禁断って何？

まぁ、とりあえず

｢ヒューヒュー♪｣

と言われる立場になったワケだ。

いざ周りからヒューヒュー言われると、照れくさいし恥ずかしい。
…けど地味に嬉しい(笑)

廊下で楢木とすれ違う時は、お互いニヤニーヤ。

楢木秀平…

みんなからはナラッキーって呼ばれてる。
中学に上がってから身長がグーンと伸びて、１８０近くある。
陸上部のエースで、細マッチョboy。

顔はタイプじゃないけど、全体的にはかっこいいオーラが出てる。

それからは、楢木がものすごくカッコ良く見えた。
恋の力なのかな？

キャラ的に言えば、ワンピースのルフィみたいな奴でした。

でも、お互い部活が忙しくて２ヶ月で別れた。
楢木のことを、１度も『秀平』って呼んだことがなかった。

名前で呼び合うことがこの時の夢だったのに…

なんとまぁ、純粋な恋をしていたのだろうか。

中３になり、また彼氏ができた。
３年生は部活を引退してる時期だった。

男子バスケ部の原口宏哉(はらぐちひろなり・仮名)

宏哉も身長が高い。楢木に比べればだいぶ厳つい体格だけど、かなり純粋で優しい男。

毎日一緒に下校したり、休み時間に話したり…
あ～、ホント純粋な恋しかしてないなぁ…

宏哉とは６ヶ月付き合った。
キスもしなかった。
お互いそんなキャラじゃなかったから、仕方がない。

高校に上がった。
シバはまたバスケ部に入部した。
毎日がバスケ三昧…

これじゃあ、中学の時と変わらない生活…
いい加減、女らしく生きたいよ…

２年生になった…

自分で言うのもなんだけど、シバにモテ期が訪れた。

告られたりしたけど、なぜか興味が湧かなかった。
そのうちの２人は体の関係があった。
…でも、本当に好き！って思えなかったから、すぐに切った。
好きでもないのに付き合うとか、相手に悪いから…

そして３年目…

シバの中の何かが大きく変わる出来事が起こる…

バスケの遠征で、よその県に行くことがあった。かなり遠い道のりだった。

約１週間の合宿…
相手チームは、｢やる気あんの？｣って言いたくなるような態度の連中ばかりだった。
地味にチャラチャラしてた。

３日経ったある日…

｢先輩、名前なんて言うんですか？｣

相手チームの子に名前を聞かれた。

｢え～っと…｣

｢先輩のチームの人達みんなシバって呼んでるから、なんていう名前なのかな～って思って♪｣

｢本名？柴崎だけど…｣

その女の子は、ニッコリ笑った。
シバのことを『先輩』って呼ぶってことは、年下なのかな？

｢じゃあ、アイリも先輩のこと『シバさん』って呼んでいいですか？｣

｢別にいいけど…ねぇ、何年生？｣

｢アイリですか？１年です｣

１年生かぁ…若っ！

｢アイリちゃんっていう名前なの？｣

｢はい！先輩もアイリのこと、『アイリ』って呼んでください♪｣

｢分かった(笑)じゃあ、アイリって呼ぶね｣

｢はい、やったぁ♪｣

アイリと名乗った子は、走ってチームの輪の中に入っていった。