きしめてる。

それくらい、シバはアイリに夢中だった。
電話じゃなくて、会いたい。
次会った時は、シバのこの気持ちを伝えよう!

アイリ…
どうかシバだけのモノでいて欲しい。
一生懸命守るから…

⏰:10/03/18 21:53 📱:F902iS 🆔:GlnjqbDc


#200 [シバ]
その一週間後…

テレカ6枚を使い切った。
たった一週間で、すべてのテレカが無くなった。あっという間で、6枚目を使い切る時、孤独感みたいな寂しさみたいな感情がウワッと込み上げてきた。


これからどうしよう…
何か違う方法を考えることにした。

⏰:10/03/18 21:59 📱:F902iS 🆔:GlnjqbDc


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