夏祭り、恋花火
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#22 [七瀬]
お母さんの後をついていく。

お母さんも、ずっとここで働いている。


昼食を食べるため、近くの牛丼屋へ。

『また牛丼〜?もう飽きたわ。』

「文句言わへんの!」

入るとクーラーの冷たい空気が気持ちいい。

⏰:09/03/18 10:29 📱:N703iD 🆔:1U/TvnL6


#23 [七瀬]
 
前のとこも、近くに牛丼屋しかなかったしなあ。



人の少ない昼は、店番を変わってもらったり、
ご飯を外で食べれる。

けど夜は人も多いし、
大概がお弁当やな。

食べられへん日だってあるくらい。

だって忙しかったり、
地域によっては、めっちゃ田舎で近くにコンビニもないとこもある。

⏰:09/03/18 10:35 📱:N703iD 🆔:1U/TvnL6


#24 [七瀬]
まあ、だから天神祭はまだマシな方かな。

近くにコンビニもあるし。


「はい。お待たせしました。牛丼の並がお二つでーす。」


いっぱい食べて体力つけへんと!


まだまだ夜は長いし…。
 

⏰:09/03/18 10:38 📱:N703iD 🆔:1U/TvnL6


#25 [七瀬]
「まつり、ごめん。
ちょっとカステラに持ってってほしいもん、あんねん。」

牛丼屋を出たあとに言われ、お母さんについていく。


この世界では

カステラ屋は“カステラ”

金魚すくい屋は“金魚”

リンゴ飴屋は“リンゴ”

スーパーボール屋は“ボール”
と略して呼ぶ。

⏰:09/03/18 11:10 📱:N703iD 🆔:1U/TvnL6


#26 [七瀬]
カステラは金魚に行く道のりの途中にある。


「はい。これ。」

大きなドリルを渡される。


重〜いっ!!

そんなこと思いながら、
カステラへ。


『はぁ、やっと着いた。
これ、はい。』 
 

⏰:09/03/18 11:13 📱:N703iD 🆔:1U/TvnL6


#27 [七瀬]
「おぅ、悪いな。
サンキュー。」

遊希が言った。


『あれ、大竹さんは?』

大竹さんとは、神野商会に長年いる40歳近くのおじさんだ。


いつもカステラを焼いている。

⏰:09/03/18 11:16 📱:N703iD 🆔:1U/TvnL6


#28 [七瀬]
「さっきご飯食べに行ったよ。」

と遊希。


遊希はカステラの“前場”をしている。

“前場”とは前に出て、カステラを袋に詰めて、
お金を貰ったりする役。

そんなに売れないところはカステラ焼く人が“前場”をしている。

でも、ここは天神祭。
一人じゃ普通に追い付けない。

⏰:09/03/18 11:21 📱:N703iD 🆔:1U/TvnL6


#29 [七瀬]
 
 
『ふーん。
遊希は食べに行ったん?』

「ああ、俺はまだや。
大竹さんが帰ってきてから行くわ。」


『私が店番、変わったるわ。
ご飯食べに行っといで。』

「いや、でもせっかく
まつりがドリル持って来てくれたしなぁ。
粉でも練るわ。」 
 

⏰:09/03/18 18:28 📱:N703iD 🆔:1U/TvnL6


#30 [七瀬]
私が持ってきたドリルを指さして言った。


このドリルは粉を練るのに使う。

そもそも“粉を練る”というのは、

…なんてゆうたらえーやろ。

まあ簡単にゆうたら、
カステラの元を作るとゆうことやな。


まあ気にしんといて。
 

⏰:09/03/18 18:33 📱:N703iD 🆔:1U/TvnL6


#31 [七瀬]
とりあえず遊希は粉を練り出した。


ブゥィーン

ドリルが回り始める。


遊希はそこに手際良く、
小麦粉、砂糖、牛乳、ハチミツを入れていく。


「ちょっと粉っぽいな。
まつり、水足して。」


水缶から水をすくって、そこに入れた。

⏰:09/03/18 18:39 📱:N703iD 🆔:1U/TvnL6


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