俺が一番と思った女★4★続
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#97 [しゅん]
[あんさ、未来の話はしたくねぇけど。
お前がどー思うかは知らんし、未来の話するのはこれで最後と思う。
今朝、未来が男とマンションから出てくるの見た。
本人に確かめたわけやねぇし、その男が誰かもわからん。
ただ、あの状況はどーなんやろ?っち思って。
まぁ、単純に考えれば朝帰りっちなるんやろーけど。
もう手遅れかもしれんし?まだ間に合うかもしれん。
それだけ。
じゃあ、俺1限目授業あるけ]

⏰:10/12/20 14:36 📱:PC 🆔:cGnirxVY


#98 [しゅん]
朝帰り?
未来が男と?
信じられなかった。
嫉妬や焦りというよりも、未来が言った言葉が現実になっていること自体が信じられなかった。

十環が言っていた男かなとも思った。

頭が真っ白になり、負の連鎖が始まる。
1限目が空きだった俺は、未来のこと意外考えられず、何も手につかない状態だった。

いつの間にか一日が終わり、家に帰る足取りも重い。

そのまま二、三日が経った。

⏰:10/12/20 14:36 📱:PC 🆔:cGnirxVY


#99 [しゅん]
その日も部活で遅くなり、それから色々と作業をしていると学校をでるのは10時過ぎだった。
いつも通り家に帰る。
マンションに入るとき、入口で人が座っていた。
レンガの上にちょこっと座り、誰か人を待っているような感じだった。
何か不気味やなっち思いながらも、その前を素通りし車を停めた。
そして郵便受けを確認する為に正面玄関に回る。

すると、さっきの人と鉢合わせる形となった。
目が合った瞬間、俺は心臓が飛び出るかと思った。

⏰:10/12/20 14:37 📱:PC 🆔:cGnirxVY


#100 [しゅん]
「お前…」

思わず出てしまった。

その人は誰でもなく未来。



お互い目を離せず、何十秒かそのまま。
未来は目に涙を溜め、今にもこぼれそうだ。

⏰:10/12/20 14:38 📱:PC 🆔:cGnirxVY


#101 [しゅん]
「どしたん?」

『来ちゃった』

ニコっと微笑んだ瞬間、溜めていた涙が一気に落ちた。

「どした?とりあえず、中入り。」

自分の中で落ち着け!と言い聞かせながら、未来を部屋まで連れて行った。

⏰:10/12/20 14:39 📱:PC 🆔:cGnirxVY


#102 [しゅん]
未来の好きなカルピスを出すと、薄っすら笑いながら少し飲む。

『…おいしい』

頷くと、未来はまた目に涙を溜めた。

⏰:10/12/20 14:39 📱:PC 🆔:cGnirxVY


#103 [しゅん]
「どした?何かあった?」

『…』

「何かあったんやねん?言えよ」

『ううん。何もないよ。
ただ、花粉症なだけ。
しゅん、ちょっと大人っぽくなったね』

「嘘つけちゃ!
何かねぇわけねぇやろ。
何もねぇんに、こんな夜中に家で待っとかんやろ。」

『何もないよー
近く通ったけん、休憩しとっただけー。
老けたしゅんに言われたくないですー』

「何かその理由は。
老けてねぇし!」

⏰:10/12/20 14:40 📱:PC 🆔:cGnirxVY


#104 [しゅん]
『嘘うそ!!
大人っぽくなったよ。
あたしは?可愛くなった?』

「お前も老けとーわ!」

『えぇー!!!
シワないし!!
ほんとに?老けた????』

「老けた。」

『えぇぇぇ!!!
ショック…』

鏡の前で色んな角度から、シワのチェックをしていた。

⏰:10/12/20 14:40 📱:PC 🆔:cGnirxVY


#105 [しゅん]
「嘘ちゃ!
言ってみただけ。」

『じゃあ、可愛くなった?』

「いや、それはねぇ」

『ケチ。』

「ケチの意味がわからんちゃ!」

『いいもーん。
みんなからは若く見られるし!
それより、見てー!!
ネイル可愛くない??』

そう言って、俺に手の甲を向けた。
爪自体は短いが、素直に可愛いと思った。
何とかジェル?とか言うのを塗っているらしく、表面がツルピカだった。
OLっぽい爪っち感じ。

