別れさせ屋
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#196 [歩美]
進藤と早く電話切らなきゃ、
もう新一が来ちゃう。
焦っていると、
兄がドアをノックした。
兄「歩美ー。
新一くん来てるぞー。」
わっ。
来ちゃった。
私は
「お兄ちゃんが呼んでるから切る!」
と言って電話を切り、
玄関を出た。
ひどく険悪な表情の新一がそこにいた。
:10/07/12 21:50
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:JLF19vlQ
#197 [歩美]
新一は上着を忘れた私に自分のダウンを着せ、
「とりあえず移動しよ。」
と言った。
公園とかはちょっと寒いと気を使ってか、
近所のマンションのロビーに移動した。
ひとまず座る。
しばらくの沈黙があり、
新一が話し始めた。
新一「さっき進藤から電話かかってきた。」
私「うん。」
:10/07/13 00:39
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:3KdQPh0M
#198 [歩美]
新一「まじなの?あいつが言ってたこと・・・。」
私は頷いた。
進藤がどこまで話したのかは知らない。
でも、全部話したはず。
新一「・・・本気なんだよな?」
私はそれまでそらしていた目を新一に向けた。
《本気じゃない!!!》
って正直に言えば良かった。
なのに私の口から出たのは、
「うん。」
だった。
:10/07/13 00:43
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#199 [歩美]
新一に会って、
こうやって急いで事実確認をされて、
私は気付いた。
ううん、わかってた。
私は、
新一が好きなんだって・・・。
でも、あの時は言えなかった。雰囲気や空気がそうさせたのかは、わからない。
だけど、
『進藤のことは遊び』
って言っちゃったら、
それこそ新一がどっか離れちゃう気がしたんだ。
:10/07/13 00:47
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:3KdQPh0M
#200 [歩美]
新一は立ち上がり、
私から少し離れてふり返った。
新一「俺らの仲はもう終わりだな。」
新一にそう告げられ、
私は息が止まりそうなくらい苦しくなった。
まさか新一に終わりを告げられるなんて・・・。
《今までごめんなさい。》
言葉は何も出てこなくて、
必死に心の中と頭の中で謝った。何度も何度も。
新一を傷つけたことを。
:10/07/13 00:52
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#201 [歩美]
新一はそのまま帰ってしまった。
私は全く動けなかった。
寒い12月の半ば。
新一に着せてもらったダウンが、ちっともあったかくなかったよ・・・。
どれくらい放心状態だったかわからないけど、ふと我にかえり、時間を見ようとポケットから携帯を取り出そうとした。
あれっ、
携帯がない。
私は携帯も持たずに出てきてしまっていた。
:10/07/13 00:55
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#202 [歩美]
普段片時も手放さない携帯を置いてくるほど、
新一が迎えにきた時慌ててたんだ・・・。
進藤とのことを新一に知られたことが、
そんなに私を慌てさせたんだ。
そんなに新一を失うのが、
怖かったんだ・・・。
バカな私。
寒さに震えながら、
帰宅した。
:10/07/13 00:59
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#203 [歩美]
家に帰り、
新一のダウンを脱ぐ。
このダウン、
どうしたらいいの。
返さなきゃ。でも、もう会えない。
家のドアにかけといたらいいの?
やだ・・・。
会って返せないなら、
このまま私が持ってたいよ。
携帯には、
着信の全てが進藤の名前。
メールも10件以上きていた。
「電話出ろよ」
「早く出てくれよ」
「新一と会ってんのか」
:10/07/13 01:05
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#204 [歩美]
メールを全部見終わらないうちにまた携帯が鳴り、
通話になってしまった。
私「もしもし」
進藤「はぁ。」
進藤は大きく息を吐いた。
進藤「新一が来たんだろ。
歩美と関わらないでくれって言ったからな。
俺は新一より、
歩美が大事だ。」
全然心に響かない。
私「勝手なことしないで。
もう連絡しないで。」
:10/07/13 01:09
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#205 [歩美]
一方的に電話を切り、
電源も切った。
もう進藤の顔なんて見たくない。もちろん付き合う気も全くなくなった。
一瞬でも進藤に揺らいだ自分が情けない。
自分がまいた種。
わかってる。
だけど違う。
全部進藤のせい。
人のせいにするしか、
今の私にはできなかった。
私はカップルだけじゃなく、
友情まで壊してしまった。
:10/07/13 01:13
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