別れさせ屋
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#408 [歩美]
店の女の子は3つ上の先輩がもう1人来ているだけだった。
その先輩は、
ナオさんの親友。
〈イオリさん〉
イオリさんも涙を流しながら、ずっとハンカチを握りしめていた。
葬儀が始まり、
私はナオさんに失礼だと思いながらも、
目を閉じ、良平のことを思い出していた。
体で繋がっていた私たち。
良平は10個も上なのに、子供っぽいところもあった。
:10/09/03 02:28
:F02A
:7zGUSsBc
#409 [歩美]
恋人じゃなかったから、
お互い何でも言い合えたし、
笑い合えた。
チュッパチャプスを取り合ったこともあった。
その良平が、
今目の前の箱の中で動かない。もう話せない。
もう笑い合えない。
もう会えない。
ナオさんは、お腹に手を当てながら涙を流し、遺影を見つめていた。
良平のバカ。
ナオさんと赤ちゃん置いてくなんて・・・ひどいよ・・・
:10/09/03 02:32
:F02A
:7zGUSsBc
#410 [歩美]
最後のお別れのため、
参列者が飾ってあったお花を良平の体にたくさん置いていく。
私が手に持った白い花。
こんなキレイな色の花を、
私が置いてあげていいの?
30歳という若さで死んでしまった良平の死を悲しむ参列者たちが、大声で泣きながらお花を置いていく。
私に、このお花を捧げる資格はあるの・・・?
ものすごい罪悪感がこみ上げてきて、立ち止まっていた私に、ナオさんが背中を押した。
:10/09/03 02:39
:F02A
:7zGUSsBc
#411 [歩美]
ナオさん「・・・お別れ・・・して・・・あげて・・・」
小さな小さな声。
きっと絞り出してくれた声。
泣きながら微笑むナオさんを見て気付いた。
きっとナオさんは、
良平とのことを全てを知ったんだ、と。
私は良平の顔を見た。
大声で泣いた。
良平のキレイな顔がね、
傷だらけで、信じられなかったから・・・。
:10/09/03 02:42
:F02A
:7zGUSsBc
#412 [歩美]
良平の手のあたりにお花を置いた。
どうか、
生まれ変わったら、
その手で今度こそナオさんとの赤ちゃんを抱きしめて・・・
そう願いを込めて・・・。
良平はキレイなお花や、お酒、タバコを敷き詰めてもらい、
最後にナオさんが顔を抱えてキスをして、
大勢の泣き声を後ろに、
そのフタが閉じられた。
これが、
本当のお別れなんだ・・・。
:10/09/03 02:47
:F02A
:7zGUSsBc
#413 [我輩は匿名である]
涙が止まらないです。歩美さんがんばってください!!
:10/09/03 10:34
:PC
:ykho6SVM
#414 [歩美]
火葬場へと向かう良平の最後を、悔し涙で見送った。
悔しすぎる。
どうして良平が。
どうしてナオさんが。
神様。
あなたは本当に残酷です。
イオリさんと2人、
重い足取りで帰っていた。
長い沈黙。
イオリさんのショックは、まるで自分のことのように大きく、大きな喪失感だった。
しばらくしてイオリさんが話してくれた。
:10/09/03 14:41
:F02A
:7zGUSsBc
#415 [歩美]
イオリさん「死別って、
本当の別れなんだね。」
私「・・・そうですね。」
イオリさん「彼氏と別れて流す涙なんて、安いもんだって思っちゃうよね。」
私「・・・はい。」
龍太郎と離れ離れは寂しい。
でも、生きていれば必ず会えるんだ。
死んじゃったら、
もう会えないんだもんね。
イオリさん「ナオ、やっと夜から足洗って人生再スタートしたのに。」
:10/09/03 14:47
:F02A
:7zGUSsBc
#416 [歩美]
帰宅し、
友人の死に接してきた私に優しくいたわってくれる家族。
お母さんやお父さんが死んじゃったらどうしよう・・・
とか、どうしてもさらに身近に置きかえて考えてしまう。
いつかは来る本当の別れ。
避けては通れない。
でも、
早すぎるのだけはやめて・・・。
龍太郎が恋しくなり、
すぐにメールをした。
〈絶対に死んじゃいやだよ〉
:10/09/04 03:10
:F02A
:tcYkmUbo
#417 [歩美]
内容に驚いたのか、すぐに電話がかかってきた。
龍太郎「おいおい、
なにかあったのか?」
龍太郎の声だ・・・
離れているけど、
こうやって声を聞ける。
私は、今日あったこと、知人の葬儀のことを話した。
龍太郎は優しい声で相づちをし、
「辛いよな・・・」
「心配するな」
って言葉をくれた。
早く逢いたいよ・・・。
:10/09/04 03:15
:F02A
:tcYkmUbo
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