【携帯小説】書き手の語り場V【集まれ(・⌒・)】
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#628 [◆vzApYZDoz6]
パターン2『本編の会話の虫食いプロローグ』

これは、なんといっても引き込む力が強い。

個人で好き嫌いはあるだろうが、俺は好き。個人的に。
本編にプロローグの台詞が出てくるとアツい。

ただし、プロローグに出てきた台詞や単語によって、物語に制限が出る場合もあるので、そこは注意したいところ。
プロットはきっちり立てときたい。

早い話が、「台詞内で重要そうな語句を出したら、それを本編にも出さなきゃならないよねー」って事。
具体的には、中程の台詞にある『川上京介』と『調停者』。
川上京介という人物に、調停者という一種の『縛り』が出てくるわけだ。

そしてこのプロローグ最大の欠点が、話の含みを持たせられない、という点。
世界観や人物背景の説明がどうしても足りなくなってしまう。

本編でこの欠点をどう補うかが、作者の腕の見せ所。
でも引き込む力は抜群なので、個人的にはオススメ。

⏰:08/07/22 04:57 📱:P903i 🆔:IR/H5Uy.


#629 [◆vzApYZDoz6]
ここに世界を滅ぼす事のできるスイッチがある。
裁断できるのは、目の前の彼だけだ。

「俺は死にたくないし押さなーい」

そこへ通りがけの猫がポチッとな!

「ネ、ネ、ネコスイッチぃぃぃぃぃぃ!?」

どっかーん。

こうして200X年、世界は核の炎に包まれましたとさ。
ちゃんちゃん♪



パターン3『いきなり系』

いきなり系と言っても、上の例のように『いきなり幕』がほとんど。いきなり主人公が死んだり。

もはやプロローグかどうかも怪しい。
ギャグ小説によく見られる。
意味が通じる文章があればいい方。大抵はワケワカメ。
インパクトを求めすぎてあらぬ方向へ行っちゃった感じだろうか。

しかし作者の腕(というかギャグセンス)次第で神作品にもなりうる。
実際、このパターンの神小説を俺は見た事があるが、もはや奇才。
まともな小説を書こうとするあなたにはオススメしないが、インパクトだけでいくならこれだろうか。

いや、それでも読み手としては感心できない。

⏰:08/07/22 04:58 📱:P903i 🆔:IR/H5Uy.


#630 [◆vzApYZDoz6]
走っていた。

自分は逃げているのか、もしかすると追っているのかもしれない。
何のために走っているのか分からない。
脳が手足の制御に手一杯で思考を拒絶し、これ以上考えられない。

「はぁ……っ、はぁ……はぁ……」

よろめく事はあっても、転倒する事は許されない。
私はいつもと違うルートで家路につこうとしたのを、今更ながら後悔していた。

――『アレ』を見たとき、考えたのはそれだけだった。

女の腹から見えているアスファルト、地面に滴る赤い液体。
そしてその死体を片腕で持ち上げ口へ運ぶ、得体の知れぬもの。

確か私は、それが何なのか、赤い液体は何なのか、を悟る前に逃げ出した。
コンマ1秒足を竦めた後、すぐにその場から逃亡したのだ。

――『ソレ』を見たとき、考えたのはそれだけだった。

ため息まじりの大きな息を吐き、鎌首をもたげ前を見たとき。
もう2度と視覚したくなかったものが、2つ先の電柱の下で。
不規則に揺らめき、街灯に照らされ、私を見据えていた。

⏰:08/07/22 04:59 📱:P903i 🆔:IR/H5Uy.


#631 [◆vzApYZDoz6]
パターン4『本筋に直接関係ない人の視点から始まるプロローグ』

うん、例だけじゃ本筋に関係あるかどうかなんてわかんないね。まぁ想像でなんとかしてくれ。

サスペンスとか、あとはバトルものなんかに起用されてる、ような気がする。
大抵はプロローグに出てくる人は死んでるか殺されてるか。
本編は警察の現場検証のシーンから始まったりとか。

この場合、主人公がどちら側にいるかが重要。
一般人か『アレ』側にいるのか。
一般人側なら『アレ』と戦うバトルもの。
『アレ』側なら空腹と理性の葛藤的な話。

⏰:08/07/22 04:59 📱:P903i 🆔:IR/H5Uy.


#632 [◆vzApYZDoz6]
「計画は順調に進んでいる」

ビルとビルの間。町の喧騒から一歩遠退いた場所から、奴は言った。
表情は見えないが、声の響きからして厳格そうな雰囲気は伝わってくる。

「内々に事をすませるつもりか?」

路地の雑貨ビルの壁に背を預け、言い返す。
長い沈黙のあとに、重低音が返ってくる。

「それがあんたの望みだろう」

私は思わず笑い出す。

「……確かにな」
「俺はもう行く。…決行の日時は変えないぞ」

それだけ言って、男はまた道路へ歩を進めた。
無言で見送り、摩天楼を仰ぎ見る。
星一つない夜空が、吸い込むような黒味だけを身にまとっていた。

排気ガスの臭いが鼻をつく。
あの男からもこんな匂いがしていた気がする。

⏰:08/07/22 05:00 📱:P903i 🆔:IR/H5Uy.


