【携帯小説】書き手の語り場V【集まれ(・⌒・)】
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#633 [◆vzApYZDoz6]
パターン5『誰の視点か分からないプロローグ』
ミステリーや推理小説なんかの、『誰の視点か』が重要になってくる物語に最適。
『プロローグの持つ意味』が断然深まるプロローグ。
これを使いこなせれば一人前かもしれない。
パターン2と比べて引き込む力には欠けるが、それでもプロローグの意味をばらしたときの『なるほど感』はピカイチ。
二度読みした時はもう、プロローグだけですごいと思っちゃう。いや本当に。
パターン2と組み合わせて使うのもいいかもしんない。
インパクトを取るか、もしくはスロースターターな深みを取るか、作者の配分で変えてみても面白い。
余談だが、バブル期までは盛んだったこの手法は、バブル崩壊と共に減っていった。
不景気の煽りで小説というもの自体が書きづらくなったからだろうか。
しかし近年は景気の上擦りや金原ひとみ・綿矢りさらの直木賞受賞といった若手の台頭に乗せられて、小説の再燃と合わせこのパターンのプロローグが再び増え始めている。
流行に乗ってみるのもいいかもしんない。
:08/07/22 05:01
:P903i
:IR/H5Uy.
#634 [◆vzApYZDoz6]
「ああっ、くそ丸太の……」
罠だ。そう言い切る前には既にPS2の電源ボタンへ手が伸びていた。
フッ、と真っ黒に染まるテレビ画面に、気だるそうな俺の顔が写った。
これで何回死んだっけ、俺のシレン。
モンスターハウスに丸太に落とし穴。その度に何回電源を落としただろうか。
「死ななば死ねぬ、電源落としてコンティニュー、っと」
ゲームって楽だなー。ぼやきつつ、気分転換にリモコンを手にとる。
ボタンを押して画面を切り替えると、スピーカーから流れてくるのは生真面目そうな男の声。なんだ、ニュースかよ。
『今年の自殺者の総数は5万を超え……』
「この世にゃコンティニューなんてねーもんなー」
とりあえず合掌してセンチメンタルに浸かってみる。
そんな、なんでもない風景。どうでもいい日常。
本当に、こんなものどうでもよかった。そのはずだった。
俺のPS2が目映いまでの光を放ち、俺があの──風来のシレンの世界に、飛ぶまでは。
─『world,continue?』─
:08/07/22 05:02
:P903i
:IR/H5Uy.
#635 [◆vzApYZDoz6]
パターン6『突然崩壊する日常』
これは(パターン4あたりもそうなんだけど)実在する小説やネット小説から拝借した。無断使用ごめんなさい。
ファンタジーや危機系(世界崩壊など)のプロローグで見られる。
トリップ系(主人公が別世界に飛ぶ類の小説)では、このパターンが定石になっている。
プロローグは日常描写(いつも通り)から始まる。
その方が非日常の『異常さ』を際立たせられるからだろうか。
本編が一人称の場合と、三人称の場合がある。
この場合、本編が一人称なら謎解きなんかのミステリー要素が強くなり、三人称ならモンスターと戦うなどバトル要素が強くなる。
とにかく、可もなく不可もなくって感じ。
インパクトも含みもそれほどではないが、無難にいくならこれがいいかもしんない。
簡単なプロローグなので素人にもオススメ。
ただしプロット0でも書けちゃうプロローグなので、安易に書き始めると詰まる。まぁ普通そんなことはないだろうけど。一応、ね。
:08/07/22 05:02
:P903i
:IR/H5Uy.
#636 [◆vzApYZDoz6]
「覚えているか? お前は昔から無茶ばかりしていたよな」
誰かの墓前で、男、内藤篤史は豪快に笑う。
墓に捧げるための花束だろうか。それを大きな肩に担ぎ上げ、荒くれ者の格好をした内藤は自分の無精髭を撫で付けた。
そして内藤は目を閉じる。
死者に黙祷を捧げるためだろうか。
いや、それもあるかもしれないが、本当は――
「まぁ、今になってみればいい思い出だ」
墓に眠る、死者との思い出を回想しているのだろう。
クックッと思い出し笑いにも似た含み笑いが漏れる。
ウォルサーの要塞の時は最悪だったな。ああ勿論、歌箱の戦いも忘れちゃいない…
呟くように、ぽつりぽつりと言葉を漏らす。
背後から足音と人声の喧騒がやって来る。
内藤は、やっとお出ましか、と頭を掻いた。
「なぁ、川上」
内藤に呼応するように、墓場に一陣の風が駆け抜ける。
もう秋口だというのに、その風は春先の、芽吹きのそれとよく似ていた。
3年前の春、川上と内藤が、初めて出会ったあの時の──
:08/07/22 05:03
:P903i
:IR/H5Uy.
#637 [◆vzApYZDoz6]
パターン7『未来から始まるプロローグ』
ファンタジーや冒険活劇によく見られる。
本編は、プロローグで登場する人物の回想として進む場合が多い。
幕間として回想者(語り手)や重要な登場人物の現在が語られる場合も。
個人的に大好物のプロローグ。
回想する場所は酒場だったり墓場だったりそれぞれ違いは出てくるが、大抵の場合、語り手は相当の手練れ。
プロローグでセピアな感じを出すにはちょうどいいからだろうか。
ただし、このプロローグを使うと、重要人物の安否が知れてしまう。
この場合だと、内藤は最終的に生き延び、川上は最終的に死ぬ事がプロローグの時点で決定してしまう。
つまり、語り手である内藤が絶体絶命のピンチに陥っても、絶対に助かると暗に読者に知れてしまうのだ。(プロローグで語り手の過去の回想だって言ってるわけだから)
山場の盛り上がりが少し欠ける場合があるので、そこら辺は注意点として留意しておきたいところ。
そして回想なわけだから、やはりプロットをきちんと立てておかないと後々困る事になるので注意すること。
でもこのプロローグは個人的に好きなのでオススメ。
:08/07/22 05:04
:P903i
:IR/H5Uy.
