夏祭り、恋花火
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#301 [七瀬]
 
『遊希の言うてることは、分かってる。

そんな都合いいことアカンよな。』


「違う!
そんなんゆうてんのと、ちゃう!!」




コンコン

「神野さん?
入りますよー?」
 

⏰:09/03/27 19:36 📱:N703iD 🆔:VBS6fHZc


#302 [七瀬]
 
 
「じゃあ、もうそろそろ行くわ。
体調、崩さんようにな。」

『ありがとう。
遊希も頑張ってな、カステラ。』


「おう!」

そう笑った後、


「ほんまに、
もう奏には手ぇ、引きや。」

⏰:09/03/27 19:41 📱:N703iD 🆔:VBS6fHZc


#303 [七瀬]
また怖い目に戻って、病室を出ていった。


「気分はどうですか?」

お医者さんの質問に答えてる間にも、上の空。


“奏には手ぇ、引きや”

遊希の言葉がこだまする。


奏から手を引く?


そんなん嫌や。
 

⏰:09/03/27 19:46 📱:N703iD 🆔:VBS6fHZc


#304 [七瀬]
 
 
 
私には


もう奏のいない生活なんて考えられへんの。


せっかく、あの人が吹っ切れたのに、

今度は奏?


もう、あんな思いはしたない。
 
 

⏰:09/03/27 19:49 📱:N703iD 🆔:VBS6fHZc


#305 [七瀬]
 
 
 
「退院おめでとぉ!」


『ありがとう。
でもたかが熱中症で倒れて2日間、寝込んでただけやで?
大げさやわ。』


「何ゆうてんの。
はい、いっぱい食べ。
いっぱい食べて体力つけなさい。」

お母さんは、ステーキをテーブルに置いた。

⏰:09/03/27 21:07 📱:N703iD 🆔:VBS6fHZc


#306 [七瀬]
 
『おいひい〜。』

一口含むと、柔らかい舌触りと肉汁が広がった。


「そう、良かった。

まつり、ごめんな。
お母さん、気付いてあげられなくって。」


ステーキを飲み込んだ。

『ええよ。仕方ないやん。』
 

⏰:09/03/27 21:11 📱:N703iD 🆔:VBS6fHZc


#307 [七瀬]
 
それから
気持ち良くって、
ついお風呂に1時間以上、入ってしまった。

やっぱり我が家が一番。


自分の部屋に入る。

うわ〜、
めっちゃ久々やん!

部屋の中にある全てが、懐かしく感じた。
 
 
ふと見ると携帯が光ってるのが見えた。

⏰:09/03/27 21:16 📱:N703iD 🆔:VBS6fHZc


#308 [七瀬]
 
“退院おめでとう。”


ほんま遊希も大げさや。


“ありがとう!”

と送り返すと、


しばらくして遊希から電話。

『もしもーし。』


「まつり、退院おめでとう。」

⏰:09/03/27 21:19 📱:N703iD 🆔:VBS6fHZc


#309 [七瀬]
 
『遊希もお母さんも、おーげさや。』


「それだけ心配してんの。まつりのお母さんも、

俺もな。」


『…ありがと。』


「どーいたしまして。

それよりどう?
2日ぶりの我が家は。」
 

⏰:09/03/27 21:22 📱:N703iD 🆔:VBS6fHZc


#310 [七瀬]
『たった2日間おらんかっただけやのに、懐かしい。不思議な気持ちや。』


「そんなもんや。

それより、明後日。
明後日どう?」


『明後日?なんかあんの?祭はないやろ?』


「明後日、ヒマ?」
 

『ヒマってゆわれたら、
ヒマ…やけど。』
 

⏰:09/03/27 21:27 📱:N703iD 🆔:VBS6fHZc


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