#633 [◆vzApYZDoz6]
パターン5『誰の視点か分からないプロローグ』

ミステリーや推理小説なんかの、『誰の視点か』が重要になってくる物語に最適。

『プロローグの持つ意味』が断然深まるプロローグ。
これを使いこなせれば一人前かもしれない。

パターン2と比べて引き込む力には欠けるが、それでもプロローグの意味をばらしたときの『なるほど感』はピカイチ。
二度読みした時はもう、プロローグだけですごいと思っちゃう。いや本当に。

パターン2と組み合わせて使うのもいいかもしんない。
インパクトを取るか、もしくはスロースターターな深みを取るか、作者の配分で変えてみても面白い。

余談だが、バブル期までは盛んだったこの手法は、バブル崩壊と共に減っていった。
不景気の煽りで小説というもの自体が書きづらくなったからだろうか。
しかし近年は景気の上擦りや金原ひとみ・綿矢りさらの直木賞受賞といった若手の台頭に乗せられて、小説の再燃と合わせこのパターンのプロローグが再び増え始めている。
流行に乗ってみるのもいいかもしんない。

⏰:08/07/22 05:01 📱:P903i 🆔:IR/H5Uy.


#634 [◆vzApYZDoz6]
「ああっ、くそ丸太の……」

罠だ。そう言い切る前には既にPS2の電源ボタンへ手が伸びていた。
フッ、と真っ黒に染まるテレビ画面に、気だるそうな俺の顔が写った。

これで何回死んだっけ、俺のシレン。
モンスターハウスに丸太に落とし穴。その度に何回電源を落としただろうか。

「死ななば死ねぬ、電源落としてコンティニュー、っと」

ゲームって楽だなー。ぼやきつつ、気分転換にリモコンを手にとる。

ボタンを押して画面を切り替えると、スピーカーから流れてくるのは生真面目そうな男の声。なんだ、ニュースかよ。

『今年の自殺者の総数は5万を超え……』
「この世にゃコンティニューなんてねーもんなー」

とりあえず合掌してセンチメンタルに浸かってみる。

そんな、なんでもない風景。どうでもいい日常。

本当に、こんなものどうでもよかった。そのはずだった。

俺のPS2が目映いまでの光を放ち、俺があの──風来のシレンの世界に、飛ぶまでは。

─『world,continue?』─

⏰:08/07/22 05:02 📱:P903i 🆔:IR/H5Uy.


#635 [◆vzApYZDoz6]
パターン6『突然崩壊する日常』

これは(パターン4あたりもそうなんだけど)実在する小説やネット小説から拝借した。無断使用ごめんなさい。

ファンタジーや危機系(世界崩壊など)のプロローグで見られる。
トリップ系(主人公が別世界に飛ぶ類の小説)では、このパターンが定石になっている。

プロローグは日常描写(いつも通り)から始まる。
その方が非日常の『異常さ』を際立たせられるからだろうか。

本編が一人称の場合と、三人称の場合がある。
この場合、本編が一人称なら謎解きなんかのミステリー要素が強くなり、三人称ならモンスターと戦うなどバトル要素が強くなる。

とにかく、可もなく不可もなくって感じ。
インパクトも含みもそれほどではないが、無難にいくならこれがいいかもしんない。

簡単なプロローグなので素人にもオススメ。
ただしプロット0でも書けちゃうプロローグなので、安易に書き始めると詰まる。まぁ普通そんなことはないだろうけど。一応、ね。

⏰:08/07/22 05:02 📱:P903i 🆔:IR/H5Uy.


#636 [◆vzApYZDoz6]
「覚えているか? お前は昔から無茶ばかりしていたよな」

誰かの墓前で、男、内藤篤史は豪快に笑う。
墓に捧げるための花束だろうか。それを大きな肩に担ぎ上げ、荒くれ者の格好をした内藤は自分の無精髭を撫で付けた。

そして内藤は目を閉じる。
死者に黙祷を捧げるためだろうか。
いや、それもあるかもしれないが、本当は――

「まぁ、今になってみればいい思い出だ」

墓に眠る、死者との思い出を回想しているのだろう。
クックッと思い出し笑いにも似た含み笑いが漏れる。

ウォルサーの要塞の時は最悪だったな。ああ勿論、歌箱の戦いも忘れちゃいない…

呟くように、ぽつりぽつりと言葉を漏らす。

背後から足音と人声の喧騒がやって来る。
内藤は、やっとお出ましか、と頭を掻いた。

「なぁ、川上」

内藤に呼応するように、墓場に一陣の風が駆け抜ける。
もう秋口だというのに、その風は春先の、芽吹きのそれとよく似ていた。

3年前の春、川上と内藤が、初めて出会ったあの時の──

⏰:08/07/22 05:03 📱:P903i 🆔:IR/H5Uy.


#637 [◆vzApYZDoz6]
パターン7『未来から始まるプロローグ』

ファンタジーや冒険活劇によく見られる。
本編は、プロローグで登場する人物の回想として進む場合が多い。
幕間として回想者(語り手)や重要な登場人物の現在が語られる場合も。
個人的に大好物のプロローグ。

回想する場所は酒場だったり墓場だったりそれぞれ違いは出てくるが、大抵の場合、語り手は相当の手練れ。
プロローグでセピアな感じを出すにはちょうどいいからだろうか。

ただし、このプロローグを使うと、重要人物の安否が知れてしまう。
この場合だと、内藤は最終的に生き延び、川上は最終的に死ぬ事がプロローグの時点で決定してしまう。
つまり、語り手である内藤が絶体絶命のピンチに陥っても、絶対に助かると暗に読者に知れてしまうのだ。(プロローグで語り手の過去の回想だって言ってるわけだから)

山場の盛り上がりが少し欠ける場合があるので、そこら辺は注意点として留意しておきたいところ。

そして回想なわけだから、やはりプロットをきちんと立てておかないと後々困る事になるので注意すること。

でもこのプロローグは個人的に好きなのでオススメ。

⏰:08/07/22 05:04 📱:P903i 🆔:IR/H5Uy.


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