夏祭り、恋花火
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#110 [七瀬]
金魚も潰し終え、トラックがやってくる。
今日は天神祭は最終日やから、トラックに積み込みをする。
私は女の子やし、
これはさすがにやらない。
遊希、奏君、後の若いバイトの男の子たちが
軍手をはめて、どんどん積み込んでゆく。
:09/03/19 22:24 :N703iD :DKWoRP7w
#111 [七瀬]
まるで、
さっきまで人がワイワイ騒いでたようには見えない。
屋台も跡形もない。
『お疲れ〜。』
みんなにジュースを配る。
みんな死にそうな顔をしてる。
:09/03/19 22:27 :N703iD :DKWoRP7w
#112 [七瀬]
奏君にも渡す。
「ありがと、まつり。」
そう言って、缶コーヒーを飲み始める。
その横顔がほんまにあの人に似てて、
つい見惚れてしまう。
「どしたんや?
そんなに見て…
俺の顔になんか付いてるか?」
:09/03/19 22:32 :N703iD :DKWoRP7w
#113 [七瀬]
『…似てる。』
「え?」
無意識に口が開く。
『…人に。
私の初恋の人に。』
奏君の目が大きくなっていったのに気付く。
『…あ、ごめん!
変なことゆうてごめん。』
:09/03/19 22:37 :N703iD :DKWoRP7w
#114 [七瀬]
すると奏君はフッと笑って
「どんな人なん?
まつりの初恋の人って。」
私は少し戸惑った。
『どんな人って…
優しい人やで。
奏君みたいに……。』
「なあ、まつり。
それって告白してんの?」
:09/03/19 22:40 :N703iD :DKWoRP7w
#115 [七瀬]
告白…してんのかな?
うつむく。
分からん。
「答えへんってことは、
そうゆう意味やって解釈すんで。」
え?
:09/03/19 22:44 :N703iD :DKWoRP7w
#116 [七瀬]
顔を上げると
チュ
唇に柔らかいものが当たる。
奏君にキスされてた。
:09/03/19 22:47 :N703iD :DKWoRP7w
#117 [七瀬]
「フフッ、驚いた?」
いきなりのことで固まる私。
これが私と奏が付き合い始めたきっかけ。
:09/03/19 22:49 :N703iD :DKWoRP7w
#118 [七瀬]
こめかみに汗の滝が流れる。
今、私はプリント集とにらめっこの最中。
あー、分からん。
お手上げや。
少し頭を冷やそうと冷蔵庫へ向かい、一番上を開ける。
:09/03/20 00:29 :N703iD :bKNl0Pwo
#119 [七瀬]
あったあった!!
アイスクリームを取出し、袋をポイッ。
口に運ぶ。
ああ、生き返るわあ。
アイスクリームで頭が冴え渡ってる内に
またプリントに目を通す。
でも次は他のことが思考回路を邪魔する。
:09/03/20 00:33 :N703iD :bKNl0Pwo
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