星とぽんず
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#1 [七瀬]
どうも、初カキです!!
未熟者だけど
がんばります(´∀`)
趣味として書きますので
更新は遅くなる時も
あります↓↓
ご理解ください。
また中傷、荒らしは
止めてね(ノд<。)゜。
:09/02/26 21:27
:N703iD
:V1qRCp82
#2 [七瀬]
「柚子はすごいなあ」
あのおじいちゃんの
顔が今でも忘れられない。
あれから10年。
今の私は…。
:09/02/26 21:31
:N703iD
:V1qRCp82
#3 [七瀬]
「おーっ!!
やっぱり松田は最高だ。」
松田柚子(マツダユズ)
中3。
今、先生のヒグマに
誉められてます。
みんなの目も
私に向けられている。
イェイ!!
:09/02/26 21:36
:N703iD
:V1qRCp82
#4 [七瀬]
今は技術の授業中。
私の作ったイスは
小さいけれど凝っていて、自分でいうけれど
中々いい出来だ。
ほんとは本立ての
つもりだったんだけど、
余ってる木を見たら
勿体なくって。
作っちゃいました。
:09/02/26 21:43
:N703iD
:V1qRCp82
#5 [七瀬]
こんくらい
チョロい。チョロい。
全然よゆーっ!!
技術だけは2年間
好成績をキープしている。今年も楽勝だな。
と思っていると……
バチッ
『痛っ』
「まったく勝手に使って。」とちょっと睨むヒグマ。
:09/02/26 21:50
:N703iD
:V1qRCp82
#6 [七瀬]
『えーっ。
誉めてくれたじゃん。』
「まあ確かに
切れ味も綺麗だし、
細かい所も出来てる。」
ヒグマの睨みが強くなる。
「でもなぁ…。」
キンコンカーンコーン
ナイスタイミング!!
ラッキー!!
と思ったのも束の間。
にやっと笑うヒグマ。
「松田。放課後、技術室な」
さいあーくっ!!
:09/02/26 21:56
:N703iD
:V1qRCp82
#7 [七瀬]
『はぁ…。』
ため息をついてると、
横から「最悪だなーっ」
と高い声。
林原だ。
『うん、最悪』
げんなりと言うと、
「また掃除だろー??
お前、ヒグマのお気に入りだもんなあ。まっ、頑張れよーっ」
と軽く去っていた。
まるで嵐のようだった。
:09/02/26 22:02
:N703iD
:V1qRCp82
#8 [七瀬]
なんなんだ。笑
あいつは。
林原幸夫(ハヤシバラユキオ)
同じく中3。
私の友達??
かなあ?
わかんないわ。
掴み所なくて、
普段はぼぉーっとしてる。
謎男。
でも良いヤツだよ。
:09/02/26 22:06
:N703iD
:V1qRCp82
#9 [七瀬]
放課後。
嫌々、技術室へ。
「来たか、松田
掃除手伝ってくれ。」
ヒグマと一緒に
広い技術室に散らばる
木のくずを掃く。
するとヒグマがいきなり、
「お前、高校はやっぱり
工業科にするのか?」
といきなり真面目な質問。
:09/02/26 22:11
:N703iD
:V1qRCp82
#10 [七瀬]
んー。受験かあ。
全然、頭に無かった私は、
『そうですね、
まだ考え中だけど
親と相談してみます。』
と適当に返事をした。
ふーん、と
自分から言いだしたくせにそもそも担任なのに
興味なさげにヒグマは返した。
30分後、
解放された私は帰宅した。
:09/02/26 22:17
:N703iD
:V1qRCp82
#11 [七瀬]
『ただいまー。』
「お帰り。」
お母さんが台所で言った。
父、母、姉、私。
父は普通のサラリーマン。母は専業主婦。
姉は高校2年生。
ふと窓の外を見ると、
工場があった。
「松田鉄工業」の看板が
無くなってるなあ、
淋しくなる。
去年までもう一人、
私たち松田一家にはおじいちゃんという家族がいた。
:09/02/26 22:24
:N703iD
:V1qRCp82
#12 [七瀬]
部屋に行き、
制服も着替えず、ベットに倒れこむ。
一気に目を閉じる。
記憶が蘇ってきた。
12年前の3歳。
はじめて見た灰色の景色。油の匂いが鼻をつく。
:09/02/26 22:29
:N703iD
:V1qRCp82
#13 [七瀬]
私はおじいちゃんに
連れられて初めて
「松田鉄工業」に来た。
3歳ながら、
私は胸が高鳴った。
機会が同じリズムで動く音がとても心地よかった。
おじいちゃんは笑顔だった。
お母さんの危ないという声を無視してほぼ毎日、工場に行った。
といっても
やっぱり危ないので
端っこで見てるだけだったけど。
:09/02/26 22:35
:N703iD
:V1qRCp82
#14 [七瀬]
小さい工場でおじいちゃんと従業員、2人ぐらいで働いていた。
おじいちゃんは昔から私みたいに技術が大好きだった。そして建築の仕事をしたくて工業全般の勉強をらしい。
けれども結局、挫折してしまい、勉強したことを生かし、この工場を作った。
という話をお父さんから聞いた。
お父さんはまったく工業には興味はなかったから、工業は継がなかったし、
おじいちゃんも無理強いはしなかった。
:09/02/26 22:42
:N703iD
:V1qRCp82
#15 [七瀬]
でも私には色々教えてくれた。
なんでだろう。
また工場に行ったから?
