夏祭り、恋花火
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#25 [七瀬]
「まつり、ごめん。
ちょっとカステラに持ってってほしいもん、あんねん。」

牛丼屋を出たあとに言われ、お母さんについていく。


この世界では

カステラ屋は“カステラ”

金魚すくい屋は“金魚”

リンゴ飴屋は“リンゴ”

スーパーボール屋は“ボール”
と略して呼ぶ。

⏰:09/03/18 11:10 📱:N703iD 🆔:1U/TvnL6


#26 [七瀬]
カステラは金魚に行く道のりの途中にある。


「はい。これ。」

大きなドリルを渡される。


重〜いっ!!

そんなこと思いながら、
カステラへ。


『はぁ、やっと着いた。
これ、はい。』 
 

⏰:09/03/18 11:13 📱:N703iD 🆔:1U/TvnL6


#27 [七瀬]
「おぅ、悪いな。
サンキュー。」

遊希が言った。


『あれ、大竹さんは?』

大竹さんとは、神野商会に長年いる40歳近くのおじさんだ。


いつもカステラを焼いている。

⏰:09/03/18 11:16 📱:N703iD 🆔:1U/TvnL6


#28 [七瀬]
「さっきご飯食べに行ったよ。」

と遊希。


遊希はカステラの“前場”をしている。

“前場”とは前に出て、カステラを袋に詰めて、
お金を貰ったりする役。

そんなに売れないところはカステラ焼く人が“前場”をしている。

でも、ここは天神祭。
一人じゃ普通に追い付けない。

⏰:09/03/18 11:21 📱:N703iD 🆔:1U/TvnL6


#29 [七瀬]
 
 
『ふーん。
遊希は食べに行ったん?』

「ああ、俺はまだや。
大竹さんが帰ってきてから行くわ。」


『私が店番、変わったるわ。
ご飯食べに行っといで。』

「いや、でもせっかく
まつりがドリル持って来てくれたしなぁ。
粉でも練るわ。」 
 

⏰:09/03/18 18:28 📱:N703iD 🆔:1U/TvnL6


#30 [七瀬]
私が持ってきたドリルを指さして言った。


このドリルは粉を練るのに使う。

そもそも“粉を練る”というのは、

…なんてゆうたらえーやろ。

まあ簡単にゆうたら、
カステラの元を作るとゆうことやな。


まあ気にしんといて。
 

⏰:09/03/18 18:33 📱:N703iD 🆔:1U/TvnL6


#31 [七瀬]
とりあえず遊希は粉を練り出した。


ブゥィーン

ドリルが回り始める。


遊希はそこに手際良く、
小麦粉、砂糖、牛乳、ハチミツを入れていく。


「ちょっと粉っぽいな。
まつり、水足して。」


水缶から水をすくって、そこに入れた。

⏰:09/03/18 18:39 📱:N703iD 🆔:1U/TvnL6


#32 [七瀬]
「うーん。
今度は水っぽくなってしもたわ。
粉足そ。」


小麦粉を入れる。

そんなことをしている内にどんどんバケツはいっぱいになってしまった。


『これ…、
作り過ぎちゃうん?』


「…そうやな。
ちょーっと作り過ぎたな。」

⏰:09/03/18 18:42 📱:N703iD 🆔:1U/TvnL6


#33 [七瀬]
『“ちょーっと作り過ぎたな”って

…ちゃうやろ!』


「ハハハ〜。」

遊希は笑って流そうとする。


『笑ってる場合ちゃうで!大竹さんに怒られるやん!!』



どうしよ…。
 

⏰:09/03/18 18:46 📱:N703iD 🆔:1U/TvnL6


#34 [七瀬]
 
 
 
「どうしたんや?」


おっと!

良いところに来た!!


『ちょっ、奏君!
来て!早く来てっ!!』

「奏!来てくれへん?」


奏君は駆け寄ってきた。
 

⏰:09/03/18 18:51 📱:N703iD 🆔:1U/TvnL6


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