>>446つづき
だが、後になって、保安院がこの告発を2年も前に受けていながら何の調査もしなかったうえに、告発の内容を当事者である東電に横流ししていたことがわかったのです。
私の怒りは頂点に達しました。これでは警察と泥棒が一緒にいるようなものではないか。それまで、東電と国は「同じ穴のムジナ」だと思っていましたが、本当の「ムジナ」は電力会社の奥に隠れて、決して表に出てこない経産省であり、国だったのです。
この事件で、東電は当時の社長以下、幹部5人が責任をとって辞任し、03年4月には、東電が持つすべての原子炉(福島県内10基、新潟県内7基)で運転の停止を余儀なくされました。
しかし、保安院、経産省ともに何の処分も受けず、責任をとることもありませんでした。
それどころか、福島第一原発の所在地である双葉郡に経産省の課長がやってきて、「原発は絶対安全です」というパンフレットを全戸に配り、原発の安全性を訴えたのです。なんという厚顔さでしょうか。