わからない。
けれどおじいちゃんは
いつも優しい笑顔で教えてくれた。
5歳になる頃には私は、ノコギリを使って木を切れるようになってた。
とはいえ、まだ5歳だし小さくて細い木を小さいノコギリで切っただけだけど。
でも誉められてうれしかったし、
ますます技術が好きになった。
でも去年おじいちゃんは
亡くなった。
:09/02/26 22:47
:N703iD
:V1qRCp82
#16 [七瀬]
今でも信じらんない。
あんなに元気だったおじいちゃんが。
急に。
78歳にはとても見えない様子でおじいちゃんは毎日、大きな機械を動かしてた。
なのに、あっという間だった。
おじいちゃんがいなくなった今、工場は閉鎖され、従業員も、もちろん首になった。
今も着々と工場の取り壊しが進んでいる。
私はそれを見るたび、
憂うつになる。
:09/02/26 22:53
:N703iD
:V1qRCp82
#17 [七瀬]
7月の中間。
第2回進路懇談が行われた。
第1回は私とお母さんの口喧嘩、そしてヒグマとの睨み合いで終わってしまった。
今回はなんとかしないと。
「どっか行きたいところはないのか。」
ヒグマの言葉の後、
沈黙が続く。
とうとう観念した私は口を開いた。
:09/02/26 22:58
:N703iD
:V1qRCp82
#18 [七瀬]
『笑わないでね。』
私はお母さんとヒグマを軽く威嚇した。
笑わないよ、いうように2人はうなずく。
『私……、
電気工学を学びたい!!』
2人を見ると、
目を見開き、口はあんぐりしていた。
「電気……工学??」
とお母さん。
「お前本気か。」
とヒグマ。
:09/02/26 23:05
:N703iD
:V1qRCp82
#19 [七瀬]
「工業科だろうとは思っていたけど、まさか電気工学とはなあ。」と口元に薄ら笑みを浮かべるヒグマ。
お母さんは相変わらず、目を大きく見開いている。
私の住んでいるところは田舎だけれど近くに工業で有名な高校が一高あった。
J高校。
他にも工業科があるところはあるけれどJ高校ほどではない。
:09/02/26 23:16
:N703iD
:V1qRCp82
#20 [七瀬]
それに工業科にしては、賢い。
私の成績じゃあ足りない!!
でも、それ以外にも理由があった。
それは
“ほぼ男子校”
“ほぼ”というのは、
共学だけども女子で工業科を受ける子がほとんどいないからだ。
建築デザインや、
理数工学ならまだしも、
機械や電気については
去年は0。
その去年も0。
そのその去年も0。
それについては、J高だけでなく工業科についはみんな同じだけれども。
:09/02/26 23:24
:N703iD
:V1qRCp82
#21 [七瀬]
さ…
さ、さ……
34点!!
なんなんだ、これは!
いくらなんでもひどいっ
ひどいぃーっ!!
今、英語のテスト
撃沈中です。
ほんと泣きそう
先生の解説を聞かず、
机に顔を伏せる。
:09/02/26 23:38
:N703iD
:V1qRCp82
#22 [七瀬]
楽しい楽しい夏休みが明けいきなりの課題テスト。
一気に夢から現実へ。
まったく勉強しなかったわけじゃない。
宿題はきちんと自分の力でしたし、復習だってしたつもりなのに〜!!
とふと前の席の林原を見ると同じく顔を伏せていた。
なんだ、あいつもかあ〜っと安心し声をかけてみることに。
:09/02/26 23:43
:N703iD
:V1qRCp82
#23 [七瀬]
『はやしっばら!!』と妙に声が高くなり、バカみたいな声が出てしまった。
林原はマイペースに振り向くと、いつもの高い声ではなく少しかすれた声で「何?」と聞いただけだった。
『英語、何点??』
林原はしばらく黙り込んだ後、無表情で
「松田は?」と聞いた。
ギクっ!!
:09/02/26 23:49
:N703iD
:V1qRCp82
#24 [七瀬]
『あっ!!
