夏祭り、恋花火
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#285 [七瀬]
気が付けば、もう11時過ぎ。
祭が、ちょうど終わって…
潰し始めてるころかな。
携帯を開いてメールを打つ。
遊希には、
“さっきはメールありがとう。
明日も行かれへんけど、
すぐ退院出来るし、大丈夫や。”
:09/03/27 17:58 :N703iD :VBS6fHZc
#286 [七瀬]
あと麻友ちゃんにも。
“今日は、ありがとう。
明日も行かれへんから、お願いします。
金魚ばっか、さしてごめんなあ。”
奏には送らへんかった。
その代わりに電話してみる。
プルルルルル…
:09/03/27 18:02 :N703iD :VBS6fHZc
#287 [七瀬]
出ぇへん。
ため息をつきながら、携帯を閉じる。
もう、潰し終わって
大竹さんと遊希と一緒に
トラックで、帰っているはず。
なんで、出ぇへんねん。
やっぱ避けてんねや。
でもこんな時くらい、
怒っててもいいから声、聞きたかった。
:09/03/27 18:07 :N703iD :VBS6fHZc
#288 [七瀬]
プルルルルル…
「奏、携帯なってる。」
「ああ、まつりからや。」
「出ぇへんの?」
「うん。」
プルルルルル…プツッ
:09/03/27 18:12 :N703iD :VBS6fHZc
#289 [七瀬]
カシャ
「なんや、もう目、覚めたんか。」
『…遊希。
なにしてんのよ。』
「あーバレた?」
そう笑う遊希の手には携帯。
:09/03/27 18:27 :N703iD :VBS6fHZc
#290 [七瀬]
『…何が?』
嫌な予感がして、
遊希をジロリと睨む。
「まつりって寝顔の方が
かわいいな」
そう、携帯を見せてきた。
瞬間、私は遊希の手から携帯を奪っていた。
「ああっ!?なにすんねん!」
:09/03/27 18:31 :N703iD :VBS6fHZc
#291 [七瀬]
『“なにすんねん”は
こっちのセリフや!』
“カシャ”ってゆう音は
シャッター音やったんか!
まったく、油断も隙もないわ!!
ふぅー、
これで安心や。
“削除しました”
携帯を遊希に返す。
:09/03/27 18:35 :N703iD :VBS6fHZc
#292 [七瀬]
「せーっかく、
俺の新しい待ち受けにしよぉと思ったのに。」
『せんでええわ!』
「まあ、そうスネんなって。
体調はどうや?
って、今のお前見てたら、元気っぽいけど。」
『…めちゃめちゃ元気や。』
:09/03/27 18:53 :N703iD :VBS6fHZc
#293 [七瀬]
「“めちゃめちゃ元気や”って…
全然、元気ちゃうやん。
気のない声出して……」
『なあ、遊希!』
遊希の目を見る。
『…奏が電話に出てくれへん。
電話どころか、メールも返してくれへん。』
「まつり…」
:09/03/27 18:58 :N703iD :VBS6fHZc
#294 [七瀬]
目をそらす遊希。
「まつり、それは……」
『分かってる!
…私が裏切ったから。
私が悪いってゆうのも、分かってる。
でもっ!
…なんかもう嫌や。』
やば、泣きそう。
:09/03/27 19:02 :N703iD :VBS6fHZc
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