【携帯小説】書き手の語り場V【集まれ(・⌒・)】
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#31 [◆vzApYZDoz6]
突然だった。
いつもの塾の帰り道、ここを横切ればもしかしたら近道になるかも。
そう思って入った夜更けの墓場。
いや、ちょっとした好奇心もあったかもしれない。でもそれは今はどうでもいい。

とにかく、見知らぬ男に銃を突き付けられているこの現状を何とかしないといけない。

「…なぜここに入ってきた?」

低く渋い声で、男が問いかける。
暗くて顔は見えないが、怒っているわけではなさそうだ。

「帰り道で…近道になるかなー、なんて思ったり…」

こめかみあたりに向けて突き付けられている銃口を、目だけで睨みながら返答する。
男を直接見てはいけない気がしたのはなぜだろうか。

「…ここ最近流れている噂は知っているか? この墓場に幽霊が出る…というやつだ」

もちろん知っているが、何も答えなかった。
墓場に入った人が幽霊に拐われる。
その噂を知ってたから、好奇心で墓場に入ろうと思ったのも少なからずある。
だがそこに銃を持った男がいるなんて、誰が想像できようか。

そして銃を突き付けられている現状で、噂の幽霊の新説が浮上してきた。
でも、あまり考えたくはない説だ。

「その幽霊な…俺だ」

考えたくないのにこの男は、新説を裏付ける発言をしやがった。
ああ、それじゃ次に拐われるのは私じゃん。

「最近はその噂のせいで人が寄り付かなくなってな…哀れな女だ」

きっと男は闇の向こうでほくそ笑んでいるのだろう。
なぜここでそんな奴に人生を終わらされねばならないのか。
それを思うと腹が立ったが、乾いた銃声には抗えなかった。

⏰:08/07/03 05:15 📱:P903i 🆔:66nJFN/s


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