どこの高校受けるか決めた?』と話をそらすことに。
林原は話題転換に気にも留めず、ダルそうな声で
「あ〜、J高」
と言った。
え!?
まじでっ??という驚きが、つい口から出てしまった。
「うん、まじで。」と林原は言った後、また机に顔を伏せてしまった。
:09/02/26 23:54
:N703iD
:V1qRCp82
#25 [七瀬]
なんだ。ライバルが1人、増えてしまったではないか。
窓の外で1年女子の体育を見ながら、ぼんやり考える。
ってか林原って、J高ほど賢かったっけと、またヤツに視線をもどすと、机の隙間から、
79点
と英語の答案用紙が顔を出していた。
:09/02/26 23:59
:N703iD
:V1qRCp82
#26 [七瀬]
ちぇっ、嫌味なヤツ!!と
ちょっと舌を出して
あっかんべーをする。
が、その後で
元気のない小さなため息が私の口から出た。
はぁ。
何やってんだろ。
わたし。
途端に情けない気持ちが、襲い掛かってきた。
:09/02/27 00:08
:N703iD
:DfpWCp/w
#27 [七瀬]
家に帰るやいなや、
私は机に猛ダッシュした。
靴を投げ捨て、
廊下をダダダーン。
階段をドンドンと音を立てて上がってった。
そしてドアをバンッと閉めた。
隣の部屋からお姉ちゃん「うるさーい」という、少しヒステリック?な
声が聞こえたけれど、とりあえず無視した。
机に向かい、中1からの教科書を引っ張りだし、無造作に広げた。
勝負の始まりだ。
:09/02/27 00:15
:N703iD
:DfpWCp/w
#28 [七瀬]
今から夕食の7時まで2時間、英語の復習だっ!!
自分に言い放つ。
2時間後に私の目の前にあるのは、真っ黒な手と鉛筆、独特の匂いの染みたノートだっ!!
心でかたくなに誓った。
そして2時間後、
私の目の前には………。
:09/02/27 00:21
:N703iD
:DfpWCp/w
#29 [七瀬]
ベタベタの手とヨダレ臭いノートだった。
「ごはんよー。」
お母さんの声が一階から聞こえる。
肉の良い匂いがした。
ハンバーグだなーっ
私はわくわくして下へおりた。
:09/02/27 00:24
:N703iD
:DfpWCp/w
#30 [七瀬]
うっそーん!?
予想は見事にはずれ、今目の前にあるのは、赤い口紅をしたオムレツだった。
はぁ。
ここでも、またため息。
なんか最近は付いてないな、とオムレツぐらいで、気分が下がる。
「どうしたの?」と
お姉ちゃんが問い掛けてきた。
:09/02/27 00:29
:N703iD
:DfpWCp/w
#31 [七瀬]
今日は更新STOPします!!
遅くなりましたが、
これは一応、ジャンルは恋愛です(><)
まだまだ先になる予定ですが…。
温かく見守ってくださいな(o‘∀‘o)
では
おやすみなさい(ρ_-)ノ
:09/02/27 00:43
:N703iD
:DfpWCp/w
#32 [七瀬]
『う〜ん』と
元気のない返事をすると、
「どーせまた、テストが悪かったんでしょ」
と鋭い指摘。
「もう、何点だったのよ。柚子。」
お母さんの追い討ち。
こりゃ、隠し通せないな。
でも…。
でもでもでもっ!!
:09/02/27 14:00
:N703iD
:DfpWCp/w
#33 [七瀬]
言うべきだろうか。
49、55、57、47、34。
前から順に
国語、数学、理科、社会。そして英語……。
言ってもいいのだろうか。
お母さんの眼力とお姉ちゃんの含み笑いが私の頭を痛くする。
が、隠し続けれる話じゃないしなあ。
がちゃ。
:09/02/27 14:06
:N703iD
:DfpWCp/w
#34 [七瀬]
「あらお父さんが帰ってきたわ。」
「おかえりー。」
これまたナイスタイミングでお父さんが帰ってき、2人の視線が私から離れた。
お父さんありがとーっ。
と喜んでいると、
「さっき飛田先生に会ったぞ。柚子、成績ガタ落ちらしいじゃないか。」
:09/02/27 14:11
:N703iD
:DfpWCp/w
#35 [七瀬]
お父さーん!
ヒグマぁーっ!!
