【携帯小説】書き手の語り場V【集まれ(・⌒・)】
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#356 [蜜月◆oycAM.aIfI]
チリチリ燃える太陽の真下。
あたしは二本の足で屋上のコンクリートに立ち尽くしていた。
このだだっ広い世界で、あたしは現実一人ぼっちだ。
太陽を忘れた地下街から、白いスーツの男に誘われ導かれ、地上に生まれ出た。
長い長い階段が、あたしの生誕を祝っていた。
太陽が余りにも近くて、だからあたしは戸惑う。こんな暖かさをあたしは知らない。
気がつけば、白いスーツは再び暗闇に溶けていた。
……闇は光を飲み込むのね。
闇に縛られたあたしはそんなことすら知らないのだ。
正面に広がるパノラマは、かつてあたしたち人間が見慣れた風景なのだろうか。
鉛筆を何本も突き刺したように地球にそびえるビルたちは、あたしを待っていたのだろうか。
あたしがこうしてフェンスを乗り越えるのを、大きな太陽が見ている。
……そこで見ててよ。
屋上の端っこが、世界の始まり。
そこに足をかけたら、一歩先は真っ逆さま。
熱い視線を感じながら、左足を一歩前へ。
空を踏み込むあたしの片足。
……だってほら、そこに妄想の扉が。
あたしの世界はここから始まる。
:08/07/14 01:46
:SH903i
:neCbIKGc
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