俺が一番と思った女★4★
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#471 [しゅん]
「どしたん?急に」
{これ、開けて。}
そう言い、テーブルに一つの箱とファイルを置く。
「何これ」
{開けてみなさい}
「まさか、就職祝い?
そんなかしこまらんだっていーやんけ。」
お袋は黙ったまま箱を見つめていた。
箱を開けると、ロレックスの時計が入っていた。
:10/06/01 16:55
:PC
:eWqBRuwE
#472 [しゅん]
「まじ????
ロレックスやんけ!!!!
お袋、どこにそんな金隠しとったんかちゃー
まじ??
いん???」
{それ、お父さんから。」
「…は?」
いきなり、親父からとか言われたって。
{それね、お父さんが俊の為に用意した時計}
:10/06/01 16:56
:PC
:eWqBRuwE
#473 [しゅん]
「いや…何で?」
{お父さんが亡くなる前に、同期の刑事さんが亡くなってね。
お父さんと同じ殉職。
若くて結婚してたから、子どもさんも了と俊よりももっと大きいんやけど。
昔の写真に女の子写っとる写真がいっぱいあるやろ?
その子。}
確かにアルバムには知らん女の子が移っている写真がある。
漠然と誰やかとは思っていたが、そんな気になる事でもなく聞いたことはなかった。
:10/06/01 16:56
:PC
:eWqBRuwE
#474 [しゅん]
「で?」
{その子もあんたたちと一緒で、お父さんを亡くして。
お父さんの仕事はもしかしたら何かに巻き込まれるかもしれん仕事やろ?
それで、その同期の人はその子の為にパールのネックレスを残してたんやって。
本当は、結婚するときに渡す為に買ってたものらしいんやけど。
それを聞いてたお父さんは、自分も何があるかわからんっち言い出して。
了と俊に何かしたいっち考えてたみたいでね。
まだその話をした時、あんたは2歳ぐらいやったし、本当にそうなるとはお母さんも思っても無かった。
でも、あんたが小学生になってすぐ現実になってしまって。
もしものことがあったら、社会人になるときこの手紙と一緒にあげて欲しい。
そう言われてたんよ。
これがお父さんからの手紙。}
:10/06/01 16:57
:PC
:eWqBRuwE
#475 [しゅん]
そう言ってアルバムをケースから出し、
挿んであった白の封筒もテーブルに並べた。
「このアルバムは?」
{これは、俊が産まれてからお父さんが生きてた日までの観察日記。
毎日欠かさず書いてたもの。
365日の6年間、欠かさず書いたもの。
お父さんの目から見た俊が文章にしてあるよ}
:10/06/01 16:57
:PC
:eWqBRuwE
#476 [しゅん]
言葉が出ない。
突然の事過ぎて、整理が出来ん。
{突然過ぎるよね。
今まで黙っとってごめんね。
お父さんと約束しとったけん、破るわけにはいかんやん?}
そうやけど。
そうやけど、何なん。
兄貴は?了はどうしたんやろ。
:10/06/01 16:57
:PC
:eWqBRuwE
#477 [しゅん]
「兄貴は?」
{了も同じ。
了のアルバムも時計もあった。
同じように大学を卒業したときに渡したよ。
でも、時計は了のが安いっち言いよったよ。
俊は産まれたのが遅い分、俺と過ごす時間も短いけ、ちょっと金額張らなかなっち言いよったけん}
:10/06/01 16:58
:PC
:eWqBRuwE
#478 [しゅん]
突然、涙が出てきて一気に親父との思い出がフラッシュバックしてきた。
小学校一年やった俺には、あまり思い出というものが残ってねぇ。
それでも、親父が大好きやったし自慢だった。
一般のサラリーマンよりも帰って来る時間は遅く、帰ってこない日も多い。
そんな中、休みの日はキャッチボールや遊園地、嵐ん家のみんなでキャンプ行ったりしてくれた。
全部を思い出すことは出来んし、うっすらしか思い出せないことが多いが、俺は親父を尊敬している。
アルバムの中の写真が過去を想像させてくれた。
俺はそれで満足やったんに。
:10/06/01 16:59
:PC
:eWqBRuwE
#479 [しゅん]
こんな演出いらんわ。
本気でそう思ったわけやない。
ただ、父親という存在を架空で作り上げてきた俺にとって、こんな父親っぽいことが苦手っちゅーか素直に受け止められなかった。
:10/06/01 16:59
:PC
:eWqBRuwE
#480 [しゅん]
そんな俺に
{自分の手で心で、しっかりお父さんの気持ちを受け取りなさい。
その器はもう出来とるはずよ。}
お袋はそう言った。
:10/06/01 17:00
:PC
:eWqBRuwE
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