お父さんはのほほんとした笑顔で5秒ぐらい時間をかけて言った。
視線が私に元通り。
空気よんでね。
結局、私は成績を披露するはめになった。
:09/02/27 14:15
:N703iD
:DfpWCp/w
#36 [七瀬]
たっぷり叱られ、バカにされ…、
お風呂に逃げ込んだ。
チャポン。
『ふぅ。』
疲れが溶けていく気がした。
そして今日ヒグマに言われたことを思い出した。
:09/02/27 14:18
:N703iD
:DfpWCp/w
#37 [七瀬]
「おーい。松田ぁー。」
例の件で落ち込む私を呼ぶヒグマ。
『はい〜。なんですか??』
「ふむ、あのなぁせっかく悲しみに入り浸っているところを悪いんだが、
この成績でJ高って舐めてんのか?」
はっきり言われた。
黙っている私を見てヒグマは続けた。
:09/02/27 14:24
:N703iD
:DfpWCp/w
#38 [七瀬]
「こんなこと言いたくないけどなぁ、お前の成績じゃ無理だ。」
いやいや、めちゃくちゃはっきり言ってるじゃないすか。
という心の中のツッコミは押さえて、黙る。
「それでな、俺の行ってたG高はどうだ?」
:09/02/27 14:28
:N703iD
:DfpWCp/w
#39 [七瀬]
G……高??
聞いたこともない。
私がよほど目をハテナにしてたのだろう。
「そこになら電気や機械について学べるぞ。それに松田の成績でも行ける。ただちょっと遠いんだよなあ。
それに…。」
それに?
:09/02/27 14:32
:N703iD
:DfpWCp/w
#40 [七瀬]
ヒグマは目を伏せながら言った。
「それに、ちょっと変わってんだよ。その高校。」
変わってる??
え、どういうふうに?
荒れてるってこと??
頭に次々と浮かぶ疑問。
『その、それは荒れてる…ということですかね?』
:09/02/27 14:37
:N703iD
:DfpWCp/w
#41 [七瀬]
「んー、荒れてるというかなんと言うか……。やっぱ男ばっかなんだよな。
まぁ、初めっから工業科に行きたいということは、それくらい分かってたとは思うけど。」
へ?
それだけ?
『分かっています。男子校潜入!!って気分で通うつもりです!!』
とちょっとふざけてみた。
:09/02/27 14:42
:N703iD
:DfpWCp/w
#42 [七瀬]
そんな私のおふざけをスルーしヒグマは言った。
「やっぱ元々、男臭いところなんだ。それにいる奴もクセがあるというか…。」
よく意味がわからなかった。
『遠いってどれくらいかかるんですか?』
と質問を変えてみた。
:09/02/27 14:47
:N703iD
:DfpWCp/w
#43 [七瀬]
「えーと、お前んちからだと、1時間半くらいじゃないか?」と
これにはあっさりと答えた。
1時間半!?
それはさすがに
ちょっとなぁ……。
と思っていると、
「けれど電気、機械の技術についてだとJ高にも負けないぞ。
もしかしたら、こっちの方が上かもしれない。」と
目を怪しく光らせるヒグマ。
:09/02/27 14:53
:N703iD
:DfpWCp/w
#44 [七瀬]
「まだ入ってるのー?」と
お母さんの声。
湯船から急いで出て、頭や体を笑い、お風呂から上がった。
髪もよく乾かさず、2階へと向かった。
よほど疲れていたのか、夕食前にあんなに寝たのに、すんなりと睡眠に入れた。
:09/02/27 14:57
:N703iD
:DfpWCp/w
#45 [七瀬]
翌朝。
私はハッと目を覚ました。
時計をみると、短い針と長い針。両方とも5時を差していた。
5時25分。
久々、こんなに早起きをした。
昨日は夢の一つも見なかった。
いや見たけど忘れてしまったのかもしれないな。
:09/02/27 15:02
:N703iD
:DfpWCp/w
#46 [七瀬]
「柚子、今日はえらく早起きなのね。」
『うん。なんか目が覚めちゃってさ。』
顔を洗い、制服を来た。
トーストとサラダを食べる。
「ちゃんと勉強しなさいよ。」
昨日、死ぬほど聞かされたことをまた言われ、
うんざりした。
『わかってる。』
ぶすっとした表情で返す。
これ以上、お母さんの小言が出ない内に行こ。
少し早いけれど家を出た。『いってきまーす。』
:09/02/27 15:10
:N703iD
:DfpWCp/w
#47 [七瀬]
少し歩くと松田鉄工場が見えた。
今はもう機械もほとんど処理されてるんだろうなあ。
「松田ーっ!!」
あの高い声は林原だな。
「おはよ。」
『はよ。』
私の隣を少し追い越した。
:09/02/27 15:15
:N703iD
:DfpWCp/w
#48 [七瀬]
