禁断って何?
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#448 [シバ]
アイリは一瞬何かを言いかけた。

思わず振り向いてしまいそうだったけど、こらえた。
そんなシバを見たアイリは何を思ったのか、シバの左腕を強引に引っ張った。


「?!」


そのままトイレを出ようとするアイリ。

「いってぇ!何…おい、ちょっと!」

⏰:10/06/27 23:05 📱:F02B 🆔:WsJJQz56


#449 [シバ]
アイリに引っ張られながら、外に出た。

「いてぇよ!何してんの?!」

腕を取っ払ってやった。アイリは不満そうな表情で、シバの顔をジッと見ている。

「あそこ行こう」

アイリが指差したのは、校舎内の教室。

「は?校舎内は立ち入り禁止だから」

「そんなん関係ないし」

⏰:10/06/27 23:10 📱:F02B 🆔:WsJJQz56


#450 [シバ]
いや、お前他校の生徒だから人様の学校に入れないだろ!

「ダメだろ、普通に考えて」

「別にいいじゃん。荒らしにきたワケじゃないし。ってか、マジメな性格は相変わらずなんだね」

「悪かったね」

「別に」


あー嫌だ。こんな空気…

⏰:10/06/27 23:14 📱:F02B 🆔:WsJJQz56


#451 [シバ]
「何するつもり?今更」

皮肉っぽく言ってみた。

「別に何もないけど」

「じゃあ戻るわ。昼休みがもったいない。あ、トイレ行かなきゃ」


「…久しぶりに話がしたい!」


アイリは真剣な表情で訴えてきた。

⏰:10/06/27 23:18 📱:F02B 🆔:WsJJQz56


#452 [シバ]
「だから…今更何を話すのさ?」
「とりあえず話がしたい」

「何話すの?」
「分かんない」

「ふざけてんの?」
「ふざけてない」


「馬鹿にしてんの?」
「馬鹿にしてない」


そんなひょうひょうと答えるなよ…
余計イライラする。

⏰:10/06/27 23:21 📱:F02B 🆔:WsJJQz56


#453 [シバ]
いい加減にしろ!


次の言葉はそれだったけど、出せなかった。
なぜなら…

あの最後の電話の時…
アイリと秀一を応援するよ♪
みたいな事を話したのは、シバの方だったから。

例えそれが嘘だったとしても…

だからアイリに冷たく当たっても、それこそ『今更』だった。

⏰:10/06/27 23:26 📱:F02B 🆔:WsJJQz56


#454 [シバ]
「…………」

黙り込んでしまった。


「…行こうよ」

アイリに手を引かれながら、2階の教室目指して、階段をのぼった。



…教室は静かだった。
人がいないんだから当たり前か…

教室の一番後ろの席の影になっている所へ行き、床に座った。

⏰:10/06/27 23:31 📱:F02B 🆔:WsJJQz56


#455 [シバ]
沈黙を破るかのように、アイリはケータイを開いた。


アイリのケータイ操作の音だけが聞こえていた。メールを打っているらしい。

しばらくすると、アイリはケータイを閉じた。


「…秀一君?」

何気なく聞いてみる。

「そうだよ」

⏰:10/06/27 23:34 📱:F02B 🆔:WsJJQz56


#456 [シバ]
「順調そうだね」

「今あっちも合宿中なんだって」

シバの問いかけを無視したような答えが返ってきた。


「順調そうじゃん」

だからこんな返事を返した。


「別に…普通だよ」

「そっか」

⏰:10/06/27 23:37 📱:F02B 🆔:WsJJQz56


#457 [シバ]
外からはセミの鳴き声と、陸上部の元気なかけ声が聞こえる。

シーンとした場所にいると、そういう音や声に敏感に気付くようになる。


横をチラッと見ると、そこにはアイリがいる。
もう二度と会う事はないと思っていたアイリが一緒に肩を並べて…

尚更悲しくなる…

その時のアイリの横顔はキレイだったのを覚えてる。

⏰:10/06/27 23:43 📱:F02B 🆔:WsJJQz56


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