#638 [◆vzApYZDoz6]
「──こんな話をご存知ですかな?」
声がする。声の主の姿は見えない。
暗闇、否、私は今『黒』の中にいた。
「──あらゆる場所に扉は繋がっている」
男か女か、少年か青年かの区別すらつかない、没個性的な声。
私は、私の指標すら掴めず、黒の中にいた。
「──例えば部屋、例えば外、例えば迷宮。例えば──ここ」
お話をしましょうか。そう言って声は笑う。
私は今自分がどんな姿勢なのかすら分からずにいるのに、確かなのは不確かな声だけ。
「──扉の時空は、簡単にズレてしまうものなのですよ」
今回はそんなお話です、と声は言った。
ここには多分、声と私と黒しかいない。
:08/07/22 05:05
:P903i
:IR/H5Uy.
#639 [◆vzApYZDoz6]
パターン8『ストーリーテラーを交えたプロローグ』
ミステリーなんかに多く見られる。
有名所を挙げるなら『世にも奇妙な物語』がこれ。
この場合でいう『声』が、世にも(ry でいう『タモリ』にあたる。
短編集の前フリには有効な手段(というか『世にも(ry』がまさにそれ)。勿論、長編にも使える。
長編の場合だと、ストーリーテラーはプロローグの他に幕間、エピローグに登場する。
使おうと思えばファンタジーにも当てはめられるし、意外とオールマイティーなプロローグ。
この手法によって、物語の奇妙さ・不思議さを全面に出せるのが最大の利点。
『私』とストーリーテラーとの会話形式にすれば雰囲気が柔らかくなるので、他のジャンルにも使いようはある。
欠点らしい欠点も特に見当たらない、『万能型』のプロローグと言えるかもしれない。
:08/07/22 05:06
:P903i
:IR/H5Uy.
#640 [◆vzApYZDoz6]
1992年3月4日
後に国際テロ組織『ウォルサー』の代表となるグラシア、生誕。
2002年9月19日
『ウォルサー』による無差別同時多発テロ発生、日本国首都・東京に大打撃。
同日、『ウォルサー』犯行声明文発表。
2006年7月31日
『空白の1日』。
後に『世界平和最終日』。
2008年7月31日
ソ連の戦艦『フライシャーク』アメリカ進撃。
〃 8月2日
アメリカ、これをうけて報復。航空母艦『エアロ』東京入港。
〃 8月4日
これに反対運動。死者に多数を出した抗議デモが麻布にて行われる。
〃 9月19日
米露戦争が激化の一途を辿る。
〃 10月21日
自衛隊の一部が『解放軍』として独立。
〃 12月24日
渋谷・浅草・新宿の3区にて武装蜂起。後の『ブラッディ・クリスマスイブ』。
2009年 1月 1日
東 京 、 独 立 。
──不毛な世界に生まれ、僕達は出会った。
それでも僕達は生きている。『東京』で、毎日を生きている。
:08/07/22 05:07
:P903i
:IR/H5Uy.
#641 [◆vzApYZDoz6]
パターン9『年表・歴史表から始まるプロローグ』
戦争ものや、アクションものに多く見られる。
小難しい印象を与えるかもしれないが、硬い戦争ものならば一番フィットするプロローグ。
現代を舞台にした戦争ものやなら、第二次世界大戦で日本が勝利していたりなど、ある地点から歴史が変化している場合が多々ある。
このタイプのプロローグは作品の幅を狭める行為だと言う人が多い。
確かに年表を使うと過去の出来事をガチガチに固めることになるし、よもすれば作品の幅(というより登場人物の行動の幅)を狭める事に繋がり得る。
だがこの手法は、世界情勢を端的かつ率直に伝えられるもの。
『この作品はこういう雰囲気なんです』っていうのをストレートに伝えられるという、含みに関しては最大のメリットがある。
ある程度のデメリットは確かにあるが、そこはストーリーの展開にすべてが懸かっている。
上手い人がこの手法を使えば、効果的な伏線にもなる。
要は『肉を切らせて骨を絶つ』って感じ。
歴史表でストーリーの大まかな流れを読み手が知る事になるので、それを逆手に取って、いかに『読み手を(いい意味で)裏切る』かが重要ポイント。
使いこなせれば強いタイプの手法で、展開力・演出力があるような玄人向けのプロローグの1つ。
個人的にはかなり好きなプロローグ。
:08/07/22 05:08
:P903i
:IR/H5Uy.
#642 [◆vzApYZDoz6]
『モノがついているかついていないかは問題ではない。それはただの小さな問題でしかない。
女は、女であるが故に女なのだ。』
──男なのに女子校に入学しちゃった!?──
パターン10『言葉で始まるプロローグ』
俗に『エピグラム』と呼ばれる手法。
実在した偉人、あるいは物語上のキーワードが当てはめられる事が多い。
パターン2の亜種と捉える人もいる。
このプロローグの注意点はただ1つ。
『プロローグの言葉が全編に渡って共通されていなければならない』という事。
早い話が、プロローグの言葉と本編とを結び付けた方がいい、ということ。
それにはキーワードを繰り返すのが一番手っ取り早い。
最終話にプロローグの言葉が出てくるとかなりアツい。
決定的なキーワードを読み手に植え付けられるのが強み。
つーか誰かこんなハーレム物書いてくれ。
:08/07/22 05:11
:P903i
:IR/H5Uy.
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