林原の近い後ろ姿を見ながら、ふと思った。
背、高くなったなあ。
中1の時は前から数えた方が早かったのに、
今は前から数えても、後ろから数えても、同じだもんなあ。
身長が伸びても林原は背は高いほうではなかったけれど、
私とは比べものにならないんだろうなぁ。
って当たり前か。
私がちっちゃすぎるのか。
私は小学生の時から、前ならえはずっと前だった。
:09/02/27 15:22
:N703iD
:DfpWCp/w
#49 [七瀬]
そんなことをぼんやり考えていると、
林原がいきなり
「お前もJ高、受けんだってな。」と言った。
『まだ考え中だけど…。
って何で知ってんの?』
「え、ああ、悪ぃ。お前の懇談、聞いちまった。」
悪びれる様子も無く言う。
『なにそれ。まあいいけど、別に大した話じゃないしね。』
:09/02/27 15:27
:N703iD
:DfpWCp/w
#50 [七瀬]
へらへら笑っている私に、林原は
「そんなんで受かんの?」
『え??』
「だーかーらっ!!英語、34点の奴が受かるわけねーじゃん!」
とちょっと真剣な林原。
『なっ…。あんた私の答案用紙、見たの!??』
「ちげーよ。人聞き悪いな。落ちてたから拾ってやったんだろーが。」
『それだったら良いけど
ってかむしろありがと。』
:09/02/27 15:33
:N703iD
:DfpWCp/w
#51 [七瀬]
「おう。」
さっきまで、ちょっと声荒げてたのに急に黙ってしまった。
やっぱわかんないヤツだわ、林原は。
ちょっと笑ってしまった。
『ってかなんで林原はそんなに早く学校いくわけ?』
ふと疑問に思った。
:09/02/27 15:36
:N703iD
:DfpWCp/w
#52 [七瀬]
「俺、日直だから。」
『ぶっ!』
無愛想な顔して真面目なこと言うから笑ってしまったではないか。
「何、笑ってんの?」
スローで答える林原。
相変わらずのマイペースぶりに、少し癒されてしまった。
調子狂うな、もう。
:09/02/27 15:41
:N703iD
:DfpWCp/w
#53 [七瀬]
その日、私はG高校は受けない、J高にする
とヒグマに告げた。
今までは憧れでJ高を目指してた。
けれども今日、なぜか自分の意志で行きたいと思った。
それはやっぱり林原のおかげだと思う。
悔しいけれど。
:09/02/27 16:23
:N703iD
:DfpWCp/w
#54 [七瀬]
あれから10月になり、みんなで盛り上がった体育祭も終わり、
気付けば、11月に入る直前だった。
そして、とうとう始まってしまった。
第3回目の恐怖の進路懇談が……。
:09/02/27 16:27
:N703iD
:DfpWCp/w
#55 [七瀬]
お母さんは激怒した。
私は何も言わずJ高に決めてしまったからだ。
2回目の懇談の時はJ高は一応、視野にいれておこうということで保留になっていた。
が今回、何も相談せずに勝手に進路希望調査に“J高”と記入したのを
お母さんはグダグダ言っている。
:09/02/27 16:33
:N703iD
:DfpWCp/w
#56 [七瀬]
ほんとに参った。
でも参ってしまったのは私じゃなくヒグマの方みたいだ。
ようやく肌寒くなってきた季節だけど、昼は暑い。
日がよく差し込むこの教室は
冬はあったかい、
夏はくそ暑い。
と批評されている。
ヒグマはまさに、直射日光の位置。
元々、ぽっちゃり?
筋肉質?な
ヒグマのこめかみからは
大量の汗が溢れていた。
:09/02/27 16:40
:N703iD
:DfpWCp/w
#57 [七瀬]
「え、えーと、ではお母さまはG高については何も聞いていないわけですね。」
細い目を一段と細めて、ヒグマは言った。
「G…高?」
お母さんの目付きが厳しくなるのが見なくても分かった。
暑いのに冷や汗が流れているのがわかる。
やばいよーっ!!
ヒグマは恐る恐る話しだした。
:09/02/27 18:38
:N703iD
:DfpWCp/w
#58 [七瀬]
「……というわけで、僕は柚子さんにG高を勧めたわけです、はい。」
ほぼ私に話したことをそのままお母さんに説明していた。
ただ“変わった”高校だということは除いて。
けどそんなことよりヒグマの「僕」と「柚子さん」が面白くって、そっちに気が向いてしまったけれど。
ただ話を聞いた後のお母さんの顔は確実に和らいでいた。
:09/02/27 18:49
:N703iD
:DfpWCp/w
#59 [七瀬]
「なんだ柚子、良かったじゃないの。
やだ、この娘ったら何にも言わないから。すいませんねぇ、先生。
柚子、そこにしましょ。
G高校でしたっけ。」
ちょ、ちょ
ちょっと待ってよ!
