夏祭り、恋花火
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#531 [七瀬]
 
“最後くらい”って
奏はゆうけど、


私も“最後くらい”もっと怒って罵ってほしかった。


そんなに優しくしんといてほしかった。


罪悪感は増えてくばかり。


「気付いてた。」
 
 

⏰:09/04/11 15:24 📱:N703iD 🆔:EJWDtS.g


#532 [七瀬]
『え…っ?』

赤くなった目を向けた。


「俺、気付いててん。
もうまつりの気持ちが俺にないこと。
分かってて知らんふりしてた…ズルいよな。」

そう笑った。


それはお互い様や。

だって私も、そんな自分に薄々気付いてながらも
奏にしがみ付いてたんやから。

⏰:09/04/11 15:28 📱:N703iD 🆔:EJWDtS.g


#533 [七瀬]
 
首を振った。


『ほんまにありがとう…』


そうゆって立ち上がった。







『バイバイ。』
 
 

⏰:09/04/11 15:30 📱:N703iD 🆔:EJWDtS.g


#534 [七瀬]
 
そうやって、
店を出ようとした…その時


「まつり!」

奏がこっちを見ている。


「遊希はまつりのこと
好きやで!!
やから大丈夫や!」

『なっ…』

なんで知ってんの!?


口をパクパクさせた。

⏰:09/04/11 15:34 📱:N703iD 🆔:EJWDtS.g


#535 [七瀬]
 
 
すると


「だからゆったやん!
“気付いてた”って!!」

そうやって意地悪く笑う奏に、違う意味で惚れ直した。



『ほんまズルいわ!』

そう笑い返してファミレスを後にした。
 

⏰:09/04/11 15:37 📱:N703iD 🆔:EJWDtS.g


#536 [七瀬]
 
たった今、
奏に別れを告げたこのファミレスは
麻友ちゃんとの初修羅場を体験したあのファミレス。


だけど、
あの時とは違ってすっきりしていた。

ここで再び飲んだ
アイスミルクティーは甘いような苦いような…
複雑な味だった。


一生忘れない味。
 

⏰:09/04/11 15:41 📱:N703iD 🆔:EJWDtS.g


#537 [七瀬]
 
もう二度と飲みたくはないけど、ね?





プルルルルル…


『あ、もしもし遊希?』


高鳴る心臓。

『今から会えるかな?』  
 

⏰:09/04/11 15:43 📱:N703iD 🆔:EJWDtS.g


#538 [七瀬]
 
 
 
「まつり…遅いな。」


約束した2時は
もうとっくに過ぎている。






『ごめんごめん!遊希…』 
 
 

⏰:09/04/11 15:46 📱:N703iD 🆔:EJWDtS.g


#539 [七瀬]
 
そこには愛しい人の姿。



『化粧、濃くは出けへんかったけど…』

そうやってニカッと笑いかける彼女を俺は抱き締めていた。



髪を巻いた、彼女を。


『さすがに、もう11月やしあのワンピースは着られへんかったわ。』

⏰:09/04/11 15:50 📱:N703iD 🆔:EJWDtS.g


#540 [七瀬]
 
 
そうやって俺の肩に顔を埋めてゆう彼女。



「90点…」


『えぇーっ、
頑張ったのにぃ…』

「…………ら。」


その瞬間、
彼女の小さな嗚咽が聞こえた。

⏰:09/04/11 15:53 📱:N703iD 🆔:EJWDtS.g


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