夏祭り、恋花火
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#510 [七瀬]
 
なに考えてんの?

麻友ちゃん…



机の上で、ノートを開くものの頭に入らない。


なんだか、
今日はついてないかも。



夕方になって
私のイライラはもっと増すことになる。
 

⏰:09/04/11 11:25 📱:N703iD 🆔:EJWDtS.g


#511 [七瀬]
 
 
もう夕飯かな。

時計は6時を指していた。


『お母さん、
今日はご飯な…に』

って!
まだ麻友ちゃんいるの!?


「ああ、
今日は私が作ってん。
はよ座って食べ。」
 

⏰:09/04/11 13:34 📱:N703iD 🆔:EJWDtS.g


#512 [七瀬]
 
ニコニコ笑う麻友ちゃん。

「今日はまつりの好きなハンバーグやで。」

その笑顔に食欲を一気になくす。


「麻友は、ほんますごいなあ。
料理出来て、
気もよく利くし…
ええ嫁さんになるわ。」

お母さんは口をモグモグと動かしながら絶賛している。

⏰:09/04/11 13:37 📱:N703iD 🆔:EJWDtS.g


#513 [七瀬]
その、“ええ嫁さん”は
従姉妹の彼氏と浮気してたんです。

そうキッチンに立っている“ええ嫁さん”を見た。


「ほーんま誰かさんとは
大違いや。」

そうやって、お母さんが私を横目で見たのは言うまでもない。


食欲はすっかり無くなったはずなのに、肉の良い匂いが鼻を刺激して、またお腹がグーグー鳴りだした。

⏰:09/04/11 13:43 📱:N703iD 🆔:EJWDtS.g


#514 [七瀬]
 
「はよ食べぇや。」

変なプライドが邪魔してたけど、食欲には適わず…

お母さんにも促され、イスに座った。


見た目は完璧なハンバーグを口に含んだ。



まっ…負けた。

悔しいけど……美味しい。


味も完璧だった。

⏰:09/04/11 13:47 📱:N703iD 🆔:EJWDtS.g


#515 [七瀬]
 
「どう?味の方は…」


『完璧です。』


「フフ、ありがとぉ。」


ええ嫁なりますなぁ、
こりゃ。

うん、なるわ。


やっぱり
麻友ちゃんは完璧な女子大生だった。

⏰:09/04/11 13:51 📱:N703iD 🆔:EJWDtS.g


#516 [七瀬]
 
 
『ごちそうさま。
おいしかったあ〜!!』

私のお腹は満たされた。


「じゃあ、私もうそろそろ帰ります。」

洗い物を済ませた麻友ちゃんはタオルで手を拭きながら言った。



「あら?もう帰るの?」

少し残念そうなお母さん。

⏰:09/04/11 13:54 📱:N703iD 🆔:EJWDtS.g


#517 [七瀬]
 
「はい。
明日も早いんで…」

「そう…
なんか色々ありがとねぇ。あ、そうだ!
まつり、駅まで送ってあげなさい。」


『ええーっ!?』

やだやだ!
いくら麻友ちゃんが
美味しいハンバーグを作ってくれても…

本性は……
 

⏰:09/04/11 13:59 📱:N703iD 🆔:EJWDtS.g


#518 [七瀬]
 
『いやっ、その…
食べたばっかやし…』

「なにゆうてんのよ。
いっつも夕飯食べた後は
“太る太る!”
って騒いでるやんか。」


確かに…そぉやけど……


「運動がてら、歩いて麻友を駅まで送ってあげたらえーやん。」

同意を求めるように
麻友ちゃんを見るお母さん。

⏰:09/04/11 14:04 📱:N703iD 🆔:EJWDtS.g


#519 [七瀬]
 
「そうやなあ。
じゃっお願いしよっかな」

ニコッと笑う麻友ちゃん。



やはり麻友ちゃんは
一枚上手だ。




こうして麻友ちゃんを
送るハメになってしまった。
 

⏰:09/04/11 14:31 📱:N703iD 🆔:EJWDtS.g


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