『お母さん、やだっ!私、J高がいい!!』
だだをこねる私。
ヒグマは安心した顔になったのもつかの間、すぐ心配顔になっていた。
:09/02/27 18:55
:N703iD
:DfpWCp/w
#60 [七瀬]
「松田……。」
ヒグマが何か言い掛けた時、お母さんが口を挟む。
「いいんです、先生。私が説得しますから。
今日はありがとうございました。柚子、行きましょ。先生さようなら。」
一方的で、言い終わるまでには、すでに腰を上げていたお母さん。
私は無理矢理、手を引かれ、連れて帰られた。
まるでスーパーでお菓子買ってとすがる幼稚園児を連れて帰るように。
:09/02/27 19:02
:N703iD
:DfpWCp/w
#61 [七瀬]
家に帰った後、
お母さんは話を初めた。
「よく聞いてね。私は柚子には、G高に行ってほしい。受験でつらい思いさせたくないしね。」
お母さんの悲しげな瞳を見ていると、さっきまでの気持ちはしおれてしまった。
『お母さん…。』
けれど次の瞬間、ちょっとでもお母さんに弱みを見せたことを後悔することになる。
「ねぇ、だからお母さんと賭けをしてみない?」
:09/02/27 19:13
:N703iD
:DfpWCp/w
#62 [七瀬]
『賭け?』
「そう。賭け。」
ニヤニヤしながらお母さんは続ける。
「この二学期中に5教科の評定を全部、上げて。1でもいいから、ね?」
「1でもいいから」って、そんなのむりむり!!
自分で言っても説得力ないけど、やっぱり受験は積み重ねだし。
評定を1上げるのは、テストの点をただ単に10点上げることとは訳が違う。
:09/02/27 19:18
:N703iD
:DfpWCp/w
#63 [七瀬]
お母さんはできないこと承知で言ってるんだ……。
私はだんだんムカついてきた。
大人のくせに卑怯なことして。
やってやろーじゃんか。
『っしゃ、やってやる!!』
お母さんに宣言し約束した。
本気で頑張るっ!!
:09/02/27 19:22
:N703iD
:DfpWCp/w
#64 [七瀬]
……とはいいつつも、二学期のテストの内、すでに課題テストが、散々な結果で終わってしまう。
後は中間と期末。
そして2回の実力テストで良い結果を出すしかない。
出遅れた分、取り戻さないと。
2週間後の実力テストに向け、勉強を初めた。
:09/02/27 19:27
:N703iD
:DfpWCp/w
#65 [七瀬]
今、私の目の前にはラッキーセブンが2つならんでいる。
ふと今日の朝、テレビで見たラッキーナンバーは7だということを思い出す。
英語77点。
:09/02/27 19:30
:N703iD
:DfpWCp/w
#66 [七瀬]
泣いても、いーですか。
まだ結果は英語だけしか出てない。
でも77点…。
幸先いーな、こりゃ。
一気に自信がついた。
前を見ると林原がまた寝ていた。
:09/02/27 19:32
:N703iD
:DfpWCp/w
#67 [七瀬]
また答案用紙が机から顔を出している。
78点。
やっと追い付きました。
やっと!やっと!!
めちゃくちゃうれしーっ。
:09/02/27 19:35
:N703iD
:DfpWCp/w
#68 [七瀬]
家に帰宅した私を待っていたものは、
「おかえりーっ!!」
ルンルン気分のお母さんだった。
リビングを通って部屋へ行こうとすると、
「テストはー?」
フッ、
やっとこの時が来た。
:09/02/27 19:41
:N703iD
:DfpWCp/w
#69 [七瀬]
私は堂々と英語の答案用紙をテーブルに!!
さすがのお母さんも驚いている。
やった!
ついに見返したぞっ!!
「で?」
『へ??』
:09/02/27 19:44
:N703iD
:DfpWCp/w
#70 [七瀬]
「だから、他のは??」
……ばれちゃいました。
観念し、カバンから4枚の紙を並べた。
52、61、60、55
左から
国語、数学、理科、社会。
『えへっ』
「はぁ。えへっじゃないでしょ。」
『………。』
ごめんなさい。
:09/02/27 19:57
:N703iD
:DfpWCp/w
#71 [七瀬]
とりあえず
1回目のテストが終わった。もちろん、この成績は担任のヒグマにも伝わっている。
そして今、私はヒグマとにらめっこ中。
「なるほどなあ。そんな約束したのか。」
ヒグマが口を開き、
「お前は頑張ったなあ。」
と珍しく誉める。
:09/02/27 20:30
:N703iD
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#72 [七瀬]
でも誉め言葉で終わるような空気じゃなかった。
「でもな、やっぱJ高は厳しい。精神的なこともあるし。オススメすることは出来ないな。
だから一回、見に行ってみないか?G高に。」
私は頷くしかなかった。
悔しいけれど、J高は無理だと改めて実感した。
それに私はこの時点で薄々、気付いてたんだ。
私はG高へ行くんだろうなということを。
:09/02/27 20:38
:N703iD
:DfpWCp/w
#73 [七瀬]
2週間後、私はお母さんと“G高校第4回学校説明会”へ足を運んでいた。
「なかなかきれいじゃない。」お母さんが言う。
確かに築50年にしては綺麗かもなあ。
他に来ている生徒はみんな男子で教師もほとんど男だった。
:09/02/27 20:42
:N703iD
:DfpWCp/w
#74 [七瀬]
見た目は色々あるけど、そんなに変に見えないけどな。
ヒグマの大げさ。
確かに機械は設備が整っていてこれならJ高にも負けないだろうな。
私は結構、満足した。
それに、前よりこの高校に興味が湧いた。
:09/02/27 20:45
:N703iD
:DfpWCp/w
#75 [七瀬]
そして運命の第4回進路懇談の日がやって来た。
なぜ運命かって?
