『ごめんなさい』なんて、言いたかねぇよ
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#18 [黒猫◆JUDE8gLNR.]
さくら
僕らは、望んだものの半分も成し遂げられないまま
大人になった
それでも、まだ終わっていないよ
まだ息はしているし
走る事だって出来る
あれから学んだことも多いし
それが武器になる事だって知っている
必死になって転んだ時ほど
滑稽だって事も知っているし
笑われる事が、傷つくに値しない事も知っている
唯一つ
諦めたってだけじゃないか
いずれにしても立ち去らなければならない
あるいは「旅立つ」に変えてもいいし、
「逃げ出す」でも別に構わない
好きにしたらいいよ
君の都合が良いように
僕らに必要な言い訳を早く選んで
ここじゃないどこかへ行く為に
:12/06/13 19:01
:T006
:WgKr8JGs
#19 [黒猫◆JUDE8gLNR.]
ピアノ泥棒
投げやりになって
何かをしでかしたいと思った
どうせ、のたれ死ぬだけの
くそったれの人生
結果なんてどうでも良くて
ただ、逆恨みと顕示欲だけの
どうしようもない情動
自分自身のせいか
世界のせいか
結果は大分違うだろう
どちらにしろ、酷いものだけれど
その境界線付近をうろつく
ろくでもない無垢な幼児性どもが
それでも幸福にすがりつく様を
無様と笑うかい
しくじったこの場所で終わるか
いずれ来るはずの、
満たされた幸福のうちに終わるか
ハッピーエンドってのは
僕らの墓石に刻む
日付ほどの価値しかない
だったら僕の終わりは
もう少し先でいい
:12/06/13 19:01
:T006
:WgKr8JGs
#20 [黒猫◆JUDE8gLNR.]
この街で生きている
あれから色々あって
また振り出しに戻ったよ
昨日新しかった街が
今日は懐かしい街になってしまった
「懐かしい」が増えていって
「懐かしい」が入れ替わって
新しい「懐かしい」に戸惑いながら
歩いている今日、この場所でさえ
いずれ「懐かしい」になってしまうんだから
この、戸惑いながらの一歩でさえ大事にしなくちゃな
懐かしい歩道橋を渡り切って
懐かしい駅前にある
懐かしいタクシーロータリーの
懐かしい喫煙所で
そんな事を考えていたよ
君は今どこだ?
僕はここだ
「懐かしい」ではない
この街で生きている
:12/06/13 19:01
:T006
:WgKr8JGs
#21 [黒猫◆JUDE8gLNR.]
デスゲーム
時代は変わる 人は変わる 街も変わる
変わりたく無いと駄々を捏ねる何事も
留まる事を許されたためしは無い
悲しみは悲しみを通り越し
自意識過剰な胸章に成り下がり
幸福は幸福を通り越し
恥ずべき火傷の痕程度にさげすまれた
可哀想と言われたいと思う事を恥じる
優しくされたいと思う事を恥じる
この世界のどこか
本当に可哀想なものの為に
本当に優しくされるべきものの為に
今まで傷つけてきた事
今まで見て見ぬ振りをしてきた事
今まで無自覚だった事
それを分かっていて
犯人探しはするまでもない
:12/06/13 19:02
:T006
:WgKr8JGs
#22 [黒猫◆JUDE8gLNR.]
空っぽの空に潰される
今日は曇りだからつまらない
別に出かける訳じゃないが
気分が滅入ってしょうがない
多分、心の持ちようだな
幸せ不幸せもそうだろ
辛い辛く無いは関係ない
心の居場所がどこにあるか
やっぱり心の持ちようだ
理屈では分かっている
何故 こんなに虚しい気持ちになるのか
色んな事があったけれど
立込めていた暗雲は過ぎ去ったはずなのに
連続する日々の道すがら
ぽっかり開いた落とし穴みたいに
全くもって虚しい今日だ
:12/06/13 19:02
:T006
:WgKr8JGs
#23 [黒猫◆JUDE8gLNR.]
古いSF映画
君の目に映る景色は
本当にそこに在るのか
君が触れているその温もりは
本当にそこに在るのか
君自身は
本当に君自身なのか
本当とは
本当に本当なのか
路傍に転がる石ころは語れないが
本当は語らないだけかもしれない
僕が紡いでいるつもりのこの言葉も
本当は紡がされているのかもしれない
君は誰だ?
僕は誰だ?
僕は僕だ
「僕は僕だ」と言っているのは
本当に僕か
「僕は僕だと言っているのは本当に僕か」と言っているのは
本当に僕か
僕は僕に問いかけるけれど
問いかける僕と
問いかけられる僕
どっちが本当の僕だ?
:12/06/13 19:02
:T006
:WgKr8JGs
#24 [黒猫◆JUDE8gLNR.]
夜の歌
逃げて逃げて
命からがら辿り着いた夜のどん詰まりで
息を殺して身を隠して
誰にも見つからないように
誰にも責められないように
どうか朝よ来ないで下さい
僕はもうここしか居場所が無いのです
居場所と言うのもおこがましいのですが
あんな酷い仕打ちはもうまっぴらです
どうか朝よ来ないで下さい
それが叶わないのであれば
もういっそ
痛みの無いように
綺麗さっぱり消えてしまいたいのです
カーテン越しに空が白んで
また今日も逃げ果せなかったと
うな垂れて玄関のドアを開ける
それでも
晴れた空はうんざりするほど綺麗で
少し期待してしまうから
たちが悪い
:12/06/13 19:02
:T006
:WgKr8JGs
#25 [黒猫◆JUDE8gLNR.]
逃避行
世界から逃げて
時間から逃げて
生きる事から逃げて
死ぬ事からも逃げて
それでも逃れられない
影みたいに着いてくる
まったく忌々しい
自分らしさってやつに
救われてしまったのは
まったく不本意だが
感謝してない訳でもない
何も持っていないってのは
悲しい事だけど
捨てるものがないってのは
僕達の強みかもな
僕の影よ
始まりを思えば
僕達が恐れるものは何も無い
期待する価値のない
くそったれの世の中で
僕達は始まったのだから
:12/06/13 19:03
:T006
:WgKr8JGs
#26 [黒猫◆JUDE8gLNR.]
千年幸福論
変わらないものなどない
万物流転の宇宙のど真ん中
神か定めか知らないが
抗う人の悲しみを
無様だとは言わせない
抗ってこその人だから
悲しんでこその人だから
だから歌は終わらない
千年経っても終わらない
終わらないでと願うから
願う心が歌だから
それを虚無だと言うのなら
僕らは闇と生きている
背中合わせな生きている
矛盾をはらんだ人間です
死がマイナスではなく
0だとすれば
そもそも「生」とは矛盾でしょう
:12/06/13 19:03
:T006
:WgKr8JGs
#27 [黒猫◆JUDE8gLNR.]
美しき思い出
シーツの上に落ちている
彼女の長い髪の毛は
果てない地平線
今の僕と、過去の僕とが
地続きである証拠だ
そこを起点とした
僕らの名も無い夜明けは
誰にも知られる事無く
秘密めいた響きで
思い出と呼ばれたりする
だが思い出も、今となっては
燃えないゴミみたいに
僕の頭の中を散らかして
それを片付けるのも
同じくらい億劫だけど
忘れたい事
忘れたくない事
分別して
片付けて
彼女が窓を開ける頃
ようやく出掛ける気になるのです
:12/06/13 19:03
:T006
:WgKr8JGs
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