別れさせ屋
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#763 [歩美]
ソファーのテーブル席があるそのBARは、初めて行ったけどすごくいい雰囲気だった。


私がトイレに立ち、
戻ってくると、
テーブルに何かが増えていた。

お互い頼んだカクテルのグラスと、ピスタチオ・・・
の横に、
包装された長細い箱。

私「なにっ?なにこれ?」

天馬「開ける前に聞いて。
大事な話するから。」

まさか・・・
と思った。

⏰:11/01/06 01:35 📱:F02A 🆔:/HKOEXjk


#764 [歩美]
天馬「俺、
とりあえず1年は引っ越さないことになったんだ。
会社の指示で。」

私「えっ!?
まじで??」


それを聞いた私は、
すごく素直に嬉しかった。


天馬「ははっ。内緒にしてたんだぁ♪嬉しい!?」

私「う、嬉しいかも。」

天馬「かも?(笑)
それで、
俺はやっぱり歩美が好きだから、俺と付き合ってほしい・・・。」

⏰:11/01/06 01:38 📱:F02A 🆔:/HKOEXjk


#765 [歩美]
つい最近、そういう話はしないって言ったくせに・・・

天馬の目は真剣だった。

色んなことを考えた。

天馬とまるで恋人のように過ごしてきたこの期間。
なんだかんだで楽しくて、
なんだかんだで笑ってた。

そして、
天馬といれば、
寂しくなかった。
龍太郎のことは大好き。
ううん、愛してる・・・。
でも龍太郎は戻ってくるかどうかもわからない相手・・・。


私は天馬からのプレゼントを開けようとした。

⏰:11/01/08 00:51 📱:F02A 🆔:.aWMnnEE


#766 [歩美]
天馬「開けてくれるってことは・・・?」

私「よろしくお願いします。」

1人より2人。
1人で寂しいより、
2人で寂しくない方を選んだ。

中身はネックレス。

龍一と別れてから、
私の胸にもう一度光ってたのは、龍太郎との約束のリング。

そのことを知っていた天馬は、あえてネックレスを選んだんだと思う。

⏰:11/01/08 00:54 📱:F02A 🆔:.aWMnnEE


#767 [歩美]
こうして、
めでたく、身近な存在だった天馬と付き合うことになった。

桜とはすでに別れていた。
そして桜は、
すぐに龍一の元へ戻った。
『結婚を前提』
になんだって。

とにかくそこはハッピーエンドに向かっていた。


天馬と付き合ったことを桜に話すと、
「最初からこうなる運命だったんだろうね♪」
と祝福してくれた。

⏰:11/01/08 00:58 📱:F02A 🆔:.aWMnnEE


#768 [歩美]
天馬はもう店を辞め、
夜の世界からは抜けた人間だし、交際はやりやすかった。


付き合ってすぐ、
私は天馬に言った。

私「まだ天馬のこと、大好きとまではいかないよ?」

天馬「そんなのわかってます!嫌いじゃなきゃいいよ♪」


――そして天馬は無事、
会社員になった。

生活リズムは逆。
でも、少しずつ私の荷物が天馬の部屋に増え、
1ヶ月も経てば半同棲だった。

⏰:11/01/08 01:02 📱:F02A 🆔:.aWMnnEE


#769 [歩美]
だけど、
冷めた気持ちは常にあった。

『どうせ別れる』

そんな想いが消えずにいた。
消そうともしていなかった。

天馬も遠くに行ってしまう。
離れ離れになる。
それはすごく辛いこと。
もう経験した。
だからこそ天馬を愛したくなかった。
愛すれば愛するだけ、
離れるのがイタイ。

一緒にいる時間は限られてる。
1年だけ・・・。
期限付きの幸せ・・・。

⏰:11/01/08 01:16 📱:F02A 🆔:.aWMnnEE


#770 [歩美]
彼氏ができたことは、
龍太郎に言わなかった。

天馬に内緒でメールを返したりもした。

相変わらず、週に1回ペースで愛想のないメール。

たぶん本当にメールが苦手か嫌いなんだろうなぁ。
そんな龍太郎とは打って変わって、天馬のメールは派手。賑やか。もう女子並み。
デコメをふんだんに使う。
さっすが元ホスト(笑)

でもそんなメールのほうが私は楽しかった。
ハートもいっぱいで、めちゃくちゃ愛されてる気がした。

⏰:11/01/08 01:22 📱:F02A 🆔:.aWMnnEE


#771 [歩美]
天馬と付き合ってることを、
1番に話したのは鈴だった。

鈴「あれっ?歩美らがくっついたんや!(笑)」

私「まぁ〜こんなことがあったり・・・―――
で、そうなった。(笑)」

鈴「なんか歩美、
壊し屋みたいやなっ!」

見事な命名。
過去を振り返っても、
別れさせることが好きだったし快感だった。

そして天馬も、
『別れさせた』に近い。

⏰:11/01/08 01:27 📱:F02A 🆔:.aWMnnEE


#772 [歩美]
鈴はどんな話も笑ってくれる。だから話しやすかったし、
いくらでも本当の自分を出せた。

鈴も同じような経験を話し、
似た者同士だって笑った。

鈴「今は期限とか考えんと、天馬と楽しみぃな!!」

背中を押すように、
励ますように、
鈴は私にそう言ってくれた。

ありがとう、鈴。

あんたみたいな友達がいると、ぶっちゃけ楽だよ。

⏰:11/01/10 17:58 📱:F02A 🆔:bJLl6J9U


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