Chaotic
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#17 [まなか]
男が手慣れた様子でガラスの小瓶をライターの火で炙ると、中の半透明な結晶が見る見る液化していくのが見えた。
きらきらと光を透かし、棗には美しいとも感じられた。
女が待ちきれないのか足をバタバタと鳴らすと、男は微笑み、棗を手招きした。
:07/06/20 22:58
:N703iD
:KW05ByfI
#18 [まなか]
恐る恐る男に近づくと、香水の匂いがふっと鼻腔を擦り抜けた。
男の細い指が棗の手を包み、導くようにして注射器のピストンを引いた。
すーっとなめらかに液体が入ってゆく。
男がすっと棗の手を引き、「あっこれくらいでいいのか」
と呑気なことを棗は思った。
早く、早くと女が急かし、男は棗の手から注射器を抜き取ると、にやにやと笑う女の白い腕に針を挿れた。
:07/06/20 23:04
:N703iD
:KW05ByfI
#19 [まなか]
液体は針の中心にある細い道を通り、女の体に流れる。
不思議な儀式を棗はただ眺めるだけだった。
針を抜くと、女は首をうなだれ、低く唸った。
:07/06/20 23:06
:N703iD
:KW05ByfI
#20 [まなか]
と、女は突然大声で笑いだした。
視線は宙を泳いでいる。
アンモニアと香水が交じりあったなかに、男と女の愛液の匂いが顔をのぞかせる。
濡れた少女と、甲高い声で笑い、蝶のように舞う少女。
ひとり、注射器を腕に挿入する美しい男。
転がるトイレットペーパー。
なんてファンキー。
:07/06/20 23:11
:N703iD
:KW05ByfI
#21 [まなか]
世界に酔っていた棗の腕がぐっと引かれた。
その瞬間、痛みが走り、体のなかに異物が入ってくるのがわかった。
:07/06/20 23:13
:N703iD
:KW05ByfI
#22 [まなか]
体中の血管―大動脈から毛細血管を電気が流れ、体がカッと熱くなる。
マンコから温かい液が流れ、目がこぼれ落ちそう。
頭に浮かぶのはただ、男女のファックシーンだけ。
:07/06/20 23:16
:N703iD
:KW05ByfI
#23 [まなか]
それからどれくらいの時が過ぎたのか、棗は見覚えのない車のなかにいた。
頭がひどく痛む。
これ、飲みな。
あの砂漠のミネラルウォーターが目の前に現れた。
手を伸ばし、一口ふくむと経験したことのない快感が棗を楽しませた。
:07/06/20 23:19
:N703iD
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#24 [まなか]
声の主は、蝶の女だった。
「あたし、優。あんたは?」
やっぱり可愛い。
長い栗色の髪。濡れた唇。細すぎず、かつスタイルの良い体。
「なつめ…」
棗は見惚れながら答えた。
:07/06/20 23:22
:N703iD
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#25 [まなか]
:07/06/20 23:23
:N703iD
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#26 [まなか]
再び指先の鈍痛に襲われ、目を向けるとさっきより一回り小さい球体が完成している。
壊すのがもったいなくて、ゆっくり指先を顔の近くに引き寄せた。
あれから棗は優の行きつけのバーに行き、男を知った。
:07/06/20 23:34
:N703iD
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