夏祭り、恋花火
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#442 [七瀬]
ああ、そうやな。
やっぱり私の居場所は
私の愛しい人は
奏なんだ。
遊希が応援してくれてるんだから頑張らないと。
行かないと…
けれども、足は動かない。
:09/04/02 23:31 :N703iD :opfWhb72
#443 [七瀬]
「どしたんや…まつり?」
やっぱり怖い。
奏と別れるかもしれない恐怖じゃなくって
このままでええんやろか
という、焦りの交じった恐怖。
やだ…
訴えるように遊希を見る。
:09/04/02 23:34 :N703iD :opfWhb72
#444 [七瀬]
助けて…
「まつりっ!!」
前から、麻友ちゃんが手を振ってくる。
仕方なく、引きつった笑顔を向ける。
奏は…
目を逸らす。
:09/04/02 23:37 :N703iD :opfWhb72
#445 [七瀬]
「どぉしたのぉ?
そんなところに、いないでこっちおいでよっ!」
麻友ちゃんのやけに高い声が耳をキンキンさせる。
「ちょっと、麻友。」
「なにー?遊希。」
「ちょっと、こっち来い。」
「えー?どしたんよ。
そんな怖ーい顔して。」
:09/04/02 23:42 :N703iD :opfWhb72
#446 [七瀬]
「ええから。」
「もぉー、
わかったわかった。」
うんざりしたように
麻友ちゃんはこっちへ来た。
「じゃあ、頑張れよ。」
遊希は小さくそう言って、私を睨む麻友ちゃんを連れて消えていった。
:09/04/02 23:45 :N703iD :opfWhb72
#447 [七瀬]
「まつり、久ぶりやな。」
しばらくして、奏が重たい口取りで言った。
「こっち来て。」
ちょこんと、奏の隣に座った。
その距離は
近すぎず、遠すぎず…
あまりにも、微妙な距離で気まずさは増すばかり。
:09/04/02 23:58 :N703iD :opfWhb72
#448 [七瀬]
「あのな…」
長い長い沈黙の末、
奏は口を開く。
「昼間のことやねんけど…」
ドクン
心臓が飛び跳ねる。
「まつり、目合ったよな。
その…麻友と…」
:09/04/03 00:03 :N703iD :aggujxUQ
#449 [七瀬]
言葉を濁らす奏。
『…合ったよ。
奏と麻友ちゃんがキスしてるとき。』
奏が一番言いたいことを、先に言ってやった。
また黙る奏に少し苛立つ。
「…ごめん!!」
:09/04/03 00:06 :N703iD :aggujxUQ
#450 [七瀬]
必死に頭を下げる奏。
『知ってたよ、私。
キスしてるとこ
見る前から…』
それに反応して、
顔を上げる奏。
「ほんま…ごめんな。
ってゆうても許してもらえるなんて思ってない。」
震える声。
:09/04/03 00:11 :N703iD :aggujxUQ
#451 [七瀬]
声
香水の匂い
サラサラとした髪…
奏のすべてが懐かしい。
だけど前みたいに
“愛しい”と思えない。
『…許す。』
:09/04/03 00:24 :N703iD :aggujxUQ
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