だって二学期の通知表も見せられるしもん。
朝から心臓がドクドク動いてる〜!!
っとかないし、
全然、緊張してないよん。
だって、お母さんとの賭けは絶対、私の負けだし。
「上がってるかな?」と
一々、ドキドキする必要なしっ!!
:09/02/27 22:00
:N703iD
:DfpWCp/w
#76 [七瀬]
ただいま懇談中です。
通知表見ました。
思わず笑ってしまいました。
なぜかって?
だって逆に成績下がってたしぃ〜。
:09/02/27 22:02
:N703iD
:DfpWCp/w
#77 [七瀬]
ヒグマ曰く、
この時期はみんな勉強するから平均が上がる。だから頑張っても、成績は中々、上がらないらしい。
ヒグマは申し訳なさそうに言った。
しかも下がってたのは
技術だった。
:09/02/27 22:06
:N703iD
:DfpWCp/w
#78 [七瀬]
勉強してたから、技術をおろそかにしていた。
中途半端に勉強して、技術を落とすなら、勉強なんかしなきゃ良かった。
悲しかった。
悔しかった。
涙が出そうになった。
:09/02/27 22:11
:N703iD
:DfpWCp/w
#79 [七瀬]
結局、私はG高を受けることに決まった。
賭けで負けたこともあったけど、
情けない気持ちがいっぱい何も言えなかった。
:09/02/28 12:10
:N703iD
:p45OiH1g
#80 [七瀬]
家へ帰る途中、
お母さんは買い物へ行くと言って別れた。
私は帰りたくなかった。
帰ってもお姉ちゃんとかいるし。
1人になりたかった。
帰路にある公園へと向かった。
:09/02/28 12:14
:N703iD
:p45OiH1g
#81 [七瀬]
この公園は、とても小さくって小さなブランコと狭い砂場しかない。
だからよく幼稚園児くらいまで私もそこで遊んでいた。
がちょっと大きい公園が少し遠いが、自転車で行ける距離なので、小3ぐらいから、誰もここにはこなくなった。
:09/02/28 12:22
:N703iD
:p45OiH1g
#82 [七瀬]
案の定、誰もいなくて安心した。
ブランコに腰をかける。
昔はイスとおしりの間もスカスカだったのに、
今は少しきつい。
『……うっ、うっ、うぇぇん!!』
私は大声を上げて泣きだした。
:09/02/28 12:26
:N703iD
:p45OiH1g
#83 [七瀬]
5分くらいかな?
