夏祭り、恋花火
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#210 [七瀬]
 
え?
とでも聞くように目を丸くするあの人。



『だからっ!


…幸せになってな
ってゆうてんねんっ!!』


照れ隠しのため、少し声を荒げる。
 
 

⏰:09/03/22 22:30 📱:N703iD 🆔:0553rOCs


#211 [七瀬]
そんな私に気付いてるように、あの人は言った。

「ありがとう、まつり。」


すごい嬉しそぉに笑うあの人に

今までの嫉妬や醜い感情が全てアホらしく思えた。




『それだけやから。』

そう言って、
素早くその場から立ち去った。

⏰:09/03/22 22:34 📱:N703iD 🆔:0553rOCs


#212 [七瀬]
それからとゆうものの、
また私は質問攻めにした。

『男の子?女の子?』

「さあ、どっちやろな。」

『どっちがいい?』

「男やったら、一緒に遊んであげたいし、
女やったら、手料理とか食べたいしなあ。

…どっちでもええわ。」

『親バカや。』

二人の間に笑いが起こる。

⏰:09/03/22 22:47 📱:N703iD 🆔:0553rOCs


#213 [七瀬]
 
 
『名前は?』

「いくつか候補はあるよ。」

『例えば?』

「内緒。」

『ケチ。』



こんな感じで
前みたいに戻った。
 

⏰:09/03/22 22:50 📱:N703iD 🆔:0553rOCs


#214 [七瀬]
 
 
そして冬になった。



お初天神。

新年にみんなの心がウキウキしている時。


年が空け、大忙し。


日本一長い商店街の中、
金魚とたこ焼きは隣同士。 

⏰:09/03/22 22:53 📱:N703iD 🆔:0553rOCs


#215 [七瀬]
 
私は少し気掛かりだった。


だって
赤ちゃんのことを全然聞かへんし。


八月の中旬の頃に確か6ヵ月ってゆうてた。

今は1月。

もう生まれているはず。
 
 
でも、あの人は何も言わへん。

⏰:09/03/22 22:59 📱:N703iD 🆔:0553rOCs


#216 [七瀬]
気になって気になって
しょうがない!

歯がゆい気持ちが心中を支配する。



『子供、生まれたん?』

ガマン出来なくって、
たこ焼きにおる、あの人に聞いた。
 
 
すると、あの人は

「生まれたよ。」

笑って言った。

⏰:09/03/23 19:24 📱:N703iD 🆔:7XQi.j2w


#217 [七瀬]
 
『良かったなあ。

って、なんでゆうてくれへんのよっ!!』


「あれ?
おっちゃん、ゆうてなかったっけ。」

『もう!』



寂しいやん。

一言ゆうてよ。
 

⏰:09/03/23 19:27 📱:N703iD 🆔:7XQi.j2w


#218 [七瀬]
 
確かに私には関係ない。

関係ないけど、

わかってるけど、


一言ゆうてほしかった。



奥さんがいて、子供が生まれて…

やっぱり、
もう私の相手してくれへんのかな。
 
ただのガキんちょやもん。

⏰:09/03/23 19:31 📱:N703iD 🆔:7XQi.j2w


#219 [七瀬]
 
 
でも、やっぱり話したい。

一緒に笑いたい。


私は今まで以上に、話し掛けた。

あの人も、これまでと同じように話す。


少し安心する。

普通に話してくれる。

良かった。

⏰:09/03/23 19:34 📱:N703iD 🆔:7XQi.j2w


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