⏰:10/12/20 14:41 📱:PC 🆔:cGnirxVY


#106 [しゅん]
「可愛いやん。
自分でしたん?」

『うん!!
上手やろ?』

「上手いやん。お前、起用やったもんな。
ちゅーか、右手はどーやってやるん?」

『左手でする』

「まじで?出来るん?」

『慣れたら簡単〜〜。
しかもね、あたし一級取ったんちゃー!!
凄いやろ?』

啓示から話は聞いていたが、知らないふりをする。

⏰:10/12/20 14:41 📱:PC 🆔:cGnirxVY


#107 [しゅん]
「すげぇやん!
お前頑張ったんやな。」

『うん…。
いっぱい頑張ったよ。
仕事も、ネイルも…』

また涙が溢れ、それは未来が俺を待っていたことがどんなに辛かったかかを物語っていた。

⏰:10/12/20 14:41 📱:PC 🆔:cGnirxVY


#108 [しゅん]
「俺はこの二年間、何も変わってねぇよ。
ただ年取って、与えられた課題をこなしただけ。
お前みたいにコレを頑張ったっちいえるものなんか一個もねぇわ。」

『そんなことない。
しゅんは毎日頑張ってたと思うよ。
与えられた課題をこなすだけでも凄いことやん。』

「全然凄くねぇし。
当たり前のことをしただけやけ。
お前に胸張って、これを頑張ったっちいえるもの一切ねぇよ。」

『…』

「なーんちゃって!
まぁ、たった二年で目に見えて変われるほど、俺の人生甘くねぇしね!」

無言になった未来に気を使って、冗談っぽく流した。

⏰:10/12/20 14:42 📱:PC 🆔:cGnirxVY


#109 [しゅん]
『しゅん…。
急に来てごめんね。』

「いや、いいよ。
幽霊が立っとんかと思ったけどね」

何か気まずい雰囲気が流れるのが嫌で、笑いながら話す。

『…』

「うそうそ!また一段と可愛くなっとーけさ、気付かんやったちゃ!」

『…やろ?・・わか…っとるよ』

「未来、どした?
もうわかるけさ。言えよ。」

気付かんふりが出来んぐらい、未来は震えていた。

⏰:10/12/20 14:43 📱:PC 🆔:cGnirxVY


#110 [しゅん]
『お腹痛くなってきた。トイレ借りるね』

そう言いながら部屋を出ようとする未来。
その腕を掴み、俺は引き止めた。

「嘘つけちゃ。どした?」

『…離して。お腹痛い』

「嘘やろ。」

『嘘やないもん』

「じゃあその涙は?腹が痛すぎて出たんか?」

『…』

⏰:10/12/22 11:01 📱:PC 🆔:k0HieFZU


#111 [しゅん]
『もう…
あたし、もう待てん。
ずっとしゅんのこと待っとくっち言ったけど、もう待てない。
しゅんがあたしのこと考えてる余裕なんかないことも、もうとっくに気持ちがないことだってわかっとるけど…
でも、しゅんから直接無理っち突き放してもらわんと、どうしても諦めきれん。
最後のお願いしにきたん…
無理っちはっきり言って?
お願い…』

目に涙を思いっきり溜め、俺の目をまっすぐ見つめる未来は、二年分の気持ちだけでなく、今までの気持ちさえ込められているようだった。

⏰:10/12/22 11:02 📱:PC 🆔:k0HieFZU


#112 [しゅん]
「未来。
俺ね…」

そう言いかけた時、未来がかぶせるように言った。

『しゅん。
しゅんにとってこの二年間はあっという間やったかもしれんけど、あたしにとっては凄い長かった。
怖かった。
悔しかった。
あの時、しゅんからの別れを受け入れんやったら、結果は変わってたんかな…
別れたくないっち言っとけば、まだ付き合ってたんかな…
もっともっとしゅんの気持ちを理解出来ればよかったのに…
しゅんとまた一緒に過ごせる日をずっと夢見て一生懸命頑張りながら、何がダメやったんやろう。
そうやってずっと後悔ばっかしてた。
こんな思いするぐらいなら、最初から戻らんどけばよかった…とも思った。
でも、もう戻る事はないんやもん。
後悔しても、前の生活はもう戻ってこないんやもん。』