『うわぁぁん!うぇぇん!』
と泣く私。
すると
ポンッ
なにか温かいものが
ほっぺに感じた。
:09/02/28 12:29
:N703iD
:p45OiH1g
#84 [七瀬]
『うぇ??』
「何、泣いてんの?」
林原が目を丸めて聞く。
驚きで一瞬、涙が止まった。
が温かいものが缶のミルクティーだと分かったときは、また目から涙が溢れていた。
:09/02/28 12:33
:N703iD
:p45OiH1g
#85 [七瀬]
林原は私の隣のブランコに座るって缶コーヒーを飲みだした。
もう、少しずつ日が沈み初め、少し寒くなってきていた。
けれど私は、せっかく林原がくれたミルクティーに口を付けずに
また泣きだした。
:09/02/28 12:37
:N703iD
:p45OiH1g
#86 [七瀬]
林原は私の隣のブランコに座わって缶コーヒーを飲みだした。
もう、少しずつ日が沈みはじめ、少し寒くなってきていた。
けれど私は、せっかく林原がくれたミルクティーに口を付けずに
また泣きだした。
:09/02/28 12:37
:N703iD
:p45OiH1g
#87 [七瀬]
『うっ、うぅ〜』
ぐずり泣きする。
そんな私に、林原は
「大丈夫?」
「何があったの?」も聞かずただ座っているだけ。
でも今は、そっちの方がありがたかった。
それに不器用な林原の優しさにも見えた。
:09/02/28 12:41
:N703iD
:p45OiH1g
#88 [七瀬]
静かな公園に私の泣き声だけが響く中、林原は声を発した。
「なあ、この公園1月から取り壊され始めて、
3月の中旬には、もうないんだって。」
林原が突然、話しだしたのと、その話に驚いた。
けれど私は何も言えなかった。
:09/02/28 12:46
:N703iD
:p45OiH1g
#89 [七瀬]
林原が公園で発した言葉はそれだけだった。
次の日、学校で林原と昨日のことについての話は全くしなかったし、
普通に話せた。
ほんとに分かんないヤツ。
:09/02/28 14:25
:N703iD
:p45OiH1g
#90 [七瀬]
合唱コンクールに奇跡的に我がクラスが優勝した、文化祭も終わり、
とうとう冬休みに。
私はあんまり勉強しなかった。
元からやる気が無いのと、G高にはほぼ100l受かると言われたので
さらにやる気が無くなった。
そしてやる気のないまま、新年を迎えた。
:09/02/28 14:30
:N703iD
:p45OiH1g
#91 [七瀬]
「ハッピーニューイヤー!」テレビの中のタレント達が次々と言っている。
私はこたつでテレビを見ている。
「明けましておめでとう」
お姉ちゃんが言う。
「あらあら、もう明けちゃったの〜?」と
のんきなお母さん。
お父さんは
「今年もみんな健康に過ごせますように」と
仏壇のおじいちゃん祈っていた。
:09/02/28 14:34
:N703iD
:p45OiH1g
#92 [七瀬]
おじいちゃん……。
私は心の中でおじいちゃんに言う。
明けましておめでとう。
もう工場も壊されて、跡形も無くなっちゃったよ。
淋しいなあ。
おじいちゃん、そっちはどう?
って淋しくないよね。
天国にはおばあちゃんもいるしね。
:09/02/28 14:38
:N703iD
:p45OiH1g
#93 [七瀬]
冬休みがおわり三学期の始業式。
校長の“受験”についての長話しは、もう15分近くも続いている。
長いなあ。
うんざりする。
後ろから、たくさんの欠伸が聞こえる。
空気よんでよ〜!!
:09/02/28 14:42
:N703iD
:p45OiH1g
#94 [七瀬]
校長の長話しが終わると、始業式はスムーズに流れて行き、
あっという間に、終わってしまった。
教室へ。
なんか冬休み前とは空気が全然違った。
みんな、受験モードになっていた。
だから私だけ浮いていた。
:09/02/28 14:46
:N703iD
:p45OiH1g
#95 [七瀬]
いや、私だけじゃない。
前の林原も、いつもと変わらず、マイペースでぼぉーっとしていた。
ホッとした。
林原がいなかったら大げさだけど、
私は希望が見えなかったと思う。
ありがとう、林原。
:09/02/28 14:49
:N703iD
:p45OiH1g
#96 [七瀬]
2月24日。
“G工業高校 入試会場”という所へ私は足を踏み入れていた。
余裕とはいえ、やはり緊張はする。
試験内容は
国、数、英の3教科。
そして実技。
試験教室へと迎う。
:09/02/28 14:53
:N703iD
:p45OiH1g
#97 [七瀬]
まわりは、やっぱり男だらけで、
すごくでかい。
そして筋肉もりもりだ。
怖くなった。
3教科を終え、実技に移るため、並ぶ。
実技は5人ずつで行うという。
受験番号185番。
181番、182番、183番、184番につづき、私も入る。
『失礼します。』
:09/02/28 14:58
:N703iD
:p45OiH1g
#98 [七瀬]
内容は普通で、
ノコギリで木を一本、切るというだけだった。
「手際さ、切れた木の断面、さらには道具の置き方まで見られるぞ。」
というヒグマの声を思い出す。
私は自分のだけ集中し、
他の奴らには目もくれなかった。
ふぅ。
終わった〜。
:09/02/28 15:03
:N703iD
:p45OiH1g
#99 [七瀬]
余裕という感じで、
他を見ると、必死で切っていた。
少し優越感に浸っていると私の別にも切り終わっている人を発見した。
目を見張る。
すごいっ!!
木の断面ザラザラは全くなく、まるで機械を使ったようだ。
私は見とれてしまった。
:09/02/28 15:07
:N703iD
:p45OiH1g
#100 [七瀬]
私の2つ前だから183番かな?
なんてことを考えながらボンヤリ眺めていると、
そいつと目が会ってしまった。
またしても目を奪われてしまう。
切れ長の目に鼻筋の通った鼻。
少し黒い肌はキャラメルを連想させた。
:09/02/28 15:11
:N703iD
:p45OiH1g
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