禁断って何?
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#475 [シバ]
気がつくと、アイリの両手はシバから離れ、また体育座りの位置へと移動していた。

「秀…今は好きだもん」

アイリは秀一の事を『秀(シュウ)』と呼んでいるようだ。

「『今は』って…?」

「秀はね、入学してからずっとアイリの事好きだったみたいでさ。アイリとはクラスは違うけど、よく話すし、いい奴だったし…」

⏰:10/06/30 00:08 📱:F02B 🆔:rwGxcRPs


#476 [シバ]
「…そんなに好きなんだ」

「いや…うん。どうだろ」

「好きじゃなきゃ付き合わないよね…そっかそっか…」
「だからシバさんに『遅い』って言ったじゃん!シバさんからさっきの言葉もうちょっと早く言ってもらってたら秀とは仲良い友達で終わってたよ」

「嘘つけ(笑)」
「ホントだよ」

⏰:10/06/30 00:13 📱:F02B 🆔:rwGxcRPs


#477 [シバ]
「じゃあ、別れられるでしょ」
「今は無理だって(笑)」


「『今は』ってどういう意味さ?」
「アイリの事好きでいてくれてるのに、アイリから秀を振る権利はないって事!」


「アイリは秀一の事ホントに好きなの?」
「好きだよ。だから今付き合ってんじゃん(笑)嫌いだったら付き合うワケないし(笑)」

⏰:10/07/02 18:38 📱:F02B 🆔:ebsFfWeg


#478 [シバ]
頭の中がこんがらがってしまった。
じゃあ、一言で答えてほしいから…

「秀一とシバ、どっちが好き?」

漠然とした事を聞いてしまったけど、シバが一番聞きたかった事だと思ったから聞いた。
もちろん、胸の高鳴りはハンパなかった。

アイリは微笑んで、


「シバさん」


そう答えた。
心の中のシバは『よっしゃ〜!』だった。

⏰:10/07/02 18:42 📱:F02B 🆔:ebsFfWeg


#479 [シバ]
じゃあさ、だったら…

『秀一と別れてよ』


そう言いたかった。
だけど、なぜかアイリの微笑みを見るとそうとは言えなかった。


それだったら…

「シバ…アイリの事待っていいのかな?」

アイリは一瞬ビックリした表情を見せた。
そして…

「シバさんが辛くないなら待っててほしい…かな?」

⏰:10/07/02 18:46 📱:F02B 🆔:ebsFfWeg


#480 [シバ]
アイリは俯いて、

「アイリ最悪だね(笑)秀がいるのに待ってて…とか(笑)うん…でも、アイリどうしていいか分かんないや」

笑ってるけど、困ってるようにも見える。
いや…むしろ困ってる。

「アイリごめんね」
「なんでそっちが謝るのさ(笑)」

「困らせちゃって」
「困ってないし(笑)」

⏰:10/07/02 18:52 📱:F02B 🆔:ebsFfWeg


#481 [シバ]
ダボダボの練習着…
スラッと長い手足…
綺麗な横顔…

アイリに出会って、まだほんの数ヶ月…
離れてからの期間もほんの数ヶ月…

だけど、その期間はあの頃のシバにとって、それはそれは長くて…
長すぎて…


久しぶりのアイリを目の前にして、胸を締め付けられる感覚で…

人を好きになるってこんな気持ちになるんだって、自身の心に深く刻み込まれた。

⏰:10/07/02 18:57 📱:F02B 🆔:ebsFfWeg


#482 [シバ]
今すぐ抱きしめたい。
許されるならキスしたい。
アイリに触れていたい。


目の前にいる、シバが想っている相手はシバと同じ『女の子』。
同じ性別の人間…


だけど、こんなに人を想う感覚を味わったのは初めてで…
戸惑いどころか、アイリという人間に向けるシバの気持ちは一直線で。

⏰:10/07/02 19:02 📱:F02B 🆔:ebsFfWeg


#483 [シバ]
アイリはケータイを開いた。
んで、すぐに閉じた。

「シバさん、アイリそろそろ行かないと…」

「なんで?まだ休憩30分もあるよ?」

アタフタしてしまった。

「アイリ1年生だから、昼からの練習の準備があるんだ。もっと一緒にいたかったんだけど…」

アイリは立ち上がった。

⏰:10/07/02 19:06 📱:F02B 🆔:ebsFfWeg


#484 [シバ]
教室を出ようとするアイリの腕を掴んで抱き寄せて…



っていうドラマみたいな事が出来れば、自分格好いいじゃん♪ってなるけど、小心者のシバにはそんな格好いい事出来るハズもなく…

ってか、こんな場面でそんな妄想が働くなんて、シバって一体…



「…そっか。じゃ、また時間がある時に話そ!」
結局いつもこうなる…

⏰:10/07/02 19:10 📱:F02B 🆔:ebsFfWeg


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