泣きじゃくりながら、体は震えていた。
俺の目の前で泣きよんのに、何も出来ない俺。

⏰:10/12/22 11:03 📱:PC 🆔:k0HieFZU


#113 [しゅん]
「お前は悪くねぇよ。
悪いのは全部俺や。」

『違う。
あの時、支えてるつもりがいつの間にかしゅんの負担になってた。』

「そんなことねぇちゃ。
俺のわがままやった。
お前は悪くねぇ。」

『ううん…
もうこれで…』

「お前…
俺さ…」

『嫌だ。
聞きたくない。
やっぱ聞きたくない。』

「俺…」

『もうこれで終わろ。
もういい…
それ以上言わんで?
辛い…』

「未来。」

『嫌っち言いよるやん。
離してよ。
関係ないのに未来とか呼ばんで…
聞きたくない。』

⏰:10/12/22 11:09 📱:PC 🆔:k0HieFZU


#114 [しゅん]
「俺さ…」

『嫌っち言いよるやん。
離してよ。
好きでもないのに、優しくせんで…』

⏰:10/12/27 16:59 📱:PC 🆔:7NxMUVNk


#115 [しゅん]
「未来…。
俺、やっぱお前やねぇと無理や。
結婚して?」

『…?』

「こんだけ俺のことを想ってくれて、尽くしてくれて、待ってくれて。
俺のわがままなんに、自分が悪いっち責めてさ。
そんなお前、このまま帰せん。
他の男になんか渡したくねぇ。
俺は、あの時の気持ちと全く変わってねぇよ。
ずっと好きやった。」

⏰:10/12/27 16:59 📱:PC 🆔:7NxMUVNk


#116 [しゅん]
『…え?』

「お前に対する気持ちは二年前と全く変わってねぇちゃ。
むしろ、今お前に会って余計好きっち気持ちが増した!
ただ、その気持ちを押さえ込んどっただけや。
お前に会ったら、もうそれすら押えきかん。
何であん時、その気持ちが見えんくなったんやろう。
ごめんな。
やっぱ、お前すげぇよ。」

『ほんとに?』

⏰:10/12/27 16:59 📱:PC 🆔:7NxMUVNk


#117 [しゅん]
「ほんとに。
未来、ぜってぇ幸せにする。
離れた二年間なんか忘れるぐらい大切にする。
やから、また俺の隣におってほしい。
もう絶対泣かせんけ」

『しゅん…。』

「今までごめんな」

『ううん。
もうめっちゃ好き』

「俺もやけ」

抱きついてきた未来を抱きしめながら、俺は言った。

⏰:10/12/27 17:00 📱:PC 🆔:7NxMUVNk


#118 [しゅん]
未来の気持ちが痛いほど伝わり、こんなに俺のことを思ってくれとったんやと正直驚いた。
離れていた二年間が未来にとって、こんな苦しい時間とは予想出来んやった。
辛いという言葉以外当てはまらない、追い詰められていることが全てに表れていた。
あの時の未来の顔を忘れることはないと思う。

二年前の時、何で未来に別れを告げたのか。
こんなことを思わせるためだったのか。

そうやないんに、そう思わせるぐらい未来の顔は直視できない泣き顔だった。

⏰:11/01/04 16:45 📱:PC 🆔:v3PA.FvA


#119 [しゅん]
そういうことが重なってか、俺はいつのまにか結婚してと未来に言っていた。
でも、決して勢いではない。
心の底から結婚してぇとほんとに思った。

未来と別れた日、もし戻ることがあるならそれは「結婚するとき」と漠然に思っていたのもあるかもしれない。

もう離したくない。

その思いだけだった。

⏰:11/01/04 16:46 📱:PC 🆔:v3PA.FvA


#120 [しゅん]
こんな泣き顔も、笑った顔も、拗ねたり怒ったりする顔も、全てが俺にとって大切なもので他の奴なんかに見せて欲しくねぇ。
器がちっせーかもしれんけど、未来が他の男と・・っち考えただけでイライラする。

そんな想いが俺の中にはずっとあって、でもそれを開けれないように何重も縛って鍵をかけていた。
そうしていくうちに未来の存在に慣れすぎて、今、大事なものは未来やねぇっち洗脳され、いつの間にかそれが正しい答えになっていた。

今頃やけど。
今、やっとそれに気付いたんや。

未来はもう俺自身になっとるんや。
今、また俺の腕の中にいる未来の存在がより一層大切なものと感じていた。

⏰:11/01/04 16:47 📱:PC 🆔:v3PA.FvA


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