俺が一番と思った女★4★続
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#53 [しゅん]
[嘘つけちゃ!
戻りたいっち気持ちに動いたやろ?
俺は未来の気持ちがわかってほしいんちゃ。
色んな理由があって、別れることになったんもわかる。
それがお互いに辛い決断やったことも知っとる。
でも、そんな過去も今も全部受け止めて、一途にお前を思う未来の気持ちを考えてやってや。
お前がこうやって先生になれたことも、今に集中出来とることも、全部未来がおったからやろ?
未来がお前のことを一番に考えてくれとったけやろ?
背中を押してくれよるのは、いっつも未来やん。
お前はそれをわかっとるはずなんに、わからんふりをして今まで来たんやねんか?
もう充分過ぎる時間が経ったやろ。
このタイミングを逃す気かちゃ!
いいんか?それで。]

⏰:10/11/26 16:49 📱:PC 🆔:kkl3jxSQ


#54 [しゅん]
俺は何も言えなかった。
啓示の言う通りだ。
「未来と戻る」ことが表に出てきたのは確か。
俺の身勝手で未来の気持ちを左右し、自分のしたいようにしてきた。
それでも未来は俺を応援してくれている。
それに目を閉ざしていたのは、他の誰でもなく俺だった。
でも、もうそれは気付いてないふりを出来る域を超えている。


未来のことを一切考えず、二年間突っ走ってきた俺。
それは心のどこかに

「未来は待ってくれる」

という気持ちがあったからかもしれない。


啓示から聞いたことを、まだ自分に受け入れられずにいた。

⏰:10/11/26 16:52 📱:PC 🆔:kkl3jxSQ


#55 [しゅん]
[あいつさ、ネイルの学校に通いよったやん?
それはお前も知っとるやろ?
お前も頑張りよるけっちゅって、猛勉強しよってさ。
仕事しながらやしほんと大変やったと思うけど、そんな素振りは全然見せんやってさ。
まぁ自分がしたいことしよんやけ周りがどーのこーの言うことでもやねぇんやけど。
でも、この前一級受かったらしーよ。
別にネイリスト?になりたいわけやねぇんにさ。
だたお前が頑張りよるけ、負けたくないっち気持ちだけでやけね。
あいつまじすげぇちゃ]

⏰:10/11/26 16:53 📱:PC 🆔:kkl3jxSQ


#56 [しゅん]
二年前、俺が別れると言った日。
未来は俺に負けたくないけ、自分も頑張ると言っていた。
今でもはっきり覚えている。

あの時はまだ、ネイルスクールに通いだしたばっかりだった。
二年経った今、これが結果だ。
資格を取り、しかも一級。
頑張ると言っていたことが形になっている。

俺は何か形に出来たのだろうか。

未来に胸を張って、これだといえるものがあるのか。

⏰:10/11/26 16:54 📱:PC 🆔:kkl3jxSQ


#57 [しゅん]
答えは出なかった。

早く一人前になりたい。
そう思っていたことは、はっきりと形に出来るものではなかった。
試験があるわけやねぇし、昇進があるわけでもねぇ。
自分や周りのみんなが感じ取るものや。

そりゃ、先生としての自覚や責任感は年々増してくるし、やり甲斐もある。
でも…これだけじゃ…。

しかも、このまま進み続けて何か答えが見つかる気もしなかった。

んーーー。


啓示と別れてからも、俺の頭ん中は未来のことでいっぱいだった。

⏰:10/11/26 16:58 📱:PC 🆔:kkl3jxSQ


#58 [しゅん]
それから何日かして。
たまたま練習中に怪我をした生徒を送ったとき、未来の実家の近くを通った。
久しぶりに見る景色。
空き地だったところに家が建ち、公園は綺麗に整備されている。
二年来なかったうちにこんな変わったんやなっち切なくなりながらも、生徒と話していた。

⏰:10/11/29 14:04 📱:PC 🆔:S41m7Qs6


#59 [しゅん]
〈せんせー、せんせーが高校ん時っち、もう教師になるっち決めとったん?〉

「いや、高校ん時はまだ確定はしてねかったね。
プロっち道も頭にはあったな。」

〈何で行かんやったん?〉

「お前はプロ目指しとんやろ?」

〈うん〉

「じゃー言わん!」

〈はぁー?教えてよ!」

⏰:10/11/29 14:04 📱:PC 🆔:S41m7Qs6


#60 [しゅん]
「俺は、自信がねかったやろーね。
俺の兄貴はお前も知っとーやろ?
兄貴達の代がお前らがちょーど、憧れとる世代やったはずや。」

〈はい〉

「その兄貴から、ちょっとでも自信がねぇなら辞めとけっち言われたんちゃ。
兄貴は金が行き来するところで、野球はしたくねぇっち昔から言いよってさ。
それを直で聞きよったし。
その下で育ったけ、影響力は大きいよな。
まぁ野球選手はそれが職業やしプロとしての自覚があって夢を与える仕事でもあるけ、そんなん言ったってっち話でもあるんやけど。
お前もそれを夢見て野球始めたやろ!っち言われればそーやしね。
でも、兄貴の考え方はそうやったん。」

⏰:10/11/29 14:05 📱:PC 🆔:S41m7Qs6


#61 [しゅん]
〈挑戦してみたくなかったんですか??〉

「んー。挑戦はしてみたかったかもな!」

〈じゃあ何で?〉

「それだけやねぇ。
プロでダメになった奴は腐るほどおる。
選手生命を脅かす大怪我したら、打てんくなったらどーする?
あの世界は普通のサラリーよりも結果に厳しい。
結果が出らんと、捨てられる。
ファンからのプレッシャーもある。
連続でいいプレーして勝利に貢献しても、たった一回のミスをすればそれを叩かれる。
自分が思っとる以上に追い討ちをかけられる。
その中で輝けるんは、ほんの一握りなんちゃ。
高校で超高校級、大学でも絶対スターになるっち言われとった奴が、プロに入ってダメになった話なんか山ほどあるんちゃ。
俺はそんな世界で生きていけんっち思ったん。
まぁ、かっこいいこと言いよるみたいやけど、実際は目指すこともせんかった負け組みなんやけどな。」

⏰:10/11/29 14:06 📱:PC 🆔:S41m7Qs6


#62 [しゅん]
〈いや、そんなことねぇと思います。
先生になっとるし。〉

「まぁな。
それでも、違う人生があったかもしれんし。
お前もそんなんわかりきっとるやろ!
でも、それでもやってみたいっち思うなら、ほんまもんと思うよ!
ただ、野球だけやるな!
いっつも言いよるはず。
野球だけやってきた奴は上手いに決まっとる。
それも今はいいかもしれん。
でも将来はそうやない。
野球が出来んくなったとき、勉強しとけば次の道への選択肢が増えるんちゃ。
ちゃんと勉強もして、心と体と頭で野球をするんや。
それはぜってぇ忘れるなよ!」

〈はい!〉

⏰:10/11/29 14:08 📱:PC 🆔:S41m7Qs6


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